テシーモ



 すぺしゃる19巻「るなてく・へすてばる」の舞台。
 山あいにある、人口もそれほど多くない村。
 この近辺である季節にしか採れない野草が、魔道の材料になるため、 魔道士協会支部が設けられた。
 田舎者ゆえの純真さというかダマされやすさで、ラガスタインに入れ知恵 され、「コウモリの翼ひろげてツノ生えて、六本腕で目ん玉ひとつの像の前に、両目のところだけ くりぬいた、三角ずきんをすっぽりかぶり、片手に円月刀、片手にたいまつかかげた人の群が、おどろ おどろしい太鼓の音と共に集まる」という、実に怪しい邪神の儀式を、豊作祈願の祭りと信じ込まされ ていた。
 ちなみにその摩訶不思議な形のこじつけとして、「翼は天の恵みを象徴してるし六本の腕は勤勉と 労働力。一つの目は農業一つに専念せよという意味で、ツノは災害や穀物の病気・害獣などを追い払う という意味がある。顔を隠す、つまり個人を殺すことによって地域全体の繁栄と豊作を願い、円月刀は 『災害や害獣などと戦うのに、神さまだけを頼りにするのではなく、私たちも力をあわせて努力 します』という意志表示。神サマというのは我らの常識を超越したものだから、人間から見たら奇異に 映ることもある。我々の常識や価値観が真実だとは限らない」といっていた。