プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影

2011年10月

上野公園にて
着衣のマハ

 2000年のスペイン旅行のときにプラド美術館を訪ねて、お会いした「着衣のマハ」と「裸のマハ」のお二方のうち、「着衣のマハ」が来日してくださったので、11年ぶりにお目にかかるため上野を訪れました。

 開館5分前に国立西洋美術館に到着したときには、長蛇の列。開館待ちの行列は、駅から美術館前の道から国立科学館方向へ道を曲がって続いていました。こんなに並んでいるのを見るのは初めて。

 開館予定時間の1、2分前に開門。チケット売り場前には、瞬く間に行列ができていました。
 私たちは前売りチケット購入済みなので、まっすぐ会場に向かい、するっと入場。

 会場に入ると順路に従って、「着衣のマハ」を目指します。まず、階段を降りて更に地階へって、こういう順路どりは初めてです。そして、第1章と第2章の展示室をスルーして階段を上り、第3章の展示室に展示されている「着衣のマハ」とご対面。
 他の直行者さん方数人が展示室にいるだけの、まだ比較的、人が少ない状況でマハさんの前に辿りつけ、そのまま最前列でマハさんの前に立てました。

 マハさん、お久しぶり〜。

 ほんの数分だけだけれど、プラド美術館で観たときよりも、近くでじっくりとマハさんと相対したような気がしました。

スペイン王子フランシスコ・デ
・パウラ・アントニオの肖像


 近くでマジマジと見つめ、腕の感じ、上半身の服の感じなどなど、向かって右から左へ移動しながら見つめてから、少し離れて全体を鑑賞。更に椅子に座って人の頭越しに鑑賞して、一息つく頃には、マハさんのいらっしゃる展示室も人が押し寄せてきていました。 


 第3章の展示室から第4章以降の展示室へ進むことにします。

 第3章から最終の第14章まで、素描画やその準備素描がほとんどで、第7章にあった油絵も、それ自体が完成形の油絵の他に、「カルロス4世の家族」の習作にあたる「スペイン王子フランシスコ・デ・パウラ・アントニオの肖像」と「マリア・ホセファ内親王」がありました。フランシスコ王子は可愛かったです。

 意外だったのが、国立西洋美術館がゴヤの素描をたくさん所蔵していて、それが関連する(準備素描や完成素描など)プラド美術館所蔵の素描と並べて展示されていたりしたこと。常設展でゴヤの素描って見た記憶ないけれど…。
 最後の展示室に行ってから最初の展示室へ戻り、第1章と第2章を見学。「今の僕はこんな風だ」の自画像は、某大泉さんによく似ていて笑いを誘われました。

 第2章に展示されていたタペストリー作成用の絵である「日傘」はプラド美術館で観たときに、ゴヤの作品の絵の中で最も気に入った記憶にある作品。それも来日してくれていて感激。

 けれども!私はここで、もっと魅かれる作品に出会ってしまいました。それは「猫の喧嘩」。一目ぼれです。2匹の猫が毛を逆立てて喧嘩しているシーンを描いたもので、まるで宮崎アニメに出てきそうな感じです。私の中の勝手なタイトル「猫がフーッ!」になりました。これ、絵はがきを買おうとしたら、絵はがきの色が私的にイマイチな感じで、猫の毛が逆立っている感じが上手く現れていないような気がしたので買いませんでした。絵自体はすっごい気に入ったのに残念!

 会場は、入口付近が混雑していました。マハさんのいる部屋は、人の多いときと若干少なめになるときと、人の出入りに波があったように思えました。

パン、サラダ、野菜スープ


牛肉のステーキ


アイスコーヒー、小豆のアイス

 11時に見学終了。ミュージアムショップで絵はがきを物色して、11時10分にレストランへ行くとすでに待ち行列が発生していました。しまった!
 なんとか11時30分に入れていつものランチコース(1,600円)。

地獄の門

 昼食の後は、久々に常設展をさらっと見学します。

 「ぶらぶら美術・博物館」で国立西洋美術館が以前から所蔵していた作品と新たに購入した作品が実は対の携帯用祭壇画だったと逸話が紹介された祭壇画を見たり、モネの部屋を見たり。特別展で一部屋全部モネの作品だったら大感激するはずなので、常設展のこのモネの部屋は実はとっても贅沢な部屋のはず…。


 常設展の一コーナーで、版画の企画展を開催していました。ゴヤの素描画もこういう企画展みたいな感じで展示されることがあるのかなぁ。

考える人


カレーの市民

 午後から赤坂に行く予定があるので常設展見学は約45分で終了。最後の部屋を見ているときに、何気なく後を振り向いたら、美術見学の中学生がゾロゾロいてビックリ。興味があるのかないのか微妙な雰囲気…。

 美術館外に出て、庭園の彫刻にも一通りご挨拶してから上野駅に向かいます。
 上野駅から四ツ谷駅までJR利用。
 1か月前に“前庭”見学した赤坂離宮迎賓館に、今日は内部見学に向かいます。
 往復はがきで参観希望を出して許可の返信をいただき、できたら“午後から”と書いてあったので、午後一番は混みそうだったので、午後二番くらいの時間だったら空いているかなぁという目論見です(笑)。

 西門で一旦、返信はがきを提示してから門内に入り、手荷物検査、X線検査、返信はがきと身分証明書(免許証、健康保険証など)を提示して本人確認の上、ようやく入場者のバッチを受け取りました。

赤坂離宮迎賓館


赤坂離宮迎賓館

 庭園での写真撮影可。迎賓館内部の写真撮影不可。庭園で撮影した写真も個人的に楽しむのみで、ネット上で公開することはできません。

 2階の4部屋が一般拝観でき、各部屋に説明員さんがいらっしゃいました。広い部屋だと1部屋に2人の説明員さんがいらっしゃったりしました。この説明員さんも説明に巧拙があったような…。最初の部屋の最も手前にいた説明員さんが私的に最も判り易くて…あれ?もしかして9月の庭園で説明して下さった方のような気がすご〜くします。
 私的には、七宝焼きで飾られた「花鳥の間」が最も好みでした。で、全体的な感想は、「思っていたよりもスッキリしていた。」とポルトガルにも一緒に行った同行者につぶやいたら、「ポルトガルのキンキラキンを見たばかりだから?」と切り返されました。そうかも。

 また何年かしたら見学に行きたい場所です。そのときには、感想が変わるかな。