第4話『逆転を継ぐ者』探偵パート2日目(その3)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
絵瀬 まこと…黄緑
絵瀬 土武六…灰
或真敷 バラン…薄橙
葉見垣 正太郎…橙
或真敷 ザック…青
糸鋸 圭介…黄土
原灰…黄
ラミロア…藤
牙琉 霧人…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(「上演権利譲渡書類」を聞く)
ザ: 或真敷 天斎の大魔術は、芸術だ。
その仕掛けは厳重に管理されている。
この書類を持つ者は、
彼の芸を継承して‥‥
ステージで
上演することができる。
成: (まあ。”弟子”にとっては
ダイジなものなんだろうな‥‥)
ザ: 私は、彼の芸を受け継いだ者として、
それを、正統な人間に残したかった。
成: ”正統な”‥‥?
ザ: もう、わかっているだろう。
私の決めた後継者は‥‥
成: むすめさん、ですか。
ザ: 私が、こうしてキケンを犯して
カオを出したのは、そのためだ。
‥‥ハミガキくん。
葉: はッ! コレ、ですね?
成: それは‥‥?
ザ: 私が受け継いだ<<権利>>を
みぬきに譲渡する書類だ。
ここに署名してくれないか。
証人として、ね。
成: で、でも‥‥
ぼくはもう、弁護士じゃない。
それに。公証人の資格を持った
人間がいないと‥‥
葉: あ。ワタシ。こう見えて、
公証人の資格、持ってますから。
成: あなたが‥‥?
葉: あるときは、公証人の
メガネをかけた、ニュース屋。
あるときは、ニュース屋の
メガネをかけた、公証人。
そのメガネをハズすと‥‥
人生よく見えない、ってゆう。
ザ: さあ、署名をたのむよ。
ここへきた、第一の目的なのだ。

<<上演権利譲渡書類>>のデータを
法廷記録にファイルした。
成: なるほど‥‥やっと、
わかりましたよ。
あなたがなぜ、今になって。
姿を現したのか‥‥
あれから”7年”‥‥
そういうことですね?
ザ: ‥‥そういうことだ。

(「7年の真意」を聞く)
成: ‥‥こんな法律があります。
<<行方不明になった者は、満7年を
もって”死者”として扱う>>
‥‥つまり。
世間から姿を消して7年たつと‥‥
その人物の”生者”としての権利は、
すべて失われてしまうんです。
‥‥もちろん、その”財産”もね。
ザ: そのとおりだ。
だからこそ、私はこうして‥‥
書類を作るため、世間に
カオを出すしかなかった。
”満7年”が過ぎてしまう前に。
‥‥いわば、これは。
私の”遺産相続”だな。
成: でも。書類がなくても‥‥
財産なら自動的に、みぬきちゃんに
相続されるのでは‥‥?
ザ: ‥‥そうはいかないのだ。
この場合は、な。
成: ”この場合”‥‥?
ザ: たしかに私は、或真敷 天斎から
こうして”上演権”を譲渡された。
しかし。それは、誰も知らない
”密室”で行われた。
天斎の生前、後継者として名前が
挙がっていたのは、ふたりだった。
私‥‥或真敷 ザック、
そして、或真敷 バランだ。
‥‥むすめの名はなかった。
成: ‥‥なるほど。
だから、この書類を‥‥
ザ: ハミガキくんは、姿を消す前からの
つきあいで、信頼できる男だ。
つまり。私が”生き返った”コトを
知る人間は、3人しかいない。
成: ‥‥みぬきちゃんのコト、
調べてみました。
どうも、あなたの他に身寄りがない、
ということでしたけど。
ザ: ‥‥ああ。そのとおりだ。
‥‥‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
(ふつう、この流れなら‥‥
”母親”について話してくれる
のが当然、だと思うけど‥‥)
ザ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (気になるな。みぬきの
”母親”‥‥か‥‥)

(「みぬきのロケット」をつきつける)
成: この方が、みぬきちゃんの
おかあさん、ですね?
ザ: ‥‥‥!
どうして、これを‥‥
成: みぬきちゃんに
見せてもらいました。
あの子は”いなくなった”と
言ってましたけど‥‥
ザ: ‥‥ならば、そうなんだろう。
成:え。
ザ: ”いなくなった”‥‥そのとおり。
それ以上、話すことはない。
成: (なぜ、話してくれない‥‥)
葉: あ。ワタシ!
聞いたコトありますよ!
成: うわッ! あなた、
まだいたんですか!
葉: ワタシの取材によると。
みぬきさんのママは、その。
或真敷 天斎の
ひとりムスメだった、ってゆう。
成: な。なんですって!
そうなんですか、ザックさん‥‥
ザ: ハミガキッ! よけいなコトをッ!
葉: ふぎゃあああああああッ!
え。え。なんですか。
ワルモノですか、ワタシ‥‥
成: (パンチされた‥‥)
ザ: ‥‥とにかく、成歩堂くん。
この話は終わりだ。
成: (‥‥”或真敷 優海”には、
何か、大きなヒミツがある。
もっと、証拠を集める必要が
あるみたいだな)
ザ: ‥‥さて。前置きが
長くなってしまったね。
そろそろ始めようか。
私の生涯”最後の勝負”をね。
成: 最後の‥‥?
ザ: 私は今日、この書類を作るため
だけに、世間にカオを出した。
用がすんだら、また。
地下にもぐるつもりだ。
成: ‥‥ムスメさんには
会わないんですか?
ザ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
会わないほうがいいだろう。
‥‥7年前。
私は、キミに負けた。
私は”負け”は許せないタチでね。
”負け”は、天斎ひとりでいい。
聞くところによると、キミは
”無敗”のプレイヤーだとか。
成: ‥‥くだらないウワサですよ。
ザ: <<無敗>>など、あり得んのだよ。
何か”シカケ”がないかぎりは。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ザ: 魔術師を名乗る者として、
どうしてもユルせないんだ。
弁護士クンふぜいが、ちゃちな
イタズラをしていると思うとね。
成: やれやれ‥‥ぼくは、あなたの
書類にサインしたんですよ?
ザ: そいつは、ベツの話だ。
最後の勝負‥‥なんとしても、
キミの<<無敗伝説>>に風穴を開ける。
それが、私の最後のショーだ。
カクゴすることだ。
成: (やれやれ‥‥ヤッパリ、本気だ。
ヤッカイな男だな)
ザ: ‥‥ハミガキ。
キミはもう、帰っていいぞ。
葉: あ。その。セッカクですから!
世紀の大勝負を、スクープ‥‥
ザ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥まだ、パンチが足りないか?
葉: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥あ。
ワタシ、急用を思い出しました!
それでは、みなさん。
またお会いしましょうッ!
ザ: ‥‥それじゃ、始めよう。
ディーラー! 来てくれたまえ!
雅: ‥‥はい。
ザ: キミは、この勝負の”証人”だ。
シッカリたのむぞ。
雅: よ。よろしく
おねがいいたしますね。
成: ‥‥‥?
(見ないカオだな‥‥)
ザ: ああ。そういえば‥‥
レストランの入口で、
知ったカオを見かけたよ。
‥‥向こうは
気がつかなかったようだが。
成:‥‥‥?
ザ: がりゅう‥‥といったかな、アイツ。
成: 知ってるんですか? 彼を。
ザ: ああ、ちょっとな。
‥‥いいかい、成歩堂くん。
”真剣勝負は、いろいろな
コトを教えてくれる”
‥‥覚えておくといい。

成: 或真敷の”チカラ”‥‥
それを知るためには、まだ
手がかりが足りなかった。
追うべき手がかりは、わかっていた。
みぬきの”母親”‥‥
いつか、あの記者にもう一度‥‥
会う必要があるだろう。
‥‥そして、もうひとつ。
ザック氏との<<最後の勝負>>が
始まってから‥‥
アタマの中を、ある”名前”が
グルグルと回りつづけていた。
‥‥そう。今はすでに、刑務所の
独房の中にいる、あの男の名前だ。
なぜ、或真敷 ザックは、あの
名前を知っていたんだろう‥‥?

(「現代・中央刑務所13号独房」に移動する)


現代
中央刑務所 13号独房

霧: おやおや。
これは、めずらしい客ですね‥‥
わざわざ、この狭い我が城に
足を運んでいただけるとは。
成: 牙琉‥‥

霧: 『‥‥これが‥‥キミの復讐、
というワケですか。成歩堂 龍一。
7年前‥‥キミが弁護士バッジを
失うことになった、あの事件の‥‥』
成: 『ヒトの”過去”は、
ロジックといっしょ‥‥一本道だよ。
今さら、何をしても変わりはしない。
ぼくは、ただ‥‥
降りかかる火の粉を払っただけさ。
‥‥正しい方向に、ね。』
霧: 『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
まあ、いいでしょう。
楽しかったですよ。
キミと戦うことができて、ね。』

霧: ‥‥元気そうですね。
成歩堂 龍一。
成: きみもな。‥‥牙琉。

(「牙琉の殺人」を聞く)
霧: 人生とは、予想がつかないものです。
‥‥おたがいに、ね。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
霧: まさか、弁護士バッジを失うことに
なるとは思わなかったでしょう。
成: きみも、まさかこんなところに
入るとは思わなかったワケか。
”浦伏 影郎”‥‥
きみが殺害した人物の名前だ。
彼の<<正体>>‥‥
知っていたのか?
霧: 正体‥‥?
成: <<或真敷 ザック>>さ。
例の、被告人だよ。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
覚えていますよ。モチロン。
彼が、或真敷 ザック?
あり得ない話ですね。
成: ‥‥トボけるなよ。
グーゼン、とは言わせない。
霧: ‥‥だから、さっきも
言ったでしょう。
人生とは、予想がつかないものだ、
と。そう思いませんか?
成: あの法廷のあと。きみはタイホされ、
有罪判決を受けたが‥‥
ケッキョク、きみの”動機”は
ハッキリしないままだった。
それが急に、気になりだしたのさ。
霧: ‥‥きみはもう弁護士ではない。
そんなコトを調べて、
なんになると言うのですか。
私は、浦伏という男を
ボトルで撲殺した、ヒドい人間だ。
‥‥それで、じゅうぶんでしょう。
成: (‥‥それは、ちがう。
ぼくには、知る必要があるんだ。
撲殺の”理由”を‥‥)

(「7年前の事件」を聞く)
成: 7年前の、あの事件‥‥
おぼえているな?
霧: 或真敷 ザックが法廷内から
”消失”した事件‥‥ですね。
私の弟が、世間の賞賛を
一身に浴びた事件でもある。
弁護士の不正を暴いた
天才検事、ということでね。
成: あの事件がキッカケだったな。
きみと知り合ったのは。
霧: そう、でしたっけね。
成: 弁護士協会の査問審議機関の意見は、
全会一致で<<厳罰処分>>だった。
しかし‥‥きみだけが、
それに異議をとなえてくれた。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
なんといっても、
原因を作ったのは私の弟ですから。
成: 以来、7年間‥‥
きみとは、長いつきあいだ。
なのに‥‥いまだに。
ぼくは、きみがわからない。
霧: あなたは、ただの”友情”で
私に近づいてきたのではない。
‥‥疑っているのでしょう?
この私のことを。
成: ‥‥わからないよ。今は、な。

(「殺人の”理由”」を聞く)
成: ヒトは、理由もなくジュースの
ボトルを振り下ろすことはない。
きみの”理由”を
聞かせてほしいんだ。
霧: ‥‥なかなか、しつこいですね。
成: ぼくがここへ来たのは‥‥
思い出したからだ。
あの”勝負”の夜‥‥
或真敷 ザックが、
きみの名前を出したことを。

ザ: 『ああ。そういえば‥‥
レストランの入口で、
知ったカオを見かけたよ。
‥‥向こうは
気がつかなかったようだが。』
成: 『‥‥‥?』
ザ: 『がりゅう‥‥といったかな、アイツ。』

成: ‥‥その後、彼が殺害されて‥‥
ぼくは、きみに助けを求めた。
きっと、それも‥‥あのときの
コトが、印象に残っていたからだ。


‥‥すまないが、
メンドウに巻きこまれたようだ。
うん。そんなところだ。
‥‥死んじまったよ。
思い切り、殴られたみたいだ。
よしてくれ。
とにかく、これから警察が来る。
たのむぜ。
‥‥もしものときは、な。

成: ‥‥教えてくれ。
きみはなぜ、浦伏 影郎を‥‥いや、
或真敷 ザックを殺害したんだ!
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

(サイコ・ロック 錠5つ)
成: (こ。これは!
見たことのないロックだぞ‥‥
暗くて‥‥
絶望的に、冷たい感触‥‥
このロック‥‥
解除できるのか‥‥?)
霧: どうかしましたか?
成歩堂‥‥
成: ‥‥な、なんでもない。
霧: ムリはしないほうがいいですよ。
人生には、余裕がないと、ね。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (牙琉のやつ‥‥
マニキュアを塗り始めたぞ)

(「マニキュアのボトル」を調べる)
霧: ”男のクセに、マニキュアか”
‥‥そう思いますか?
成: まあ‥‥きみは、見るからに
キレイ好きみたいだからな。
霧: ツメの美しくない人間は、
生き方もまた、しかり‥‥
それが、私の考え方なのですよ。
なにものも、一流‥‥
そこは、ゆずれませんね。
成: たしかに‥‥このボトルも、
キラキラとキレイだな。
霧: クリスタルですからね。
そんなに気になるようなら、
ひとつ進呈しましょうか。

<<マニキュアのボトル>>を
ポケットにそっと忍ばせた。

(調査を終える)

(「7年前・どぶろくスタジオ」に移動する)


7年前
どぶろくスタジオ

?: まあ‥‥いつか来る、とは
思っていましたよ。
成: ひさしぶりですね。
絵瀬 土武六さん‥‥でしたっけ。
土: ‥‥‥‥‥‥‥‥
わ。私は‥‥法に背いた
コトはしておりません。
成: ‥‥ぼくも、過ぎたコトでグチを
こぼすために来たワケじゃない。
お話をうかがいたいんです。
土: ‥‥アナタには、
そのケンリがあるでしょうな。
‥‥あの日。
法廷で、大騒ぎになって‥‥
ただ、アナタだけが。
‥‥静かな目をしていた。
あのときのアナタには、
感銘を受けたものですよ。
成: ‥‥トンでもない目にあうのは、
慣れてますから。
土: 成歩堂 龍一さん、でしたな。
答えられる質問には、答えましょう。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
(なんだろう‥‥?
強い”視線”を感じるな)
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
土: ああ‥‥私のムスメです。
まこと。ごあいさつなさい。
ま: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (行っちまったよ‥‥)
土: それでは、始めましょうか。

(「机」を調べる)
成: ‥‥この机。
もう少し、そばによってみよう。

(「小さな額」を調べる)
成: ヤケに小さなガクだな‥‥
中に飾られているのは‥‥
切手、かな?
土: ああ。さわらないでもらえますか。
私が怒られてしまうので。
成:‥‥‥?
土: いや。その切手は
まことのものでしてね。
いつもそうやって、見える
ところに飾っておくのですよ。
成: これは<<ザックとバラン>>‥‥
或真敷一座、ですね?
土: 去年、文化庁から表彰された
ときに発行された、記念切手です。
‥‥当時、その。
人気の絶頂でしたからね。
成: (あの事件のせいで‥‥
文字どおり、姿を消すコトに
なっちまったワケだけど‥‥)
土: あれが小さいコロに一度、
大魔術ショーを見に行きましてね。
そのとき以来、すっかり
ファンになってしまったようです。
一座があんなコトになるまで、
いつもテレビで応援を。
成: ‥‥そうなんですか。
土: なかなか、手に入らない
シロモノらしいですよ、その切手は。
‥‥ムスメも、どこで
拾ってきたものやら‥‥

<<記念切手>>のデータを
法廷記録にファイルした。

(「土武六のこと」を聞く)
成: あなたは‥‥画家、なんですか?
‥‥この部屋の感じでは。
土: お恥ずかしいハナシですが‥‥
私の絵が売れたことは、
まだないのですよ。
まあ。私ヒトリなら、
どうとでもなるのですが‥‥
成: むすめさん、ですか‥‥
土: あれの母親も、私にアキれて
出ていってしまいました。
あの子には、みじめな思いは
させたくないのですよ。
それで‥‥その。始めたのです。
成: ”贋作”‥‥ですか。

(「”贋作”について」を聞く)
土: ‥‥そんな目で見ないでください。
私だって、わかっているのです。
持ちこまれる”絵”は
半分以上が盗品。
そして、コピーされた作品が
何に使われるかも‥‥
成: どうやら‥‥”作品”は、
絵だけじゃないようですが?
土: こんなコトを言って、信じて
もらえるかどうか‥‥
”絵”以外の依頼を受けたのは、
アレが初めてだったのですよ。
成: なんですって‥‥
土: ‥‥まさか、殺人事件の
証拠品だったとは‥‥
本当に‥‥そんなことは
考えもしなかったのですよ。
成: じゃあ、どうして
引き受けたんですか!
土: あまりに‥‥その。
報酬が高額でしたから。
成: (やれやれ‥‥どうやら、必死で
逃げようとしてるな‥‥
”過去”から‥‥)
土: 正直なトコロ‥‥
早く忘れたいのですよ。
アナタには悪いのですがね。
成: ザンネンですが、
そうはいきませんよ。
(思い出させてやらなければ
ならないみたいだな‥‥
自分の”作品”のコトを‥‥)

(「ノートのページ」をつきつける)
成: あなたの”作品”‥‥
忘れたとは言わせませんよ。
土: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: あなたは、ただ”コピー”を作った
だけだと言うかもしれない。
しかし。コイツは、無実だったかも
しれない男の人生を狂わせた。
土: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: ぼくにも、そのセキニンがある。
だから‥‥知らなければならない。
そして‥‥あなたも、
話さなければならないんです。
土: ‥‥やはり。もう、
逃れることはできないんですね‥‥
成: じゃあ‥‥
聞かせていただきますよ。
土: ‥‥‥‥‥‥‥‥

(「天斎の手記」を聞く)
成: さあ。この”作品”について、
聞かせていただきましょう。
土: ‥‥今まで、
やったことのないシゴトでした。
成: たしかに。
”絵”じゃないですからね。
土: そういうイミではありません。
今までは、そこにあるものを
”コピー”するだけだった。
成: ‥‥どういうことですか?
土: ‥‥あの日。<<依頼人>>から
わたされたのは‥‥
手記と思われる、サンプルの
1ページと‥‥
<<依頼人>>がデッチ上げたと
思われる、印刷された文章でした。
成: ”本物”を参考にして、デッチ上げ
の文章を再現したわけですね?
土: そ。そう‥‥
あんなシゴトは、初めてでした。
成: それで‥‥
あなたに、このシゴトを
依頼したのはダレなんですか?
土: ほ‥‥法廷でも、言いましたが。
わ。私は、知らないのですよ。
成: ‥‥本当ですか?
こんなアヤシイ”偽造”ですよ。
ぼくなら、依頼人の情報を
知っておこうと思いますがね。
土: ほ。本当に知らないのです。
その‥‥わ。私自身は‥‥

(サイコ・ロック 錠2つ)
成: (ここで”サイコ・ロック”‥‥)
どうやら‥‥何か”ヒミツ”が
あるようですね。
この”作品”について‥‥
土: む‥‥うううう‥‥


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