big 〜夢は、かなう〜

2000年08月01日(火) 東京国際フォーラムホールC S席 18:30〜
2000年08月17日(木) 東京国際フォーラムホールC C席 18:30〜
2000年08月27日(日) 東京国際フォーラムホールC S席 18:30〜

8月1日(火)

 18時30分開演の、この手の舞台の大半の夜の部開始時間7時よりも30分早いため、終業時刻になったとたんに机の上を綺麗さっぱり片づけて席を立とうとしたら、向かいの席の新人にバッチリチェックされてしまった。(^^;) いいの、この舞台、ず〜っと楽しみにしてたのだから、遅れたくない一心なの。私の行く手を阻まないで☆
 あまりにはりきって会社を出たので、国際フォーラムには会場時間前に着いてしまった。ありゃりゃ。職場から30分かからないで着くくらい近かったのね。近いとは思ってたけどここまで近いとは予想以上。

 会場は、新しいせいか清潔感あふれて見るからに綺麗。ただ構造的に大勢の人間が一気に出たり入ったりするのには不向きな点があるかもしれない。床がフローリングで傾斜形式になってるのも新鮮でいい感じ。前の席との間もそれなりに開いているので、座っている分には窮屈感もなく、それなりに傾斜があるので前の人の頭もあまり気にならなかった……のは、ちょうど通路側だったので、舞台中央を見ようとすると通路があるから直接前の人の頭越しに舞台を見るのではなく、通路をはさんで斜め前の人の頭上を通り越して舞台を見る格好になったから、比較的距離があって、気にならなかったのかもしれない。
 いずれにしろ、「ミツコ」を上演した某劇場よりも見易いと思ったのは事実。

 舞台は一昔前にヒットしたアメリカ映画をミュージカルにしたもので、ちょっと体格的にコンプレックスをもつ12才の少年ジョシュがカーニバルの占いマシン(ゾルター)に「大きくなりたい」と願うと、翌日目が覚めたときには、大人になっていて、元に戻るために大人の姿になり、誰もジョシュをジョシュとして判らない中、唯一ジョシュだと判ってくれた親友ビリーとともに願いをかけた占いマシンを探し、発見するまでの間、ふとしたことから知り合ったおもちゃ会社の社長の会社で副社長!として働くことになり、そこでの同僚キャリアウーマン・スーザンとの恋愛模様も絡みつつ、最後には、スーザンに自分が13才(途中で誕生日を迎えたから)であることを打ち明け、元の姿になって10年後の再会を誓って別れていくという、いかにもこれでもか!のアメリカンドリームてんこ盛りのストーリー。
 思いっきりネタバレしてしまった。(^^;) まだ見てない方、すみませ〜ん。m(_ _)m

 最初10分間くらいは少年ジョシュで、赤坂ジョシュの出番は、占いマシンに願った翌朝、ベッドから起き上がるところから。ぴちぴちの寝間着(12才の子供用サイズの寝間着を大人が着るのだから当然すごいことになっている)からはみだす?プリンスくん用にボクシングで鍛えたであろう腹筋と、膝から下ばっちりの脚がセクシー♪もしかしてすね毛剃ってるのかな?妙に綺麗なお御脚に視線は釘付け。どこ見てる?>自分
 登場から幕が降りるまで、以降、ほとんど舞台に立ちっ放し。やはり主役よね。(*^^*)

 最初の頃から1部が終るくらいまでは、歌のキイが高すぎて合わないのか、初日の緊張からか、途中、何ヵ所か声がひっくりかえりそう(ひっくりかえった?)になったり、若干、音程に不安定なところもあったけれど、大過なく歌って踊って魅了してくれたし、中盤から後半にかけてはどんどんうなぎ上りに歌もよくなり、声量も出てきてぐいぐいと引っ張ってくれた。すごい!すごいよ!!赤坂くん!!!
 歌も踊りも親しみやすいポップス系で、思わず立ち上がって踊りたくなっちゃうくらい。自制心があるからさすがにそんなことはしたいけどしないけど、まわりに迷惑をかけないように手でリズムをとるくらいなら許されるよね。そんなリズム感溢れる心踊る舞台。

 一番のお気に入りのシーンはおもちゃ屋さんで宝田明さん扮するおもちゃ会社社長マクミラン氏と出会って、大きな鍵盤を使って宝田さんや子供たちやアンサンブルさんたちと歌い踊りまくるシーン。もう赤坂くん、めちゃくちゃジャンプしてて、私の目から見ると2mくらいジャンプしてるように見えちゃった。(*^^*) 子供たちとおもちゃ使って遊ぶところは生き生きとした少年の表情と明るさと嬉しさが満面に輝いてるし、その勢いに乗って?踊ってるから、どんどん踊りもヒートアップ。ハイテンションが更に高まってるの。このシーン、ほんと楽しかったし何回でも観たいシーン。!(^^)!
 ジャンプするシーンはこの後もあるけれど、回を重ねる毎にどんどんジャンプの高さが高くなっていってるように感じたのは私だけ?!

 宝田さんとは絡みのシーンはないけど、朝の連続テレビ小説「私の青空」で共演してるし、「ミツコ」のときの草刈さんといい、偶然て重なるものなのかな。宝田さんが上手く舞台を引き立ててくれてて、若い出演者が多い舞台の碇というか、そんな重鎮としての役割をきちんと担って、一層舞台に深みを出していい味を加味していた。
 大島さんがあんなに歌える方だとは全く存じ上げなかった。歌って演技して切ないママになりきっていて、見直すっていういい方は失礼かもしれないが、うん、知らなかった、もしくは、見つけられなかった魅力を発見させていただいた。
 風間くんもあんなに演技が達者とは、こちらも恐れ入った次第。赤坂くんとの絡みは絶妙な間合いで実にnice☆

 カーテンコールでは青いスーツ姿で登場。これが実によく似合うことこの上ない。そのお似合いのスーツを着て、スポットライトを浴び、舞台中央に立つ赤坂くんはまごうことなきこの舞台の主役。まさに主役のオーラがそこにはあった。

 初日の客席には、嵐と榎本加奈子さんがいらしてたのは気がついた。他にもいらしてた方がいらっしゃったようだが、私が気づいたのは前述の2組のみ。客席も多少ざわめいただけで、騒ぎもなく観劇のスタイルがきっちり出来てて、気持ちよかった。

 身体だけは大人になってしまった心は子供のままのジョシュを、あるときは少年の清々しい笑顔と共に、あるときは切ない大人の表情で演じきった赤坂くん。この舞台で一回りも二回りも大きくなった感がある。
 プリンスくんを演じつつ、「ミツコ」の本番の舞台に立ちつつ、稽古を重ね、本番の舞台に主役としてスポットライトをあびた赤坂くんは、その手で新たな扉を自らの力で開いたのではないか。

8月17日(木)

 本日のダブルキャストは、田中くん&辰巳くんコンビ。初日が風間くん&河合くんコンビだったので、ダブルキャストの両方を見られるので、密かに期待して(何を?>自分)行ったのはよかったけれど、行って観た途端に、いかに自分が初日に舞い上がって赤坂くんを見つめていたのかを思い知らされた。今回、3階席だったせいもあり、肉眼では顔の表情が読み取れなかったせいか、ビリーと小ジョシュを初日と違う役者さんが演っていても、それがどう違うのか全く思い出せもしなかった。
 唯一、すぐに気づいたのが、”声が違う”くらい。それでもって、私の個人的好みな声なのは初日の風間くん&河合くんコンビだなぁと見ながら思ってたの。トータルの感想でいうなら……う〜ん、どちらかというなら風間くん&河合くんコンビが好きかもしれない……。

 3階席は、オーケストラボックスと舞台しか見えない(笑) 舞台全体を見渡し、アンサンブルの立ち位置、演出などを見るには絶好の場所。事実、初日では気づかなかった&見えなかった様々なことが判って、「こんなふうになってたんだぁ。」と思うことしばしばだった。
 特に、パーティのときにマクミラン社長がスプレーで舞台中央に線を引き、舞台向かって左を子供サイド、右を大人サイドに分けるとき、舞台中央に赤(濃いピンク)の舞台装置照明によりラインが浮き出るのは、初日のS席からは判らず、今回初めて知って、なるほどと思った。

 赤坂くんの演技も、初日のときよりも肩の力が抜けているようで、楽しんで演技してるようにさえ思えた。(*^^*)
 小さいトウモロコシを鼻につめたりするシーンは本人かなりのお気に入りでノッて演っているように見えるのは気のせい?(笑)マクミラン社を初めて訪ねて、紹介されて人々が「みんな副社長!?」も、自分も副社長に任じられて、「みんな副社長!」を嬉々として演るのも、心底喜んで演っているようで、観ていて微笑ましく、つい顔がほころんでしまう。(*^^*)
 「12才は、大人でも子供でもない中途半端で、可愛気がなくなって……。」とスーザンに言われ、「そういう言い方、まじムカつく。」の拗ねた12才ぶりっ子の言い方は実に堂に入った拗ね方・言い方で、これはもうその可愛さ(可愛気のなさ?(爆))にみんなして笑ってその通り!とうなづくしかないでしょう。
 こんなにも舞台の上で自然体で呼吸して、自然に役の人物に溶け込んでいるのを観るのは初めてかも。
 初日のときより、ちょっと顔がシャープになっていて、声も若干かすれ気味だったかな。歌は、最初からOKで、踊りはバッチリ!(^^)! あと10日!ラストスパートでがんばって。!(^^)!

8月27日(日)

千秋楽の席は舞台向かって右手で前から数列目。(*^^*) オペラグラスなしでも、舞台上の役者さんの細かな表情までしっかり見られる。この差がC席との6,000円の差なのだと3階席後方のC席を思いつつ実感。初日が舞台向かって右手、17日が中央(3階だったけど(^^;))、そして千秋楽が左手と舞台を異なる3方向から見られたのは幸せだった。で、演出etcの関係で個人的にはジョシュの演技、視線、表情が最もよく見られるのは舞台向かって右手だったのではないかとの結論に達した。

 千秋楽なこともあって演技陣も力が入っていたし、ノッていた。力が入り過ぎて、ジョシュがニューヨークで初めての夜を路上で過ごすシーンで登場するオカマさん役はターンするところで見事にすっころんでしまったし。(笑) 赤坂くんがどう反応するか見てたら、何事もなかったかのような平静を装って演技を続けていた。でも一瞬”?!”な表情をしたように思えたのは気のまわし過ぎ?
 ジョシュもいつもにも増して盛大にキャビア付クラッカーやシャンペンを吹き出していた。特にシャンペンの吹き出し方はものすごかった。(よい子はマネしないように)
 アンサンブルの少年少女たちも手足が良く伸びてきびきびした動きが心地良かった。ことに1人だけ外国人の少女がいたのだけど、彼女はさすがに手足がよりいっそう長く見えてしなやかに踊っていた。
 アドリブもね、私に判ったアドリブはパーティの席でマクミラン社長にパーティの席を大人も子供も一緒に盛り上がって楽しむために何をしたらいいか尋ねられた副社長'sの1人が、「社長の腹芸!!!」と言ったのしか判らなかったけど、マジほんとに演ってほしかった。見たかったわ、マクミラン社長の腹芸(爆)

 赤坂ジョシュの最後のセリフ、「子供に戻りたい」の”たい”のとこが、千秋楽の最後のセリフへの想い入れのせいか、ひときわ声が大きく感情がこもっていて、感情がこもり過ぎてちょっと声がひっくり返り気味だった。そんなことろに赤坂くんのこの舞台、この役への想いが感じられて感傷的になったりした。

 カーテンコール。千秋楽のご挨拶つき。最初に口を開いてご挨拶するのは主演の赤坂くん。キャストのみなさん、スタッフのみなさん、そして観に来てくださった観客のみなさんに支えられて務めあげることができた謝辞。そして、「ジョシュを生き生きと演じられたと思います。」と自信を持って言い切った赤坂くん。その言葉に一回りや二回りどころでなく、十回りも大きく飛躍した赤坂くんを、それを本人も手応えとして感じていることを確信した。
 いつの日か、この2000年の夏が、「big」という作品が、ジョシュという役が、赤坂くんにとってのターニングポイントとして語られるときが来るかもしれない。きっと来るだろう。その作品をしっかりと心に焼き付けることができて幸せだ。

 ゾルターに願いをかけよう。「来年も赤坂くん主演で「big」が再演されますように。」

 「Make your wish.」

願いをかければ、夢はかなう。