第5話『甦る逆転』探偵パート3日目(その1)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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2月24日 午後3時12分
成歩堂法律事務所

茜: あの‥‥ごめんなさい、
成歩堂さん。
お姉ちゃんが‥‥いきなり、
あんなコト言いだして‥‥

巴: 『真に恐ろしい犯罪には、
こちらも恐ろしい手を使う‥‥
いたしかたのないことです。
彼に正当な裁きを与えるため‥‥
私は、手段を選ばなかった。』

茜: あたし‥‥知りませんでした。
まさか、<<SL9号事件>>が‥‥
<<青影事件>>の
コトだった、なんて。
成: (有名な事件みたいだけど‥‥
聞いたことないんだよな、ぼく)
茜: お姉ちゃん、どうしても
青影をタイホしたかったんです。
だから、あの日‥‥‥
あたしの事件を、利用したの。
成: ‥‥ちょっと待って!
”きみの”事件だって?
茜: 資料にも書いてありますが‥‥
青影 丈の最後の被害者は、
検事の、罪門 直斗さんでした。
罪門さんの弟を殺害したとき、
致命的な証拠を残したんです。
成: その事件に‥‥あかねちゃん。
きみが関わっているの?
茜: 青影 丈は、あのとき‥‥
あたしを殺そうとしていたの。
成: なんだって! きみを‥‥!
茜: 罪門 直斗検事‥‥罪門さんの
弟は、あたしを助けようとして‥‥
成: じゃ‥‥じゃあ、きみは‥‥
茜: ‥‥はい。
<<青影事件>>の法廷で、
目撃者として証言台に立ちました。
成: (‥‥なんてこった‥‥!
いろいろ聞いてみたほうが
よさそうだな‥‥)

(「SL9号事件」を聞く)
茜: 2年前の、あの日。
ちょうど今ごろの季節でした。
雨が降っていて‥‥季節はずれの
カミナリも近づいていました。
あたし‥‥お姉ちゃんの
オフィスにいたんです。
お姉ちゃんのシゴトが終わったら、
晩ゴハンを食べに行こう、って。
そうしたら‥‥そこへ、
あのヒトが逃げてきたの!
成: ‥‥青影 丈‥‥
茜: どうやら、追われていたみたい。
ナイフを向けて‥‥叫んでた。
あたし、もう何がなんだか
わからなくなっちゃって。
そのとき‥‥オフィスに、
罪門検事さんが現れたんです。
成: (罪門 直斗検事‥‥弟さんか)
茜: 青影は、あたしをヒトジチに
とって、ナイフを向けました。
でも! 一瞬はやく、罪門さんが
アイツに飛びかかってきました。
そして、そのとき‥‥
成: 何が起こったの?
茜: あたし、一生忘れません!
カミナリが落ちて、
部屋の電気が消えて。
窓のソトに、はげしいイナズマが
走って、目がくらんで。
あたしの目に、焼きついていたの。
あの一瞬が‥‥今も、忘れない‥‥
成: (目に、焼きついた”一瞬”‥‥)

(「事件のその後」を聞く)
茜: あたし‥‥青影が罪門さんを刺した
”瞬間”は、覚えてないんです。
成: じゃあ‥‥そのことは
証言できなかったんだ。
茜: はい。あたし、自分が襲われた
コトだけ、聞かれました。
だから、お姉ちゃんは‥‥
事件を”作った”んだと思います。
成: ”作った”‥‥それって、
証拠品の”ねつ造”‥‥かな。
茜: あの有罪判決は、検事局にとって、
もっとも大きな勝利だったんです。
お姉ちゃんが証拠を作って、
それを使って、御剣検事さんが‥‥
成: み、御剣が‥‥!
茜: あ。御剣検事さん、きっと
知らなかったんだと思います!
まさか、ねつ造された証拠を
わたされていたなんて。
でも‥‥
それからなんです。
御剣検事さんに、イヤなウワサが。
‥‥ゼンブ、あたしのせい。
あたしがしっかり証言できて
いれば、あんなコトには‥‥
成: (‥‥カタチはどうであれ、
御剣のヤツ、関わっていたのか。
検事局の”ねつ造”に‥‥!)
茜: そして、お姉ちゃんも。
あの事件がカイケツしてから‥‥
あんなに、冷たいヒトに
なっちゃったんです。
成: (‥‥ダメだ。彼女に対して
ココロを閉ざしてしまっている)

(「焼きついた光景」を聞く)
成: 事件が起こった”一瞬”‥‥
いったい、何を見たの?
茜: ‥‥‥‥‥‥‥‥
青影が、罪門さんを押し倒して、
凶器のナイフをふりあげたの。
成: (罪門 直斗は‥‥‥この子の
目の前で刺されたのか!)
茜: そのアトは‥‥覚えていない。
キゼツしちゃったみたいで。
気がついたら、お姉ちゃんが
あたしを介抱してくれていた‥‥
成: ‥‥かわいそうに。
ヒドい目にあったんだね。
茜: あたし‥‥あの”一瞬”を
うまく証言できなかったの‥‥
必死に、がんばったけど‥‥
コトバが出なかった。
絵で描いたりもしたけど。
それもあたし、へたくそで。
成: 2年前といえば‥‥14才だ。
ムリもないよ。
茜: あの事件のあと‥‥
あたし、決心したの。
カガク捜査官になって、今度こそ。
自分のコトバで犯罪と戦いたい!
そして、決定的な証拠を見つける。
そうすれば‥‥
お姉ちゃんが、証拠を”作る”
必要なんて、ないでしょう?
成: そう、だったのか‥‥
(‥‥あかねちゃんのコト、
やっとリカイできた気がする。
でも‥‥事件のハナシには、
少し気になるコトがあるな)

(「気になること」を聞く)
成: ひとつ‥‥気になることが
あるんだけど。
茜: なんですか?
成: きみは、2年前‥‥ともえさんの
オフィスにいたんだよね?
茜: そうですよ。
成: なぜ‥‥連続殺人犯が、
そんなところに逃げてきたのかな。
しかも、それを追ってきたのが
<<検事>>だった、なんて‥‥
茜: ああ。それならカンタンです。
青影 丈は、あの日‥‥
取調べ中に逃げ出したんです。
成: ”取調べ”‥‥というと、警察に?
茜: ええ。
モチロン、舞台は警察局ですよ。
事情徴収の途中に逃げ出して、
お姉ちゃんのオフィスに‥‥
成: いやいや、だから。なんでそこで
ともえさんのオフィスなのかな。
茜: だって。取調べ室とオフィスは、
エレベータで直通だから。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
”エレベータで直通”‥‥?
‥‥あの。ともえさんは、
”主席検事”だったよね?
茜: あ! もしかして‥‥
あたし、言ってませんでした?
お姉ちゃん‥‥
2年前まで、捜査官だったんです。
警察局でナンバーワンの
スゴウデだったの。
成: え‥‥‥えええええッ!
(はじめて、聞いたぞ!)
茜: あの<<青影事件>>の直後、
検事局に移ったんです。
”主席検事”として。
成: (ともえさんが‥‥かつて
”捜査官”だった‥‥?
どうやら‥‥本人のハナシを
聞いたほうがいいみたいだ!)

(「留置所」に移動する)


2月24日 某時刻
留置所 面会室

茜: あ。お姉ちゃん‥‥
巴: 成歩堂弁護士‥‥あなたに
メイワクをかけたようです。
成: 証拠品の”ねつ造”‥‥
まさか、と思っていました。
巴: 犯罪者は手段を選びません。
こちらも、カクゴが必要なのです。
茜: ‥‥でも! お姉ちゃんたちが
まちがえていたら!
無実のヒトを有罪に
しちゃうかもしれないんだよ!
巴: たしかに‥‥
そのキケンは、承知しています。
成: ともえさん。
あかねちゃんから、
あなたのことを聞きました。
巴: ‥‥なんのコトかしら。
成: あなたは‥‥2年前は
捜査官だったそうですね。
そして、<<SL9号事件>>を
キッカケに、検事局に移った。
巴: ‥‥そのとおりです。
成: 聞かせていただけますね?
その不自然な”異動”のコトも。
巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥
あなたには、聞くケンリが
あるでしょう。成歩堂弁護士‥‥

(「今日の法廷」を聞く)
成: 今日の法廷で、いろいろなコトが
わかりました。
やはり‥‥2年前の事件が
大きく影響していること。
巴: あの事件の証拠品が、盗まれた‥‥
なんとなく、予想はしていました。
罪門‥‥巡査の執念は、
よく知っていましたから。
茜: ‥‥2年前の、あの裁判。
やっぱり、不正があったんだね。
巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥
茜: お姉ちゃんを信じてたのに!
どんなコトがあっても、真実だけを
見つめてくれる、って‥‥
巴: ‥‥しかたないのです、あかね。
2年前の、あの事件で‥‥私は
タマシイを売ったのですから。
成: ‥‥とにかく。
今日の法廷のケツロンは、1つ。
事件当日の、午後5時15分。
<<警察局で、殺人事件はなかった>>
茜: ウソだよね! 証人が‥‥
おキョウさんが言ったコト。
お姉ちゃんが、多田敷さんを
ナイフで刺した、なんて‥‥
巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥
茜: お姉ちゃん!
いいかげんにしてよ!
どうして教えてくれないの?
巴: ‥‥あかね。これは、
私だけのモンダイではないのです。
成: (ともえさん‥‥こんな苦しそうな
カオをするの、初めてだ‥‥)

(「捜査官・宝月巴」を聞く)
巴: たしかに‥‥2年前。
私は警察局の一員でした。
茜: すごかったんですよ、お姉ちゃん。
ガント局長とお姉ちゃんのチーム。
今でも刑事課の伝説なんですから!
成: 巌徒局長‥‥?
巴: 当時は、警察局副長でありながら
捜査の現場にいたのです。
巌徒 海慈は‥‥私にとって、
アコガレの捜査官だったのです。
茜: ふたりでコンビを組んで、スカッと
カイケツ! カッコよかったなあ。
成: (ジマンのお姉さん、か‥‥
うれしそうだな、あかねちゃん)
でも‥‥今は、主席検事ですよね。
何があったんですか?
巴: ‥‥私はもともと、
検事を志望していたのです。
茜: 警察局で捜査の現場を学んで、
転向するつもりだったんだよね!
巴: <<SL9号事件>>の解決で、
巌徒のチカラは決定的なモノに。
彼は、警察局長に就任して‥‥私の
検事局への異動を決めたのです。
成: (2年前の”捜査”‥‥
もう少し、詳しく聞いてみよう)

(「2年前の捜査」を聞く)
巴: 2年前‥‥私は、副主席捜査官と
して、青影を追っていました。
成: ”副主席”‥‥すると当然、
主席は‥‥巌徒 海慈、ですか。
巴: 私と巌徒捜査官は、オフィスも共有
して、捜査に取り組んでいました。
成: (巌徒局長と、オフィスまで
いっしょだったのか‥‥)
巴: 私たちの下についたのも、
みな優秀な捜査官でした。
捜査責任者の多田敷捜査官。
罪門 恭介に、市ノ谷 響華‥‥
特に罪門は、初めて弟さんと組んで
‥‥はりきっていました。
青影 丈は、まちがいなく
連続殺人事件のハンニンでした。
私たちは、本人に任意同行を求めて
証拠をつかもうと必死だった‥‥
そんなとき。
あの事件は起こったのです。
成: (あかねちゃんの”事件”‥‥!)
茜: あたしを助けようとした
罪門検事さんが、青影に‥‥
巴: あの事件‥‥第一発見者は、
この私自身だったのです。
成: ‥‥!
(初めて聞くぞ‥‥その情報は)

(「第一発見者」を聞く)
巴: あの日。取調べは、巌徒捜査官と
罪門 直斗検事が担当しました。
捜査は大詰めを迎えていて‥‥
青影もアセっていたのでしょう。
巌徒捜査官たちのスキをついて、
取調室から逃走したのです。
青影が逃げこんだのは‥‥
巌徒捜査官と私のオフィスでした。
茜: ‥‥そこに、
あたしがいたんだね‥‥
成: あなたが‥‥最初に
かけつけたんですか? 現場に。
巴: そのようです。
私は、取調べには立ち会わず、
資料の整理をしていました。
オフィスに戻ると‥‥3人の人影が
倒れて、血のニオイがしました。
成: 3人‥‥
殺害された罪門 直斗検事と、
キゼツした、あかねちゃんと‥‥
巴: ハンニンの青影 丈です。
格闘の際に‥‥罪門検事は、
最後の抵抗をしたようです。
青影は現場で、軽い脳しんとうを
起こして倒れていました。
成: ‥‥それで、あなたは?
巴: さすがの私も、パニックに
なってしまって‥‥
とにかく、あかねを現場から
運びだして、介抱しました。
成: (そりゃそうだよな‥‥
妹さんが襲われたんだから)
巴: そして‥‥青影を、
緊急タイホしたのです。
成: ‥‥ケッキョク‥‥
全員が関係者だったんですね。
<<SL9号事件>>の‥‥
巴: そう‥‥
フシギなもの、ですね。
成: ぼくは、そう思いません。
茜: え! どういうことですか?
成: 関係者が全員、過去の事件に
関係しているなんて‥‥
グーゼンとは考えられないよ。
茜: でも‥‥! 2年前に
解決した事件なんですよ!
成: その”解決”が認められなくて、
彼は、あんなコトをしたんだ。
巴: 罪門巡査‥‥彼のコトは、
私もずっと、気にしていました。
弟さんを亡くしてから、すっかり
ヒトが変わってしまって‥‥
茜: やっぱり‥‥青影の裁判に、
ナットクできなかったのかな。
巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥
1つの事件が終わっても‥‥
人生は終わってくれないのです。
その記憶を一生、
抱えたまま生きるしかない。
成: その”事件”‥‥まだ、
終わっていないかもしれません。
巴:‥‥!
成: あかねちゃんが襲われたのは、
警察局なんですね?
巴: 巌徒 海慈と私が、いっしょに
使っていたオフィスです。
現在は<<警察局長室>>‥‥
巌徒局長が1人で使っています。
成: (行ってみるか。局長室‥‥
<<SL9号事件>>の現場へ!)

(「警察署・刑事課」に移動する)


2月24日 某時刻
警察署内 刑事課

成: イトノコ刑事は‥‥
見あたらないね。
茜: なんか今日は、特に
静かな気がしますね。刑事課。
成: ‥‥たしかにね。
(課長さんはあいかわらずだけど)
茜: あの。もう少し、他のヒトの
ハナシを聞いてみませんか?
成: ‥‥そうだなあ。
また、あとで来てみようか。

(「警察局・エントランス」に移動する)


2月24日 某時刻
警察局・エントランス

罪: よお。バンビーナ。
茜: あ‥‥ざ、罪門さん!
罪: 今朝、目がさめたとき‥‥こんな
1日になるとは思わなかったよ。
人生なんて、ケ・セラ・セラ。
わからないものさ、バンビーナ。
ビリーがつけた花が枯れたのが、
すべてを予言していたのかもな。
茜: びりー‥‥?
成: サボテンじゃないかな、たぶん。
あの‥‥どこか、行くんですか?
罪: ちょっと検事局まで、
事情聴取に、ね。
<<任意出頭>>というカタチだが‥‥
もう、戻ってくるコトはないさ。
ワルいが、今日は
証拠保管室には入れねえぜ。
茜: 罪門さん‥‥‥
どうして、あんなコトを!
罪: さあな‥‥あの事件だけは、
コタエを知りたかったのかな。
成: ‥‥すみませんけど。
検事局へ出頭する前に、
ハナシを聞かせていただけますか?
罪: フン‥‥‥今日は
ステーキ弁当はナシ、のようだ。

(「2年前の裁判」を聞く)
罪: ‥‥あの裁判は、
最初からアヤしかった。
それは、恐らく‥‥捜査にあたった
全員が感じていたはずだ。
成: ”アヤしかった”というのは‥‥?
罪: オレたちの捜査とくいちがう
”ジジツ”が報告された。
たとえば‥‥凶器だ。
成: ”凶器”‥‥この、
先の折れたナイフですか?
罪: たしかに、そいつは
青影 丈のものだったさ。
しかし‥‥最初の解剖記録では、
ひとつのギモンが記されていた。
茜: ‥‥ギモン‥‥?
罪: あのナイフは‥‥被害者の傷口と
ビミョーな”ズレ”があった。
成: どういうことですか?
罪: 本当の凶器は、あのナイフじゃ
なかった‥‥そういう可能性さ。
成:‥‥!
罪: しかし‥‥提出された記録からは、
その”可能性”は消えていた。
成: (それが‥‥”インペイ”と
”ねつ造”だったのか‥‥?)
罪: そう。あの事件は、オレたちに
大きなキズを残したのさ。
茜: <<SL9号事件>>が残した、
”ツメ跡”‥‥‥

(「弟・罪門直斗検事」を聞く)
罪: ‥‥優秀な検事だったよ。オレとは
ちがって、アタマがよくてなァ。
当時、捜査官になったばかりの
オレと組んで、ひとシゴト‥‥
そんな矢先の事件だったぜ。
茜: いくつ、だったんですか?
弟さん‥‥
罪: ‥‥当時、27才だったよ。
まさにあの日、最高の栄誉を
つかんだばかりでね‥‥
成: ”最高の栄誉”‥‥?
それって、もしかして‥‥
罪: <<検事・オブ・ザ・イヤー>>さ。
成: (で、出たよ‥‥)
罪: そんなカオ、しないでくれよ。
検事にとっては、名誉なんだろ?
成: (罪門さん‥‥弟さんのコトに
なると、やさしい顔になるな)
茜: <<SL9号事件>>が起こった日。
それって、まさか‥‥
罪: そう。‥‥今回と同じ、
証拠品の<<申し送り>>の日だった。
成: ‥‥!
そうだったんですか‥‥
罪: 朝から冷たい雨がふっていて‥‥
夜には、カミナリが鳴りだした。
‥‥あれから、2年。
オレは、事件を死なせないために
証拠品を奪おうとしたのさ。
成: (しかし‥‥ダレかが、
それを阻止しようとしたんだ。
多田敷さんは殺害されて‥‥
保管庫はカラッポになっていた)

(「事件のツメ跡」を聞く)
罪: この事件には、ウラがある‥‥
裁判のあと、思い知らされたよ。
捜査に関係した捜査官が
1人をのぞいて全員、整理された。
おキョウはクビを切られ、
オレは小部屋に押しこまれた。
成: 多田敷捜査官は‥‥
”整理”されなかったんですか?
罪: アイツまで切っちまったら、
総監クラスの耳に入っちまう。
ヤツらには、ツゴウが
悪かったんだろうぜ。
成: ”ヤツら”っていうのは‥‥
茜: いったい、ダレですか!
罪: ‥‥気を悪くするなよ、
バンビーナ。
巌徒 海慈と‥‥宝月 巴さ。

(「巌徒と巴」を聞く)
罪: ‥‥巌徒 海慈主席捜査官と、
副主席の宝月 巴‥‥
警察局では知らない者のない
名コンビだったぜ。
彼らが、そのキャリアに決定的な
王手をかけたのが、あの事件さ。
成: <<SL9号事件>>のあと、彼女は
検事局へ移ったんですよね。
罪: ああ。新局長に就任した、
巌徒 海慈が手配したのさ。
‥‥検事局に異動してからさ。
彼女のようすがおかしくなった。
茜:
罪: 彼女を知っているヤツは、
クチをそろえて言ってるぜ。
『宝月主席検事は、捜査官だった
ころとは別人だ』‥‥ってな。
成: (そういえば‥‥あかねちゃんも
言ってたな、そんなコトを)
茜: いったい‥‥お姉ちゃんに
何があったんですか!
罪: ‥‥ザンネンだが。
彼女の闇は深すぎてね。
オレの手には負えなかったよ。
成: (ともえさんの”ヒミツ”は‥‥
2年前から始まっていたんだ)
罪: ‥‥さて。
オレの話は、こんなトコロだ。
楽しんでくれたかい、カウボーイ。
成: ‥‥参考になりました。
罪: 今日の法廷で、ハッキリわかった。
オレの敵は、御剣のボウヤじゃ
なかったんだ、ってね。
2年前。不正な証拠で有罪判決を
モギ取ったのは、あの男だった。
しかし。証拠をそろえて、戦術を
組み上げ‥‥与えたヤツがいた。
巌徒 海慈だ。
まあ‥‥もうすぐ、巡査ですら
なくなるオトコのタワゴトさ。
一度、組んでみたかったよ。
科学捜査官になったアンタと、ね。
それじゃあな、バンビーナ!

(「警察署・刑事課」に移動する)


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