第3話『逆転のセレナード』第1回法廷(その4)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
マキ・トバーユ…黄土
ラミロア…藤
ローメイン・レタス…青
眉月 大庵…紫
或真敷 バラン…薄橙
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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王: (ホントに‥‥出た‥‥!)
み: やっぱり、スゴいんですねー。
カガクって。
茜: これは‥‥
<<IPXX314206>>‥‥
‥‥ハンニンの名前、なの?
裁: ふむう‥‥もしかすると、
ハンニンはロボットかもしれな
牙: ああ! そうか‥‥
王: なんですか?
牙: どこかで見た組み合わせだと
思ったが‥‥<<IPXX>>‥‥
これは、
国際警察のIDナンバーだよ。
茜: こ。こくさいけいさつ‥‥?
牙: ああ。国際犯罪の潜入捜査が
おもな任務だが‥‥
そのナンバーが、どうして‥‥?
王: そんなIDナンバーを、どうして
レタスさんが知っているんですか!
牙: オーケイ、刑事クン。
よくやってくれた!
茜:え。
牙: 裁判長! ナンバーの照合は、
すぐにできるだろう。
‥‥ダイアン! いたら、
証言台のところへ来てくれ!

牙: ダイアン‥‥聞いてのとおりだ。
このナンバーを
国際警察本部に照会して欲しい。
大: ああ。わかった。
30分もあればじゅうぶんだろう。
裁: ふむう‥‥
いったい、これは、
どう考えるべきなのでしょうか‥‥
検察側の立証は、
ほぼカンペキといっていいでしょう。
しかし‥‥このIDナンバーが、
国際警察の捜査官となると‥‥
茜: もしかして、
マキ・トバーユさんは‥‥
じつは、国際警察の
ヒミツエージェントだったとか‥‥
牙: まあ。その可能性はあるだろうね。
裁: もし、そうならば‥‥
まちがいなく、彼はハンニン、
ということになるでしょう。
王: (なぜレタスさんが、そんなIDを
知っていたのか‥‥?
オレとしては、そっちのほうが
気になるけどな‥‥)
牙: ‥‥さて。それじゃあ。
報告を待つあいだ‥‥
もうひとつ、ナゾを解いておこうか。
マキ・トバーユをめぐる、
不可解なナゾをね。
王: ‥‥どういうことですか?
牙: 刑事クン。
さっきは悪いことをしたね。
”被告人は、目が見える”‥‥
報告があったのが、開廷の直前でね。
知らせるのが、
メンドくさくなってさ。
茜: ‥‥今の後半部分は、
とうていユルせませんけど。
牙: ここで‥‥ギモンに思わないかい?
きわめて、自然なギモンさ‥‥
茜: それは、モチロン‥‥
”なぜ、マキさんは
見えないフリをしたか”‥‥?
牙: そのとおりだよ。
‥‥まったく、そのイミがない。
さあ。どうかな? おデコくん。
王: え! お。オレですか?
牙: マキ・トバーユが、目の見えない
”フリ”をしていた‥‥
そのイミ。
キミ、わかるかな?
茜: え! そ。そんなの‥‥
わかるワケがないじゃないですか!
み: まさか‥‥がりゅう検事、
コタエを知ってるのかな?
王: (アイツは‥‥そこまで見抜いて、
この裁判にのぞんでたのか‥‥)
牙: おや。どうしたんだい?
ぼくを、片手間で遊んでいる
検事だとでも、思っていたのかな?
ぼくはね。
報告を聞いた次の瞬間には‥‥
もう、コタエがわかっていたよ。
裁: ふむう‥‥
さすが、100万枚もレコードを
売るヒトは、ちがいますなあ。
王: (それはカンケーない)
牙: ”見えないフリをする”理由‥‥
マキ・トバーユ自身にはなかった。
それならば。
コタエはひとつ、だろう‥‥?
王: コタエは、ひとつ‥‥‥‥!
裁: いかがですか?
弁護人。
被告人が、目の見えないフリをした
理由‥‥提示できますかな?

(「証拠品を提示する」を選択)
王: (マキさんが、目が見えないフリを
する理由はない‥‥
と、なると‥‥まさか。
‥‥そんな、バカなコトが‥‥)
牙: ‥‥さすが、おデコくん。
何か、思いついたようだね。
王: (くそ‥‥牙琉検事の
ヒトコトがなければ‥‥
思いつかなかったかもしれない。
‥‥クヤシイな‥‥)
‥‥わかりました。
これを見てください。彼は‥‥
このために、”見えないフリ”を
していたのです!

(「ポストカード」を選択)
裁: これは‥‥ラミロアさん、ですか。
王: ラミロアさんと、
マキ・トバーユ‥‥
このふたりの関係を
思い出してください。
ふたりがこの国を訪れる”前”の
イメージです。
茜: ラミロアさんと、
あのピアニストの子‥‥
いつも、ラミロアさんが彼の手を
引いて歩いていたわ。
ステージに上がったときも、
ラミロアさんは‥‥
まずあの子を、
ピアノの前までつれていって‥‥
王: そう‥‥マキさんは
”目が見えない”。だから‥‥
ラミロアさんが彼を導いていた。
いつ、いかなるときも‥‥
裁: ”いつ、いかなるときも”‥‥
王: しかし。オレたちは今、
知ってしまった。
‥‥マキさんの目は、
”見えていた”。
ならば‥‥なぜ。そんなコトをする
必要があったのか‥‥?
裁: ふむう‥‥だから、それは‥‥
ある種の”演出”だった、とか‥‥
王: もっと、スナオに考えれば
いいんですよ。
マキさんは、手を引かれて
”導かれる”必要はなかった。
そうなれば‥‥ケツロンは、
ひとつです。
茜: あ。あああああ‥‥まさか!
王: そう‥‥
すべては”逆”だったのです。
手を引いて”導いてもらう”必要が
あったのは‥‥
ラミロアさんのほうだった!
裁: な‥‥なんですって‥‥
じゃ、じゃあ‥‥じゃあ、
ラミロアさんは‥‥
王: ”目が見えない”
‥‥そうなります。
茜: えええええええええええええ
えええええええッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
静粛にィィッ!
そんな‥‥そんなバカなコトがッ!
牙琉検事!
牙: なんだろう。
裁: あなたは‥‥あなたは、
どう考えますか!
今の、弁護人のトンでもない‥‥
牙: ああ‥‥
そのトンでもないおデコは、
まんざら無意味に広いワケじゃあ
なかったんだ‥‥そう思ったさ。
‥‥正解だよ。
裁: な。し、しかし!
茜: そうよ! だって彼女は!
<<音の絵の具の風景画家>>‥‥
牙: ‥‥せっかくだからさ。
茜:
牙: 本人に聞いてみる、ってのは
どうだろう。
まだ、証人控え室に
いるはずだろうからね。
み: お‥‥オドロキさん‥‥
これって、いったい‥‥
王: オレに聞くなよ。ラミロアさんが、
目が不自由だったなんて‥‥
今の今まで、
考えたこともなかった!
裁: 係官!
ラミロアさんをお連れしなさい!

牙: ‥‥ラミロアさん。
こういうカタチであなたを
呼び出すのは‥‥
ぼくとしても、ツラいのです。
ラ: お気になさらないことです。
王: (あの目が‥‥見えない?
ホントなのか‥‥)
ラ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
本当、でございます。
王:‥‥!
ラ: まさか‥‥ボルジニアの片すみで
生まれた小さなウソが‥‥
全世界をあざむくことになるなんて。
人生とは、おもしろいものですわね。
裁: それでは、あなたは‥‥やはり!
ラ: はい。
先ほども申し上げましたとおり‥‥
わたくしには、”ラミロア”を
名乗る以前の記憶がございません。
‥‥気がついたときには、
わたくしの記憶において、
”光”というコトバは、
すでにイミを失っておりました。
裁: そう、だったのですか‥‥
牙: だから‥‥ぼくは最初に、ハッキリ
言ったはずだよ。おデコくん。
王: ‥‥? なんですか?
牙: この事件には、
”直接的な”目撃者はいない‥‥と。
王:あ‥‥
牙: それでは、ラミロアさん。
まことに申しわけないのですが‥‥
あなたの目について、
証言をおねがいできるでしょうか?
ラ: かまいませんわ。
こうなってしまったことは、
わたくしの本意ではございません。
よろしいですか? 裁判長さん?
裁: は、はあ‥‥モチロン、
かまいませんが‥‥
正直なトコロ、
少しコンランしておりまして。
王: たぶんそれ、
みんな同じだと思います。

(ラミロアの目)
ラ: 『わたくしには”光”というものの
記憶がございません。』(証言1)
『そして、残された”音”の世界で
デビューすることになった際‥‥』(証言2)
『それを知らないプロデューサーが、
宣伝文句を考えたのです。』(証言3)
『そのせいで、バカげたことに‥‥
見えるフリをするハメになりました。』(証言4)
『スタッフは全員、知っていますが、
‥‥それ以外には、ゴクヒでした。』(証言5)
裁: しかし‥‥
コトは殺人事件ですぞ!
ラ: もうしわけございません。
ボルジニアでの契約条件のひとつに、
『目のことは、ヒミツにすること』
‥‥というものがあったのです。
わたくしには音楽だけがすべて‥‥
そこで、あのような‥‥
牙: ラミロアさんは、いちばん最初に、
真実を証言していたのさ。
”何も見ていない”‥‥ってね。
裁: ‥‥わかりました。
弁護人。いかがですか?
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
尋問は、させていただきます。
み: でも! もう、聞くことなんか、
ないじゃないですか!
王: 今の証言‥‥ひとつだけ。
どうしても気になる点があるんだよ。
牙: いいんじゃないかな。
気のすむまでやってみるといいよ。
‥‥そのうち、キミにも
わかるようになるさ。
”自分で考えることの大切さ”がね。
裁: それでは、弁護人。
尋問を許可します。
ただし‥‥
不要に彼女を苦しめるような質問は
認めませんから、そのつもりで。
王: ‥‥はい。
(気になる証言は、ひとつ‥‥
それについて、
聞きたいだけさ‥‥)

(「証言5」をゆさぶる)
王: あなたのスタッフ‥‥そこには、
レタス氏も含まれるのですか?
ラ: もちろんです。
マネージャーですから。
王: (やっぱり‥‥でも。そうなると、
どうしてもナットクできない!)
裁: どうしたのですかな? 弁護人。
牙: わかるような気がするよ。
キミが、何を気にしているか‥‥
死体を発見したときのコト、
だろう?
王:‥‥!
み: そ。そうなんですか?
オドロキさん!
王: ‥‥そのとおりです。

レ: 『‥‥‥‥‥‥う‥‥‥‥‥‥』
王: 『‥‥!
(い‥‥生きている‥‥!)
れ、レタスさん!
だいじょうぶですかッ!』
レ: 『き‥‥きけ‥‥』
王:『?』
レ: 『もく‥‥げきしゃに‥‥きけ‥‥』
王: 『もくげきしゃ‥‥目撃者が
いたんですね! 誰ですか!』
レ: 『もく‥‥げきしゃ‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥め。めが‥‥み‥‥』

王: レタスさんは、『目撃者に聞け』と
いい残してあなたを指名しました。
ラ:‥‥‥!
王: なぜですか!
レタスさんは、あなたの目が
不自由なのを知っていたのに!
ラ: そ。それは‥‥わたくしには‥‥
牙: やれやれ。
王:‥‥!
牙: さっきも言っただろう?
”自分で考える”クセを
つけることだよ。
王: なんだって‥‥?
牙: ここまで来れば‥‥レタス氏が
言いたかったことは明白じゃないか。
最後のコトバ‥‥もう一度。
よく考えてみたまえ。
裁: <<もくげきしゃ‥‥めがみ>>
でしたかな。
何度も聞かされましたぞ。
弁護人の、迫真のモノマネつきで。
牙: 最後のコトバは、死神にノドを
つかまれて、闇に消えてしまった。
‥‥あのコトバには、
”つづき”があったんだよ。
王: ”つづき”‥‥
(”めがみ”につづくコトバ‥‥)
あッ!
牙: ‥‥そう。レタス氏は、
こう言おうとしていたんだよ。
<<事件のことは、目撃者に聞け。
ただし‥‥その証人は‥‥
”目が見えないぞ”>>
‥‥ってね。
裁: めがみ‥‥えない‥‥
”目が見えない”ですか‥‥ッ!
牙: ”目が見えない”のは、
ラミロアさんだけではなかったねえ。
どうだい? おデコくん。
少しは落ち着いて、モノゴトを
よく”見て”みたらどうかな。
王: ‥‥ぐうッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
牙: 思い出してほしい‥‥
ラミロアさんの証言を。

ラ: 『あれは、ステージから楽屋エリアの
出口へ向かう途中でした。
2発の銃声‥‥わたくしには、
止めることはできませんでした。』

裁: しかし! 銃声は、
聞こえるはずがなかった‥‥
そういうケツロンに
なったはずでは‥‥
牙: 重要なのは‥‥そこではないんだよ。
裁:
牙: 事件の瞬間‥‥被害者・レタス氏は
”目撃”したのさ。
小窓から、こちらを見ている
ラミロアさんをね。
王:あ‥‥
ラ: で。ですが‥‥わたくしは、
本当に聞いたのです!
2発の銃声と‥‥ハンニンの、
オトコの声を!
牙: ザンネンだが‥‥それはあり得ない。
あの小窓はしまっていた。
音がもれないコトは、
もう実験してあるのですよ。
ラ: わたくし。もう一度、
その声を聞けば‥‥ゼッタイに‥‥
裁: ふむう‥‥
係: ‥‥裁判長どのッ!
裁: なんですか、係官!
ただ今、審理中ですぞ!
係: 先ほどの、結果が出たそうです!
裁: けっか‥‥?
牙: レタス氏が書き残したナンバーだね。
国際警察の‥‥
裁: ‥‥!
それは、
聞いてみなければなりませんな!
‥‥尋問は、
ここでいったん中止しましょう。
眉月刑事!
報告をお願いします!

大: 国際警察に、
さっきのナンバーを照会したよ。
おもしろいコトがわかった。
牙: ‥‥さすが、ダイアン。シゴトが早いな。
裁: それで! あのナンバーは!
やはり、被告人が‥‥
ヒミツソーサカン
だったのですかッ!
大: <<IPXX314206>>‥‥
このナンバーで登録されていた
捜査官の名前は‥‥
ローメイン・レタスだ。
牙: なんだと‥‥
大: つまり。国際警察の捜査官は、
ローメイン・レタス自身だったんだ。
何かの潜入捜査の
途中だったらしいな。
王: じ、じゃあ‥‥
あの文字を書き残したのは‥‥
大: おそらく、自分の身分を
知らせたかったのだろうね。
‥‥用心深いハンニンに、
消されてしまったようだが。
み: レタスさんが‥‥
国際警察の、潜入捜査官だった‥‥
じゃあ! ラミロアさんの
マネージャー、っていうのは‥‥
王: 彼の”仮の姿”だったことになるね。
大: もうひとつ。
重要なジジツがある。
牙: なんだい?
大: あの、凶器のピストル‥‥
45口径だが。
あれも、ローメイン・レタス
自身のものだ。
本部に特別許可をもらって
携帯していたようだ。
‥‥ピストルの登録ナンバーが
一致した。
牙: 凶器が、被害者自身のもの‥‥
まあ、ナットクの行く話だね。
この国で、あんなハデなピストルを
カンタンに振り回せるはずがない。
王: (被害者のレタス氏は、
国際警察の潜入捜査官‥‥
こいつは、何か事件に
関係あるのかな‥‥)
み: フツーに考えたら、”関係ない”
ってコトはないんじゃないですか?
王: だよなあ、やっぱり‥‥
裁: ‥‥ごくろうさまでした、眉月刑事。
たいへん、参考になりました。
大: いやいや。
かまいませんよ、裁判長さん。
‥‥それじゃ、オレはこれで‥‥


(待った!)

ラ: 待ってください‥‥!
裁: ど。どうかしましたか?
ラミロアさん‥‥
ラ: 今の、その声‥‥
牙: ダイアンが、なにか‥‥?
ラ: ミスター・ダイアン‥‥
というのですか。
‥‥‥‥‥‥彼、です。
まちがいありません。
裁: ”彼”‥‥なにが、ですかな‥‥?
牙: ‥‥ッ! ま。まさか‥‥
ラ: 2発の銃声を聞いたとき‥‥
レタスさんと話していた声‥‥
そう。今の方です!
ミスター・ダイアン!
牙: な。な‥‥なんだとッ!
王: ええええええええッ!
大: ‥‥ウソ‥‥だろ‥‥

(ざわめきが起こる)

王: (‥‥法廷内のさわぎは収まらず、
審理は、中断された。
ムリもない‥‥けどな。
ラミロアさんが”聞いた”という、
犯人の声が‥‥
ギタリストにして刑事の、
眉月 大庵!
事件は、マッタク次元のちがう
展開を見せ始めていた。
‥‥正直なトコロ。オレには、
ついていく自信がなかった‥‥)
み: コラ! 弱音を吐かないっ!


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