トルコ

2007年4月
カッパドキア



カイマクル地下都市

 朝、目覚めてまずは天気のチェック。窓辺に近寄っても雨音は聞こえない。雨は止んだようだ。ほっとしつつカーテンを開けて見えた外の景色に呆然自失。そこには横殴りに降る雪と雪景色が広がっていた。雪の降る音は聞こえないですものね。はぁ。雪。まさか4月のトルコで雪に降られるとは予想だにしていなかった。
 トルコのイメージは暑い(または暖かい)だし、日本にいるときにチェックしたトルコの週間天気予報でも雪の予報はなかったし……。標高から考えるとアナトリア地方では雪の可能性も十分あり得るのに、何故かその考えがすっぽり抜け落ちていた。

 結局、本日の天気は雪のち雨ときどき雪ときどき曇り。外の景色がメインの日にこういう天気は気落ちするなぁ。
 また、カッパドキアに来いという導きだと思おう。
 8時30分にホテルを出発して、まずはカイマクル地下都市へ向う。谷を1つ、丘を1つ越えるごとに雨が降ったり止んだり、雨が雪に変わったり、雪が降ったり止んだりで、本当にちょっとした地形で天気がクルクルと目まぐるしく変わる。
 最初の観光地カイマクルの駐車場に到着したときには雪が舞っていた。それでも先客の観光客がいたり、お土産物屋さんの呼び込みがあったりして寂しい感じはない。

 9時〜9時50分、カイマクル地下都市観光。

 人手でよくぞこれまでのものを作ったなぁ。先人の知恵と努力の賜物。ニハットさんによると最大で700人〜900人の人が暮らしていたと考えられるらしい。本日行った最深部は地下23m。通気孔や台所など見学していて、より快適にそれでいて外部に見つからないための工夫に説明を受ける度に感心してしまう。

 地下通路が楽しくてつい行きたくなるけれど、順路からはずれると迷うのでご法度。入ったけれど未だに出てこない人が複数いるらしい。

 地下都市の出口から駐車場へのわずかな時間にナザーレボンジュ(目玉のお守り)などお土産物をしっかりゲットする方もいらっしゃる。むむっ、さすがの機動力。

カイマクル地下都市
通路の蓋


ウチヒサール

 カイマクルの次はウチヒサールで写真ストップ。雪化粧のウチヒサールの風情もなかなか。と強がっておこう。

 ウチヒサールを背景に写真を撮っていると観光客到来を察知した観光ラクダ引きさんが、丘の向こうのいずことも知れない場所からラクダを引いて現れた。
 「お仕事、お仕事」とラクダを急がせたのだろうが、到着したときには、私たちはバスに乗っていた。来るのがちょっと遅かったね。残念でした。
 ラクダと一緒に写真を撮るとギャラを請求されるらしい。
 10時45分、カッパドキア観光のメイン、ギョレメ野外博物館に到着。このときは幸運にも雨も雪も止んでいた。天候のせいか季節のせいか、全く並ばずに入場できた。というか、入場ゲートがあること自体が予想外だった。
 入場してみれば、そこここに観光客はいるけれど、広大な敷地で気にならないくらい。まだシーズンが始まったばかりなんだなぁ。

 ここでもあちこちにプラムだか杏だか梨だかリンゴだかの花が咲いて私たちの目を楽しませてくれている。

 順路に沿って見学。と、いいたいところだけれど、リンゴの教会は先客が居たため最後にすることにして先に進む。

 教会の内部はフレスコ画で装飾されている。それぞれの教会ごとにフレスコ画の保存のため、写真撮影禁止だったり、フラッシュ撮影禁止だったりするので、入場するときに入り口の表示をきちんとチェックして確かめたい。

ギョレメ野外博物館

 ダイニングルームは、40〜50人は座れそうな岩をくり貫いて作ったテーブルがそのまま保存されているので、ちょっと座って当時に想いをはせる。ここで食事かぁ。修道生活の方々はどんな想いでどんな食事されたのだろうか。

 ギョレメ野外博物館の一押しの暗闇の教会は完全に撮影禁止なので、←暗闇の教会への順路を示すパネルを撮影。

 暗闇の教会のフレスコ画の下地色の紺色が見事。保存状態もよくて必見。
 ニハットさんによると目・頭・腹などの体の一部が削り取られているのは、フレスコ画の聖人のその部分を削って飲むと病んでいたりケガしたりしているのが治ると信じられていたので、病人さん・ケガ人さん、またはその関係者の方々が削り取ったためだとか。なんだか納得できるようなできないような……。現代人からするとこんなすごい美術品を削り取るなんて勿体ないの一言なんだけど。

 シーズン真っ盛りになったら超混雑しそう。

暗闇の教会


サンダルの教会

 サンダルの教会も撮影禁止だから、外を撮影してみました。味もそっけもない階段がついているのは、本来の階段が倒壊してしまったためだとか。どんな階段がついていたのかな。
 そして最初に戻ってリンゴの教会の見学。ニハットさんが「フラッシュ使わなければ写真撮影してもいい」と言ったのでお言葉に甘えて撮影した。

 ここのフレスコ画も相変わらず目とか削り取られているけど、暗闇の教会のフレスコ画に次いでよかったので、撮影可と言っていただけたのはありがたかった。ちなみに「ありがたいことです。」はニハットさんの口癖。(笑)

 12時5分、見学終了。1時間20分か。もっと時間を取ってゆっくり見たような気がしたけど、そんなものだったのか。そういえばお腹も空いてきた。(笑)

 バスに揺られること10数分。本日の昼食は洞窟レストランです。ギョレメで洞窟の教会をたくさん見た後なので、気分的にいい感じですね。(笑)
 しかし広い!通路をず〜っと通ってセンターにホールのある部屋で食事。夕食のときにはきっとベリーダンスか民族舞踊ショーをするのだろうけど、昼食時はそういうショーはないので、ホールを見ながらの食事は何だか間が抜けている。ベリーダンスショーを観るのは、イスタンブールよりカッパドキアで観たかったかな。

リンゴの教会


スープ


壷焼き


チャイ


カリニヤルク
(なすの挽き肉料理)

ライスプリン


洞窟レストラン

 ←の洞窟レストランで食事をして外に出ると、レストランの屋根(?)の部分の丘では羊さんたちがお食事中→

 ツアーの皆さんと「おぉ〜!」と歓声。

 人間は屋内、羊さんは屋外で食事で実に合理的で上手くできている。(笑)

洞窟レストランの屋上

 昼食後はアヴァノスの陶器工房見学。陶器は好きなので楽しみにしていたのだ。手が出るかどうかは判らないけど、目の保養、目の保養。と言うようなことをツアーメンバーさんのお一人に話したら、「私もアヴァノスの陶器工房が楽しみよ。」と言われた。陶器ファン、根強し。

陶器工房の実演

 アヴァノスの往復では、赤い河の別名を持つクズル川を渡る。このクズル川が、「天は赤い河のほとり」の赤い河のことなので、川を渡るときに、「これがそうかな〜、ついにここまで来たのだ。」と川面を見入った。アナトリアまで本当に来たのだな。こんなことを思いながら川を見ていたのは、ツアーメンバー中、私だけだろう。

 昼食のレストランからほんの10分少々の13時40分、アヴァノスの陶器工房へ。
 アヴァノスの陶器工房では、型どおりの陶器作りの実演とその説明からスタート。説明の人は陶器作りが上手くないので、説明係りをしてるそうだけど、その分、日本語がお上手。立て板に水だ。適材適所でお仕事ですね。

 ←の実演で、何を作っているか当たるとちょっとしたプレゼントがあったので、何を作っているのかは内緒。私たちのツアーメンバーからは正解が出なかったけど、そんなに意外な物でもないので、行ってみてのお楽しみ☆

 この部屋の次に通された部屋で、お皿を中心に模様の説明。それぞれの模様に意味があるんですね。“生命の樹”だけ覚えたぞ。
 展示即売のお部屋で眼福。先生お弟子さんの作品があるけど、先生の作品は素晴らしい。密かに絵皿1枚購入を狙っていたのだが、やはり手が出なかった。そんなものよね。そして、ここでの40分を長いとは思わなかったのは好きなものを見てたから。(笑)
展示販売場


古典的な柄


生命の樹の柄

 14時45分、ついに!きのこ岩の景観!!ゼルベの谷です!!!

 きのこ岩がてんこ盛り。最初、きのこ岩の近くに行って写真撮影。それから洞窟教会のあるきのこ岩に階段がかかっていたので登った。内部は特に見るべきものはないかな。
 それから猛ダッシュでゼルベの谷の全景が撮れる近くの丘の上に行く。息が切れたわ。ゼェゼェ。でも、その甲斐のある全景が眺められて満足。ところどころに咲くプラムや洋梨の木の花がアクセント。これで遊歩道建設中で重機が入ってなかったらよかったのだけど、そこまで言ったら贅沢かな。

 晴れていたら、もっと興奮の景観が目の前に広がっていたことだろう。いつか晴天の元できのこ岩を見たい!!!(心の誓い)

 忙しく動き回ったのが楽しくて仕方なかった30分だった。

ゼルベの谷


洞窟スタイルの民家訪問

 15時35分、おばさんにお出迎えいただいて洞窟スタイルの民家見学。

 丁度、3時のおやつタイムでおばさんがお手製のパンとチャイでもてなしてくれた。ごちそうさまです。
 優しそうな初老のご夫婦の2人暮らしで、ご主人のお祖父さんの代から洞窟の民家住まい。1度、洞窟民家暮らしを放棄するとまた住みたくなってももう許可がおりなくなるらしい。
 このご夫婦のお宅にはニュージーランド首相も訪れたことがあるそうだ。
 リビングルームにある絨毯たちもおばさんやおばさんのお姑さんたちの手作り。代々の手作り品に囲まれている。

 おばさんが、絨毯を編む実演をしてくれた。絨毯を編むのは目と指を使い、特に目に負担がかかるので、長時間は作業をしていられないそうだ。なので、少しやっては休憩しての繰り返し。
 編み糸を繰るのも指が細いほうがいいそうなので、若い方が、細い糸を使って細かい柄を編めるのだとか。

 お邪魔した部屋はリビングルームで、キッチンなどへは一旦部屋を出てから行かなくてはならないので、天気の良くない日は大変だろうな。それともリビングルームは観光客用?にしては、生活に使ってる感じもする。

 この日は、ご主人もお仕事の空き時間だそうで、顔を出してくださり、にこやかにおばさんの傍らで微笑んでいらした。

 16時15分、トルコでは、お客様が去るまでお見送りするのが礼儀なのだとかで、おばさんにお見送りいただいてバスは出発。

洞窟ホテル

 天候不順のため、予定されていたローズバレー散策ができないので、代替として洞窟ホテル見学(16時20分〜16時35分)。快く3つの部屋を開放して見学させてくださったホテルの皆さん、ありがとうございます。
 奇岩の風景の中に佇むホテル。そしてどの部屋も風情がたっぷりで普通のホテルに泊まるよりカッパドキアを満喫できると思った。またカッパドキアに来る機会あったら、そのときは絶対に洞窟ホテルに宿泊する!と、えむちゃんと誓い合ったのであった。
 ローズバレー散策の代替の

第2弾、ギョレメの谷の写真ストップ(16時40分〜16時50分)
第3弾、ピジョン・バレーの写真ストップ(17時〜17時5分)

 時間的にか、雪が舞い出して、雪に煙るギョレメの谷とピジョンバレーを見学することができた。それはそれで幸いと言うべきか。

ギョレメの谷


ピジョン・バレー


ローズバレー

 ローズバレーは散策が出来なかったけれど、取りあえず写真ストップだけはした。(17時15分〜17時30分)

 こんな天候なので、私たち以外の観光客はいなくて静かなものだった。

 ローズバレーは朝陽や夕陽に輝いて赤く染まるのだと思ってたら、雪景色の中でも赤くなっている。あら?鉄分の多い土の成分のせいもあるみたい。

 パッと見は、散策できそうな感じに見えるのに何故ダメなのか頭を捻ってから、全体を見渡すためにちょっと小高い場所に登って、その理由を身体で納得。足場が悪くて、降りようとするとズルズル滑って降りられないのだ。決死の思いで体重をかけないように駆け降りた。これは散策は無理だわ。
 
 1時間の予定のローズバレー散策も出来なかったので、これでカッパドキアのリベンジは決定かな。(笑)

 これで本日の観光は全て終了。あとはホテルに戻って夕食タイム。その前にニハットさんが希望者さんのみトルコ石屋さんにご案内するそうで、希望したのは4人。ふぁ〜、気力・体力あるぅ。

 夕食前にバスを使う。バスタブのあまりの水はけの悪さにえむちゃんが「風邪ひいちゃう!」と悲鳴をあげる。設備が老朽化してるから〜。旅行会社の企画担当者さんには、ぜひデデマンに来て実際に宿泊してチェックしていただきたいものだ。
 この夜はトルココーヒーにチャレンジ。ん〜、残念ながら私の好みには合わない。
 アイラン、トルココーヒーと2日続きで飲み物のチャレンジに敗れ去っている。

 ビュッフェ会場では突撃弾丸格安ツアーのバッチを付けた皆さんがいっぱい。ツアー代金のことを考えると悲しいものが胸に去来する。いや、突撃弾丸格安ツアーでこのホテルを使う分にはかまわないのだけど……。

ビュッフェの食事


ビュッフェのデザート


 さて、明日は今回のツアーで最大のロングドライブ。7時出発予定だから、早く眠らなくては。