第十八話


戦争前日、ドルファンは大嵐に遭っている。

ピコ「見て、外は凄い嵐だよ」

ゲイル「ああ。まだ昼だというのに、外は真っ暗だ」

ピコ「今日のもう何もしないで寝なよ」

ゲイル「そうだな、そうするか」

 

そして戦争当日。

マクラウド「始まるな」

ゲイル「ああ……」

マクラウド「どうした?いつものお前らしくないぞ」

ゲイル「ちょっとな。不安がある」

マクラウド「珍しいな」

ゲイル「そうか?」

ピコ「全く、しっかりしなさい!」

ゲイル『うわっ!ピ、ピコ!どうしてここに!?』

ピコ「どうしてって、今度だけはあんたは死ぬ訳にはいかないの!」

ゲイル『?』

ピコ「ソフィアの為にも、あんたは死んだらダメなの!」

ゲイル『ソフィアの為………?』

ピコ「そうだよ!ゲイル、あんたは騎士になるの!」

ゲイル『……………』

マクラウド「ゲイル、どうした?突然独り言なんかして」

ゲイル「いや、何でもない」

俺は少し溜息をして、

ゲイル『俺が、この俺が騎士になれると思うか?』

ピコ「なれるよ!お父さんの手紙の意味も分かるでしょ?」

ゲイル『父さんの手紙……。そうか、わかった。俺は戦う』

ピコ「そうこなくっちゃ!」

 

しかし、敵は全くこちらに攻めてくる気配がない。それよりも様子がおかしい。

マクラウド「妙だな。奴等、攻めてこない」

ゲイル「まさか、マクラウド、これは罠じゃ……?」

マクラウド「ありえるな」

ゲイル「騎馬隊、俺に続け!本体と合流する!」

 

そして急いで本隊に合流したものの、本隊は壊滅状態であった。

ゲイル「遅かったか…」

マクラウド「奴等、工兵を使ってきたな。手強いな…」

ゲイル「最終決戦か……。騎馬隊、工兵を潰すぞ!」

俺たちの部隊は8割ほどの被害が出たが、何とか勝利を収めた。

 

デュノス「もはや、ここで決着をつける!」

ゲイル「あいつが、親玉か?」

デュノス「我が名は、破滅のヴォルフガリオ!」

マクラウド「ゲイル、あいつは、ヴォルフガリオは強いぞ」

ゲイル「ああ。かなりの殺気を感じている」

俺は双剣を抜き、

ゲイル「我が名はゲイル=ラバーバ=ウィナー!八騎将の一人、勝負を挑む!」

デュノス「双剣の翼か…いいだろう。いざ、尋常に勝負!」

ゲイル「このっ!」

俺の双剣とデュノスの剣が激しくぶつかり合う。

デュノス「さすがだな」

ゲイル「俺は、この戦いで死んではいけないんだ!」

双剣の素早い連続攻撃。しかし、デュノスは全てを見切っている。

ゲイル「俺の太刀筋を見切っている!?」

デュノス「滅せよ!」

デュノスの剣から光が走り、俺を襲う。

ゲイル「今のは、俺と同じ力!?」

デュノス「違うな。今のは、我が剣の封じられた力」

ゲイル「手強い。本当に、俺に勝てるのか?」

デュノス「滅せよ!」

再び、剣から放たれた光が俺を襲う。

ゲイル「うあっ!」

デュノス「双剣の翼と言えど、所詮はこの程度」

ゲイル「このままじゃ、俺は負ける……!」

ピコ「ゲイル!貴方はまだ死んではいけないの!」

ゲイル『ピコ?』

ピコ「さあ、立って!貴方自身の為に!」

ゲイル『俺自身の為に……?』

デュノス「これで、終わりだ!滅せよ!」

光の走る剣。その時、気がつけば俺は双剣を使って受け止めていた。

デュノス「何!?」

ゲイル「…何だ?敵の攻撃が全て分かる」

デュノス「くっ!滅せよ!」

ゲイル「今だ!双剣の腕を見せてやる!」

敵の光を防いで、双剣はデュノスの腹を突き刺した。

デュノス「ぐはっ!」

ゲイル「これで、最後だ!」

俺の双剣がデュノスを完全に捕らえた。

デュノス「もはや…これまでか……。キリング、今参るぞ………」

ゲイル「!」

デュノスは、自分の持っている剣で自分の胸を刺した。

デュノス「…娘よ………」

デュノスが最後に放った言葉。俺には理解出来なかった。

 

こうして戦争が終わり、無事に宿舎へ戻ると、

ピコ「ねえねえ、手紙が届いているよ」

ゲイル「手紙?一体誰が?」

ピコ「読めばわかるよ」

ゲイル「何々……、!」

ピコ「どうしたの?」

ゲイル「果たし状だ」

ピコ「え?」

ゲイル「一つは八騎将『隠密のサリシュアン』。もう一つはジョアンからだ」

ピコ「ちょ、ちょっと!一体どうするの?」

ゲイル「俺自身の決着をつけるか、それとも国の為の決着をつけるか……」

ピコ「こういう時にあんたが二人いればね……」

ゲイル「二つの果たし状。おれには、どちらも選べない」

マクラウド「そういう事なら、俺に任せろ」

ゲイル「マクラウド!お前、不法侵入だぞ!」

マクラウド「今はそういう事態じゃないだろう?」

ゲイル「確かに………」

マクラウド「お前は、自分自身に決着をつけろ!」

ゲイル「え?」

マクラウド「話はショウ達から聞いている。お前は自分自身に決着をつけた方がいい」

ゲイル「しかし、お前に八騎将が倒せるのか?」

マクラウド「俺を誰だと思っている?近衛騎士副団長だぞ?」

ゲイル「………わかったよ。なら、八騎将の方は任せた」

マクラウド「ああ」

こうして俺とマクラウドは、それぞれ果たし状に書いてある場所へと向かった。

 

 

俺自身の決着。

それは、全ての始まりであり、終わりであるとも言える。

 

続く……


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