第4話『逆転を継ぐ者』七年前の法廷(その2)

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王泥喜 法介…紺
成歩堂 龍一…黒
成歩堂 みぬき…赤
裁判長…緑
牙琉検事…茶
宝月 茜…桃
絵瀬 まこと…黄緑
絵瀬 土武六…灰
或真敷 バラン…薄橙
葉見垣 正太郎…橙
或真敷 ザック…青
糸鋸 圭介…黄土
原灰…黄
ラミロア…藤
牙琉 霧人…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(殺害の”事情”)
糸: 『ジツは‥‥ある種、被告人は、
被害者に命令されたとも言えるッス。』(証言1)
『事件の数日前、被害者本人から、
殺害を”命じる”手紙が届いたッス。』(証言2)
『その指示にしたがって、被告人は
被害者のヒタイを撃ったッス!』(証言3)
『弾丸は、現場のピストルから
撃たれたものにマチガイないッス。』(証言4)
『ピストルが彼のものであるコトは、
ダレが見てもハッキリしてるッス!』(証言5)
裁: な‥‥なんですって!
被害者に”命令されて”
ピストルを撃った‥‥?
牙: ジジツ、そのとおりだからね。
これが、その手紙なんだけど。

<<天斎の手紙>>のデータを
法廷記録にファイルした。
裁: ‥‥なんとも”異常”な
内容ですな‥‥
こんなカンタンな手紙で、ヒトは
引き金を引くものでしょうか。
牙: そのコタエは‥‥手紙の
最後の部分に書かれているね。
裁: 『お前には、決して断れない理由が
ある』‥‥という部分ですな。
証人。コレはいったい‥‥?
糸: はあ。それについては、
被告人もクチを閉ざしたままッス。
成: ひとつ、気になることが
あるんですけど‥‥
なぜ<<11時>>じゃ
ないのでしょうか‥‥?
わざわざ<<11時5分>>を
指定してあるのは、何か理由が‥‥
牙: さすがに細かいね。
弁護士さんは‥‥
裁: ‥‥と、いうと。
やはり、何か理由が‥‥?
牙: 被害者・或真敷 天斎は、毎晩
11時から30分のあいだ‥‥
点滴を受けることに
なっていたのさ。
成: てんてき‥‥
裁: ‥‥たしかに、
この写真にも写っていますな。
牙: 11時に回診に来た医師が、
点滴をセットする。
そして、30分後。
カラになった袋を回収する‥‥
これが、毎晩決まった
スケジュールだったワケさ。
成: ”点滴の最中ならば、
誰にもジャマされずに会える”
‥‥そういうワケですね。
裁: ‥‥それでは。
そろそろ、始めましょうか。
‥‥弁護人。
尋問をおねがいします!
成: (”決して断れない理由”‥‥
せめて、ぼくには
話しておいてほしかったな)

(「証言3」をゆさぶる)
成: ‥‥なぜ、
そう断言できるのですか!
糸: あいかわらず、ヒトに
たよりっきりッスなー、アンタは。
たまには、自分で
ガツンと考えてみるッス!
成: (そういうコトじゃないと
思うけど)
糸: まず、この手紙があるッス。
”ヒタイを撃て”と
ハッキリ書いてあるッス。
成: 書いてあっても、
ぼくは撃ちませんけど。
糸: そりゃ、アンタは
”いくじなし”ッスからな。
成: (そういうコトじゃないと
思うけど)
糸: そして、現場には被告人の
ピストルもあったッス。
牙: 火薬の痕跡から、つい最近
使用されたこともわかってるよ。
裁: ‥‥いかがですか? 弁護人。
この写真を見るかぎり‥‥
検察側の”推論”に、
モンダイはないようですが‥‥
成: (この写真。どこかに
反証のカギはないのか‥‥?
”被告人が、被害者の
ヒタイを撃った”‥‥
検察側の主張に<<風穴>>を
あけるんだ! 被告人は‥‥)

(「他のものを撃った」を選択)
成: この写真を見るかぎり‥‥
ある”可能性”が考えられます。
裁: かのうせい‥‥?
成: ‥‥あくまでも、
この手紙によれば。被告人には‥‥
<<断ることのできない理由>>が
あったようです。
糸: そのとおりッス!
だから被告人は、被害者の
ヒタイを撃つしかなかったッス!
成: それはどうでしょうか。
弁護側の主張は、ちがいます。
被告人には、他にもうひとつ。
選べる”道”があった‥‥

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: そいつを”立証”できると
いうのかい? この写真で!
成: ‥‥少なくとも、
その”道”を示すことはできるよ。
裁: <<被告人は、命令によって
発砲したかもしれない。しかし。
被害者のヒタイは撃っていない>>
‥‥あなたの考えを
うかがいましょう。
被害者のヒタイでないとしたら、
被告人は、何を撃ったのか‥‥?

(「ピエロの額」を選択)
裁: ピエロの人形‥‥ですか。
成: ‥‥よく見てください。
彼もまた”射殺”されています。
裁: あ‥‥
ひ。ヒタイの、この”穴”‥‥
成: その弾痕が、検察側の主張に
”風穴”を開けてしまうのです!

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: バカげてる! なぜ、
人形を撃つ必要があるんだい?
成: 撃たれたのは”人形”じゃない。
人形の”ヒタイ”なのです。
牙: ”ヒタイ”‥‥ああ‥‥ッ!
成: 手紙に書かれた”命令”を
もう一度、読んでみましょう。
<<銃でヒタイの真ん中を
撃ち抜くように>>‥‥
‥‥だから、撃ったんでしょうね。
この哀れなピエロの、
ヒタイの真ん中を!

(ざわめきが起こる)
裁: 弁護側の主張には、ハッキリ
”可能性”以上のものがあります。
これは‥‥
たしかに、弾痕にしか見えない!
係官! 至急、
カクニンをするようにッ!

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: なるほど‥‥
さすがに、やってくれるね。
しかし! それだけでは”被害者を
撃ってない”コトにはならない!

(成歩堂「異議あり!」)
成: ”ヒタイを撃て”という命令は
ゼッタイだったのかもしれません。
しかし。”誰の”ヒタイであるか?
その指定はない‥‥
これは、被害者を撃たずに、命令を
守る、ただひとつの方法なのです!
裁: ふむう‥‥たしかに、人形の
ヒタイが撃たれたとなると。
それは大きな手がかりです。
しかし。その一方で‥‥
たしかに。それだけでは
”立証”したことにはなりません。
<<被告人が、被害者の
ヒタイを撃たなかった>>‥‥
牙: ‥‥残念だったねえ、
ベテラン弁護士さん‥‥
成: (‥‥新米検事クンには
わからないみたいだな‥‥
1つあいた、小さな”風穴”が、
どれほどのコトになるのか‥‥)
裁: ‥‥それでは、証人。
アキラカになったジジツを
踏まえて、証言をつづけるように。
糸: 『ピエロを撃っても、そのあと被害者
も撃ったと考えれば問題ないッス!』(証言6)

(「証言4」をゆさぶる)
成: 写真にも写っている、
このピストルですか?
糸: ‥‥そッス!
ミョーに特徴のあるカタチッスから、
アンタでも安心ッス。
牙: 被害者の頭部から発見された弾丸と、
このピストルの弾丸‥‥
2つの弾丸の線条痕は、
ピッタリ一致しているのさ。
成: つまり‥‥凶器は
特定されているワケですね。
糸: そのとおりッス!

(「証言5」をゆさぶる)
成: ‥‥どうしてですか?
糸: はああ。あいかわらず、なーんにも
知らないッスね。アンタは。
<<ザックとバランの早撃ち>>
ッスよ!
成: なんですか? それ。
糸: 被告人の得意芸ッス。
真ん中に、女の子をはさんで
ザックとバランが撃ち合うッス!
すると、フシギッ!
魔法の弾丸は、
女の子をスルリと通りぬけて‥‥
ステージの上のあらゆるモノを
撃ちぬくッス!
そのとき、ステージで使われて
いたのが、このピストルッス。
トクベツなデザインで、
チビっ子に大人気だったッス。
牙: コイツにあこがれて、警察官を
めざした少年少女も多かったとか。
成: (なんだよ、”とか”って‥‥)
糸: 或真敷一座が、この芸を
ステージでやらなくなった後は‥‥
ピストルは、被害者の老人が
保管していたそうッス。
裁: ‥‥それでは。凶器の提出を
おねがいしましょうかな。
糸: 了解ッス! コレが、そうッス!
裁: ほほお。
コレが‥‥なつかしいですなあ。
糸: ステージ用にデザインされた
ピストルッス。
でも。実弾も撃てるように
なっているッスけど。
裁: ふむう‥‥テレビで見る以上に、
ジツブツは大きいですな。
糸: 実弾は、1発しか
入らないッスけどねー。
‥‥ちなみに、
ピストルの弾倉はカラで‥‥
最近、発砲された痕跡が
発見されているッス。
成: ところで‥‥指紋は?
発見されたんですか?
牙: ‥‥ザンネンながら。
まあ。被告人はいつも、
手袋をしていたからね。
”指紋がない”のが、逆に
”指紋がある”とも言えるよね。
裁: なるほど!
言われてみれば‥‥
成: いやいやいや!
そんなコトはありませんから!
裁: とにかく。
証拠品として受理しましょう。

<<ステージ用ピストル>>の
データを法廷記録にファイルした。
裁: ‥‥マゴに見せたら
よろこぶでしょうな。
‥‥それでは、証言を
つづけていただきましょう。

(「証言6」に「ステージ用ピストル」をつきつける)
成: ‥‥最もヤッカイなのは、
タンジュンに”見える”事件です。
牙琉検事。きみは、ピエロの
”ヒタイの弾痕”を見落とした。
それが見えていれば、ちがうコタエ
を見つけていたかもしれない‥‥
‥‥そういうことだよ。
糸: し。しかし!
ただ今、証言したように‥‥
人形のヒタイを撃ってから、
その後で被害者のヒタイを‥‥

(成歩堂「異議あり!」)
成: 撃つことは、不可能です。
‥‥このピストルが立証している。
裁: 凶器、ですか‥‥
成: ‥‥カンタンな話です。
このピストルには、
弾丸は1発しか入らない。
糸:あ。
成: ‥‥ピエロのヒタイを
撃ってしまったら‥‥
もう、被害者のヒタイを
撃つことはできないッ!
糸: ぎゃははあああああああああッ!

(牙琉検事「異議あり!」)
牙: そ。そんなの、
ムジュンでもなんでもないッ!
あらかじめ、弾丸をもう1発、
自分で用意しておけば‥‥

(成歩堂「異議あり!」)
成: ピストルの弾丸は、
カンタンには手に入らない。
被告人が”用意した”と
主張するのならば‥‥
その入手経路の
立証を要求します!
牙: ぐっ‥‥!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
クッ‥‥クックックッ‥‥
さすがに、これで決まっちゃあ
盛り上がらないからね。
それに、ぼくにしてもね。
このまま終わったら‥‥
ただのチャラチャラした
お調子者のニイちゃんだし。
成: (自覚してたのか‥‥)
裁: ふむう‥‥どうやら。
検察側には、次の証人の用意が
あるようですね。
牙: この刑事クンは、あくまでも
<<前座>>にすぎないさ。
糸: ‥‥ぎゅう。
牙: 事件の説明で、お客さんの肩の
チカラを抜いてもらおうと思って。
成: と、いうことは‥‥?
牙: 決定的な証人がいるのさ。
‥‥モチロン。
<<被害者のヒタイを撃ったのは、
或真敷 ザックである>>‥‥
被告人以外、あり得ないコトを
立証する証人がね!
裁: ‥‥いいでしょう。
ここで一度、15分間の
休憩をとりましょう。
成: (助かった‥‥かな。
この時間で、依頼人‥‥
ザックさんの話を聞こう)
裁: ‥‥それでは、
これより休憩に入ります!


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