第5話『甦る逆転』第2回法廷(その1)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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2月24日 午前9時41分
地方裁判所 被告人第2控え室

茜: あの。成歩堂さん!
どうなんですか? 今日は。
成: たぶん、検察側も
コマってるんじゃないかな。
なにしろ‥‥
巴: 2つの場所で同時に発生した、
被害者が同一の殺人事件。
その、もう一方の現場で、ベツの
容疑者がタイホされたのですから。
茜: お‥‥お姉ちゃん!
巴: おはようございます、
成歩堂弁護士。
きのうはお目にかかれずに、
シツレイいたしました。
成: やっぱり‥‥
取調べ、ですか?
巴: ついさっきまで。
‥‥徹夜なら、慣れています。
茜: そ、それで‥‥どうなの?
巴: 弁護士の言うとおり。
警察には手に負えないようです。
あろうことか‥‥この私に、
司法取引を求めてきました。
茜: ”しほうとりひき”?
巴: この”同時殺人”のカラクリを
彼らに教えてさし上げたら‥‥
極刑はまぬがれることができる。
‥‥そういう取引です。
茜: お、お姉ちゃん!
まさか、その取引に‥‥
巴: きわめてザンネンですが‥‥
私自身、事態をセイカクに把握して
いるとは言いにくい状況なのです。
成: ‥‥ともえさん。
巴: なんでしょうか。
成: 警察局の証拠保管室で、
ある人物の痕跡を発見しました。
‥‥罪門 恭介巡査です。
巴: 罪門 恭介の‥‥”痕跡”?
成: 血の付着した”指紋”です。
巴:
成: これが今日、ぼくが持っている
最強のカードです。
‥‥この意味、わかりますね。
茜: お姉ちゃんを助けるために、
罪門さんを‥‥告発するんですか。
成: 使える武器は、すべて使う‥‥
いいですね? ともえさん。
巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
おまかせします、成歩堂弁護士。


同日 午前10時
地方裁判所 第9法廷

裁: これより、宝月 巴の
法廷を開廷します。
成: 弁護側、準備完了しております。
御: 検察側の準備は‥‥‥
フッ。
裁: ‥‥‥‥‥‥
”フッ”と笑われましても。
御: 検事局と警察局は、
クルマで約30分の距離がある。
被害者の多田敷 道夫は、その
2つの場所で、同時に刺殺された。
裁: い、いやいや! そんなコト、
あり得ないでしょう!
しかも、証拠保管室の被害者は、
”消えた”と聞いておりますぞ!
茜: その死体は、御剣検事さんのクルマ
から出てきたワケですからね!
成: (ううう‥‥こんな状態で
裁判をするのかよ‥‥)
御: 私自身のシゴトの1つは、
公正な証拠の提示だと考える。
本日は、警察局側で起こった
”事件”‥‥それを提示したい。
その中で、我々が進むべき方向は、
おのずと見えてくるだろう。
茜: さすが、御剣検事さん!
カッコいいコト言いますよね!
‥‥自分でも
ワケがわからないはずなのに。
成: ホメてるつもりかな、それ。
裁: それでは、審理に入ります。
事件当日。もう1つの現場である
警察局で、何があったのか‥‥?
御剣検事。証人を
召喚していただきましょう。
御: ‥‥警察局、証拠保管室‥‥
その殺害事件の容疑者を、ここへ!
裁: な、なんですって!
そ、それって、いわゆる‥‥
”ハンニン”、ですかッ!

(ざわめきが起こる)
成: (やれやれ‥‥
のっけから、トンでもない
騒ぎになってきたな‥‥)

御: それでは、証人。名前と職業を。
原: はッ! 本官はコレ、
原灰 ススム巡査であります!
職業は、その‥‥‥
殺人犯でありますからしてッ!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あ、いえ。
職業がそれでは、殺し屋に
なってしまいますので。
原: 本官、アレであります。
やっちまいました!
ハンセーしておりますからしてッ!
もう、しませんコレェェェェェッ!
裁: い、いや、証人。
私たちが聞きたいのは、あな
原: 本官! 今どきの”若いモン”で
ありますからしてコレッ!
みなさまオトナにとっては、
イミ不明の生物なのでありますッ!
裁: みみ、御剣検事! 助けるように!
御: それでは、証人‥‥原灰巡査。
原: は、はああッ!
御: 事件当日の報告をしたまえ。
これは、メイレイだ。
原: はッ、よろこんで!
本官、典型的な”指示待ち世代”で
ありますからしてッ!
茜: ‥‥アットーされちゃいますね、
なんか。

(事件当日のことでありますッ!)
原: 『あの日、担当外ではありましたが、
証拠保管室を警備しておりました!』(証言1)
『防犯カメラに、不審な男を発見!
本官も、すわッ! 保管室へ!』(証言2)
『本官、ワルくないであります!
いきなり、襲われたでありますッ!』(証言3)
『本官、必死でイノチのやりとりッ!
そして、やっちまったであります!』(証言4)
『それで、気を失って‥‥同僚の
巡査に、殴り起こされましたッ!』(証言5)
裁: ふむう‥‥‥
被害者‥‥多田敷捜査官が、
襲いかかってきた!
原: 『やられる前に、やれ!』‥‥
原灰家の家訓でありますからして!
裁: それで、キゼツしたあなたを
同僚が介抱したワケですか。
原: はッ! グーでしこたま
殴られたでありますッ!
裁: それでは、弁護人。
尋問をおねがいします。
成: (まずは‥‥とにかく、
情報を集めないとな)

(「証言1」をゆさぶる)
成: たしか‥‥ハラバイさんは
総務課の巡査なんですよね?
原: はッ! 本官こそがッ!
新しい警察官の採用を
担当しているでありますッ!
成: (大丈夫か? このヒトで‥‥)
御: 事件当日は証拠品の<<申し送り>>
などで、業務は通常ではなかった。
そこで、非常任務を命じられた
巡査も多かったのだ。
原: 本官は、タイホくん保安担当
だったであります。
裁: ”たいほくん”‥‥?
原: 刑事課カチョー殿が制作された、
愛らしいマスコットでありますッ!
それが<<申し送り>>の騒ぎで
コワれないよう、お守りする!
それこそがッ! 本官に課された
ただ1つの任務だったであります!
裁: それは‥‥重大な任務ですなあ。
原: あの日、警察局の式典が終わって、
ヒトの出入りが増えたため‥‥
本官。一時的にタイホくんを
証拠保管室へヒナンさせましたッ!
裁: ‥‥だから、保管室へ
入ったワケですな。
御: そこで‥‥キミは
何を見たのだろうか。

(「証言2」をゆさぶる)
成: あの保管室に入るには‥‥
IDカードが必要でしたね?
原: そのとおりであります!
本官のクビにもコレ、IDがッ!
成: じゃあ‥‥この中に、あなたの
IDナンバーがあるハズですが。
原: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あった! あったであります!
本官コレ! ココにバッチリッ!
裁: わわ、わかりました。
どの番号ですかな?
原: ズバリッ! であります!
<<4989596>>‥‥コレ本官!
成: なるほど‥‥あれ。
でも、<<4989596>>は‥‥
2回、使用されているッ!
御: セツメイしてもらおうか‥‥証人。
原: べべ、ベツに本官!
大したコトではないでありまして。
‥‥1回目は、タイホくんを
保管室にヒナンさせたとき。
‥‥2回目は、ほとぼりがさめて
取りに行ったときであります!
裁: ふむう‥‥
そして、その”2回目”に?
原: ハッ! モニターの不審者と
ウンメイの出会いをッ!

証拠品<<IDカード使用記録>>に
データを追加した。

(「証言3」をゆさぶる)
成: ”襲われた”というのは‥‥
具体的に、何をされたのですか?
原: ナイフですコレ本官ッ!
ナイフだったのであります!
裁: ”多田敷捜査官”は、あなたに
ナイフを向けた‥‥それで?
原: 出会いがしら、向こうもかなり
ビックリしていたであります!
成: (まあ‥‥あまり出会いたくない
たぐいのヒトだもんな)
原: そこで本官、このとおりッ!
カモシカのようなウデを
振り回して、勇敢に抵抗をッ!
‥‥その結果、このように手を
サクサク切られたであります。
茜: ‥‥おとなしくしていれば、
切られなかったんじゃあ‥‥
原: 手から血が出て、本官。
もう。”わー”ってなっちゃって。
とにかく、相手のムナグラを
ムズとばかり、つかんでコレッ!

(「証言4」をゆさぶる)
成: ”やっちまった”というのは?
原: 本官、これでもカンフー映画の
マニアでありますからして。
相手が、ちょっぴりヒルんだトコロ
‥‥サ、とばかりナイフを奪って!
成: ナイフを奪って‥‥?
原: 振り回してやりましたッ!
オトコらしく目をつむりましてッ!
成: な、なるほど‥‥
(必死だったんだろうな)
原: ヤツの白いコートが本官の血シオで
まっ赤に燃えた、次の瞬間ッ!
裁: どうなったのですか?
原: 相手のパンチが、本官の
セマいおでこにパチンとコレェッ!

(「証言5」をゆさぶる)
成: 目をさましたのは、
何時ぐらいのことでしたか?
原: 気を失った当人にソレを聞くのは、
いかがでありましょうかッ!
成: ‥‥はあ。
御: 証人を介抱した巡査の報告では、
5時30分ごろ、だったようだ。
原: アイツ、思いっきり
おでこを殴りやがったであります。
本官の目ざめは、ナミダと
ともにあったでありますゥゥゥッ!
裁: それは‥‥何よりでしたねえ。
原: とりあえず本官、大騒ぎになる前に
自分の任務を果たしたであります!
成: ”任務”‥‥?
原: タイホくんであります、
モチロンッ!
ジャマが入らないウチに、
正門の前に戻しておきましたッ!
成: (よかったのかな、それで‥‥)
裁: ‥‥もう、じゅうぶんでしょう。
事態はハッキリしたようです。
御: さて‥‥ここで
モンダイになるのは、1つ。
この巡査が”殺害”したのは、
本当に多田敷 道夫だったのか?
成: (たしかに‥‥
そのとおりだな)
原: あのお‥‥
裁: ‥‥なんですかな、証人。
原: その件なんですけど‥‥本官。
コレ。差し入れして
もらってきましたのでッ!
あの。ガント局長殿から。
‥‥今朝がたッ!
御: ‥‥局長が?
成: ‥‥差し入れ?
裁: なんですかな、それは。
ビデオテープ‥‥ですか?
原: そう! まさにソレ!
ビデオテープでありましてッ!
保管室に設置された、防犯カメラの
映像でありましてェェェェェェッ!

(御剣検事「異議あり!」)
御: し。しかし! 私がきのう
問い合わせたところでは‥‥
ビデオ映像は、手ちがいで
消された、と聞いているが?
裁: トンでもない手ちがいですな。
原: 本官、悩める子羊でありますから。
ムズカシイことは、コレ‥‥
成: (あいかわらず、うまくいってない
みたいだな‥‥警察局との連絡)
裁: とにかく、その映像を
見てみましょう!
あなたが被害者を殺害した、
その瞬間を!
原: ‥‥”サツガイ”を連呼されると
本官コレ。ヘコむであります。
成: (”殺人事件”の瞬間‥‥
いったい、どんな映像が‥‥!)

(ビデオ映像)
成: ‥‥‥‥‥‥
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥
原: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: みなさん、きっと同じコトを
考えてらっしゃるでしょう‥‥
このモヤモヤした感じ、
どこへ持っていくべきなのか‥‥
御: なんなのだッ!
あの、うごめくベニヤ板はッ!
原: はッ! あれこそは、刑事課が
総力をあげて制作した、ヒーロー!
<<タイホくん>>そのヒト、
でありますからしてェッ!
成: (やれやれ‥‥やっぱり、
スンナリとは行かないようだ)

証拠品<<防犯カメラの映像>>の
データを法廷記録にファイルした。
裁: とにかく‥‥ええと。
証人は、ダレかと保管室で出会い、
そこで”何か”があったような‥‥
そんなようなコトが、ある種
立証されたかのような‥‥
御: ‥‥もういい、裁判長。
不完全な映像にたよらなくても、
本人に聞けばすむコトだ。
‥‥いいな、巡査。
原: はああああああッ!

(現場で見た人物でありますッ!)
原: 『たしかに、カオがややハッキリ
映っていないかもしれませんが‥‥』(証言1)
『アレこそはコレ、マチガイなく
多田敷捜査官殿でありました。』(証言2)
『だって、指紋のキーでロックされた
保管庫を開けておりますからして!』(証言3)
『ヤツが開けたのは、まちがいなく
多田敷捜査官殿の保管庫でしたッ!』(証言4)
『指紋のロックを解除した以上、
多田敷捜査官殿なのでありますッ!』(証言5)
裁: ”指紋”のロック‥‥ですか。
御: 捜査官には、それぞれ1つずつ
”保管庫”が割り当てられている。
ロックは、それぞれの捜査官しか
解除することはできない。
裁: ふむう‥‥そうなると、やはり。
現場にいた<<被害者>>は‥‥
多田敷捜査官だったようですな。
それでは、弁護人!
尋問をおねがいします!
成: (この尋問が、どこへ行くかは
まだ、わからない‥‥でも
すべては”ムジュン”から
始まる。そこから、だな!)

(「証言5」をゆさぶる)
成: しかし! この映像には、
カンジンのカオが映っていません!
原: あ、あの! 本官アレであります!
いいですか、ちょっと発言しても。
裁: い、いいでしょう。
あなたに聞いてるワケですし。
原: ”カオ”はこの際、どーでもいい
のではないでありましょうか?
だって捜査官殿は、その手で
指紋のロックを解除して‥‥
その手でナイフを持って、本官をも
解除しようとしたでありますから!
そのコーフンとカンドー、ビデオは
あますコトなく伝えているゥゥッ!
裁: ふむう‥‥たしかに。
映像はウソをつきません。
御: それとも‥‥
弁護人は、この映像に
モンダイがあると言うのかな?
茜: 成歩堂さん! 一度、法廷記録で
チェックしてみましょうよ!
成: (この、防犯カメラの映像
‥‥どうなんだろう?)

(「モンダイあり」を選択)
成: この防犯カメラの映像には‥‥
どうにも、不自然な点があります。
裁: ‥‥不自然‥‥?
成: その”ムジュン”が、
ある可能性を示しています。
<<この人物は、多田敷捜査官では
ないかもしれない>>‥‥
裁: な‥‥なんですと!
そんなムジュンが、この映像にッ!

(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥おもしろい。
裁判長。1つ、提案したい。
裁: な、なんでしょうか、御剣検事。
御: 弁護士の主張する”ムジュン”‥‥
映像に直接、指摘してもらおう。
成: (”映像”のムジュンを
指摘する‥‥)
裁: わかりました。提案を受け入れ、
証拠品の検証に入りましょう。
これより、防犯カメラの
映像を流します。
弁護人。あなたの言う”ムジュン”
を、指し示していただきます!
成: (映像の1点を指し示す‥‥
初めてだな、そんなコト)
茜: 大丈夫です、成歩堂さん!
<<早送り>><<早戻し>><<一時停止>>
できるようになってますから。
よく見て、指しまちがわないで
くださいね!
原: 刺しまちがうと、本官みたいに
裁かれるでありますからしてッ!
成: (”さす”の意味が
ちがうだろ、それは‥‥)
裁: それでは弁護人。おねがいします!
映像の人物が被害者ではない可能性
を示す<<ムジュン>>は、どこか?

(「多田敷の保管庫のランプ」を選択)
成: 映像の不自然な”ポイント”‥‥
もちろん、ここですッ!
‥‥証人ッ!
原: えッ! あのッ!
本官のコトでありますかッ!
成: <<保管庫>>の仕組みは‥‥
たしか、こんな感じでしたね。
<<取っ手>>をにぎると、
センサーが指紋を読みとって‥‥
登録されたデータが一致すれば、
ランプが点灯して、ロックが解除。
原: 本官のトボしい人生経験において、
そう認識しているでありますッ!
成: それならば、この映像は
アキラカにおかしい!
被害者が、保管庫を開けるために、
取っ手に手を伸ばす‥‥
その、少し”前”‥‥
戻して、見てみましょう。
‥‥ここです!
<<ランプ>>をよく見てください。
裁: あ‥‥‥あああああッ!
す、すでに‥‥点灯していますッ!
成: ‥‥つまり、この保管庫は。
<<取っ手>>をにぎる前から、
すでに、開いていたのです!
原: ぎゃあコレ本官んんんんんんんッ!

(ざわめきが起こる)


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