第1話『初めての逆転』(中編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
矢張 政志…紺
裁判官…緑
亜内検事…茶
山野 星雄…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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亜: 山野さん。
新聞勧誘員をしておられる‥‥?
山: ‥‥は。は。
さようでございます、はい。
裁: では、さっそく<<証言>>を
していただきましょう。
あなたが事件当日、
見たことを話してください。

(事件の当日、目撃したこと)
山: 『勧誘しておりましたら、とある
部屋から、男が出てきたんです。』(証言1)
『男はあわてていて、ドアを半開きに
したまま、行ってしまいました。』(証言2)
『おかしいと思いまして、私、部屋を
のぞいてみたんでございます。』(証言3)
『すると、なんと、女の人が
死んでいるじゃございませんか!』(証言4)
『私、腰が抜けてしまいまして。
怖くて、部屋に入れませんでした。』(証言5)
『私、すぐに警察を呼ぼうと
思ったんでございます。』(証言6)
『でも、彼女の部屋の電話は
通じませんでしたので、』(証言7)
『それで、近くの公衆電話から
通報いたしました。』(証言8)
『時間はハッキリ覚えております。
お昼すぎの、2時でした。』(証言9)
『逃げた男は、間違いなく、
そこにいる被告の方でございます。』(証言10)
裁: ふむう‥‥。
成: (矢張‥‥! なんで正直に
話してくれなかったんだ!
こんなにハッキリ見られてちゃ、
弁護なんか、しようがない!)
裁: ところで、現場にあった電話は
なぜ通じなかったのかな?
亜: はい。事件があった時間、
マンションは停電中だったんです。
裁: しかし、停電中でも、たしか
電話は使えるはずでは‥‥?
亜: はい、そのとおりです。
しかし、機種によっては、
子機の使用はできないのです。
現場で山野さんが手にしたのは、
そういうタイプの子機でした。
裁判長。
念のため、停電の記録を
提出します。

(証拠品<<停電記録>>のデータを
法廷記録にファイルした。)
裁: では、弁護人。
成: は、はい!
裁: <<尋問>>をおねがいします。
成: じ、尋問、ですか‥‥?
千: ‥‥さあ、なるほどくん。
いよいよ本番よ。
成: ‥‥あの、
尋問って、どうすれば‥‥?
千: 今の証言のウソを
暴くのよ、もちろん。
成: えっ! ‥‥ウソ、ですか‥‥?
千: あなたの依頼人が無実なら、
あんな目撃証言なんか、
ウソに決まってるでしょう!
‥‥それとも、あなたは
依頼人の無実を信じてないの?
成: ‥‥! でも‥‥どうやって?
千: カギをにぎっているのは、
<<証拠品>>よ!
あの証人の証言と
証拠品のデータとの間には、
何か決定的な食い違い、すなわち
<<ムジュン>>があるはず。
まず、法廷記録と証言で、
ムジュンしている部分を探すの。
そして、ムジュンしている
証拠品を見つけたら、
それを、あの証人に
つきつけてやりなさい。
成: ‥‥は、はあ。
千: Rボタンで法廷記録を見ながら、
証言と食い違う部分を探して!

(「証言9」に「高日 美佳の解剖記録」をつきつける)
成: 死体を見つけたのが、2時。
間違いありませんか。
山: ええ。
2時でしたね。たしかに。
成: しかし、それはおかしいんですよ。
この解剖記録のデータと、
あきらかにムジュンしています。
被害者が死んだのは、
午後4時より後なんです。
2時に死体を見つけられる
はずは、ゼッタイにありません!
どうして、2時間も
ズレがあるんでしょう‥‥?
山: ‥‥!
え、あの‥‥それは‥‥。

(亜内検事「異議あり!」)
亜: それは、ささいなコトです。
単なる記憶ちがいでして‥‥
裁: ‥‥私には、そうは思えません。
山野さん。
どうして、死体を見つけた時間を
2時だと‥‥?
山: ‥‥ええと‥‥その、
ど、どうしてでしょうね‥‥。
千: みごとなツッコミよ!
なるほどくん!
そうやって、ムジュンを
指摘していけばいいの。
ウソは、かならず次のウソを
生み出すはず。
そのウソをまた見抜いて、
あいつを追い詰めましょう!
山: ‥‥あっ!
そうそう、思い出しました!
裁: ‥‥では、もう一度<<証言>>
してもらいましょうかな?

(死体を発見した時間について)
山: 『死体を見つけたとき、時間が
聞こえてきたんでございます。』(証言1)
『あの音、時報みたいな感じで‥‥。
たぶん、テレビだったと思います。』(証言2)
『あ、でも、時報にしては、
2時間もズレていたんですよね?』(証言3)
『たぶん、被害者の方は、ビデオを
見ていたのではないでしょうか。』(証言4)
『その音を聞いたから、2時だったと
思い込んでしまったんでしょうね。』(証言5)
『どうも、ごメイワクを
おかけいたしました‥‥。』(証言6)
裁: ‥‥ふむ。なるほど。
ビデオで時報の音を聞いた‥‥。
では、弁護人。
<<尋問>>をおねがいします。
千: なるほどくん。
もう、やり方は
バッチリよね?
成: ‥‥まかせてください。

(「証言4」に「停電記録」をつきつける)
成: ちょっと待ってください!
そもそも、マンションは
停電だったはずですよね。
この記録がそれを
証明しています!
山: ‥‥!
成: テレビにしろ、ビデオにしろ、
使えるワケがないじゃないですか!
山: !!
‥‥そ、それは‥‥。
裁: ‥‥たしかに、そのとおり。
山野さん。
‥‥どういうことですかな?
山: ‥‥いや、私もその、
どういうことなのか‥‥。
‥‥‥‥‥‥
‥‥あっ!
そ、そうだ!
お、思い出しました!
裁: ‥‥山野さん。
証言は、最初から正確に
おねがいしますよ。
だんだん、あなたという人物が
あやしく見えてきます。
なんか、妙にクネクネ
しているしねえ。
山: ‥‥!!
も、もうしわけございません。
‥‥でも、なにぶん、
死体を見たショックで‥‥。
裁: もういい、わかりました。
では、さらに<<証言>>を
おねがいしましょう。

(<<時間を聞いた>>ことについて)
山: 『やっぱり、”聞いた”のではなく
”見た”んでした!』(証言1)
『現場には、置き時計が
あったじゃないですか。』(証言2)
『ほら、犯人が殴るときに
使った凶器ですよ。』(証言3)
『おそらく、あれで時間が
わかったんだと思います‥‥。』(証言4)
裁: 時計を見た‥‥。
まあ、それなら理解できますね。
では、弁護人。
<<尋問>>を。
成: わかりました。

(「証言2」に「置物」をつきつける)
成: ちょっと待ってください。
凶器はこのとおり、
”置物”なんですよ。
これのどこが時計なんですか?
山: うおっ!
‥‥あんた、なんなんだ‥‥。
さっきから、エラそうに。
成: 山野さん。
質問に答えてください。
山: オレ‥‥わ、私は見たんだ。
そいつは置き時計なんだよ!
亜: 裁判長!
ちょっとよろしいですか。
裁: どうしましたか? 亜内検事。
亜: この置物は、証人の言うとおり、
実は置き時計なんです。
首がスイッチになっていまして、
時間をアナウンスするタイプです。
時計には見えないので、<<置物>>
として提出したんです‥‥。
裁: なるほどね‥‥。
凶器は、実は<<置き時計>>
だった、と。
どうかな? 成歩堂くん。
山野さんの証言は間違ってない。
これはたしかに、時計なんだから。
‥‥山野さんの証言について、
もう問題はないかね?

(「まだある」を選択)
成: 裁判長。
大きな問題が残っています!
その置物が時計だと知るためには、
実際に手に取るしかありません。
しかし、証人は”部屋には
入らなかった”と証言している。
これは、
あきらかにムジュンしています!
裁: ‥‥ふむう‥‥。
たしかに。
成: なぜ、証人が時計のことを
知っていたか? それは‥‥

(「事件当日、部屋に入ったから」を選択)
成: あなたはウソをついている!
あなたはあの日、
現場の部屋に入ったのです!
山: な、なんだと!
し、知らねえぞオレは‥‥
成: そうだ! あの置き時計で被害者を
殴ったのは、あなただったんだ!
彼女を殴ったときのはずみで、
あの時計は鳴った!
あなたは、その音を
聞いたんです!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に!
‥‥おもしろい。
成歩堂くん、つづけなさい。
成: はい。
‥‥山野さん。
きっとあなたは、
かなり驚いたはずです‥‥。
被害者を殴った瞬間、置物が
急にしゃべり出したわけですから。
その声が、強烈に印象に
残ってしまった。
だから、あなたは時間だけを
妙にハッキリ覚えていたんです!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: ど、ど、どういうつもりですか!
そ、そんないいかげんな
言いがかりは‥‥。
成: いいかげんかどうか‥‥、
証人の顔を見てください!
山: ‥‥う‥‥ぐぐ‥‥
裁: 証人‥‥。
どうなんですか?
あなたが殴ったんですか?
山: わ、ワタシは、その‥‥
‥‥け、決して‥‥
‥‥あの、ワタシが、聞いた、
いや、見たのは‥‥うぐぐ‥‥
うおおおおおおおおおおおおおおっ!
うるせえんだよ!
細かいことをぐちぐちと!
あ、アイツだ‥‥!
オレは見たんだよ‥‥。
し、死刑だ!
あの男に、死刑を‥‥!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
亜: 裁判長!
お、お待ちください!
ただ今の弁護人の主張には、
証拠のカケラもありません!
裁: 成歩堂くん!
成: はい。
裁: 証人が聞いたという時報が、
この時計の音だったという証拠。
そんな証拠はあるのですか?
成: (これは、重要な問題だ!
よく考えないとな‥‥)
そうですね。
山野さんが聞いたのは、
この置き時計の音だったのです。
それを証明することは、
カンタンだと思います。それは‥‥

(「時計を鳴らしてみる」を選択)
成: この場で、置き時計を
鳴らしてみればいいんですよ。
裁判長。
その時計を貸してください。
いいですか。
‥‥よく聞いてください。

‥‥ピッ‥‥
<<おそらく、9時25分だと思う>>
裁: な、なんか、ヘンな
アナウンスをする時計ですね。
成: まあ、<<考える人>>ですから。
裁: ‥‥で。このアナウンスが
どうかしましたか‥‥?
成: 亜内検事。今、ほんとうは
何時ですか?
亜: 11時25分‥‥。
あっ!
成: 2時間、遅れているんですよ。
この置き時計は‥‥。
殺人事件で、山野さんが聞いた
時刻と同じく、ね。
さあ、どうですか!
言い逃れできますか、
山野さん‥‥?


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