第2話『再会、そして逆転』第2回法廷(その4)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
綾里 春美…黄緑
綾里 キミ子…灰
霧崎 哲郎…紺
葉中 のどか…紫
大沢木 ナツミ…橙
堀田(自称)…黄
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6月22日 午後12時 4分
地方裁判所 被告人第3控え室

真: ‥‥やっぱり、ホントなの‥‥?
おばさまのコト‥‥。
成: のどかさん1人で、霧崎先生を
殺害するのはムリだ。
条件に当てはまるのは‥‥
キミ子さんしかいない。
真: そんな‥‥ヒドいよ。
どうして、おばさまが‥‥?
冥: ‥‥予想どおりの
しめっぽさね、成歩堂 龍一。
真: あっ! かるま検事!
どういうコトですかッ!
なるほどくんにフクシューなんて!
あなたのお父さんのコトは、
なるほどくんのせいじゃ‥‥
冥: ‥‥そんなコトより。
あなたは自分のシンパイを
することね‥‥おじょうさん。
真: う。
‥‥同い年なのに‥‥。
成: ‥‥マンゾクか?
ぼくを苦しめることができて。
冥: まだよ。
私の目的は、あなたを倒して、
それを全世界に知らしめるコト。
成: ‥‥そんなことをしたって、
きみのお父さんは帰ってこないよ。
冥: ‥‥‥‥‥‥
フッ‥‥まあ、いいわ。
とりあえず、この勝負に
ケリをつけましょう。
そのとき、
すべてがアキラカになるわ!


同日 午後12時10分
地方裁判所 第2法廷

裁: では、審理を再開しましょう。
‥‥成歩堂くん。
成: はい。
裁: 葉中 のどかの動機を
立証してくれるのでしたな?
成: ‥‥おまかせください。
(‥‥葉中 のどかと霧崎医師を
むすんでいるポイントは1つ。
1年前の、交通事故。
そこに何かがあるはずだ‥‥)
証人。‥‥1年前の交通事故
について、証言してください。
葉: あれえ? 私の動機を
聞かせてくれるんですよねえ?
そんなの、ヒトコトでスパッと
言えないんですかあ?
裁: 証人。おねがいします。
葉: ‥‥ハイハイ。
ムダだと思いますけどお。

(1年前の交通事故)
葉: 『あれは‥‥、
1年前の5月のことでしたあ。』(証言1)
『お姉さんの病院は当時、
タイヘンなコトになっていて‥‥。』(証言2)
『その夜も、運転中のお姉さん、
つかれきっていましたあ。』(証言3)
『私もつい、
助手席で眠っちゃって‥‥』(証言4)
『スゴい衝撃で目がさめたら、
まわりはもう、火の海でぇ。』(証言5)
『ドアを開けて逃げるのが
やっとでしたあ。』(証言6)
裁: ふむう‥‥。その話なら
聞いたことがあります。
成: 1年前のワイドショーで、
毎日さわがれていましたからね。
裁: たしか、霧崎医師が‥‥お姉さんに
睡眠薬を盛ったという‥‥
くひッ!
冥: ただの”ウワサ”よ。
‥‥コンキョなど、ない。
裁: ううう‥‥、弁護人。
尋問をおねがいします。
千: ‥‥”霧崎先生が睡眠薬を
盛ったかどうか?”‥‥
‥‥今さら、そんなことを
立証するのはムリよ。
成: ええ。‥‥別の方向から
攻めてみます。

(「証言3」をゆさぶる)
成: ”つかれきっていた”‥‥?
葉: 連日、警察の取り調べや取材が
ありましたからねえ。
‥‥ホント、ヒドい
状況だったんですよお。
成: じゃあ、交通事故を起こしても
フシギではなかったわけですね。

(「さらにゆさぶる」を選択)
成: どうして、かわって
あげなかったんですか?
葉: え‥‥。
な、何をですかあ?
成: 運転ですよ、ウンテン。
お姉さんがつかれていたのなら、
あなたがすればよかったのに。
裁: それもそうですねえ。
葉: あ、でも、私‥‥
免許、持ってませんからあ。
冥: 証人は免許を持っていなかった。
‥‥初耳ね、私も。
裁: そうですね。‥‥証人、
今の証言をつけ加えてください。
葉: はあい、わかりましたあ。
とにかく‥‥
『私、免許を持ってないから、運転を
かわってあげられなかったんです。』(証言・補足)

(「証言・補足」に「免許用の写真」をつきつける)
成: ‥‥のどかさん。
今のウソは、おそまつでしたね。
葉: どういうこと‥‥ですかあ?
成: あなたは免許を
持っていたはずです!
これは、その免許証のために
撮った写真ですね!
葉: あッ‥‥
裁: ‥‥証人!
どういうことですか!
葉: ‥‥あ、あの‥‥
そ、そうですぅ。
た、たしかに私、
免許を持ってますけどお‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
でも、交付されたのは
あの事故のあとなんですよお。
成: そんなはずはありません!
あなたは、事故があったとき、
すでに免許を持っていた!
堀田院長‥‥らしきヒトが
そう言ってました!
葉: ‥‥あの、すけべな
ニセ院長のこと?
成: そのすけべなニセ院長です。
しかし、すけべだからといって‥‥
あうっ!
冥: ‥‥そんなコトは
どうでもよろしい。
証人。あなたの免許証が
発行されたのは、いつなの?
葉: 去年の11月ですぅ。
成: え。‥‥11月‥‥?
冥: 交通事故があったのは5月。
‥‥その半年後、ということね。
成: どどどどど、どういうことだ!
裁: そそそそそ、そういうことです
成歩堂くん!
事故があったとき、証人はまだ
免許を持っていなかった!
成: うううう‥‥
いてェ!
冥: ‥‥泣きっツラにムチ。
裁: とにかく、免許がないのでは、
運転をかわれるワケがありません。
葉: わかってもらえれば
いいんですけどお。
でも、たぶん私が免許を持って
いたとしても、
運転させてもらえなかった
と思いますけどねえ‥‥
成: (‥‥ふうん‥‥)
わちゃッ!
千: ”ふうん”じゃないでしょ!
なるほどくん!
成: ちち、千尋さんまで
ムチを‥‥ッ!
千: 証人! なぜ、運転させて
もらえなかったと思うのですか?
葉: え? ええと‥‥それはぁ、
裁: ついでですから、証人。
そのことを証言してください。
葉: えー。めんどくさぁい。
よけいなコト、
言っちゃいましたねぇ‥‥。

(運転をかわらなかった理由)
葉: 『あのころ、私、もうちょっとで
免許をもらえるところでしたぁ。』(証言1)
『お姉さん、クルマをものすごく
ダイジにしてたんですう。』(証言2)
『とどいたばかりの新車でしたぁ。
まっ赤なスポーツカー。』(証言3)
『「新人ドライバーには運転させて
あげないよ」‥‥って。』(証言4)
『だから、あの夜も、私、
助手席に乗ってましたぁ。』(証言5)
裁: ふむう‥‥なるほど。
まっかなすぽーつかー、ですか。
‥‥では、
尋問をおねがいします。
成: (ううん‥‥
クルマはニガテなんだよな‥‥)

(「証言3」をゆさぶる)
成: 新車‥‥ですか。
葉: ええ。
とどいたばっかりだったんですよ。
‥‥アメリカから。
裁: は? ‥‥あめりか‥‥
葉: しかも、特別限定モデルだった
んですよお。
とどくまで、1年ぐらい
待ってたんですからねえ。
成: (クルマ好きには
たまらない話題なんだろうな)

(「さらにゆさぶる」を選択)
成: (クルマのことは
よくわからないけど‥‥
どうもこれは、ムネに
キュンと来るモノがある!)
裁判長!
裁: なんですか?
成: 今の証人の発言を、
証言に加えてください!
裁: 特別仕様の外車のくだりですか?
成: はい!
裁: ‥‥やれやれ。クルマ好きは
これだから‥‥
成: そういう問題じゃありません!
(‥‥と言っても、どういう問題か
ぼくもよくわからないけど‥‥)
裁: ‥‥証人。証言を
変えていただけますか?
葉: いいですけどぉ‥‥。
『お姉さんの車、アメリカ製で
特別仕様の新車だったんですぅ。』(証言・補足)

(「証言・補足」に「新聞記事・2」をつきつける)
成: ‥‥のどかさん。
この記事、おぼえていますか?
葉: ‥‥‥‥?
成: 交通事故の記事。
あなたの証言がのっています。
”左のドアを開けて、クルマから
転がり出た”‥‥
まちがいありませんね?
葉: な‥‥なんで急に
そんなものを‥‥
成: 裁判長。‥‥クルマの助手席は、
左右どちら側にありますか?
裁: それはもちろん‥‥左側でしょう。
運転席が右側ですからね。
成: それは、日本車の場合です。
アメリカのクルマは‥‥逆です。
裁: ぎゃく‥‥
成: 2人の乗っていたクルマは
アメリカ製だった!
この場合、助手席は
右側になります!
冥: ‥‥ああああっ!
裁: ど、どういうことですかッ!
成: のどかさん! あなたは
左のドアから逃げたと言う!
それならば!
あなたが座っていたのは‥‥
運転席だったことになる!
葉: きゃああアアッ!

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に! 静粛に!
静粛に! 静粛にィィッ!
静粛‥‥
かはッ!
冥: ナニを言いだすの!
運転していたのは、姉のほう
‥‥葉中 未実なのよ!
成: ‥‥そのとおり。
話にスジが通らない。
つまり、ぼくたちはどこかで
カンちがいをしてるんですよ!
千: なるほどくん。
やっと‥‥見えたわね。
この事件の真相が!
成: すべての要素をつなげて考えれば、
答えは1つしかない!
問題は! 姉と妹‥‥
どちらが運転席にいたのか?

(「姉の未実」を選択)
成: 運転免許を持っていたのは、
姉の葉中 未実です。
ならば当然、運転していたのは
彼女でなければならない!
裁: し‥‥しかし、
あなたは証明したばかりです!
この証人が‥‥のどかさんが、
運転席にいたことを!
成: ‥‥それが、次の問題です。
葉: 次の‥‥
冥: 問題‥‥
裁: ですって!
成: その証人台に立っている人物は
いったい、だれなのか‥‥?
葉: ‥‥むぐ‥‥ッ!
冥: な‥‥ナニを言いだすの!
成歩堂 龍一‥‥
こ、この証人は‥‥
この証人の名前は‥‥
成: ぼくが教えてあげましょう。
‥‥この証人の名前は!

(「葉中 未実」を選択)
成: ‥‥葉中 未実。
それがあなたの、本当の名前です。
葉: ‥‥‥‥‥‥

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: バ、バカ言わないで!
じゃ、じゃあ
この写真はいったいなんなの!
成: この証人は、入院したとき、
カオに大ヤケドをしていました。
そのため、復元の整形手術を
受けています!
冥: せ‥‥整形手術‥‥!
成: そのとき、彼女は
この写真をわたしたんです。
そう! 妹の写真をね!
葉: ‥‥きゃあああっ!
裁: し‥‥しかし! 葉中 未実は
死んだはず‥‥交通事故で!
成: みんなそう思っていました。
しかし‥‥そうではなかった。
冥: じゃ、‥‥じゃあ、
事故現場で見つかった死体は‥‥
成: 葉中 のどかさんだったのです。
‥‥ホンモノのね。
いかがですか!
‥‥葉中 未実さん!
葉: ‥‥‥‥‥‥‥‥
      ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (1年前の交通事故‥‥
死んだのは、葉中 のどかの
ほうだった。
姉の未実は、妹のカオに
整形して‥‥生まれ変わった。
そして、”葉中 未実”の存在を
‥‥自ら消そうとしたんだ!)
千: 裁判長。
‥‥これで、なぜ霧崎先生が殺害
されたか、おわかりでしょう。
裁: ど‥‥どういうことですか?
はわっ!
冥: どういうことッ!
成歩堂 龍一!
成: 霧崎医師は、死者を
呼び出そうとしていました。
事故で死んだ看護婦
‥‥葉中 未実の霊を。
しかし、そんなこと
できるわけがない!
なぜなら、”葉中 未実”は
生きているからです!
‥‥霊媒をされては、
それがバレてしまいます。
この証人は、それだけは
防がなければならなかった!
‥‥なんとしても!
冥: だ‥‥だから‥‥
だから、殺害したと言うの?
‥‥霧崎 哲郎を‥‥
成: ‥‥そうです。
霊媒が始まる前に、ね。
霧崎先生は不幸にも、霊媒の相談を
この証人に持ちかけてしまった。
その瞬間‥‥
霧崎先生の運命は決まったのです!
裁: い‥‥‥‥
いかがですか?
のどか‥‥イヤ、かるま‥‥
はひッ!
冥: ‥‥なぜそこで
私の名前が出てくるのっ!
葉: ‥‥‥‥‥‥‥‥
やられた‥‥わね。
冥: ‥‥しょ‥‥証人‥‥?
葉: そうよ。あたしの名前は
‥‥葉中 未実。
成: ‥‥‥‥!
葉: ‥‥あのヤブ医者、ケッキョク
最後までコケにしてくれたわ。
もうちょっとで‥‥
未実を捨てることができたのに。
本当に‥‥、
もうちょっとだった‥‥
裁: し、しかし‥‥なぜです!
どうしてそこまでして、
葉中 未実を‥‥
妹さんになりすますなんて!
葉: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (ぼくには、なんとなく
わかるような気がする‥‥
葉中 未実が自分を
消そうとした理由は‥‥)

(「新聞記事・1」を選択)
冥: ‥‥そ、それは‥‥
医療ミス‥‥ッ!
成: 霧崎先生は正しかったんですよ。
あのミスは、ある看護婦によって
引き起こされました。
‥‥葉中 未実という名の
看護婦によって。
そう。今、証言台に立っている
人物です。
‥‥そのミスから、
たった数週間後‥‥
葉中 未実は、今度は交通事故を
起こしてしまった。
そして‥‥妹が死にました。
冥: さ‥‥サイアクのタイミング‥‥
成: 事故とはいえ、14人の患者と
妹の生命をうばってしまった。
‥‥背負って生きていくには、
重すぎたのです。
葉: ‥‥逃れる方法があったわ。
たった、1つだけ‥‥。
成: 事故は、すべてを焼きつくした。
妹の亡きがらも、自らのカオも。
‥‥それこそが、
最後のチャンスだったのです。
過去を捨てて、”妹”として
新しい人生を始めるチャンス‥‥
裁: ‥‥想像を絶する事件ですな‥‥
葉: アイツが‥‥
霊媒なんてくだらないコト、
思いつきさえしなければ‥‥
成: くだらないコト‥‥?
葉: あたしが”のどか”になって、
一番イヤだったコト。
霊媒‥‥オカルト‥‥
そんなのあたし、大ッキライ。

裁: ‥‥いくつかのナゾは、
残されたままです。
なぜ、こんなフクザツな
殺人計画が実行されたのか?
綾里 キミ子は、なぜ
葉中 未実に協力したのか‥‥?
‥‥しかし。1つだけ、
ハッキリしたことがあります。
成: 被告人・綾里 真宵の無実‥‥
冥: こ‥‥こんな‥‥
こんなバカなッ!
私は‥‥私は
カンペキだったはず!
この私が‥‥狩魔 冥が‥‥
成: ‥‥今夜のニュースが楽しみ
だね、狩魔検事。
全世界に流れるんだろ?
‥‥キミの敗北するすがたが。
あちっ!
裁: ひひいッ!
葉: あぎゃッ!
成: いてててていてていててててていて
ててていててていててていてていて
冥: そして、トドメよッ!
千: なな、なるほどくん!
しっかりして! なるほどくん!
冥: こんな裁判、認められないわ!

裁: ‥‥それでは。
弁護人が目をさますまで、
もう少しかかりそうなので‥‥
先に、綾里 真宵に対する
判決を言いわたします。


(無罪判決)

裁: ‥‥では、本日はこれにて閉廷!


同日 午後 3時13分
地方裁判所 被告人第3控え室

千: ‥‥おめでとう、真宵。
真: おっ! お姉ちゃん!
千: ‥‥ひさしぶりね、真宵。
元気だった?
真: お姉ちゃん! お姉ちゃあん‥‥
あたし‥‥あたし、
だれも殺してないんだよね?
千: そうよ。あなたは、
夢を見ていただけ。
悪い夢を、ね‥‥
真: ‥‥あのね、お姉ちゃん。
夢の中でね。
なつかしいニオイがしたんだよ。
千: なつかしい‥‥?
真: あたし、衣装ばこの中に
入れられてたんでしょ?
あの衣装ばこ‥‥
お姉ちゃんの、むかしの
装束がしまってあったんだよ。
千: ‥‥そうだったの‥‥
成: ‥‥1つ、わからないことが
あるんですよ。
千: なあに?
成: 霧崎先生が撃たなかったら‥‥
どうなっていたんでしょう?
銃声を聞いたから、ぼくたちは
現場に踏みこんだんですから。
千: たぶん計画では、葉中 未実自身が
カギを開けるはずだったのよ。
そして、あなたとナツミさんに
目撃させたはずよ。
”霊の乗りうつった真宵が
殺人を犯したシーン”をね。
成: ‥‥細かいところまで、
計算されていたんですね‥‥
真: なるほどくん!
成: おめでとう。真宵ちゃん。
真: ありがとう!
‥‥また、
助けてもらっちゃったね。
成: まあ、ね。
真: ‥‥でも。
ホントにもう、こんなの、
二度とヤだな。
成: ‥‥?
真: あたしはいいよ。なるほどくんが
助けてくれるから。
‥‥でも、事件が起こると、
大切な人がいなくなるの。
お姉ちゃんも‥‥そして、
おばさまも。
成: ‥‥‥‥。
真: ねえ、なるほどくん。教えて!
どうしておばさま、
こんなヒドいことをしたの?
あんな計画に‥‥、
未実さんに手を貸すなんて‥‥!
あたし、ホントに
‥‥こわかったんだよ?
成: そ、それは‥‥。
真: なるほどくん‥‥
教えてくれるよね?
成: (キミ子さんが、葉中 未実に
手を貸した理由‥‥それは‥‥)

(「綾里 春美」を選択)
真: ‥‥はみちゃん?
成: 今から4年後‥‥倉院の里には、
新しい家元が生まれる。
‥‥きみだよ、真宵ちゃん。
真: そ、それが‥‥?
成: でも、もしきみが
いなくなったら‥‥
本家の血は絶えてしまう。
‥‥そのときは?
真: ‥‥‥‥‥‥
分家の‥‥おばさまが‥‥
成: ‥‥ちがう。キミ子さんの霊力は
そんなに強くない。
つぐのは‥‥春美ちゃんだ。
真: ‥‥あああああっ‥‥!
成: すべては、そのために。
春美ちゃんを家元に
するためだったんだよ。
真: そ、そうだったんだね‥‥。
‥‥‥‥
成: (‥‥? 今、真宵ちゃん、
なんか言わなかったか‥‥?
”やっぱり”‥‥
‥‥そう聞こえたような‥‥)


某月 某日 某時刻
留置所 13号独房


‥‥アタクシの‥‥春美。
ああたこそが、倉院の家元に
ふさわしい霊媒師でござあます。
アタクシは‥‥そのために、
すべてをギセイにした‥‥
あのバカな看護婦のために
殺人の計画を立ててやったのも、
ちゃらちゃらした検事に
協力してやったのも、
すべてはあの、
いまいましい本家のムスメ‥‥
綾里 真宵を
ほうむるためだったのに。
‥‥待つのです。春美。
チャンスはきっと‥‥
‥‥また、おとずれます‥‥


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