MS03 略式ストーリー

 人工衛星『ラビィ』。そこで、一人の少女が殺された。それだけならば、しばしば耳にする話かも しれないが、彼女を殺した犯人は人間ではなかった。
 今回サミィたちに持ち込まれた依頼は、そんな事件がきっかけとなってのもの。被害者の姉が、妹の 死に不信を抱き、独自に調査している。彼女が危険な目に遭う前に、事件を解明してほしい――。依頼 はその恋人からのものだった。
 調査を始めて見えてくる、異様な存在の影。またも望まぬ戦いをするサミィたち。
 そしてまた、彼らの前で真実が明らかになる――――



ここから先はネタバレ感想です。 文字を反転させてお読みください。
 さて今回は、初めて一般人にサミィたちが人造人間…もとい遺伝子操作で生まれた生体兵器だとゆー ことがバレました。…まあこれまで、事情を知らない一般人と、事情を知りまくってる裏人間とが接触 する機会なんてなかったからな。ともかく、初めて一般人に正体がバレましたが、接する人間の反応は 上々でした。ブラボーばいおうぇぽん(何か違うぞ)。
 ジャックたちの反応と、サミィの恐れてた反応は、どちらも人間としてありうる反応ですよね。 どちらを示すかは、むろんその人の性格と、相手にどんな感情を抱いていたかにもよるけれど。そして こういう状況は、人間対人間でもありうること。たとえば部落出身とか、実はホモとか、人によっては マイナスとして見る自分のポイントをカミングアウトする時って、ちょうどこんな感じじゃなかろう か。それを考えると、うん、しっかり人間に近づいてるぞサミィ(笑)
 今回のイーザー。ますます人間に近づいてて、とても好感度アップ。「私はサミィのそばにいる」。 ……プロポーズですか?(笑)セリフの真偽はともかくとして、前回では「サミィを気遣う」って レベルだったのが、今回は「サミィを慰める」にレベルアップ。このままいけば、カウンセラーに なれる(!?)日も夢ではない。いけいけイーザー。どんと行け!
 なんだかこんなに育ってるイーザー見てると、イージス一人欲しくなってしまいましたよ。髪を 伸ばして教育して、自分だけの疑似イーザー。逆光源氏計画(オイオイ)。ええ、もう嘲笑って くださいみなさん。今回の話で、タイプCのバイオウェポンが攻めてきたシーン読んで、「夜の公園に 二人きり、しかももしかすると仕掛けてくるまで毎晩連夜」って考えたようなバカですから。

 ところで今回の話を読んでいて、ふと気づいたことがひとつ。サミィとイーザーって、まだ一度も 事件の黒幕を倒したことがないんですよね。MS01のラガインは暴走したケルベロスにやられちゃ ったし、02のオルドリンはイージスに、03のクリフは誰にやられたのか明記していない。イーザー は01で何度か人を殺したこともあったけど、サミィなんか確か一度もないんじゃないかな。
 これから先、もしもサミィが事件の黒幕を殺そうとする場面が出てきたら。その時サミィは何を思う んでしょう。ヒトを元に造られた、ヒトにあらざる存在が、己を造ったヒトを殺す。それは01や03 で暴走したバイオウェポンや、02の自動部隊を思わせて。彼女が同じことをする時、どうかそれらの ように「化け物」とだけは呼ばれないことを、切に願ってやまないのでありました。




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