Satoh Hiroyuki Live Tour '98 "Can you hear me now?"

1998.11.09 (月) 名古屋 ダイアモンドホール 18:45〜20:35
1998.11.12(木) 福岡 ドラムロゴス 19:05〜20:30
1998.11.14(土) 大阪 ヒートビート 18:10〜19:45
1998.11.18(水) 新宿 リキッドルーム 19:10〜20:55

名古屋曲順 大阪・新宿曲順 タイトル
1. ガラスの十代(シングルバージョン)
2. パラダイス銀河
3. 1. RECKLESS
4. 2. 君と風と太陽と
ご挨拶
5. 3. 君のKAKERA
6. 4. LOVE
7. 5. MISS YOU,BABE
MC
8. 6. 6/8
9. 7. シナモン
10. 8. つづく…
11. 9. With me
12. 10. Bye3
13. 11. ROCKETMAN
14. 12. ローラーコースター
15. 13. Rain
16. 14. 降水確率30%
アンコール
17. 15. Cloudy Sky
18. 16. keias
アンコール(大阪・東京)
17. ガラスの十代(シングルバージョン)
18. パラダイス銀河

【RECLESS】

楽曲のイメージ的にはアルバムとほぼ同じか。気だるい雰囲気をにじませている?

【君と風と太陽と】

この曲もほぼアルバム通りのイメージを踏襲している。ドラムのリズムが印象的。

【君のKAKERA】

原曲のバラードのままだがほんの心持ちだけテンポが早くなったような気がした。(あくまで気がしただけかもしれないが)

【LOVE】

イントロのアレンジがかなり変わり歌い出すまで何の曲か判らなかった(不覚)これもほんの少しだけアップテンポになったか?

【MISS YOU,BABE】

イントロがロックしている。イントロ以外の曲中はアルバムとほぼ同じ。

【6/8】

アコースティック。名古屋はなかったが、大阪・新宿では寛之もギターを抱えてイントロ・間奏など爪弾いていた。

【シナモン】

基本的にアコースティック。ドラムが弱くリズムを取っている。

【つづく…】

しっとりした曲が2曲続いたところを一転して元気のある曲に。組み合わせの妙は相変わらず。アルバムのイメージ通りの曲。

【With me】

ライブではすっかり定番になりつつある曲。相変わらず皆で盛り上がる曲。今回は原曲に近いと思われる。

【Bye3】

イントロのアレンジが変わっていた。少しだけスローテンポになっていたように思えたのは気の精か?名古屋ではこの曲の終盤から、新宿では曲の冒頭からダンサーの女性2人が登場。

【ROCKET MAN】

かねてから述べていた通りのダンスナンバー。名護やでは前曲から引き続きの2人、大阪ではこの曲の冒頭で4人のダンサーの女性がわらわらと登場し、新宿では前曲から引き続きの2人に加えて新たに2人が登場して計4人となった。ダンサーズと共に寛之がイントロ・間奏などでダンスを披露。久々の踊る寛之を堪能した。ダンサーが女性だったのは曲の内容からの選択だったと思う。

【ローラーコースター】

ノリのよいアレンジ。ダンサーズは着ていたシャツを脱ぎ捨てタンクトップ姿に。寛之とダンサーズで観客をあおる。

【Rain】

ガラッと雰囲気を変えて、青ざめて透明な寛之のバラードの世界へ。曲の中盤から入るドラムの音が胸にズシリと重く響き効果的。寛之の心がストレートに伝わってくるかのように思えた。

【降水確率30%】

アルバム収録曲とイメージ的にはさほど変わっていないと思う。

【Cloudy Sky】

こちらも原曲通りと思われる。

【Keias】

アルバムよりもノリのよい曲に仕上がっているように思えるのだが……。

【ガラスの十代】

シングルバージョンのロックアレンジバージョン。大阪・新宿ではソロパートの次にいきなり2番の歌詞にいってしまった。あまりに堂々と2番にいくので1番をとばして2番だけを歌うようにしたのかと錯覚しそうになったが、そうではなく単に間違えたようだ。名古屋ではきちんと歌っていた。大阪ではちょっと気恥ずかしそうに、新宿では堂々たるフィンガーアクション付(笑)

【パラダイス銀河】

ロックアレンジバージョン。2曲とも10年前の曲だが会場にいる観客のほぼ全員がフルコーラス歌えてしまうところがすごい。(爆)

<名古屋>

【MC】

 ライブに来るために会社を休んだりしたファンに「休んだり早退したり上司泣かせにならないように。僕のライブに来るだけなら僕が許可します。」

 今年は名古屋に来る機会がたくさんあったので、「ぶらぶら散歩した。」と言う寛之。テレビ塔を「名古屋タワー」と言ってしまいファンから突っ込まれ、東京タワーとそんなに変わらないと主張する。確かにそうかもしれないが……。

 今回はBirthday Liveではないのでケーキが出てこないことに触れ、「ケーキが出てこないですけど、28歳になったらケーキが出てきてもあまり嬉しくない。」と口では言っているわりには、口調的に欲しそうな感じが満ち満ちていた。(笑)

 夏のキャンペーンについて「いろんな人に聴いてもらえて、どうしても今までのイメージが先行するみたいで、夏に(キャンペーンに)廻ってよかった。」

 「名古屋でライブを演るときは魔物がいる。って感じでしたが、今回は(今年は)何回も来ているので東京と同じ地元ノリでできそう。」

 アルバムについてお約束の「どうだった」「よかった」「どこが」の問答の後、「シナモン」がよかったという声に対して、「シナモンコーヒーはたま〜にしか飲まないんですけどああいう世界もいいですよね。」

【感想】

 初日の緊張感のせいか、寛之にしては珍しく汗をたくさんかいていたのが印象的だった。普段は汗など滅多にかかず涼しい顔をしてこなす人なので印象深かった。
 MCで12月にラジオの仕事で名古屋に来ることを発表。名古屋のライブで当然多数を占める名古屋のファンには嬉しいお知らせで素直に喜ぶべきなのだが、つい「東京は?」と思ってしまった可愛くない自分がそこにいた。
 照明が綺麗で特に『Rain』のラストの寛之のシルエットになるところが好きだ。寛之のステージはいつものことながら照明がいい。
 『With me』のとき持っていたタンバリンを投げ捨てて、その後、そのタンバリンにつまづいたのがとっても寛之らしくて◎だった。(笑)全体を通してタンバリンを持っているときが結構あり、”タンバリンを演奏する佐藤氏”を楽しませていただいた。
 MCのときにスツールの足掛けのところに置かれた右足が小刻みに動いていたのは緊張の現れだったのか。
 名古屋は1・2曲目が懐かしい曲だったわけだが、このときの衣装は深緑色のだっぽりしたセーターにパンツは『ROCKET MAN』などを歌ったときの上が迷彩服で下が薄いブラウンのパンツだったが、それと同じパンツの組み合わせで、個人的に今回のツアーを通じて最も好きな衣装だった。それが初日の名古屋の最初の2曲しか使われなかったのが非常に残念。
 最初の2曲が終ったところで一旦全メンバーがそでに引っ込み、寛之は着替えて来たのだが、その間が寛之は「一呼吸ついて」と言っていたが、私には「五呼吸ついた」くらいに思えた。折角盛り上がったところを前のめりにのめってしまった感が否めなかった。
 『Keias』でのラストは何だか「これで終り?」という多分に中途半端な想いになってしまった。できたらもう少し盛り上がる曲で締めくくった方がラスト的にインパクトがありよりよくなるのではないか。
 歌を聴いていて私が「あれ?」と思うときは大体寛之も「しまった。」みたいな顔をして大抵バンドのメンバーを振り返ることが多く、それで「やはりそうなのか。」とばればれになってしまった。寛之の場合、声が裏返るとか一音大きくはずすのではなく、フレーズ単位で伴奏と歌が同じ音程を保ったまま違う音階を推移することが多いのだが、プロなのだから表情にすぐに出さずにいてほしい。と思う一方でこういうときの寛之の「しまった」の表情が実にキュートで可愛い、自然な表情をするのでそれを見られるのも悪くはないと思ってしまうのはファンの悲しい性か。

<大阪>

【MC】

 名古屋は初日で久しぶりということで舞い上がってしまい「歌も舞い上がってどこかに飛んでしまった。」ライブ終演後も「いろいろありましてそれはみなさんにお伝えできないのが残念なんですが。(ファン「え〜〜〜!!!」)夜、遊びに行っただけなんですけど。地方に行って美味しいもの食べて気分転換して。」

 福岡ではライブの前に時間があったので買い物に行き、「ウォークマンを買った。何とかショックとかいうヘッドフォンがぶるぶるふるえるヤツ。普段、早い時間に外を歩くというのがそんなになくてどちらかというと日が沈んでからが多いんですよ。犬の散歩したりとかして。久しぶりにお昼過ぎくらいから街中をぶらぶら〜っと歩いて気分転換して福岡のライブもそれなりに盛り上がってよかったな〜と思います。」

 大阪にはライブ前夜に入ったようだが、その前に「スポーツをエンジョイしてきたんですがゴルフをやったんです。」ファンの「え〜〜〜!!!」に「そんなに上手くないんで疲れちゃったんですけど、気晴らしに行ってストレスがよけい溜まってしまいました。ツアーしながら気分転換しながらいい感じでやってきたので今日も盛り上がったライブになればいいなと思ってます。」

 『Can you hear me now?』は今まで以上にギターががちゃがちゃ入っていて「気に入らない人もいるかもしれないけど僕の中では今回のサウンドは好きなサウンドでCDをかけただけでライブの光景が見えるようになっている。」

 JIZOさんやTSUKASAさんと話をしながら、「寛之どう思う?」と聞かれても、「僕はよくわからないので『えぇえぇえぇえぇ』と」(会場・笑)

 「無事にいいアルバムができたのでまだ聴いてない人がいたら聴いて欲しいと思います。」

【感想】

 何とかしてほしいと一番強く名古屋で思った2曲目から3曲目へのつなぎの時間の長さは、懐かしい曲2曲をダブルアンコールとしてラストへ持って行くことでクリアしていたので非常に嬉しかった。
 照明は名古屋の方がよかったかもしれない。
 名古屋のときよりも汗も少なくやはりリラックスしていたようだ。タンバリンを持つ回数も名古屋のときに比べてからり頻度が少なくなっており、その分歌に集中していたようだ。
 それでも、MCのときは無意識なのだろうが、手に持ったミニペットボトルのふたを開け閉めする動作をずっと続けていた。
 『6/8』のときに用意されたギターのあるべき場所にピックがなかったようで、必死に探した後、そでに控えたスタッフの方に「ピック、ピック」と言っていた(私にはそのような口に動きに思えた)寛之がものすご〜く可愛かった。(笑)ファンが寛之がピックを探しているのを気づいたのに声をかけられたスタッフの方が気づかずにいたのは寛之が可哀相だった反面、寛之がその事態にどう対処するのか非常に興味深く見ていたところ、最初はピックなしで躊躇していたが、途中からピックなしでギターを弾き始め、寛之のプロ魂を見た思いで「よしよし。いいぞぉ。」と喜んでしまった。不測の事態が起きたときにギター演奏を投げ出さずに、ピックなしで弾いた寛之に成長を見た思いだった。
 ダンサーのおねえさんは2人だと思っていたので『ROCKET MAN』でわらわらと4人も出て来たのにはびっくりしてしまった。2人増えた人数分以上の盛り上がりがあったのでよかったと思う。『ローラーコースター』でダンサーズはシャツを脱ぎ捨てたわけだが、ついダンサーズの皆さんに寛之のシャツを引き剥がしてもらって寛之にもタンクトップで歌ってほしかったと思ってしまった。
 名古屋での最初の2曲をダブルアンコールに持って行ったわけだが、今回のライブのテーマからして大阪での曲順の方がよかったのではないか。ラスト的にも「これで終り」の気持ちが持てた。
 こう言っては名古屋のみをご覧の方に申し訳ないかもしれないが、初日の名古屋での反省点を活かしていて、大阪の出来の方が数段よかったと思える。

<新宿>

【MC】

 名古屋の初日を迎えたときは「どうかな?」と思った。名古屋では久しぶりのライブなので身体が思っているように動かない。「おれもやっぱりじじいになってしまったのか。」(会場・笑)「昔はぽんぽんと動いたものが何かちょっとにぶいんだよね。」

 福岡あたりから「自分のペースに持って行くことができたかな。」

 大阪へ行く前に移動日がありゴルフをした。「これを言うとまたじじいって言われるかな。」

 寛之の各地のファンに対するイメージは

   名古屋の子はおとなしい。
   福岡の子は個性的。
   大阪の子は突っ込みが激しい。
   東京の子はまたわけがよくわかんない。

 ライブ演ってて座って見てられるのがイヤ。「去年の福岡でこうやってじっと聴いてる子がいた。(目をとじ両手をそれぞれの耳の脇に持っていき耳を澄まして聴く様子を実演)

 「結婚はまだ……。」にファン「え〜〜まだしないの。」(結構ボソリとした声だった)に「待て。………こうやって打たれながら僕も28歳になった。」

 「しし座流星群、夜中の3時か4時近くでしょ。今日のライブがあるしなぁ〜(と思っていたら)、電話とかかかってきて。『行こうよ!』(ファン「誰から?」)いやいやいや。(と質問をかわす)『ちょっとライブがあるし〜、家の近くで見るよ。』と言ったらその相手が『いいよ。ライブやめちゃえば。』前にそういうことを言った記憶があるんですけどね。まぁ、判る人には判るし、判らない人には判らない。」
(みや注 説明しよう!某氏が昨年の12月の大阪コンサのMCで大阪コン前夜に寛之からスノボに行く誘いの電話があり、某氏が「明日、コンサがある。」と言ったところ、寛之が「コンサやめちゃば。」と言ったという話があったと某氏のコンサを見に行かれた氏のファンの方から教えてもらったことがある。ということで今回、寛之をしし座流星群を見に行こうと誘ってくれたのは当然……でしょう。仲良しさんは嬉しい。(*^^*))

【感想】

 今回のツアー最後の新宿公演では、いつもの”汗ひとつかかずに”熱唱する寛之だった。それだけ初日の名古屋では緊張していたのだと改めて思った。
 歌にしてもダンス・MCにしてもラストということで私が見た限りでは今ツアー中最もリラックスしていたように思う。東京でのライブというのはそれだけで違うものなのだろうか。ダンスにしても前2回よりも余裕が感じられたし、MCも話題として面白かったし何といっても最も時間が長かった。(笑)
 それがファンにも伝わるのか、大阪とはまた違ったノリではあるがファンもとても盛り上がったライブらしいライブだった。
 『With me』で歌詞が飛んだがそれはご愛敬。その飛んだ後、左手で「ゴメン」みたいに手を立てたのが印象に残っている。誰に対しての何の仕草だったのだろう。
 大阪のライブから更にパワーアップして、私が今ツアーで見た名古屋・大阪・新宿の3会場の中で最も盛り上がり最も楽しくパワーがあり得点をもし付けるとしたら最も高得点を付けるライブだった。

【総評】

 まず、最初に感じた点は声量がものすごく増したということ。声量が豊かになったので声に伸びや艶が出て歌によりパワーが加わり、また、歌と歌声ににも安定感が増した。6月の新宿高島屋の握手会で『降水確率30%』を聴いたときにも声の伸びを感じたがその時はレコーディングから日が経っておらず、そのために声も出ているのかと声量が増したことについては半信半疑だったが、今回はどの会場でも同じように伸びやかな歌声を披露してくれた。これは歌手としての道を歩む寛之にとってはとても大切なことであり、今後もボイストレーニング等を続けて、更なるパワーアップを楽しみにしている。(*^^*)
 そしてファンを自らリードして自らのペースに巻き込み引っ張って行こうとする意思と姿勢はとても素晴らしい。
 ダンスは本人もMCで語っていたように、4年前程のキレのよい動きはなかった。それでも寛之独特の正確なダンスは健在だったと思う。ダンスもライブの重要なファクターの1つなので地道に身体を鍛えて、より素晴らしいダンスを私たちに披露してくれたなら、更にライブは盛り上がることになるだろう。
 グループ時代の曲を歌を歌うことについては賛否両論だと思うが、グループ時代の歌も寛之の歌(寛之だけの歌ではないのだが)には違いないので、ファンが喜ぶからの理由はではなく、寛之が歌いたいときに歌いたい歌を歌いたいアレンジで歌うのは別によいのではないかと個人的には思っている。
 福岡でのライブは見ていないので福岡を除いての話になるが、ライブ日程が重ねられれば重ねられるほど、ライブの完成度が高くより充実したものになっていったように思える。回数を重ねることの重要性だと思う。これからも機会があればより多くの場所でより多くのライブを重ねて行くことが寛之の成長に繋がることだろう。そしてそれは同時に私たちファンの幸せでもある。来年は更により多くのライブを経験して欲しい。
 各会場で思ったのだが、歌と歌の合間に時折寛之が見せる幸せそうな笑顔がたまらなく良い。本当に寛之は歌が、歌を歌うことが好きなのだと、その笑顔を見ながら心から思えた。その幸せな笑顔を見られる私たちは幸せだ。これからもずっと寛之の歌と笑顔を見守ってゆきたい。

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