アンコール遺跡旅行記
2024年12月

シェムリアップ(アンコール・ワット(2))


アンコール・ワット


 「ラーマーヤナ」のレリーフを見た後、ヴィシュヌ神のレリーフまで見学して、そこから引き返し、十字回廊→に入ります。
アンコール・ワット
十字回廊

 十字回廊は通路が十字に交差して、4つの沐浴池の跡があります。この沐浴池で参拝者は身を清めたといわれているそうです。

アンコール・ワット
十字回廊 デバター

 十字回廊には、美しきデバターさん方の美の競演が、あちこちで繰り広げられています。
 デバターは、顔や胸がピカピカなものが多いです。

 十字回廊にも若干暗めで、アップダウンのある箇所があります。数段の段差の繰り返しで、ボディーブローのように同行者さんと私のふくらはぎはダメージを受けました。

アンコール・ワット
十字回廊

 十字回廊には、部分的に彩色が残っている部分があり、そこから、往時の華やかさの一端が垣間見られます。

 花のような文様もあり、可愛らしさも添えられているかのようです。

 十字回廊には、ほぼ全ての日本人観光客がガイドさんに案内されるであろう有名な落書きがあります↓。

ンコール・ワット
十字回廊


ンコール・ワット
十字回廊 森本右近太夫の落書き

 江戸時代の始めにアンコール・ワットを訪れた森本右近太夫の落書きです。この落書きと共に、「森本右近太夫は、アンコール・ワットをインドの祇園精舎と勘違いした」と説明されます。

 自分の勘違いを400年以上も後世の日本人に語り継がれる森本右近太夫は、草葉の陰でどう思っているのでしょうか。
 アンコール・ワットを訪れた皆さんの旅行記や、ガイドブックで、この森本右近太夫の落書きの写真を見ていて、どれが落書き部分かよく分からなかったのですが、アンコール・ワットに実際に行き、実物を目にすると、一目瞭然で落書き部分が分かりました。縦書きの細かい文字部分が落書きです。
 森本右近太夫の落書きを見学し終えたところで、十字回廊の見学も終了。

 十字回廊から第二回廊の内側に入ります。

 第二回廊の内側には、第三回廊がそびえ立っています。私たちのツアーでは、残念ながら第三回廊の見学はなし。第二回廊の内側から第三回廊の周囲を歩いて眺めます。

アンコール・ワット
第三回廊


アンコール・ワット
第二回廊 外壁(第三回廊側)

 第二回廊の外壁の第三回廊側には、たくさんのデバターの見事なレリーフが並んでいます。こんなに壁一面、ではなく、壁二面以上続くデバターさん方に大喜びです。
 アンコール・ワットには、「第三回廊へ12か所の階段があるが、そのうち11か所は見せかけの階段で、本当に上ぼれるのは1か所だけ。」(byガイドさん)だそうです。

 新しい階段ができるまで、ここに木製階段がかけられていて使われていましたが、私たちが行ったちょっと前に、新しく造られた階段の運用が始まり、この場所にあった木製の階段は撤去されたとのことです。

アンコール・ワット
第三回廊


アンコール・ワット
第二回廊 外壁(第三回廊側)

 この辺りで、ガイドさんから「少し休憩して水分補給しましょう」との声がかかり、持参している水(ミネラルウォーター)でノドを潤しました。

 ←かなり、しっかりとレリーフが残っている綺麗なデバターさん方
 最近、運用が開始された階段を上って第三回廊へ行く観光客の方々→。かなりの急勾配。上りよりも下りが絶対に怖いヤツです。

 第三回廊の見学はツアーでの見学には入っていませんが、実第三回廊付近でフリータイムになって「行きたい方は自己責任で」と言われることを心密かに期待していました。

 しかしながら、現実はそんな甘いことはなく、急な階段を見上げて写真を撮るのみ。

アンコール・ワット
第三回廊


アンコール・ワット
第三回廊

 ここは、確か、先代の木製階段が出来るまで手すり頼りで上り下りしていた階段で、ガイドさん曰く「超大変だった。」と言っていた階段だったはず。

 ガイドさん、第三回廊を案内するツアーを担当すると、以前は、相当、艱難辛苦があったみたいです。
 第二回廊の内側を第三回廊に沿って4分の3周くらいしたところで第二回廊の外側に出ます。

 階段を下りたところで第二回廊を振り返って、第二回廊越しに第三回廊に別れを告げます。

 そして、再び、第一回廊のレリーフの見学。

アンコール・ワット
第二回廊


アンコール・ワット
第一回廊 天国と地獄


アンコール・ワット
第一回廊 天国と地獄


アンコール・ワット
第一回廊 天国と地獄

 「天国と地獄」のレリーフでは、死者が順番に閻魔大王様の審判を受けます。右上のレリーフの中央にいらっしゃる閻魔様↑。閻魔様は、18本の手に剣を持ち、水牛に乗っています。
 閻魔様から、地獄行きの審判が下ると地獄に落とされ←、地獄では、針千本の刑→など、様々な責め苦が待っているというお話です。

 何だかとっても聞き覚えのあるストーリー(笑)。

アンコール・ワット
第一回廊 天国と地獄

 「天国と地獄」の見学後、遂に!いよいよ!「乳海攪拌」のレリーフの見学。

アンコール・ワット
第一回廊 乳海攪拌


アンコール・ワット
第一回廊 乳海攪拌

 アンコール・トムの南大門でも見た「乳海攪拌」。

 アンコール・ワットの「乳海攪拌」のレリーフではヴィシュヌ神の乗った大亀→をアシュラと神々が、左右から1000年以上引き合って、不老不死の薬ができたという話しが描かれています。不老不死の薬は出来たサイドが手に入れると約束して攪拌を始め、アシュラ側に薬が出来たのにも関わらず神々が手に薬を手に入れて、結局、神々が不老不死になったそうです。神さま方、少々…。

 17時、第一回廊のレリーフ見学終了。同時にアンコール・ワット見学も終了です。

アンコール・ワット
第一回廊 乳海攪拌


アンコール・ワット

 アンコール・ワットの裏参道を通り、ときどきアンコール・ワットを振り返っては名残を惜しみます。

 裏参道は、通る観光客が少なくて、いい感じに歩けます。

アンコール・ワット

 修復中の東塔門からアンコール・ワットの外に出ると、私たちを待っていてくれたのは、何と!小型バスでした。
アンコール・ワット
東塔門


小型バス


 小型バスに乗車するのは、午前中で終わりだと思っていたので、これには驚きました。
 17時06分、小型バス乗車・出発。

スラ・スラン

 17時15分から17時37分、スラ・スランで夕日鑑賞。

 スラ・スランは王の沐浴場で、池はサテライトが敷き詰められているとのことです。

 バス降車時にガイドさんから「絶対に、物売りから物を買わないでください。1人が買うとバスの中まで入ってきます」と、厳重に注意されました。
 スラ・スランの遺跡から夕日鑑賞をするのかと思っていたら、道路脇からスラ・スランの水辺に下りたところでの夕日鑑賞でした。

 最初に、ガイドさんに夕陽をバックにした記念写真を個々に撮ってもらってからは解散。集合時間まで、思い思いの場所で夕日を楽しみます。

スラ・スラン


スラ・スラン

 腰かけやすい石に腰かけて、刻々と移り変わる夕日を眺めます。

 この日一日、アンコール・トム、タ・プローム、アンコール・ワットと怒涛の見学をして、初めてゆっくりと落ち着いた時間になりました。

 同行者さんともども、「今日一日の情報量が多すぎて処理しきれない」と言っていたので、このようなゆったりとした時間を持てて有難かったです。

 ←夕日が後光のような形状になっているのが面白いです☆
 17時38分、小型バス乗車・出発。

 17時47分、小型バスから大型バスへ乗換え・出発。この乗換えは、驚きを通り越して、どうゆうこと?状態でした。

 この大型バスに乗り換えた後、雨粒がバスの車窓にあたりだし、ガイドさんは「この時期に雨です。乾季には雨が降らないのに。」と驚きの声を上げていました。
 一応、シェムリアップの年間の気候を見たときに、12月は確か7mmくらいの降水量があると見ていたため、多少はパラパラ降る時間もあるのかと思っていたので、ガイドさんの驚き様が、逆にビックリでした。