第3話


「苦しまぬよう止めを刺してやろう」

ヴォルフは心臓を突き刺すように剣を構える。

(死ぬ?……まだだっ…!まだアイツに俺の気持ちを伝えていないじゃないか!)

シリュウの脳裏にキャロルの笑顔が浮かぶ。

「さらば!ドルファンの真なる騎士よ!!」

ヴォルフが剣を振り下ろす。

ドスン!

大地を震わせるほどの威力。当たればどんな強い鎧に身を包んでいても即死だ。

そう、当たれば……。

「馬鹿な!?」

ヴォルフはその顔に明らかな驚愕を浮かべていた。剣は地面に突き刺さっていただけだった。

シリュウは全身のバネを最大限に生かし、後ろに飛び退いていた。

(死ねるものか!)

「うわああぁぁぁぁっ!」

シリュウは残った腕と体力だけで、可能な攻撃を繰り出した。

ヴォルフに体当たりするように繰り出された突き。

「ぬおおぉぉぉっ!?」

ドスッ!

ヴォルフは剣を手放すか否か悩んでしまった。そのわずかな隙が勝負を決めた。

ヴォルフの腹から血が流れる。

「見事……」

ヴォルフが倒れたその時、今まで硬直していたドルファン兵が動いた。そして、それより早くライズが現われた。

それから先は覚えていない。気を失って倒れ、病院に運ばれたらしい。

気が付いたのは今だ。

『やっと気が付いたね!』

「ああ……ピコか…」

その後しばらくピコと話をしていると、

『そうそう、手紙が来てたよ』

ピコの声に扉を見ると、床に手紙が落ちていた。ライズからだった。

それは『共同墓地で待つ』というものだった。

(敵討ちか…)

そう思いながら刀を持ち、簡単に着替える。

「ピコ、すまんが…」

『分かってるよ…。行くんでしょ?気をつけてね』

「ああ」

心配そうな顔のピコにそう言い残し、俺は病院を抜け出して共同墓地に向かった。

 

続く


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