吉村作治の早大エジプト発掘40年展
古代オリエント博物館
2008年7月27日


 いきなり勢いで行くことに決まった「吉田作治の早大エジプト発掘40年展」。偶然とは恐ろしいものでこの日は早稲田大学客員教授(サイバー大学学長) 吉村作治氏のトークショー&サイン会のある日。
 まずはトークショーの見学からスタート。話題は…思いっきり発掘のことからはずれまくりのサイバー大学創設エピソード。えっとぉ、どうしよう…と思っていると司会者さんが発掘についての質問をふって話題を戻してくれました。そして話し出すとまたまた話題が横道にそれまくり…司会者さんが戻し、の繰り返し。
 魚の丘での彩色の階段の発見のエピソードでは、「ほうきで30回掃いたら、人の顔が出てきた。」って…話し、作ってません?
 最も興味深かったのはダハシュール北遺跡で発見された夫婦ミイラの奥さんは、今回の青いミイラマスクの主のセヌウさんの娘さんで、ご主人の方はヌビア人で、セヌウさんが軍関係の高官なので、ヌビア人を統治するのに娘の婿さんにヌビア人を迎えたというお話し。

サンシャインビル内にて

 ミイラマスクは金は王で、高官は黒、緑、青。ただ、これまで青は発見されていなかったのが、青いセヌウさんのミイラマスクが発見されて実証されたのだそうです。
 第2の太陽の船の発掘・修復・復元を早稲田大学が行うことになった経緯が今ひとつ分からなかったのが残念ですが、セヌウと夫婦ミイラの関係を伺えたのも司会者さんの軌道修正の賜物です。司会者さん、ありがとうございました。


 展示会場は早稲田大学が発掘に携わってきた遺跡を大きく3つに分けて構成しています。

 最初の展示は、トークショーの話題にもあった魚の丘の彩色階段の何十分の一かのレプリカ。本物の展示は無理としてもせめて写真で再現するとかしていただきたかったです。

 ゆったりと自分のペースで目線を変えながら見学できて、理想的な環境です。時間的にいい時間だったようです。
 そして最大の目的だったセヌウの青いミイラマスク。

 これが本物の青いミイラマスクですか。思っていたよりも2回りくらい小さいです。これだと顔の方が絶対大きいですよね。ミイラマスクの隣りに復顔されたセヌウさんの頭部があるのですけど、顔の大きさがミイラマスクと全然違うのですよ!
 全然違うと言うとミイラマスクと復顔の顔が全く違うのです。ミイラマスクの美化200%?な感じでしょうか。
 


 ぐるぐるぐるぐる、セヌウの青いミイラマスクの回りを3回くらい回ってようやく満足して、次なる目的=セヌウの木棺の見学です。ミイラマスクの前に展示されている木棺をじっくり見学。文字もウジャドの眼もミイラマスクに合わせて青い絵の具が使われており、色がとても綺麗に残っています。
 他の展示物で印象に残っているのは、クフ王の小さい像が足元にある神さま(でしたっけ?)の像。これまで確認されているクフ王の像はエジプト考古学博物館に収蔵されている10cmにも満たない小さなものが1体だけだったのが、こちらに展示されているのが2体目になるのだそうです。

 あとは、ツタンカーメン王とアンケセナーメ王妃の指輪です。エジプト考古学博物館で2人の中のよい様子が彫刻された玉座を見ているので、興味深かったです。指輪も一緒に発見されて、2つ並んでこの展示会で展示されてよかったね。>ツタンカーメン&アンケセナーメ

 小学校高学年くらいの男の子さんが熱心に発掘品を見学している親子連れさんが何組かいました。目指せ!未来の吉村作治!でしょうか。