第3話『逆転サーカス』探偵パート2日目(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
マックス…赤
ミリカ…黄
トミー…紺
ベン…灰
リロ…橙
アクロ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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12月29日 午後 3時 3分
成歩堂法律事務所

真: あのさ、なるほどくん。
成: ん?
真: コクハクしちゃうけど、あたし
ニガテなんだよねー、手品。
成: てじな?
真: うん。ホラ、手品って
タネがあるんでしょ、かならず。
でもね。あたし、見てて
わかったためしがないもん。
成: そりゃ、プロだから。タネが
バレないようにやってるんだよ。
真: でも、でも、この前はみちゃんに
見せてもらったのもスゴかったよ!
成: 春美ちゃんが?
‥‥へえ。どんなの?
真: あのね。親ユビが‥‥
なんと、取れちゃうんだよ!
成: ‥‥え。
真: まずね。左手の親ユビを
右手でニギるんだよ。
そのまま、えいっ、て
モギ取っちゃうの。
成: こんなふうに?
‥‥えいっ。
真: うおッ! すごい!
なるほどくん、魔術師だッ!
‥‥と、まあこんなワケだから、
空飛ぶ殺人犯の使った魔術なんて、
あたしムキじゃないな。
成: 魔術なんて、タネを考えて
見るモノじゃないんだけどな‥‥。

(「相談する」を聞く)
成: それにしても‥‥困ったね。
真: 明日までに、犯人が空を飛んだ
ナゾを解く、なんてねえ‥‥。
あたし思うんだけど。犯人て、
ホントに空なんか飛んだのかなあ。
トミーさんだけでしょ?
”見た”って言ってるの。
成: そうなんだけど‥‥。
あのときのトミーさん、ものすごく
真剣だったしなあ‥‥。
真: マックスに罪を
着せたかった、とか‥‥?
成: それなら、”彼を見た”
って言うだけでじゅうぶんだよ。
”飛びました”なんて、
信用されるワケないだろ?
真: でも‥‥犯人がもし、ホントに
飛んだとしたら‥‥
そんなコトできるの、マックスしか
いないよ‥‥?
成: (そ、そうなっちゃうのかな‥‥)

(「気づいたこと」を聞く)
真: ベンさんもリロくんもトミーさんも
マックスのコト、キライみたい。
成: うーん‥‥。あの魔術師、
あからさまにエラそうだもんな。
”オレがいるから客が入るんだ”
‥‥って、ハナにかけてるし。
真: ベンさんなんて、ビンで
アタマなぐられたしね。
‥‥でも。
成:
真: そんなことぐらいで、
サツジンの罪なんて着せないよ!
成: そうは言っても、2人とも
ウソはついていないぞ。
真: ベンさんが見たのは、マックスの
衣装を着た団長さんだった‥‥。
でも、トミーさんはハッキリ
見てるんだよね‥‥マックス。

(「留置所」に移動する)


同日 某時刻
留置所・面会室

マ: おお。ハニイたち!
‥‥さあ、早くボクを
ここから出しておくれよ!
成: ええ。
今、がんばってますから。
マ: ‥‥さっき、
テレビ局の連中が来てさあ。
”セッカクですから、特別番組を
作りましょう”なんて言うんだよ。
真: へええ。どんな番組ですか?
マ: ”マックス・ギャラクティカ、
刑務所から奇跡の大脱出!”。
真: わ! ちょっと
オモシロそうですねー。
マ: ‥‥でも、そんなコトしたら、
逆に出られなくなっちゃうだろ?
成: よけいな罪をしょいこむのは
まちがいないでしょうね。
マ: なんか連中、イロイロ
企画してるらしくてさ。
早いトコ出してくれないと、
ダツゴクするハメになっちまう。
成: ‥‥はあ。ノンキなもんですね‥‥
マ: それがショー・ビジネスの
世界というものさ!

(「事件当夜のこと」を聞く)
成: あの。事件の夜は、ホントに
飛ばなかったんですね? 空。
マ: カンベンしてくれよハニイ。
ボクはあの時間、
団長の部屋にいたんだ。
それに‥‥
空を飛ぶのは、けっこう
メンドウなんだよ。
観客がしなびたピエロ1人じゃあ、
ワリに合わないね。
真: あの。あの。その魔術のトリック、
教えてもらえませんか?
マ: ‥‥う。そ、それはカンベン
してほしいなハニイ。
ボクは最近のヤワな手品師どもと
ちがって、口がカタいからね。
でも、これだけは言えるよ。
カンタンにできることじゃない。

(「今日の法廷」を聞く)
真: 今日の法廷を聞いてて
思ったんですけど。
マ: なんだい、ハニイ。
真: もっと仲よくしましょうよ!
サーカスのヒトたちと。
マ: ゴージャス! どうしてボクが、
あんな二流芸人どもと!
真: でも‥‥!
マ: ボクはね。世界のステージで
グランプリを取ってるんだよ!
成: グランプリ‥‥ですか。
マ: 芸人はね、”世界”に
目を向けるべきなんだ!
特に、ここのサーカスの連中、
向上心がなさすぎる!
ボクには、それが
どうしてもユルせないんだ!
成: (‥‥向上心、か‥‥)
真: マックスの言うことも、
なんか正しい気がしてきた‥‥。

(「グランプリ」を聞く)
マ: おやおや。グランプリの話、
ハニイたちも聞きたいのかい?
‥‥もう100回も話したから、
ウンザリなんだけどね。
成: はあ、スミマセン。
マ: やれやれ、ホントにマッタク、
この話、もうタクサンなんだけど。
しかたないな。
ハニイのたのみとあってはね。
‥‥ホラ! ホラ!
見てくれたまえ、コイツを!
グーゼンにも今、そのときの
写真を持ってるんだよ!
見てくれたまえ。
このゴージャスなステージ!
ここでね。初めて飛んだんだよ。
客席の上を、スイーッとね!
みんな、もう大カッサイだぁ。
オラもう、死んでもイイと
思っただ。あの瞬間、ホンキで!
‥‥あのカンドーとコーフン、
オラ一生忘れね。忘れるもんかぁ!
真: へえええ。
マ: コホン。
‥‥と、とにかく。
芸人になった以上、ワレワレは
あのカンドーを味わうべきなんだ!
このサーカスの連中に、ボクは
それを教えてやりたいね!
真: ‥‥すごいなあ。
あたしもほしいな、トロフィー。
ね。なるほどくん。買って。
成: ‥‥そういうもんじゃないだろ、
トロフィーって。
マ: ハニイたち、
その写真はあげるからさあ‥‥、
サーカスの連中に、よおおく
見せてやっておくれよ!
”ボクを見ならいたまえ!”
ってコトで。
成: (やれやれ‥‥)

証拠品<<グランプリの写真>>を
法廷記録に挟んだ。

(「サーカス・正門前」に移動する)


同日 某時刻
タチミ・サーカス 正門前

真: ? ‥‥なんか、ボソボソ
声が聞こえるよ‥‥?
リ: ‥‥よし、行くぜ。
ジュンビはいいか?
ベ: う、うん‥‥。
あ、お‥‥で。でも‥‥
リ: つべこべ言うなよ!
とにかく、やるしかねえんだよ。
‥‥さん、はい!
ベ: かーえーるーのーうーたーが。
リ: かーえーるーのーうーたーが。
ベ: ‥‥‥‥‥‥
リ: ナニやってんだよ!
”きーこーえーてー
くーるーよ”だろうが!
ベ: そ、それはわ。わかってるケド。
や。やっぱりムリだよリロくん‥‥
リ: バカ言ってんじゃねえよ。
これからは”個性”の時代だぜ!
これぐらいできなくて、
どうすんだよ!
真: あのー。
こんにちは。ベンさん、リロくん。
リ: コラァッ! ヒミツ特訓中だぞ!
聞いてんじゃねえよ!
真: ご、ごめんなさい‥‥。
成: トックン‥‥って、まさか。
ベ: え。ええ‥‥。リロくんが、
どうしてもやりたいって‥‥
その。り。輪唱を‥‥
真: りんしょう‥‥って。
できるんですか! そんなコト。
リ: 見ろよ! ベン!
コイツら、ビックリしてるぜ!
ベ: ‥‥そりゃ、ボクだって
ビックリするよ‥‥
リ: ネタのツカミはオッケーだ!
あとは、練習あるのみだな!
ベ: そ、そそ。そそそ、そんな‥‥
真: あ。そうだ。
‥‥返すね、これ。
リ: おッ、それ!
‥‥よーし。これでまた、
ミリカにアタックできるぜ!

(「今日の法廷」を聞く)
真: あの‥‥。今日の法廷で
証言したことなんですけど。
リ: ああ。オレたちが
見たヤツのコトだろ?
真: うん。
リ: たしかにさあ。最初は
オヤジだと思ったワケよ。
歩き方とか、フンイキとか。
‥‥なあ、ベン!
ベ: う! お。お。そ、そうだね。
たしかに‥‥
リ: でもさ。オヤジならアイサツしたら
ムシなんてことはないし。
例のイヤミな3点セットも
ぶら下げていたし‥‥。
真: ‥‥じゃあ、もし
それがなかったら‥‥?
リ: そうだなあ‥‥。
どう思うよ、ベン?
ベ: う! ‥‥あ。あ、あれは、
そう、団長さんだったのでは‥‥
成: (ベンさんたちが見たのは、
やっぱり、団長だったんだ!)

(「婚約について」を聞く)
真: あの。ミリカちゃんの
コトだけど‥‥
リ: オレはホンキだぜ!
今もこうして待ってるんだ。
真: へええ、そうなんだ。
でも、ミリカちゃんに会うのなら、
テントの中を探せば‥‥
リ: はああ。なーんもわかってねえな、
ネンネちゃんは。
真: え。
リ: こうやって待つのも、
コイのうちなんだよ。
真: は、はあ。
リ: いいか! ”コイ”という
コトバは、”乞い”から来ている!
相手のアイをのぞんで身をコガす
‥‥これが、恋のゴクイなんだよ!
真: へ、へええ‥‥
な、なるほどねえ。
成: (‥‥真宵ちゃん、
真っ赤になってるぞ)

(「腹話術について」を聞く)
真: あの。あの。
新ネタなんですか? 今の?
リ: いいかテメエら。
ゼーッタイ、ヒミツだからな!
腹話術界をゆるがす、
レボリューションを起こすんだ!
真: ‥‥わあ。楽しみだなあ!
リ: ‥‥あ。これだけは
言っとくケドなあ。
あのヤローにハッパかけられて
やってるわけじゃねえぜ。
成: あのヤロー?
リ: マックス・ギャラクティカ。
”芸人は世界を目ざせ!”
なんて、エラそうに!
真: お。リロくん、ヤル気だね!
リ: 見てろ。世界を取るのは、
テメエだけじゃねえんだ。
真: そうだそうだ!
リ: このリロ様も、かならず
つかむぜ! グランプリを!
真: つかむぞ!
リ: ”かえるのうた”でな!
成: あの。‥‥もうちょっと
ワールドワイドな選曲のほうが。
リ: まあまあ。これは大いなる
ヤボウの第1歩だからな!
ベ: ‥‥‥‥‥
リ: しっかりしろよなー。
やるのはオマエなんだからさー。

(「宿舎前・広場」に移動する)


同日 某時刻
宿舎前 広場

糸: おお。アンタたちッスか‥‥
成: ‥‥なんか、ものすごく
つかれてませんか?
糸: はあ‥‥。
今、ちょっと休憩中ッス。
ヘンなピエロのオッサンの
身の上話を聞いていたッス。
狩魔検事の、たっての
おねがい、というコトで。
成: そ、それはそれは。
糸: あのオッサンのハナシ、
異常につかれるッス。
コトあるごとに、ナニかをキタイ
するような目で見つめてくるッス。
成: ‥‥たぶんそれ、
笑うところですよ。
糸: ‥‥わかってるッス。
アイソ笑いのしすぎで、
ほっぺのキン肉がつりそうッス。
真: ‥‥でも、
ヒドいなあ、かるま検事。
トミーさんのハナシなら、
自分で聞けばいいのに‥‥
糸: シッ!
かか、カゲグチを言っちゃ
ダメッスッ!
真: ‥‥どうしてですか?
糸: かか、狩魔検事は、
いつでもワレワレを見てるッス。
イチバン見られたくないところで、
サッソウとあらわれるッス!
おお‥‥コワいコワい‥‥
成: (かなりイタめつけられてる
みたいだな‥‥)
糸: それに、狩魔検事は今、
ワレワレの真上にいるッス。
真: え。
‥‥どういうことですか?
糸: あのピエロの証言によると、
犯人はここから空中へ消えたッス。
すると、この宿舎の窓の前を
通ることになるッス。
真: ‥‥なるほど。
だれが住んでるんですか?
宿舎の上の階には。
糸: なんでも、3階にアクロバットの
芸人の部屋があるらしいッス。
これから、狩魔検事が
取り調べをはじめるッス。
だから、アクロバットの部屋は
来ちゃダメッスよ!
真: うううう‥‥かるま検事めッ!
成: (‥‥取り調べが終わったころ、
行ってみるかな‥‥)

(「サーカス・正門前」に移動する)

(「サーカス・テント内」に移動する)


同日 某時刻
タチミ・サーカス テント内

真: あれ。ミリカちゃんは?
成: さあね。
また、トラでもけしかけられたら
タマんないからね。
早くどこか行こう。
真: わあ。なるほどくん、
コシヌケだなあ。
成: いやいやいや。
相手はトラだぞ。ナマの!

(「テント内・食堂」に移動する)


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