第1話『思い出の逆転』第1回法廷(その2)

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綾里 千尋…赤
成歩堂 龍一…黒
星影 宇宙ノ介…黄
裁判長…緑
亜内検事…茶
美柳 ちなみ…紫
呑田 菊三…灰
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(本当にあったこと)
成: 『じつは‥‥ボク、アイツに
呼び出されたんです。』(証言1)
『アイツ、薬学部だから‥‥
その校舎の裏庭で、2時45分に。』(証言2)
『話をして‥‥3時ごろには、
もう別れました。』(証言3)
『それで、あとで戻ってきたら‥‥
アイツ、倒れていて。』(証言4)
『カゼゴロシ・Zは、この2・3日
ずっと飲んでいたんですけど‥‥』(証言5)
『事件のあった日のおヒルごはんの
ときから、なくなっちゃって。』(証言6)
裁: 被告人! さっきの証言と
ゼンゼンちがうではないですかッ!
成: げほげほげほげほげほげほ。
す、すみません!
信じてもらえないと思って‥‥
亜: そもそも、今の証言自体も
きわめてウソっぽいようだがねえ。
裁: ふむう‥‥では、弁護人。
尋問をおねがいします。
千: (おねがい、なるほどさん‥‥
これ以上、ウソはつかないで!)

(「証言2」をゆさぶる)
千: 2時45分というのは、
呑田 菊三さんの指定で?
成: ええ。時間ピッタリに会いました。
裁: ふむう‥‥。ところで、被害者は
”薬学部”ということですが‥‥?
成: 医薬品の精製とか調合とか‥‥
そんなことを研究してるんです。
連中、『勇盟大学の錬金術師』
なんて呼ばれてますよ。
裁: ほおほお。”れんきんじゅつ”‥‥
成: とにかく、アヤしいんですよ。
実験室なんて、スゴいんだから!
いろんな化学薬品とか、
高圧電流を使った実験機械とか。
裁: ほほ。それはおもしろい。
なんというか、ユメがありますな。
千: (‥‥どうしよう?
詳しく話を聞いてみようかな)

(「薬学部のこと」を選択)
千: 薬学部のこと‥‥
もう少し聞かせてくれるかしら。
成: いいですけど。
詳しいことは知りませんよ。
千: さっき‥‥
あなたはこう言いましたね。
彼らは”高圧電流を使った
実験機械”を使う‥‥と。
成: そうみたいですよ。
アブないハナシですよね!
規格より高い電力を使うから、
専用の高圧電線を引いていて‥‥
千: ”高圧電線”‥‥
成: ええ。校舎内に
電柱が特設してあるんです。
高圧電線なら、校舎にそって、
アタマの上を走ってますよ。
千: (‥‥どうやら‥‥やっと、
話が見えてきたわね‥‥)

(「証言6」をゆさぶる)
千: ”事件があった日”ですか。
そのとき、昼食は、どなたと‥‥?
成: え? そんなコト、
事件にカンケイあるんですか?
千: ‥‥もしかしたらね。
成: おヒルはいつも、ちいちゃんと
2人っきりで食べるんですよ。
ちいちゃんのおベントウ、
とーってもオイシイんですよ。
もお、タマゴ焼きなんて、
ほっぺが落っこちそうで。へへへ。
星: ぐはあッ! なな、
なぜ、ワシのほっぺを‥‥!
千: ‥‥あ! す、スミマセン!
急に、ビンタしたくなっちゃって。
裁: ‥‥もう、じゅうぶんでしょう。
被告人と被害者が会ったのは、
死亡推定時刻のころです。
さらに、立ち去ったはずの被告人は
なぜか、現場に戻っている‥‥
亜: 薬ビンの説明も、ナットクできる
ものではありませんでしたな。
裁: ハッキリ言いましょう。
‥‥被告人。
あなたの証言は、信用できません。
成: そ‥‥そんな!
亜: うふふふふふ‥‥
やはり、おじょうさんには
荷が重かったようですな‥‥
千:‥‥!
裁: ‥‥ただし。まだ1つだけ、
問題が残っています。
亜: モンダイ‥‥ですと?
裁: モチロン、殺害方法です。
被害者が、どうやって
”感電死”したのか?
‥‥たしか、凶器はまだ
提出されていませんでしたな?
亜: まあ、それはそうですな。
‥‥たしかに。
千: (被害者の呑田 菊三が
”どうやって死んだか”‥‥?
もし、その方法を立証することが
できれば‥‥
このピンチを切り抜けることが
できるかもしれない‥‥!)

(「殺害方法を立証する」を選択)
千: ‥‥裁判長!
裁: な、なんですかな、弁護人。
千: これまでの証言を総合すれば‥‥
答えを出すことができるはずです!
どうして被害者は死んだのか‥‥?
裁: そ、そうなのですか!
亜: うふふふふふ‥‥
これは、大きく出ましたなあ。
モチロン‥‥新人のあなたも
法廷のルールはご存じでしょうな?
ワレワレの武器は、つねに
”証拠品”であることを!
千: も、モチロンわかってますっ!
(ちょっぴり、忘れてたけど‥‥)
裁: それでは、弁護人。
提示していただきましょう。
被害者が”感電死”した
原因を示す証拠品を‥‥!

(「現場写真・1」を選択)
千: 被害者が亡くなった、
その”原因”‥‥
この現場写真に、しっかり
写ってるじゃないですか!
裁: な、なんですとッ!
‥‥特に、凶器になりそうな
モノは、見あたりませんが‥‥
ふむう‥‥それでは、弁護人。
教えていただけますかな。
この写真のどこに、
”凶器”があるのか‥‥?

(「切れた電線」を選択)
千: もちろん‥‥ここですっ!
裁: それは‥‥なんですかな?
千: 切れた送電線‥‥でしょう。
証言を思い出してください。
薬学部では、実験に
高圧電流を使用するため‥‥
特殊な送電線が
引かれているのです!
裁: 高圧‥‥電流‥‥!
千: この送電線こそが、被害者の死因。
そう考えるのが自然です!
裁: ふむう‥‥た、たしかに‥‥
そうかもしれませんな。
亜内検事! いかがですか?
亜: まあ‥‥よくやった、と
ホメてさし上げましょうかな。
千: なんですって‥‥
亜: 被害者の死因は、
その送電線かもしれない。
しかし! それが何を
イミするか、考えていただきたい!
切れた送電線を”凶器”として
使うことができたのは‥‥
やはり、被告人ではないですか!
成: ‥‥げほ!

(ざわめきが起こる)
裁: ふむう‥‥。
そのとおりですな。
亜: そして、最後にもう1つ。
ワレワレには証拠があるのですよ。
成歩堂 龍一の犯行を立証する、
決定的な証拠がね!
裁: そ、その証拠とは‥‥
いったい、どんな!
亜: ‥‥指紋ですよ。
裁: しもん‥‥?
この薬ビン以外にも、被告人は
まだ、指紋を残していたのですか!
亜: 現場写真を見ていただきましょう。
ごらんのとおり、被害者は
革のジャケットを着ています。
革には‥‥そう。
指紋が残りますよねえ。
千: あっ!
‥‥ま、まさか‥‥?
亜: ジャケットのムネの部分に‥‥
ハッキリ残っていたのですよ。
被告人の手のひらの跡が、
キレイに‥‥ね!
裁: な、なんですって!
亜: そんなところに指紋がつくケースは
1つしか考えられない。
殺意を持って、切れた送電線に
向かってつきとばしたときです!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
もう、けっこうです!
‥‥これで、ギモンの余地は
カンゼンになくなりました。
星: ‥‥オシマイ、ぢゃな。
千: せ‥‥先生!
星: シリの痛みでわかる。
‥‥あきらめるんぢゃ、千尋クン。
あのボウヤは‥‥
最初から、有罪だったんぢゃよ。
千: ちがう! ちがう‥‥!
なるほどさんは‥‥
ゼッタイに無実なんです!
裁: ‥‥本法廷は、これ以上の
審理を必要としません!
千: さ‥‥裁判長‥‥!
裁: 被告人・成歩堂 龍一に、
この場で判決を言いわたします!

(綾里千尋「待った!」)
裁: ‥‥まだ、
何かあるのですか? 弁護人。
千: これでいいの? なるほどくん!
成:‥‥!
千: あなたはまだ、本当のことを
‥‥真実を話していない。
それなのに‥‥今、
判決が下ろうとしているのよ!
成: で、でも‥‥ボク。
い、言えませんっ!
ホントのコトを言っちゃったら、
それこそ‥‥
千: 大丈夫‥‥なるほどくん。
私を信じて。
成: ち‥‥千尋さん‥‥
千: あなたがどんな証言を
しようと‥‥
私はあなたを信じる。
最後まで、あなたを弁護するわ。
成:‥‥!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: ‥‥ワレワレは、すでに
被告人の有罪を立証しました。
彼のコトバは
すでに、必要ありません!
成: げほッ!
ま‥‥待ってくださいっ!
千: なるほどくん‥‥
成: ボク‥‥
ホントのコトを言います!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: だから、成歩堂くん。
もう、その必要は‥‥
成: げほッ!
ボクが‥‥ボクが、
つきとばしたんです!
アイツを‥‥呑田 菊三を!


『‥‥彼女とは、
もう会わないほうがいい。』

『そんなコト、
きみに言われたくないよ!』

『‥‥アンタのためなんだ。
きっと、よくないことが起こる。』

『う、ウソだッ!』

『いいか、聞くんだ。
‥‥あの女はなぁ‥‥‥‥‥‥‥‥』

『‥‥やめてくれッ!
彼女のコト‥‥
そんなふうに言うなッ!』

裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
今の発言‥‥ホンキですかッ!
成: ボク‥‥コワかったんです。
ホントのコトを話したら‥‥
ダレが考えたって、
ぼくが犯人になっちまう!
裁: ‥‥今の時点ですでに、ダレが
考えても犯人はあなたでしょう。
成: ‥‥おねがいします!
もう一度だけ、
チャンスをください!
ぼく、今度こそ‥‥
真実を証言したいんです!
大丈夫だよね、千尋さん!
ぼく‥‥信じてるから!
千: え! ‥‥どうもありがと。
(まさか‥‥ホントに
つきとばしていたなんて‥‥)
星: ワシのシリが‥‥暴れだしておる!
暴れだしておるぞおおおお‥‥

(被害者をつきとばしたこと)
成: 『アイツが‥‥ちいちゃんのコト、
悪く言ったから‥‥』(証言1)
『ついカッとなって
つきとばしちゃったんです!』(証言2)
『そのとき、なんか大きな
音がしたような気がするけど‥‥』(証言3)
『立ち去ってから少しして、
ちょっと心配になったんです。』(証言4)
『それで、戻ってみたら‥‥
あ、アイツ‥‥し、死んでいて!』(証言5)
亜: ‥‥ハナシはカンタンですな。
つきとばしたとき、呑田くんは
切れた送電線に触れてしまった。
そのショックで、彼は死んだ。
‥‥それだけのことです。
裁: ふむう‥‥なるほど‥‥
亜: 事件のあったころ、現場には
小雨がふっていました。
雨にぬれた被害者は、電気を
通しやすい状態にあったのです!
成: で‥‥でも!
つきとばしたとき、送電線なんて
たれていませんでしたよ!
現場にそんなものがあったら、
いくらぼくでも、気がつきます!
千: (そうよね‥‥。いくら
なるほどくんでも気づくわ!)
裁: ふむう‥‥
弁護人、よろしいですか。
今回の尋問で新しい事実が
浮かばなかった場合‥‥
ただちに判決を言いわたします。
‥‥そのつもりで。
千: ‥‥は、はい。
(あきらめちゃダメよ、千尋!
なるほどくんが無実ならば‥‥
手がかりは必ず、あるわ!)

(「証言3」をゆさぶる)
千: ”大きな音”‥‥
それは、どんな?
成: よくわからないんですけど‥‥
かなり大きな音でしたよ。
”バチッ!”‥‥みたいな。
あれ、なんの音だったのかなあ。
亜: うふふふふふ‥‥
被害者が感電したときの音‥‥
それしか考えられないでしょう。

(綾里千尋「異議あり!」)
千: ‥‥き、
決めつけないでくださいっ!
(どうしようかな? ヘタに
つっこむのもキケンかしら‥‥)

(「詳しく聞く」を選択)
千: なるほどくん。その”音”‥‥
とても大事なコトかもしれないわ。
よく思い出してみて!
成: ううう‥‥なんていうか、
鋭い音だったんですよ。
あ! もしかして、あの音かな?
千: な、なに! 言いなさい! 早く!
成: つきとばしたとき、アイツ
持っていたカサを落としたんです。
アイツ、カサの上に倒れて‥‥
コワしちゃったんです。
そのときの音だったのかも‥‥。
裁: カサ、ねえ‥‥。それは、
被害者のものですか?
成: ええ。アイツにお似合いの、
安っぽいビニールのカサですよ!
‥‥まあ、ボクはそれすら持って
なくて、ビショぬれでしたけど。
裁: ふむう‥‥弁護人。
いかがですか? 今の証言、
何か重要なことなのですかな?
千: え! ええと、それは‥‥

(「モチロン、重要」を選択)
千: (これこそ、私の待っていた
新しい情報じゃない、千尋!)
その安っぽいカサのコト‥‥
モチロン重要です!
正式に、証言に加えてください!
亜: ハッ! 安っぽい弁護士には
安モノの情報が似合うようですな。
裁: 弁護人の要請を
受け入れましょう。‥‥証人。
安っぽいカサのことを
証言に加えてください!
成: 『つきとばしたら、アイツ‥‥
カサを下じきにして倒れました。』(証言6)

(「証言6」に「現場写真・1」をつきつける)
千: ‥‥どうして最初から
この証言をしてくれなかったの?
成: だって‥‥
こんなコト言ったら‥‥
千: もっと早く
反撃ができていたのに。
亜: ど、どういうことですかな?
千: 現場写真を見てください!
被害者は、カサの上に倒れた‥‥
証人は、そう証言しました。
‥‥しかし、この写真では‥‥
カサは、死体から離れた
電柱のところにあります!
裁: た‥‥たしかに!
千: 結論はアキラカです。
被告人が立ち去ったあと‥‥
被害者は、その場所から
移動した。‥‥つまり!
被告人につきとばされたとき、
呑田さんは、死んでいなかった!
亜: バカなあああああぁぁぁっ!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥静粛に! 静粛に! 静粛に!
被害者が‥‥移動した‥‥!
亜内検事! カサは‥‥
この写真のカサは、どこにッ?
亜: い、いちおう
回収してありますが‥‥
裁: 今すぐ、証拠として
提出していただきましょう!

証拠品<<カサ>>のデータを
法廷記録にファイルした。
亜: しかし‥‥そんなカサごとき!
風で‥‥風で飛ばされただけだッ!

(綾里千尋「異議あり!」)
千: 証言によれば、被害者は
カサの上に倒れたはずです。
風で飛ばされるなんて、
考えられません!
亜: むぐぐぐぅぅぅ‥‥ッ!
で、でも! でもでも
裁: ‥‥たしかに‥‥カサの件は
ささいなコトに見えます。
しかし! ギモンが残るかぎり、
判決を下すことはできません!
亜: な‥‥‥‥‥‥‥‥
なぎゃらわああああああああッ!
裁: ‥‥信じられません。
有罪を確定すると思われた証言に、
まさかこんな”穴”があったとは!

<<成歩堂の証言書>>のデータを
法廷記録にファイルした。
星: ち‥‥千尋クン! やりおったな!
亜: ‥‥‥‥‥‥うふ。
うふふふふふふふふふふふふふふふ
裁: なな、なんですか、亜内検事。
その、ほがらかな笑い声は‥‥
亜: さすがに‥‥
ムシがよすぎましたかな。
被告人の尋問だけで
有罪判決をいただこう、などと‥‥
裁: な、なんですと!
千: ‥‥‥‥‥‥
どうやら‥‥”次の証人”が
いるみたいですね。
亜: さよう! しかも、
”決定的な”証人がねえ。
裁: ど、どなたですかッ!
亜: 美柳 ちなみさんです。
裁: みやなぎ ちなみ? もしかして
‥‥あの。ちいちゃん、ですかな?
亜: そのとおりです。
被告人の恋人である彼女は‥‥
すべてを目撃していた!
そう。彼女は事件が発生した瞬間
‥‥殺人現場にいたのです!
裁: なんですっとおおおおおおおおッ!

(ざわめきが起こる)
亜: オキノドクでしたなあ‥‥
おじょうさん。
千: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
”オキノドク”?
‥‥とんでもない。
私は‥‥
この瞬間を、待っていたのです。
亜: な‥‥なんですと‥‥?
星: 千尋クン!
ど、どういうイミぢゃ‥‥?
裁: ここで、20分間の
休憩をとりたいと思います。
その後、美柳 ちなみさんの
証言を聞くことにしましょう!


同日 午前11時52分
地方裁判所 被告人第3控え室

成: 千尋さん‥‥スミマセンでした。
‥‥ボク‥‥
千: ‥‥やっと、ホントのことを
話してくれたわね。なるほどくん。
成: ええ‥‥。だから、もう
安心ですよね? ボク。
星: 安心なワケあるかいッ!
ダイジなコト、かくしおって‥‥
成: ううう‥‥。でも!
次の証人、ちいちゃんでしょう?
きっと、ボクたちのコト、
助けてくれちゃいますよ!
千: ‥‥どうして、そう思うの?
成: え! だって‥‥彼女、
ボクの運命のヒトだから!
千: 運命、ね‥‥。よかったら、
聞かせてくれないかしら?
あなたと‥‥その、
美柳 ちなみさんのこと。
成: ええ! いいですとも!
ちいちゃんとは‥‥半年前、
この裁判所で出会いました。
ボク‥‥今、弁護士を
目指して勉強中なんですけど‥‥、
ある日、地下の資料室で、
バッタリ出会っちゃって。
ホント、あれこそ”ウンメイ”って
ヤツだったんですよねえ‥‥。
もお、ヒト目見たとたん、
いきなりイイ感じになっちゃって。
ホラ、ホラ、見てくださいよ!
千: ‥‥‥!
成: そのときもらった、
コイビトのアカシなんです!
あの日、彼女が首から
さげていたんですけど。
”あなたに、持っていてほしいの”
なーんて言っちゃって。
星: 彼女がくれた‥‥
”プレゼント”というワケかの。
成: ちっちゃなオモイデを入れるための
ちっちゃなボトルなんですよ!
千: たしかに‥‥ちゃちな小ビンね。
成: もお、うれしくて。会うヒト
みんなに見せびらかしてるんです!
ボクのシアワセを、みんなにも
わけてあげたくて‥‥

<<ちなみのプレゼント>>を
なるほどくんから借りた。
千: とにかく‥‥
それから、彼女と
つきあうようになったのね?
成: 彼女、テレ屋さんだから‥‥
会うたびに、ボクに言うんですよ。
”やっぱりそれ、返して”って。
星: ヘンな女ぢゃの。一度あげたモノを
返せ、とは‥‥
千: ‥‥ところで、なるほどくん。
あなたが、美柳 ちなみさんと
出会ったのは‥‥
半年前の、8月27日のことね。
成: え‥‥。
‥‥ど、どうしてそれを‥‥?
千: 8月27日‥‥。この裁判所では、
こんな事件があったのよ。
成: それ‥‥新聞記事ですか?
ええと、<<裁判所で、殺人事件?>>
さ、”さつじん”?
星: な、なんぢゃと!
ちょっと貸したまえッ!
‥‥‥‥‥‥‥‥!
なるほどのお。
千尋クン。‥‥どうやら、
わかった気がするぞ。
なぜチミが、急に今回の事件を
引き受ける、なぞと言い出したか。
この記事の事件と、今回の事件‥‥
カンケイあり、というワケぢゃな。

<<新聞記事>>のデータを
法廷記録にファイルした。
千: ‥‥すみません、先生。
私‥‥、ケリを
つけなくちゃいけないんです。
星: しかし‥‥これだけでは、
どうにも情報が足りん。
よし。ワシが今から、
地下の資料室をあたってみよう。
千: あ‥‥ありがとうございます!
星: 他ならぬチミのためぢゃ。
チカラのかぎり、協力するぞい!
とにかく、行くのぢゃ。
そろそろ休憩時間が終わる!
千: (‥‥そうね‥‥
‥‥ずいぶん長い<<休憩時間>>
だったような気がするわ‥‥)


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