第3話『逆転サーカス』探偵パート1日目(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
マックス…赤
ミリカ…黄
トミー…紺
ベン…灰
リロ…橙
アクロ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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さあ、お待たせしましたァッ!
‥‥本日最後のだしものは‥‥
<<奇跡の空中飛翔>>!
今世紀最高の大魔術師‥‥
その名もマキシミリアーン
‥‥ギャラクティカァッ‥‥!


12月26日 午後 8時12分
タチミ・サーカス テント前

春: ‥‥はあ。
ユメのようなヒトトキでした‥‥。
まだ、ムネがどきどき
しています。
真: ね。ね。スゴかったでしょ
はみちゃん!
春: はい、それはもう!
‥‥おウマさんはダンスをするし、
トラさんは炎の輪をくぐり、
ゾウさんは大きなマリに乗り、
あげくのはてに、殿方がお空を
飛びまわる始末。
真: でしょ。でしょ。カッコイイよね!
マックス・ギャラクティカ。
春: ‥‥はい? なんですか?
まっくす‥‥
真: マックス・ギャラクティカ。
今世紀最高の魔術師。
春: まじゅつし?
真: そうだよ。
春: あの。なるほどくん。
成: ん? なに? 春美ちゃん。
春: ‥‥それは霊媒師とは、いかなる
関係にあたるのでしょうか?
成: (‥‥いかなるカンケーにも
あたらないと思うけど‥‥)
‥‥もしかして、
知らないの? 魔術師。
春: もうしわけありません‥‥。
成: (倉院の里の事件から、半年‥‥
年末の寒空の下、春美ちゃんを
つれてサーカス見物に来てみた。
春美ちゃんに会うのは
あの事件以来だけど‥‥
‥‥がんばってるみたいだ。
日常を取りもどそうとして)
真: ‥‥あ。
そろそろ行かないと。
春: そうですね。
電車がなくなってしまいます。
成: お。春美ちゃん、
おぼえたんだ。”電車”。
春: もちろんです!
‥‥まだ、”とっきゅう”という
仕組みがよく、わかりませんけど。
真: じゃ、なるほどくん。
また、来年ね。
事務所の大そうじ、
きちんとやるんだよ!
成: ああ。だいじょうぶだよ。
春: あの。よろしいのですか?
真宵さま。
真: え。
春: せっかくですから、いとしい
ヒトと、ふたりきりのお正月を‥‥
真: も、もう!
ホラ、行くよ! はみちゃん!
春: あ。それではなるほどくん。
よいお年を。
成: (”よいお年を”か‥‥
ホント、
そうなるといいよな‥‥)


12月28日 午前 9時12分
成歩堂法律事務所

成: (いちおう今日で
仕事おさめなんだけど‥‥
大そうじ、1日で終わるかな)
電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥ピッ‥‥
成: ‥‥はい。
成歩堂法律事務所で
真: 『なるほどくん!
たた、タイヘンだよっ!』
成: お、真宵ちゃんか。
ちょうどいいところに。
じつは、
こっちもタイヘンなんだ。
真: 『え。』
成: いや、大そうじがね‥‥
真: 『ナニ言ってるのッ!』
成: ‥‥なんだよ、
そんなにコーフンして。
真: 『いいからホラ、
テレビつける! 早く!』
成: (テレビ‥‥?)
テ: ‥‥ということで、さっそく
現場を呼び出してみましょう!
成: (‥‥?
何かあったのか‥‥)
テ: ‥‥はーい。こちらは
タチミ・サーカス前でーす。
サーカス以上にセンセーショナルな
殺人事件が起こった現場ですねー。
もう、すんごいヤジウマ。
みなさん、盛り上がってますかー!
成: タ‥‥タチミ・サーカスって‥‥
真: 『そう! こないだ
見に行ったでしょ! アレだよ!』
成: 殺人事件‥‥って言ってるぞ。
真: 『そうなの!
タイホされちゃったの!』
成: だ‥‥だれが?
真: 『マックスが!
マックス・ギャラクティカが
つかまっちゃったんだよおお!』
成: (マキシミリアン・ギャラクティカ
‥‥通称、マックス。
空中を自由に飛び回る
大魔術で人気のマジシャンだ。
真宵ちゃんも大ファンだって
言ってたっけ‥‥)
真: 『いいね、なるほどくん!
2時間後、留置所前。』
成: え? な、何が。
真: 『待ち合わせ。
‥‥仕事おさめなんて、
いつでもできるでしょ!』
成: えええええっ!
電: ‥‥ピッ‥‥

(「留置所」に移動する)


同日 午前11時19分
留置所・面会室

真: どーいうコトよ!
なんでマックスが!
成: ぼくに言うなよ。
たぶん、魔術師だけに、
手品でも使って殺人を‥‥
真: マックスは! マックスは
そんなコト、しないもん!
?: ゴージャス!
まさに、そのとおり!
‥‥さすがハニイ。
わかってるじゃないか。
成: (なな、なんだ
”ゴージャス”って‥‥)
マ: ようこそ、わが面会室へ。
真: マックスだ! なるほどくん!
ホンモノだよっ!
マ: さあハニイ。
1枚、引いてくれないかい。
真: は、”はにい”だって!
なるほどくん!
マ: ハッハッハッ。
さあ、早くお引きよハニイ。
真: ここ、こうですか?
マ: フッ‥‥。きっとハニイなら、
それを引くと思ったよ‥‥。
ハートのエースをね!
真: きゃっ! 当たったよ、
なるほどくん!
マ: ‥‥これでハニイは、
まんまと盗んだワケだねえ。
この、マックス・ギャラクティカの
ハートを‥‥1ケ。
真: マックスゥ‥‥。
マ: さあ。ゴージャスに行こうよ、
ハニイ!
真: ね。ね。なるほどくんも
やってもらいなよ!
成: (マックスのハートなんて
盗みたくないぞ‥‥)
マ: ‥‥ナニ、キミは。
ハニイの運転手?
成: え‥‥?
マ: まあいい。
さっさと引きたまえ、ホレ。
成: は、はあ‥‥。
マ: さ。それで? ハニイ。
今日は、このマックスに
面会してくれるために?
真: は、はい!
あたし、大ファンなんです!
マ: おお! ゴージャスゴージャス!
とってもサンキュー!
成: あ、あの‥‥。
このカードは‥‥?
マ: やるよ。記念品だ。
取っときたまえ。
成: ‥‥‥‥
真: さあ、なるほどくん。
そろそろ仕事にかかろうか。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
真: どうしたの? なるほどくん。
ソッポ向いて。
成: おヒル、ナニ食べようか
考えてるんだ。
マ: さあ、ハニイ。そんな
ハリネズミはほっといて。
キミのヒトミに、ボクだけを
うつして。オーケイ、ハニイ?
真: い‥‥いえす‥‥
マ: んゴオオォォージャスゴージャス!
成: (やれやれ‥‥)

(「マックスのこと」を聞く)
真: あの。マックスさんのコト、
教えてほしいんですけど‥‥。
マ: ゴージャス! キミもその気に
なってくれたかいハニイ。
いいとも。
さあ、こっちへおいでよハニイ!
真: ‥‥でも、防弾ガラスの
カベがありますけど‥‥。
マ: ‥‥おお、ジーザス!
なんてことだ!
ああ、ボクに魔法が使えたら!
こんなカベなんて‥‥。
成: (手品師がナニ言ってるんだよ!)
ところで‥‥最近、急に有名に
なりましたよね、マックスさん。
マ: マックス”様”だよキミ。
やりなおしたまえ。
成: (こんなのばっかりだぞ最近‥‥)
‥‥たしか、大きな賞を
取られたとか。マックス様。
マ: ゴージャス! そのとおり。
国際マジック協会のコンテスト。
ボクはグランプリを受賞したのさ!
世界でサイコーにゴージャスな
マジシャンにおくられる賞だ。
トロフィーに、胸像。
‥‥スバラシイ1日だったよ。
真: へええ。スゴいんですねえ。
マ: そう。スゴいんだ。
なにしろ、世界一だからね。
成: (たしかに‥‥ここまで成功した
魔術師なんて、聞いたことない)

(「タチミ・サーカス」を聞く)
真: 独占出演契約を結んだんですよね。
タチミ・サーカスと。
マ: そのとおり! さすが
ボクのハニイ。よく知ってるね。
大魔術はね、テレビで
見るものじゃないんだ。
目の前で、こうゴージャスに
楽しむものなんだよハニイ。
真: わかりますわかります!
マ: そもそも、サーカスなんてさ。
古クサい、過去の化石だよ。
‥‥今さらそんなもの、
ダレも見やしない。
真: え。
‥‥そ、そんなことは‥‥
マ: ボクはね! だからこそ
契約してやったんだよ!
成: どういうことですか?
マ: タチミ・サーカスは
今や、大人気さ!
マックス・ギャラクティカの芸が
ヒトを呼ぶんだ!
つぶれかけていたサーカスが
奇跡の復活!
これもまた、ボクの大魔術なのさ。
ゴージャスだろ? ハニイ!
真: そ‥‥そうですね。
マ: ヤツらのカビクサい芸なんて、
もう時代が求めていないんだ!
真: ‥‥あたし、
サーカス好きですけど‥‥。
成: (真宵ちゃん、
ちょっとさびしそうだな‥‥)

(「事件について」を聞く)
成: いったい、タチミ・サーカスで
何があったんですか?
マ: ああ。なんか、ゆうべさ。
殺されたんだよ、団長が。
真: 団長‥‥って、
タチミ・サーカスの‥‥
マ: 殴られたらしいよ。
地面にメリこむほどね。
真夜中だってのに、警察が
ゴージャスに現れてさあ。
ボクも、やっと取り調べが
終わったところなんだ。
成: ‥‥取り調べ?
マ: なんでもね。殺された団長に
最後に会ったのが、ボクらしくて。
‥‥ゆうべ、団長の部屋でね。
真: どうして、タイホ
されちゃったんですか?
マ: ‥‥タイホ?
大ゲサだなあハニイは。
参考までに、話をしてやった
だけだよ、ボクは。
真: なるほどくん‥‥。
マックスさん、自分の立場を
わかってないみたい。
成: (そうだな‥‥キチンと
思い知らせてあげようか‥‥)

(「団長と会ったこと」を聞く)
成: 事件の前に、
団長に会ったんですね?
マ: そうだよ。
成: どんな話を?
マ: キミには言いたくない。
成: 真宵ちゃん。よろしく。
真: どんな話をしたんですか?
団長さんと。
マ: いやね。下世話な話で
アレなんだけどさ。
‥‥ギャラのコトで
ちょっと、ね。
真: ぎゃら‥‥?
マ: サーカスは、ボク1人の力で
ヒトを集めている。
もっと、もらってもイイと
思ったんだ。わかるだろハニイ?
真: は‥‥はい。
成: 話したのは、それだけですか?
マ: ゴージャス! もちろんだよ!

(サイコ・ロック 錠3つ)
成: (ゴージャス! この手品師、
何かかくしてる、ってワケか!)
真: どうしたの? なるほどくん。
‥‥タメ息なんかついて。

(「弁護士バッジ」をつきつける)
マ: ‥‥なんだ、そのバッジ?
消してみせるっての?
成: ぼくは魔術師じゃありません。
‥‥弁護士なんです。
マ: べんごし?
ぼくにはカンケーないね‥‥
真: そんなことないです!
だって、マックスさんは‥‥
マ: オーケイオーケイ。
‥‥うれしいよハニイ。
ボクのために、そんな
取りこし苦労を。
真: ううう‥‥
マ: ‥‥‥‥‥‥
ところでさ。さっきから、
気になってるコトがあるんだ。
真: なんですか?
マ: どうしてハニイは、そんなに
悲しそうな目でボクを見るんだい?
真: だ、だって! タイホ
されてるんですよ! 殺人罪で!
マ: なな、ナニをバカな。
そんなワケ、ないじゃないか!
成: どうしてですか?
マ: だってボクは、マキシミリアン・
ギャラクティカだよ?
成: それで?
マ: タチミ・サーカスの大スターだ。
成: 他には?
マ: ギャラもたくさん、もらってる。
成: だから?
マ: ‥‥‥‥‥‥
真: マックスさん‥‥。
マ: まま、まさか! ウソだろ!
ケーサツの連中、
ホンキでボクにタイホ状を?
成: 冗談で逮捕状はもらえません。
マ: ‥‥‥‥!!
真: ま、マックスさん、
ヘコんじゃったよ‥‥。
成: いいクスリじゃないか。
(ぼくもスッキリしたし)
マ: ‥‥あ‥‥あの。
成: はい?
マ: キミ‥‥いや、
アナタ、弁護士さん?
成: え? ええ、そうです。
マ: おねがいだあ! 助けてけれ!
オラ、殺してねえよ?
真: お、”オラ”‥‥?
マ: オラ、ちょっとチヤホヤされて、
テングになってたかもしんね。
で、でもよ? 殺人なんて‥‥
オラ、そんな、
オソロシげなコトよぉぉ‥‥!
真: まま、マックス‥‥?
マ: ホントだよぉ!
イナカの父ちゃんの借金、
返したかっただけなんだぁ!
成: ‥‥わ、わかりましたよ。
引き受けますから!
マ: ホントけ? ホントけ?
成: ホントです、ホントです。
マ: うう‥‥。あ、ありがとな。
あんたら、あったけえよぉぉ。
真: あ、あの‥‥マックスさん。
マ: あんだ?
真: ホントのお名前は
‥‥なんて?
マ: 山田 耕平(やまだこうへい)
だけんど?
真: ‥‥‥‥‥‥ッ!
成: ど、どうしたの?
真宵ちゃん。
真: ニッポン人だったんだ。
成: ‥‥‥‥‥‥

マ: ‥‥フッ。
さっきは、ちょっと取りみだして、
すまなかったねハニイ。
真: は、はあ‥‥。
マ: 弁護士さん。
成: はい。
マ: さっき、ぼくのカードを
1枚、引いたね?
成: (あ、ああ‥‥そういえば‥‥)
マ: ハートの10‥‥をね。
成: (げ。あ、当たってるよ!)
マ: これでアナタも、
まんまと盗んだわけだ‥‥
この、マックス・ギャラクティカの
ハートを‥‥10ケ。
成: (あんたは、いくつ
ハートがあるんだよ!)
マ: フッフッフッ‥‥。
よろしくたのむよ、ハニイ。
成: (ハニイ‥‥って、
ぼくのことか?)
真: よーし! ゴージャスに
行こうね! なるほどくん!

(「サーカス・正門前」に移動する)


同日 某時刻
タチミ・サーカス 正門前

真: ‥‥また来ちゃったね。
成: ああ。今度はシゴトだけど。
(事件が起きて間がないため、
警官たちが動き回っている)
真: とりあえず、事件のコト
知ってそうな人、探そうよ。
成: そうだね。

(「サーカス・テント内」に移動する)


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