エジプト

ルクソール → アブシンベル → アスワン



ルクソール → アスワン → アブシンベル → アスワン  アスワン泊

 早朝に起きてルクソールのナイル河の中洲のホテルの庭の散歩。朝焼けが綺麗。コテージの屋根にとまるグレーの身体と黒の頭と羽を持つ鳥は、泣き声から考えると”カラス”さんのはず。きっとカラスさんに違いない。確信。

 本日はアブシンベル観光。ルクソールから直接、アブシンベルへ飛ぶのではなく、アスワンを経由してアブシンベルへ。アブシンベル観光後、アスワンへ飛行機で戻る、1日のうちに3回のフライトをこなす強行軍。

 ルクソール空港でアスワンへの飛行機に搭乗して離陸を待つことしばし。出発時刻を過ぎても出発しない。ん?機内放送。どうも「搭乗者数よりも荷物の方が1個多いので、荷物を機外に出すので、搭乗者も全員、一旦飛行機を降りて、自分の荷物を指差し確認し、確認された荷物から機内に積むので、その荷物の旅客も飛行機に乗れ」ということらしい。

 飛行機から降ろされた。荷物も全部出てきた。自分の荷物を探す。あった。次なる行動を待っていると、どうも「全員、飛行機に乗れ」と言われたらしい。遅れていた搭乗者が1人来たので荷物と旅客数が一致したので、問題なしとなったらしい。遅れた人、この大騒ぎの様子を目の当たりにしてどう思ったのか訊いてみたい。

 機内に戻ってから程なくして離陸し、機内でブレックファースト弁当が配られてそれを食す。そうこうするうちに何事もなくアスワンに到着。
 スーツケースと貴重品以外の大きな手荷物はアスワンの空港から本日宿泊予定のホテルへ運んでくれるので、貴重品と観光に必要な手荷物だけを持って次のアブシンベル行きの飛行機に乗る。
 アスワン行きもアブシンベル行きも両方とも搭乗前にX線検査が2回がある、相変わらずのものものしさぶり。

 アブシンベル行きのフライト途中、神殿の上空に差しかかると、見える側に座っている旅客は食い入るように窓から下をのぞきこんでいた。私のところからは見られなかった。

アブシンベル大神殿

 アブシンベル行きの飛行機の搭乗客は全てアブシンベル観光の観光客。空港からエジプト航空のアブシンベル大神殿・小神殿行きのバスが仕立てられており、それに混乗して行く。このときは、確かに世界各国の観光客が入り混じり、ひしめきあっていた。

 バスは神殿が移設された山の反対側に到着。ここがターミナルになっており、トイレとお土産物屋さん多数がある。

アブシンベル大神殿内部
ヒッタイトとの「カディシュの戦い」の模様を描いた壁画

 石や岩がごろごろ転がる大地を神殿側に廻りこんで行くと、まずアブシンベル小神殿から目に飛び込んでくる。まだまだそこまではかなりの距離がある。廻り込みきり、左手を見上げるとアブシンベル大神殿がその巨大な姿を現す。

 広場の大神殿と小神殿の中央部分で双方を見ながらそれぞれの説明を受ける。ここではダム建造のために大神殿と小神殿がユネスコによって移設される様子が主に話された。

 太陽へ向い同じ角度で移設するその巨大プロジェクトをやりぬいた方々へ最大限の敬意と感謝を捧げる。
 とはいえ、移設前と後で至聖所のラムセス2世像に光が射し込む日が1日ずれてしまったのは、どういうこと?(笑)
 一通りの外観と全体の説明を受けてから内部見学。内部の壁画は大神殿はラムセス2世のための神殿なので、男性向きに雄雄しい感じが内部にも現れ、壁画なども3500年くらい前にヒッタイトと戦った「カディシュの戦い」を題材としてものなどが、見ることができた。

 大神殿内では立像が出迎えてくれる。これらの立像の奥に「カディシュの戦い」の壁画や他の小部屋への入り口があったりする。
 小部屋にもさまざまな壁画が彫られており見飽きることがない。小部屋は長身な方なら天井に手が届くくらいの大きさのもの。(私は届かなかった。)小部屋は更に照明が落としてあるので、じっくりゆっくり見学。小部屋から小部屋へ列柱室を通じて歩き廻った。何だか楽しい。(^^)v

 「カディシュの戦い」はヒッタイト側から描かれたコミック『天は赤い河のほとり』で読んでいたので、”エジプト側から表現するとこうなるのか”な感じ。この戦いの結果、ヒッタイトの王女がネフェルタリの没後のラムセス2世に王妃として嫁いでいるので、まぁ、エジプト側が優勢ということか。

アブシンベル大神殿内部
第1列柱室から奥を眺めたところ
最深部が至聖所


アブシンベル大神殿内部
至聖所

 至聖所の向って右から2番目の像がラムセス2世像。この像の頭に1年に2回。2月22日と10月22日。

2月22日はラムセス2世の戴冠式。
10月22日はラムセス2世の誕生日。

 そこまで徹底してるのは、さすがはファラオ。入り口から至聖所まで ↑ でご覧のとおりのそれなりの距離があるのにも関わらず、それを実現する技術もお見事!
 大神殿から外に出てふと気づくと、そこにいるのは日本人ばかり。日本人以外のほとんどの方々は既に空港に向われた模様。珍しい。ここでは日本人の方がのんびり過ごすらしい。(*^^*)
 アブシンベル小神殿はラムセス2世が王妃ネフェルタリのために作った神殿。とはいえ、6体の像のうち4体はラムセス2世なのが笑える。

 アブシンベル小神殿の内部の列柱室は柱に女性の顔が彫られていたり、全体的に女神や女性の壁画が多く、女性的に優しい感じ。

 神殿の鍵を持つとってもにこやかなヌビア人(この地方に住まわれる方々の人種)の管理人さんと一緒に記念写真。!(^^)!


アブシンベル小神殿

 小神殿の内部見学の後、フリータイム。再び小神殿の内部を見た後、大神殿にも戻り、内部をじっくり堪能。大神殿の前から前に広がる湖を眺めたりして、ゆったり気分。朝からの怒涛のフライトを忘れた一瞬。

 再集合してバスに乗り、アブシンベル空港へ。ここでも2回のX線検査。1回目のX線検査の待ち行列は空港外の日向に並ばされ、ふう暑暑。

 アブシンベル空港からアスワンへ向う飛行機はアスワン経由のカイロ行き。明日、また早朝に起きてカイロへのフライトがあるのかと思うと、アスワンで泊まらないでこのままカイロへ行きたいと心底思った。(@_@)

 アスワンのホテルはまたしてもナイル河の中洲で、しかも今日のホテルへは船で渡るのだ。のどか。部屋には防虫剤完備。そうか、そういうことか…。



イシス神殿


イシス神殿
 夕食後、希望者のみが実費でフィラエ島へ、こちらもダム建設時に移築されたイシス神殿の光と音のショーを見に行く。
 今回はツアーのメンバーのうちお一方を除いて全員参加。

 日本人がいわゆる”光の音のショー”に抱くイメージとはかけ離れていて、レーザー光線とか飛び交うのかと思ってたら男神と女神の声のドラマに合わせて照明が変わり神殿が浮かび上がり、ときおり効果音が入る朗読劇(?)

 しかも日本語はなく、見学したのは英語バージョン。
イシス女神は英語だとアイシスなんですね〜。妙に感動。(笑)

 イシス神殿のライトアップを見たと思えばよいのか。(笑)

 これで本日の予定は全て終了。初めての1日3フライト体験でバテバテ。明日も早朝からカイロへのフライトが待っている。がんばれ!胃!!