第4話『逆転を継ぐ者』探偵パート2日目(その2)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
絵瀬 まこと…黄緑
絵瀬 土武六…灰
或真敷 バラン…薄橙
葉見垣 正太郎…橙
或真敷 ザック…青
糸鋸 圭介…黄土
原灰…黄
ラミロア…藤
牙琉 霧人…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(「魔術師の”消失”」を聞く)
原: あれは、午後2時ごろ。
急に法廷内が騒がしくなって。
ナニゴトかと
ドアを開けようとしたところ‥‥
バン! といきなりドアが開いて、
目の前に、オッサンのカオが!
成: つまり、あなたのほうに
アヤシイ人影が逃げてきた、と。
原: 本官、いやしくも。法廷係官の
ハシクレでありますからして‥‥
ろうかを逃げていくシルクハットを
追いかけたわけであります!
成: ここに、裁判所の上面図が
あるんですけど、これで言うと‥‥
原: ここが、第7法廷であります。
本官はここで待機しておりました!
ひとりぼっちで!
友もおらずッ!
成: なるほど‥‥そこに、
或真敷 ザック氏が逃げてきた、と。
原: カレはこう、カドを曲がってヒラと
逃げていきました。
本官は、とっさに。
パッとこう、
追いかけたのであります!
カドを曲がったとき‥‥
あの魔術師が、被告人の控え室に
逃げこむところが見えました。
だからして、本官も。
その背中を追って、
そこに飛び込んだのであります!
そう! 忘れもしない、
この第2控え室でありますッ!
成: この部屋、だったんですか‥‥
(たしかに、どこにも
隠れられる場所はないな‥‥)
原: 本官‥‥その。
信じられませんでしたッ!
この部屋で、ヤツは! 魔術師は!
ケムリのように消えたであります!
いや! いっそ、ケムリすら残さず、
消えっちまったでありますッ!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そんなバカな。
原: あッ! それ! 今のそれ!
その、それ! 何気ないヒトコト!
本官が、そのヒトコトに
どれだけ苦しんできたか‥‥
‥‥ショージキ。
やるせないでありますゥゥゥゥッ!
成: す、すみません!
もう言いませんから。
でも。人間が”消える”
なんて、あり得ませんよ。
この控え室、よく探したんですか?
原: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
さ。探しましたとも。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(なんだ? 今の”間”は)
原: な。な。な。なんでもあ。
あ。あ。あ。ありませんであります。
ええ、そう! 本官。
ありませんでありましたともッ!
成: (原灰さん‥‥なにか、
隠している気がするぞ‥‥)

(「消失の”カラクリ”」を聞く)
成: ザックさんが、
この部屋で”消失”した‥‥
原: マチガイありません!
本官。この目でたしかにッ!
赤いシルクハットに
マントのオトコが‥‥
この部屋に
逃げこんだのであります!
成: (シルクハットに、マント‥‥
たしかに、ザックさんだよな)
原: そして、ごらんのとおり!
この部屋に、隠れる場所は
ないのであります!
あのときの本官は。本官は‥‥
もう、トホーに暮れるしか本官は。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
もしかして。
”今”は、
そうじゃないのでは‥‥?
原: 本官ッ!
ど。ど、ど。どーいうイミで
ありますかッ! それ本官ッ!
成: ”あのとき”から、ずいぶん時間が
たっていますからね。
なにか、思い当たることが
あるかもしれない、と思ったんです。
魔術師が消えた‥‥
その”カラクリ”について、ね。
原: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

(サイコ・ロック 錠2つ)
成: (やっぱり、来たか‥‥
サイコ・ロック!
ぼくが、ある事情で
手に入れた<<勾玉>>‥‥
コイツは、ヒトの心を閉ざして
いる<<錠>>を見せてくれる。
錠を”解除”すれば、
閉ざされた心に秘められた‥‥
”ヒミツ”を
知ることができる。
そう。すべては
<<勾玉>>から始まり‥‥
そして、終わる‥‥!)

(勾玉をつきつける)

(消失の”カラクリ”)
成: ‥‥それでは、原灰さん。
聞かせていただきましょうか。
あなたの”ヒミツ”を‥‥
原: ‥‥な。な。な。‥‥く。く。く。
なんですかッ! この空気はッ!
成: あなたは、何か。
心当たりがあるんですね?
或真敷 ザックさんが‥‥
”どうやって消えたか?”
原: い。い。イエッ。本官その。
そんなコトはマッタクこれ本官ッ!
成: それならば、なぜ。
そんなに動揺してるんですか?
原: それは本官、その。あのとき、
この場所で、あの。それは‥‥
とにかくッ!
あり得ないのでありますッ!
あんな小さな子に、
ナニができるのでありますかッ!
成: ‥‥なんですって?
今、なんて言いました?
原: ‥‥えッ!
本官。ナニか言ったでありますか!
成: メガホンで叫んでおいて、
”ナニか”もないでしょう。
‥‥この部屋。
”誰か”いたんですね?
原: 本官‥‥それについては、その。
”もこひけん”を使うというコトに。
成: (黙秘するまでもない。
ザックさんの”共犯者”‥‥)
あの日、この部屋にいた”人物”
‥‥ぼくには、わかっています。

(「奈々伏 みぬき」を選択)
原: コレ本官コレ本官コレ本官コレ本官
ンンンンンンンンンンンンンンッ!
見たコトありませんであります。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
いやいや。ムリがあるでしょう、
さすがにそれは。
原: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥本官ッ!

(錠1つ解除)
原: あの日、本官。
見たであります‥‥その女の子を。
しかしッ!
成: な。なんですか?
原: さすがに、その。‥‥見まちがえる
のは、不可能であります。
小さなその女の子と、
身の丈2メートルもある魔術師を!
成: (そんなにデカかったっけ。
ザックさん‥‥)
たしかに‥‥
小さい女の子と或真敷 ザックを
見まちがえることはないでしょう。
もし。見まちがえるとしたら‥‥
そこには何か”カラクリ”が
あったはずです。
‥‥どうやら、あなたには
心当たりがあるようですね。
この女の子が使った
”カラクリ”に‥‥!

(「ぼうしクン」を選択)
原: そ。そ。そ。そ。そ。そ。そ。そ。
そ。そ。そ。そ。そ。そ。そ。そ。
そ。そ。そ。そ。そ。そ。そ。そ。
そ。そ。そ。そ。そ。そ。それは?
成: <<ぼうしクン>>です。
あの少女の”得意芸”で‥‥
この近くの<<ビビルバー>>
という店で見られます。
原: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: <<ビビルバー>>へ行ったことは?
原: ‥‥‥‥‥‥‥‥
やっぱり。
アレは、ユメじゃなかったので
ありましたのでありますね?
成: な。なんですか‥‥?
原: あの夜。ステージで見たのは、
マボロシなんかじゃなかった‥‥
<<ぼうしクン>>は‥‥
<<ぼうしクン>>は、
ホントにいたのでありますねッ!

(解除成功)

(「消失の”カラクリ”」を聞く)
原: 今でも、なんとなく
よくおぼえているであります。
或真敷 ザックが
法廷から逃げ出して‥‥
本官は、それをツイセキ、カドの
部屋に追い詰めたであります!

原: 『或真敷 ザック!
本官から逃げられると思うなッ!
床にハラバイになり、
手をアタマの上に置きなさいいッ!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥あ、アレ?』
み: 『どうしたの? おじちゃん。』
原: 『あ‥‥イヤ。その。
本官。その。”ハンニン”を
ツイセキ中なのであります!
或真敷 ザック‥‥
見たコトあるでありますか?』
み: 『うん! みぬき、大好き!
大魔術、スゴいよねー!
みぬき、大ファンなんだよ!』
原: 『ナルホド‥‥それで、そんな
カッコをしてるのでありますね。
とにかくッ! そのザックさん。
この部屋に来たハズでありますッ!』
み: 『えー。でも、ここにはずっと、
みぬきしかいなかったけどなあ。』
原: 『そ。そんなバカなッ!
ソファの下は! ゴミ箱の中は!
絵のウラは! ジュータンの下は!』

成: やっぱり‥‥みぬきちゃんが
”共犯者”だったんですね。
原: ‥‥信じられなかったであります。
あの事件から、1週間後。
なにげなく立ち寄った
バーで、アレを見たのであります。
成: <<ぼうしクン>>‥‥ですか。
原: 自分の目が‥‥
信じられなかったであります。
”長い長いユメを見ているのだ”
今の今まで、そう思っていたのに。
成: (それは長すぎるだろう)
原: 消えたのは<<魔術師>>じゃない。
<<ぼうしクン>>だったのですね‥‥
うううう‥‥‥

(「”カラクリ”の消失」を聞く)
成: あの日、本当に起こったことは
‥‥シンプルだったんですね。
あなたがドアの前に立っていて、
そこへザックさんが、逃げてきた。
‥‥しかし。それだけじゃ
なかったんですね。
もうひとり、登場人物がいた。
そう‥‥第2控え室のドアの前に。
<<ぼうしクン>>といっしょに‥‥
原: そこが”ミソ”だったので
ありますからしてねえ‥‥
成: ‥‥さて。
あなたがまごまごしている間に
ろうかを曲がった魔術師は‥‥
イチバン近いドアから、こっちの
部屋に逃げ込んだのでしょう。
‥‥そして、原灰さん。
あなたが、ろうかのカドを
曲がった、その”瞬間”。
みぬきちゃんは、第2控え室に
逃げこんだ‥‥
‥‥そして、ただ<<ぼうしクン>>を
引っこめるだけでよかったんです。
原: たしかに本官‥‥その。
ろうかを曲がったとき、
ほんの一瞬しか、見てなかった‥‥
或真敷 ザックの、
あの赤いひらひらマントをッ!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥感激でありますッ!
本官の、ギモンとハンモンと
ジモンとクモンの日々が、ついに!
でろんでろんにトロけていく
のが、見えるでありますッ!
道ばたに捨てられた
アイスクリームのようにッ!
食べ散らかされて残された
チョコレートパフェのようにッ!
成: (イメージがビミョーに
もの悲しいな‥‥)
‥‥申しわけありませんでした。
まさか、あの事件のせいで‥‥
あなたに、こんなメイワクを
かけていたとは。
原: こ‥‥‥‥‥‥‥
光栄でありますッ!
ほ、本官ッ! その。
ヒトにあやまることは、数あれど。
あやまってもらったの、初体験で
ありますからしてコレェェェッ!
成: じつは、今。
ぼくが、あの子のホゴシャ
なんですよ。だから‥‥
原: そう、だったのでありますか。
‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
本官! ベツにコレ、
ウラんでなど、いませんからして!
成:え‥‥‥
原: 被告人を取り逃がしたのは、
ジジツでありますから!
コレもまた、警察官に復帰する
ための、大いなるイッポであると!
本官の目標は、あのイノコリ刑事殿
でありますからしてェェェッ!
成: ‥‥ええと、原灰さん。
これ。<<ビビルバー>>
マジックショーのタダ券です。
よかったら‥‥
原: こ‥‥‥‥‥‥‥
光栄でありますッ!
ほ、本官ッ! その。
モノを取られたことは、数あれど。
めぐんでもらったの、初体験で
ありますからしてコレェェェッ!
それではッ! 次こそは、
法廷でお会いしましょうッ!
成: ‥‥そうですね。
楽しみにしていますよ。

成: 裁判所内の”謎の消失”に注目を
集めて、魔術師はその姿を消した。
その”謎”が、こうして姿を
消しても‥‥魔術師は現れなかった。
ぼくがふたたび魔術師に会ったのは、
それから7年後のことだった‥‥

(「現代・ロシア料理店ボルハチ」に移動する)


現代
ロシア料理店 ボルハチ

霧: ‥‥さてと。それでは、そろそろ
シツレイさせてもらいます。
シゴトが残っているのでね。
成: ‥‥やれやれ。じゃあ、
ぼくもピアノに戻るとするか。
霧: 正直なトコロ。
きみが休んでいるほうが‥‥
店内のフンイキが
なごやかな気がするのですがね。
‥‥それでは、また。
成: (やれやれ‥‥
あと2時間、か‥‥
ダレか”お客さん”でも
来てくれないかな‥‥)
?: ‥‥シツレイ。
ちょっと、いいかい。
成: ‥‥ああ、スミマセンね。
ピアノなら、これから弾きますよ。
リクエストには
こたえられないけど。
?: 私が用のあるのは、
ピアノ弾きじゃアないんだ。
そう‥‥カードを弾く
”プレイヤー”のほうでね。
成: ああ‥‥そっち、ですか。
ぼくもね。お客さんを
待っていたトコロなんですよ。
?: ‥‥ウワサは本当だったか。
<<ホンモノのゲームが楽しみ
たかったら、ボルハチへ行け>>
成: ‥‥ところで、そちらは?
お連れさん、ですか?
?: あ。ワタシ。なんというか、
ケチなニュース屋、ってゆう!
?: ‥‥ああ。
彼はゲームには参加しない。
用が済んだら、帰らせるのでね。
気にしないでくれ。
2人だけの、真剣勝負だ。
‥‥よろしくたのむよ。

成: 成歩堂芸能事務所、
ナンバー2のタレント‥‥
いちおう”ピアノ弾き”って
コトになっている。
でも、そのウラに隠れた
<<もうひとつのカオ>>‥‥
それが”ポーカーゲーム”の
プレイヤーだ。
キッカケがなんだったかは
忘れてしまった‥‥しかし。
『あの店には、
最強のプレイヤーがいる。
ダレも勝ったことが
ないみたいだ』
ウワサがウワサを呼んで‥‥
<<もうひとつのカオ>>を
おがみに来る連中が増えた。
ここは、レストランだ。
カネが動くような
ゲームなんか、していない。
ただ‥‥モノ好きな連中ってのは、
カネを持ってるってのが相場だ。
そうなれば、店のオヤジにとっても
悪くないハナシ、ってワケだ。

成: じゃあ‥‥勝負、といきましょうか。
そのための部屋がありますから。
?: <<ナラズモの間>>かい。
‥‥ちょっと、その前に。いいかな。
成: ‥‥なんですか?
?: 自己紹介をしておこう。
私の名は‥‥浦伏 影郎。
葉: あ。ちなみに。ワタシ、ハミガキと
申しますニュース屋で!
成: ああ、ぼくは‥‥
?: おい。シツレイじゃないか?
‥‥成歩堂 龍一くん。
成:え‥‥?
?: 自己紹介ってのは、
相手の目を見てするモンだ。
‥‥私がダレだか、
わからないのかね?
成: どこかで、お会いしたことが‥‥
(‥‥あっ!)

ザ: 『今日。この場で‥‥
キミたちは、この私に
<<有罪判決>>を下すコトはできない』
裁: 『ど。どういうことですかな?』
ザ: 『そいつは‥‥‥‥‥‥
こういうことさ!』
成: 『な‥‥奈々伏さんッ!』
牙: 『被告人が逃げたッ!
追うんだ! 早くッ!』
裁: 『係官! すべての出入り口を
封鎖するのですッ!』

(ざわめきが起こる)
裁: 『大至急! ゼッタイに
逃がしてはなりませんッ!』

成: ま‥‥まさか‥‥そんな!
あ。あなたは‥‥
或真敷 ザック‥‥!
ザ: ‥‥本当に、ザンネンなコトだよ、
成歩堂くん。
この、世紀の<<蘇生>>大魔術の
観客が、たったひとり。
きみだけ、なんてねえ‥‥
成: (ワルい夢を見ている気分だ‥‥
或真敷 ザック!
あるイミ、ぼくの人生を
大きく狂わせたオトコ‥‥)
ザ: おい、そこのキミ!
雅: ‥‥は。はい。
ザ: これから、ゲームを始めたい。
準備してくれないかね。
雅: で。では‥‥<<ナラズモの間>>を
ご用意いたしますね。
成: 本当に‥‥あの。
或真敷 ザックさん‥‥ですか?
ザ: 今は<<浦伏 影郎>>だ。
そっちでたのむよ。
成: ‥‥あれから何年たちますか。
6年、かな。
ザ: あと3日で、
まるまる7年になる。
‥‥キミには
メイワクをかけたな。
成: ああ‥‥そうですね。
ザ: その‥‥元気かな?
ええと。みぬきは。
成: 元気ですよ。
モウシワケないですけど、
もう働いてもらってます。
ザ: 感謝しているんだ。
言うまでもないがね。
‥‥だから。
もう一度だけ、会いに来た。
カードの決着もつけたいし、な。
成: ポーカー、ですか?
(この”目”‥‥本気だぞ‥‥)
ザ: 私は、”負ける”のが
何よりもキライなのだよ。
どんな手を使ってでも、
キミには”勝って”おきたいのだ。
成: (やれやれ‥‥
”勝負”への、異常なこだわり。
キケンなオトコだ‥‥コイツは)
ザ: ‥‥どうやら。
勝負に入る前に、
つもる話がありそうだな。
成: ‥‥おたがいに、ね。

(「”勝負”のイミ」を聞く)
成: 7年前の、あの日も‥‥
勝負しましたね。
ザ: ああ。‥‥キミも
さぞかし、おどろいただろう。
‥‥いきなり、留置所に
呼び出されて‥‥


‥‥‥2枚。

‥‥‥1枚。

‥‥‥ショーダウンだ。
負けた‥‥か。この私が。

たかが、ポーカーですよ。

長い間このゲームをしているが‥‥
私が負けたのは、これで2人目だ。

‥‥1人目は?

‥‥私が”殺した”男だよ。
もちろん、ね‥‥

成: ‥‥ポーカーで弁護士を
雇うんですね、あなたは。
ザ: 雇うこともあれば、クビにも
するコトだってあるさ。
真剣勝負の場では、その人間の
”本性”が見える。
言ってるイミはわかるだろう?
‥‥キミならば、な。
成: ‥‥みぬきちゃんの
”チカラ”ですか‥‥
ザ: あの子は”別格”だ。
成: (この7年‥‥
ぼくは、この<<ボルハチ>>で
負けを知らない。
それは、
大勝負のときはいつも‥‥
あの子がいて、”サイン”を
送ってくれるからだ)
み: 『‥‥パパ。あの人、
強い手が入ってるよ。』
『‥‥今なら、行けるカモ。
早いうちに勝負したほうがいいよ。』
成: あの”チカラ”‥‥
いったい、なんですか?
ザ: ヒトの反応から、考えを”読む”
のは、大魔術のキホンだ。
しかし。みぬきたちの”それ”は、
アキラカに別のモノだ。
成: ‥‥どういうことですか?
ザ: 前に話しただろう。
私が”負けた”相手のコトだ。
成: 或真敷 天斎‥‥
ザ: あのとき、私も知った。
キミの言う”チカラ”をね。
成: あなたの口調では‥‥
”血筋”に、そんなチカラが
あるように聞こえますね。
‥‥”或真敷”の。
ザ: ”血筋”‥‥‥

(サイコ・ロック 錠3つ)
ザ: 悪いが‥‥そいつは、
事件とはカンケイない。
今のキミには、必要のない情報さ。
成: (‥‥”或真敷の秘密”って
ワケか‥‥)

(「みぬきのこと」を聞く)
ザ: あれも、今年で
15才になるのかな。
成: あいかわらず、あなたを
目指してがんばってますよ。
ザ: そう、か‥‥
姿を消すことを考えたとき。
あの子だけが気がかりだった。
成: じゃあ‥‥最初から
”消える”つもりだったんですか?
ザ: キミには、すまないコトをした。
しかし‥‥
あの日、有罪になるワケには
いかなかったのだ。
コイツがあったから、な。
成: これは‥‥?
ザ: <<権利譲渡書類>>‥‥
そこに、サインがあるだろう?
成: ケンリ‥‥ジョウト‥‥?
これは<<或真敷 天斎>>の
サインですね。
『私の所有する大魔術の仕組み・
演出・上演権のすべてを‥‥
以下の者にゆずるものとする』
受取人の名前は‥‥
<<或真敷 ザック>>
ザ: まあ‥‥私、ということだな。
成: このページ。もしかして‥‥
ザ: そうだ。あの<<手記>>を
おぼえているだろう?

成: 『この手記を、よく見てください。
‥‥アキラカに、ページを
破り取られた跡があります。
‥‥そして、ここに。
その”破り取られた”と思われる
1ページがあります。』
裁: 『ちょ。ちょっと!
それ、見せてください!』

成: ‥‥忘れるはず、ないでしょう。
あの紙キレのおかげで、
ぼくはバッジを失ったんですからね。
ザ: ここにあるのが、その破られた
ページの”ホンモノ”だ。
あの晩。私が天斎から受け取った。
成: ‥‥できれば、7年前に
教えてもらいたかったですね。
ザ: ‥‥モウシワケなかった。
あのときは‥‥法廷から姿を消す
だけで手いっぱいだったのだ。


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