すぺしゃる19巻「るなてく・へすてばる」に登場。
不健康な顔色と、やせこけた頬のせいで、実際はわりと若いのだろうが、老人のようにも見える。
すっぽりかぶったローブもフードもあせたような灰色で、目深なフードのその下からは、昏いまなざしと、
赤茶けたぼさぼさの髪が覗いている。動物の骨と石塊でできた装飾品を身につけている。
半年ほど前、テシーモの村にやって来て、「
白魔術都市(セイルーン)の元神官」という肩書きで住み込んだ。豊作祈願の祭り、と偽って、
邪神の儀式を行わせようとしていた。テシーモの村人がみんな、肩書きや権威に弱いタイプだったので、
リナが来なければ成功しそうなところまで行った。……ただし、ちょっと見る目
と良識のある人には、どう見ても邪神の怪しさは覆い隠せていない。
見かけは完全な、三流サギ師なのだが、魔道士としての実力はなかなかのものがあり、
レッサー・デーモン二匹を一度に召喚したり、純魔族(
ラギアソーン)と契約したりしていた。しかし、その力の上手な活用方法がわからず、とりあえず
魔族とは無関係な、小悪党をやっていたようだ。リナにサギ師であるとバラされ、怒れる村人の手に
かかったことは確かだろうが、今はどうしているのやら。
悪事をやって、かなりの資金を稼いだようだが、骨董屋にダマされて、ガラクタ骨董品ばかり買わされて
しまっていた。どうやら本人も、肩書き等にダマされるタイプだったようである。