第3話『逆転のセレナード』第1回法廷(その3)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
マキ・トバーユ…黄土
ラミロア…藤
ローメイン・レタス…青
眉月 大庵…紫
或真敷 バラン…薄橙
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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牙: では。そろそろ、マトモな審理に
戻らせてもらうとしようか。
いいね? おデコくん。
王: (くそお‥‥チャンスを逃した、
ってコトなのかな‥‥)
牙: さて、刑事クン。
さっきは、どこまで話したっけ?
茜: あたしに聞かないでください!
牙: ぼくはさ。同じコトを2回言うのが
キライなんだよ。
アンコールでも、
同じ曲を歌うことはないし。
裁: ‥‥証人。おねがいします。
茜: ‥‥ふう。
さっきは、被害者・レタスさんを
殺害したハンニンは‥‥
天井の通気口から逃げるしか
なかったことを証言しました。
裁: ああ‥‥この部屋のドアは
1つしかなくて、
そのドアの前には証人。
あなたがいたから、ですな。
茜: 通気口のサイズを見れば、
これをとおることができる人物は、
きわめて限られていることが
わかります。
裁: 少なくとも、
私にはムリなようです。
茜: そして。この楽屋のエリアに
入ることができたのは、
コンサートの関係者だけ。
‥‥以上のジジツから、
”ハンニンの条件”に
当てはまるのは、被告人だけです。
牙: ‥‥よくできました。
裁: ふむう‥‥たしかに。
明白なロンリ、というワケですな。
しかし。調書を読んで、ひとつ‥‥
気になるコトがあるのですが‥‥
牙: ふうん‥‥なんだろうね。
裁: 被告人がタイホされた
”状況”ですよ、モチロン。
王: 状況‥‥?
み: あ、そうですよオドロキさん!
どう考えても、ヘンでしたよ!
マキさんがタイホされたのは‥‥
王: (そうだ‥‥
なぜかレタスさんの死体は
現場から”消えて”‥‥
ステージの<<タワー>>の上で、
発見されたんだ。
それも、
ギターを抱えた格好で‥‥)
牙: ‥‥いいところに気がついたね、
おジイさん。
裁: え! ま、まあ‥‥グーゼンですよ。
長いコト、このシゴトをしていれば、
その。
多少はハナがきくように
なりますからな。ほっほっほっ。
み: 裁判長さん、マンゾクそうです!
牙: ‥‥では、刑事クン‥‥
最後の証言をおねがいしようかな。
死体が”運びだされた”意味‥‥
それが、ハンニンに結びつく
”理由”について!

(消えた死体が物語ること)
茜: 『マキさんが死体を盗んだ理由は‥‥
”歌詞”だと考えられます。』(証言1)
『ラミロアさんの”歌”に
合わせるため、死体を運んだ‥‥』(証言2)
『被害者に、そこまで強い”動機”を
持つ人間は、この国にはいない。』(証言3)
『さらに。現場には、マキさんの
”サイン”が残されていました。』(証言4)
『以上の点も含めて、被告人の
犯行であることは、明白と言えます。』(証言5)
王: ラミロアさんの‥‥
”うた”‥‥ですか?
牙: そう‥‥
<<恋するギターのセレナード>>‥‥
キミも気づいたじゃないか。
その”暗号”について。
王: あんごう‥‥
牙: この事件は‥‥ぼくたちの歌の
コトバどおりに行われたのさ。
まず、
ぼくの”ハート”のキーが盗まれた。
王: そして‥‥ステージで、牙琉検事の
ギターが燃え上がって‥‥
レタスさんは”弾丸”で、
”生命を奪われた”‥‥
牙: あとは‥‥
説明しなくてもわかるだろう?
”Guitar,Guitar‥‥
ふたりは空へ”
裁: な。なんという‥‥
そんな‥‥
おとぎ話のようなコトがッ!

(ざわめきが起こる)
王: (すっかり忘れていた‥‥
オレの知らないところで‥‥
そんなトンでもないオチが
ついていたなんて!)
み: あ! それに最初に気がついたの、
みぬきですからね、みぬき!
裁: ”歌詞”に合わせて殺人など‥‥
”かぞえ歌”と”手まり歌”だけの
世界だと思っていました!
牙: 世界は、おジイさんが
思っていたより広い、ってコトだね。
裁: それでは!
この、ナゾの歌を踏まえた上で、
尋問をおねがいします!
王: (ベツに、歌にはナゾはないと
思うけど‥‥)

(「証言4」をゆさぶる)
王: ”サイン”‥‥というのは、
なんですか?
茜: カベの弾痕よ‥‥モチロン。
王: 弾痕‥‥?
茜: 凶器のピストルは、
2発撃たれていました。
そして‥‥カベには、
ハズれた弾丸の弾痕が残っていた。
裁: それが‥‥なんですかな?
茜: 楽屋は、決して広くはない。
ここで、犯人が被害者を
撃とうとしたとき‥‥
おそらく、ふたりの距離は、
2メートルもなかったはずです。
ハズすほうがムズカシイ‥‥
そんな状況だったのです。
裁: ハズすほうが、ムズカシイ‥‥
茜: ‥‥そうなんです。
もし‥‥犯人が、被害者をキチンと
狙うことができたのならば‥‥ね。
王: あ!
ま。まさか‥‥
み: マキさんは、
目が不自由だったから‥‥
だから! ハズした‥‥
そういうことですか!
茜: ‥‥そう考えるべきでしょう。
おそらく、”音”と”気配”に
たよって、撃った‥‥
だから、ハズれたのでしょう。
牙: そういえば‥‥部屋には大音量で
ぼくたちのナンバーが流れていた。
音を聞くには、
不利な状況だったかもしれないね。
裁: ‥‥ハンニンは、
目が見えなかった‥‥
これは、重要なポイントです!
王: (カベに残された”弾痕”‥‥
そう来たか‥‥
どうする?
王泥喜 法介!)

(「異議を申し立てる」を選択)
王: カベに弾痕が
残っていたからと言って‥‥
”目が不自由だった”とは
かぎりません!
牙: ほお‥‥どういうことだろう。
王: たとえば‥‥
ハンニンと格闘した、とか。
裁: ふむう‥‥
たしかに、あり得ますな。
王: それに‥‥このピストル自体の
”モンダイ”だったかもしれません。
裁: ピストル自体‥‥?
王: 凶器は、ものスゴい破壊力を
もったピストルなんですよね?
裁: ピストルを扱ったことのない
シロートが知らずに撃ったら、
カタがはずれてしまうことも
あり得るでしょうな。
王: ‥‥そこです。
被告人のマキ・トバーユさんは、
とても小柄です。
ピストルの反動で、
撃ちそこなってしまう‥‥
じゅうぶん、
あり得るのではないでしょうかッ!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
牙: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
茜: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: まあ‥‥たしかに。
説得力はありますな。
王: (よし! 検察側の主張を
ブチ砕いてやったぞ!)
み: あの‥‥オドロキさん。
王: ん? なに?
み: ”マキさんのカラダが
小さかったから、
ピストルの反動で
撃ちそこなってしまった”‥‥
それって、思いっきり‥‥
<<マキさんが撃った>>、
‥‥って認めちゃってませんか?
王: ‥‥‥‥‥‥アレ。
牙: まあ‥‥理由はどうあれ。
被告人がピストルを撃ったことに、
ギモンの余地はないんじゃないかな。
カレも、
それは認めてくれたみたいだし。
王: ぎゃあ!
うううう‥‥
(しまった! なんか、
まちがった気がする‥‥)
牙: とりあえず。検察の主張をもう一度。
ハッキリとさせておこうか。
‥‥刑事クン。たのむよ。
裁: それでは、証人。
証言を補足していただきましょうか。
茜: はい。
『現場の状況から、犯人は
目が見えなかったと考えられます。』(証言6)

(「証言6」に「現場写真」をつきつける)
王: ”犯人は目が見えなかった”
検察側の主張は、こうでしたね。
茜: そうよ。現場の状況からカガク的に
導き出されたケツロンね。
王: 残念ながらその主張は‥‥
”ある証拠品”とカンゼンに、
ムジュンしているんですよ。
茜: な、なによそれ!
牙: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: これが‥‥検察側の主張を
くつがえす証拠品です!
裁: 現場写真‥‥ですか。
王: (牙琉検事のニヤニヤ笑い‥‥
なんとなく気になる。
しかし! ここは、
前へ進むしかないッ!)
‥‥そう、現場です。
ここに、
決定的な”ムジュン”があります!
牙: どうやら‥‥
示してもらうのがよさそうだね。
そのツンと立った毛先で、
”ムジュン”とやらをさ!
裁: それでは、
弁護人に示していただきましょう!
現場に残された、
<<ムジュン>>とは‥‥!

(「かすれた血痕」を選択)
王: それは‥‥もちろん、
この部分です!
茜: か、かすれた”血痕”‥‥
裁: ふむう‥‥私のかすみ目のせいかと
思っていましたが‥‥
ホントにカスんでいたのですね。
被害者の右手の‥‥この位置‥‥
この法廷で、
何度か見たことがあるような‥‥
茜: まるで‥‥
何かを書き残したみたいな‥‥?
み: あ! そ、そうですよ!
みぬき、わかったカモ!
牙: どういうコトかな?
おじょうちゃん。
み: きっと、アレ! レタスさん、
撃たれたときに、書いたんですよ!
自分の血で‥‥ハンニンの名前を!
どうですか、コレ!
みぬきのスイリ!
王: (トクイげに言われてもなあ‥‥)
うん。たぶん、
そういうことだと思うよ。
裁: ふむう‥‥やはり、
そういうコトになるでしょうな。
茜: 被害者が、
ハンニンの名前を書き残した‥‥
じゅうぶん考えられるコトだと
思います。
み: うううう。でも、消されちゃってて、
読めませんねー、ハンニンの名前。
裁: それは、まあ‥‥
ハンニンとしては‥‥
自分の名前を書かれたら、
モミ消すのが自然ですからなあ。
牙: だろうね。
ぼくだって、そうするよ。
茜: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
牙: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
王: あの‥‥それだけですか?
裁: ? どういうことですかな?
王: つまり‥‥検察側は、
認めるわけですよね?
コレは、被害者がハンニンの名前を
書き残した跡であること‥‥
そして。それに気づいたハンニンが
消し去ろうとしたこと‥‥
茜: それが、どうかした?
王: な‥‥ナニ言ってるんですか!
じゃあ、聞きますよ。
なぜ、ハンニンは‥‥
自分の名前が書き残されたコトに、
気がついたんですか?
茜: ナニ言ってるの。そんなの。
血の跡を見れば、アキラカじゃない。
‥‥‥‥ん?
裁: 血の跡を”見れば”‥‥
王: それで? 証人。さっき‥‥
あなたはなんと証言しましたか?
茜: ハンニンは‥‥
”目の見えない”人物‥‥
ああッ!
王: しかし! 現場の状況は、
アキラカにそれを否定している!
ハンニンは、
”目が見えたからこそ”‥‥
この血の跡を消すことができた!
茜: あ‥‥あああ‥‥
王: つまり! 目の見えない
被告人・マキさんは‥‥
そもそも、ハンニンでは
あり得ないのですッ!
茜: ぐ‥‥キャアアアアアアアアアア
アアアアアアッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛にィッ!
が‥‥牙琉検事! いったい‥‥
いったい、これは。
どういうことですかッ!
牙: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: たしかに。この写真を見るだけで、
この事件のハンニンは‥‥
”目が見えた”のは
アキラカではないですかッ!
それを、ここまで‥‥
牙: ‥‥ひとつ。
おワビをしなきゃならないようだね。
裁:
牙: ガリューウエーブは、
警察関係者のバンド‥‥
そのコンサート会場で起こった
殺人事件ということで、
捜査班のあいだに、
少しトラブルがあったようだ。
王: (な‥‥なんだ‥‥?
この、感じ‥‥)
み: あの。どうして‥‥牙琉検事。
あんなに落ち着いて、
ニコニコしてるんですか?
まるで、”お楽しみはこれからだ”
みたいな感じで‥‥
牙: クックックッ‥‥
それじゃあ‥‥次は‥‥
ぼくのビートを感じてもらおうか!
ここに、書類がある。
‥‥が。その前に。
そう、刑事クン。
キミにひとつだけ‥‥
聞いておきたいことがあるんだけど。
いいかな?
茜: な。なによ‥‥
牙: キミは、どうして‥‥
マキ・トバーユは”目が見えない”
なんて思うんだい?
茜:え‥‥
王: な。なんですか?
茜: だ。だって‥‥
ナニ言ってるんですか‥‥
そんなの、アタリマエ、じゃない!
牙: あたりまえ、ねえ。
茜: ま。マキさんは、
盲目のピアニストでしょ?
だから‥‥だから。
いつもラミロアさんに
手を引かれているんじゃない!
王: (ま。まさか‥‥まさか‥‥?)
牙: ここに、被告人マキ・トバーユの
検査報告書があるんだ。
コイツによると。彼の視力には
‥‥なんのモンダイもない。
茜:え‥‥
牙: そうなんだよ。
ボルジニア共和国も、ヒトが悪いね。
‥‥彼は、”見える”んだ。

(王泥喜「異議あり!」)
王: し、しかし!
検察側の主張では‥‥
牙: ‥‥まちがえないでもらいたいな。
王:
牙: いいかい? ぼくはこの法廷で、
ただの一度だって‥‥
”彼は目が見えない”、とは
言っていない。
それを主張したのは‥‥
刑事クンだよ。
王: そ。そんな‥‥
牙: さてと。これで、どうなるかな?
マキ・トバーユは、目が見えた。
通気口から脱出できたのは、
マキ・トバーユだけ。
他に、ナニかあったかな?
茜: でも! じゃあ、カベの弾痕は‥‥
牙: あ、それがあったね。
でも、それはさっき‥‥
おデコくん自身が、
説明してくれただろう?
あれは、
”目が見えなかった”んじゃない。
45口径のピストルの破壊力。
その激しい反動がもたらした‥‥
”アクシデント”だったのさ。
王: ぐ‥‥ッ!
牙: さあ、どうだい!
キミの”反証”とやらは、
ケシ飛んでしまったようだがねえ。
王:う‥‥
牙: ‥‥お楽しみはこれからだよ。
おデコくん。
王: ぎゃああああああああああああああ
あああッ!

(ざわめきが起こる)
牙: ‥‥さすがに、ヒトが悪かったかな。
茜: サイテーです!
あたし、ナニしに来たか
わからないじゃないですか!
み: そうですよ! あやまりなさい!
牙: はっはっはっ。
いやいや、ごめんね。
み: なんですかそれ!
ちゃんとアタマさげる!
王: (やれやれ‥‥タイヘンな騒ぎに
なっちまったな)
裁: あの。
ケンカはそのへんにして‥‥
茜: とにかく! あたしとしては。
このまま帰るワケには
行きませんから!
なんでもいいから、
手がかりを提出してみせます!
裁: しかし、被告人の罪は、あなたの
証言でほぼ立証されましたから‥‥
王: (それはそれで困るんだけど‥‥)
茜: あ! そうだ!
王: なんですか‥‥?
茜: この、血の跡ですけど‥‥
ハンニンが、
モミ消しちゃったワケですよね。
王: そう考えるべき、でしょうね。
茜: コレ‥‥ホントはナニが
書いてあったか‥‥わかるカモ!
王: ‥‥!
そうなんですか‥‥?
茜: そう、コレ!
<<ルミノール試薬>>って
いうんですけど。
知ってます?
血液に反応するカガク薬品。
牙: なるほど‥‥そういえば、
検査はまだだったっけ‥‥
茜: ふふん。あなたには、
教えてあげませんから!
牙: 血痕は、カーペットの一部に
書き残されていた。
血液検査のため、その部分を
切り取って、証拠品に登録してある。
せっかくだ。提示してもらおうか。
茜: さ。やってみるのよ。あんた!
王: え! オレですか‥‥?
茜: このスプレーを”しゅっ”て
かけるだけだから、大丈夫よ!
王: (血液に反応するカガク薬品‥‥か。
聞いたことはあるな‥‥)
裁: ‥‥とにかく!
調べてみる価値はありそうです。
茜: さてと。準備はいい?
やり方は、カンタン!
画面にタッチして、
スプレーをふきかけるのよ。
ほら!
やってみてちょうだい!
王: (‥‥‥‥法廷中が、
オレの手元に注目している!)
み: オドロキさん!
手がふるえてます!
王: (ううう‥‥ええい!
とにかくやってみるか!)

(ルミノール試薬検査)


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