第5話『華麗なる逆転』第2回法廷(その7)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午後3時36分
地方裁判所 第7法廷

裁: 審理に入る前に‥‥
先ほど、検査の結果が届きました
ので、ご報告しましょう。
成: <<けんさ>>‥‥?
裁: この小刀の血痕です。
現場の、松の木に刺さっていた‥‥
成: あ、ああ! アレ、ですか。
(‥‥すっかり、忘れてた)
ゴ: 綾里 真宵が‥‥、被害者に
”反撃”した際の<<凶器>>‥‥だ。
成: それで‥‥結果は!
血痕は、やっぱり、被害者の‥‥?
裁: 時間の関係で、精密な検査は
できませんでしたが‥‥
1つだけ、ハッキリ
断言できることがあります。
‥‥この小刀に付着した血液は、
被害者のものではありません!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥以上です。
それでは、審理を再開しましょう。
成: (小刀に付着している血は、
舞子さんのものではない‥‥
じゃあ、いったいダレの‥‥?)

証拠品<<小刀>>のデータを
書きなおした。
裁: 検察側・弁護側とも
おわかりでしょうが‥‥
本件の審理は、
これが最後になります。
両者には、決定的な立証を
要請します。
成: わかりました。
ゴ: ‥‥聞くところによると‥‥
証人の体力は、限界に近いらしい。
‥‥一気に行くぜ。
成: ‥‥モチロンです。
裁: それでは! 最後の証人を
入廷させてください!

ゴ: ‥‥証人。名前と職業を
聞かせてもらえるかい。
真: 綾里 真宵です。
職業は‥‥職業は‥‥‥
成歩堂法律事務所の
副所長、です。
成: (‥‥真宵ちゃん‥‥)
裁: ここにある資料によれば、
あなたは‥‥
倉院流霊媒道の霊媒師、
ということですが‥‥
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥
あたし‥‥恐いんです。
綾里家の‥‥
血を引いていることが。
成: (綾里の”血”をめぐる事件‥‥
ムリもない、か‥‥)
裁: ‥‥よろしい。
さて、綾里 真宵さん。
あなたは、事件が起こったとき‥‥
<<奥の院>>の中庭にいました。
そして‥‥‥
天流斎 エリスさんが殺害された
瞬間を、目撃した。
‥‥まちがいありませんか?
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥
あ、あ。あの、あたし‥‥
なんにも見ていませ

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: カオを上げるんだ、
おじょうちゃん。
真:え‥‥
ゴ: 目をそらさずに、今は前を見ろ。
‥‥泣くのは、いつでもできる。
真: で‥‥でも!
ゴ: アンタの母親は、
アンタの目の前で殺害された!
そのジジツは、もう‥‥
変えられねえのさ。
真:‥‥!
ゴ: アンタにできることは、ひとつ。
‥‥決着をつけることだ。
今まで‥‥さんざん、
見てきただろう?
証人たちが、身をけずり‥‥
コトバをしぼり出す、その姿を。
アンタの番だ。
‥‥証言してもらうぜ。
事件当夜‥‥アンタの目の前で、
何が起こったのか!
裁: ‥‥証人。おねがいします。
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
はい。わかりました。

(<<奥の院>>で起こったこと)
真: 『はなれの間で修行の用意をして、
中庭を通りかかったときでした。』(証言1)
『いきなり、あの。だれかにアタマを
ポカッて殴られたんです‥‥。』(証言2)
『あたし、よろめいてしまって‥‥
灯ろうにもたれかかりました。』(証言3)
『思わず『助けてください!』って
‥‥叫んだような気がします。』(証言4)
『次の瞬間‥‥あたしの身体に、何か
あたたかいものがふりかかって‥‥』(証言5)
『あたし‥‥そのまま、
気を失っちゃいました。』(証言6)
裁: ふむう‥‥
”ポカッ”と‥‥
もちろん、このツエ
だったのでしょうな。
成: それで、真宵ちゃん!
きみを殴ったのは‥‥
やっぱり、美柳 ちなみ
だったんだね!
真: ご‥‥ごめんね、なるほどくん。
あたし‥‥わからないの。
よく、見えなかったから‥‥
成: ‥‥そう、なのか‥‥
真: あ。ほ、ホントだからね!
ゴ: クッ‥‥!
若い女の子には、おすすめできない
夜だったらしいぜ。
裁: どうやら、証言から犯人を特定
するのは、ムズカシイようですな。
それでは、弁護人。
‥‥尋問をおねがいしましょう。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(真宵ちゃん‥‥
どうも‥‥
ようすがオカシイな‥‥)

(「証言4」をゆさぶる)
成: ”叫んだような気がする”‥‥
ハッキリしないの?
真: あたし‥‥もう、
ムチュウだったからね!
ワルモノの姿も、
暗くてゼンゼン見えなくて‥‥
男のヒトか、女のヒトか?
オトナか、コドモか?
‥‥なんにも、わからないの。
本当に、コワかったんだよ!
裁: たしかに‥‥。この私ですら、
少しひるんだかもしれませんな。
真: そいつが、いつ襲ってくるかも
わからなかった。だから‥‥
とにかく、何か叫んだの。
‥‥それが最後の希望だと思って。
成: (真宵ちゃん‥‥かなり、
コンランしているみたいだな。
言ってるコトが、よく
わからなかったぞ‥‥
どうする? 詳しく
聞いてみるか‥‥?)

(「”最後の希望”」を選択)
成: ちょっと待って、真宵ちゃん。
‥‥”最後の希望”というのは?
真: え‥‥え! なに、なに?
”最後の希望”‥‥って?
成: いやいや!
真宵ちゃんが言ったんだよ。
真: あ、あたし‥‥
そんなコト、言ったっけ。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
きみは、姿の見えない襲撃者の方へ
向かって、叫んだんだよね?
<<助けてください!>>って。
真: う‥‥うん。
成: それが”最後の希望だった”
‥‥きみは、そう証言しているよ。
真: あ‥‥ああ。そのことか。
ええと‥‥なんだっけなあ‥‥
成: (真宵ちゃん‥‥大丈夫なのかな。
こんな状態で‥‥)
真: あのね。ええと‥‥
あ。そうだ!
あたし‥‥ワルモノに向かって
叫んだわけじゃないんだよ。
成: な、なんだって‥‥?
真: たしか、あのとき‥‥
ワルモノの後ろに、
あの人が立っていたの。
だから、あたし。そのヒトに
『助けてください!』って‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥あああああああっ!
成: こ、今度はどうしたの!
真: しまった! これ、
だまっておこうと思ったのに‥‥
成:え‥‥‥
裁: しょ、証人!
今の証言は‥‥本当ですかッ!
襲撃者の後ろに‥‥
もうヒトリの人物がいた!
真: あ、いえ‥‥あたし。それは、
かくしておくつもりで‥‥あ。
うううう‥‥。
ナニやってんだろ、あたし‥‥
ゴ: クッ‥‥!
‥‥ホンネを聞きたかったら、
極限状態をねらえ。
それが、オレのルールだぜ。
真: きょくげんじょうたい‥‥
ゴ: ‥‥今のアンタは、
追いつめられている。
ウソを考えたり、かくしごとをする
ヨユウなんか、ねえのさ。
裁: ‥‥証人。今の発言は、
言うまでもなく重要です。
証言に加えていただきましょう!
真: 『灯ろうのあかりで見えたんです。
ワルモノの後ろに、男の人が‥‥』(証言7)

(「証言7」に「灯ろう」をつきつける)
成: ‥‥”襲撃者”の背後に、
<<男の人>>が立っていたんだね?
真: う‥‥うん。
成: その<<男>>が‥‥犯人だ。
背後から、被害者を刺した。
美柳 ちなみを霊媒した、
天流斎 エリス先生‥‥
つまり‥‥きみの、おかあさんを。
真: ‥‥は、はんにん‥‥!
成: 真宵ちゃん。
きみは、その犯人の正体を‥‥
知っているんじゃないかな?
真:え‥‥‥
裁: ど、どういうことですか、弁護人!
成: ‥‥この証人は、かなり
コンランしているようです。
だから‥‥大きなカンちがいを
していることに、気づいていない。
真: な、なんのコト?
”カンちがい”って‥‥
成: ‥‥真宵ちゃん。
事件当夜‥‥、あの灯ろうは
こわれていたんだよ。
真: え‥‥ええっ!
成: ‥‥そうなんだ。
奥の院の中庭に、
明かりなんて、なかったんだよ!
真: そ‥‥そんなああッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
い、いかがですか、ゴドー検事!
ゴ: ‥‥コーヒーの澄みきった闇に、
ミルクをそそいで、かきまわす。
証人のココロは、今‥‥
ニゴりきったカフェ・オ・レだぜ。
裁: か、かふぇおれ‥‥
コーヒー牛乳、ですかな?
ゴ: 弁護士のコトバがミルクならば‥‥
アンタはスプーンなのさ、裁判長!
裁: こ‥‥この私が、スプーン!
ゴ: アンタもわかっているハズだ、
まるほどう。
‥‥この証人の精神状態は、
かなり不安定な状態にある。
多少のカンちがいは、
やむを得ねえだろうぜ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: ザンネンだけど‥‥
そうは行かない!
ゴ: ‥‥なんだと‥‥?
成: <<中庭に、明かりがなかった>>
‥‥それがジジツとなると‥‥
さっきの証言には、致命的な
ムジュンが生まれるのです!
真: な‥‥なるほどくん‥‥
成: ‥‥いいですか。
証人は、”襲撃者”について
こう証言しています。
『性別も、オトコかコドモかすら
わからなかった』‥‥と。
‥‥それなのに!
その襲撃者の後ろに立っていた
ハズの人物について、証人は‥‥
ハッキリ<<男の人>>だったと
証言している!
真: あ‥‥ッ!
成: ‥‥つまり!
真宵ちゃんには、その人物が
”見えていた”ことになる!
目の前に立った人物すら見えない
はずの、暗闇の中でッ!
真: い‥‥‥‥
いやあああああああああああっ!

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に! 静粛に!
どういうことですか! 弁護人!
<<暗闇の中で犯人の姿を見た>>
などと‥‥!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: アンタ‥‥自分の言ってることが
わかってるのかい。
闇の中で、どうやって
”見る”ことができるんだ!
現場には、他の明かりは
いっさい、なかったんだぜ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: 闇の中だからこそ‥‥”見える”
ことがあるかもしれませんよ。
ゴ:‥‥‥!
成: 真宵ちゃん。きみは、闇の中で
<<犯人>>の姿を見た。
そして‥‥、その男を
かばおうとしている。
裁: か‥‥”かばう”‥‥ですって!
自分の母親を殺害した犯人を‥‥
成: ‥‥そこから考えられる
結論は、ただひとつ。
‥‥きみは、その<<男>>の
正体を、知っているんだよ。
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
おねがい‥‥なるほどくん‥‥
あたし、何も知らないよ。
だから‥‥、もう‥‥‥
ゴ: ‥‥クッ!
おもしれえぜ‥‥まるほどう。
聞かせてもらおうじゃねえか。
証人が‥‥闇の中で、
いったい、何を見たのか‥‥?
ハッキリさせようぜ!
真: だ‥‥ダメ! なるほどくん‥‥
もう、やめて‥‥
成: (‥‥真宵ちゃんは、犯人を
かばおうと必死だ‥‥
自分の母親を殺害した、
その犯人を‥‥!
でも‥‥、それを
見逃すわけにはいかない。
ぼくは<<真実>>を立証するため、
ここに立っているのだから!)
裁: ‥‥それでは、弁護人に
提示していただきましょう。
証人が闇の中で見た、
<<犯人>>の正体を‥‥!

(「ゴドー」を選択)
成: ‥‥闇の中だからこそ、
目撃された<<真犯人>>‥‥
みなさんも、見てみたいと
思いませんか?
裁: な‥‥なんですと!
いったい、どうやって!
成: ‥‥カンタンなことです。
この法廷に、
”闇”を作ればいい。
裁: や‥‥”やみ”を‥‥?
成: 弁護側は、要請します!
‥‥この法廷の明かりを
すべて、消してくださいッ!

(明かりが消される)
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥こ‥‥これは‥‥
‥‥まさか‥‥ッ!
ゴ:
‥‥クッ‥‥

(ゴドー検事のゴーグルが光っている)
ゴ: やってくれるじゃねえか‥‥
まるほどう。
成: ‥‥いかがですか、みなさん‥‥
これが、闇の中で目撃された
<<男>>の正体なのです!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
ご‥‥ゴドー検事!
いったい‥‥どういうことですか!
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: 弁護人の主張は、あまりに
キテレツというほか、ありません!
なぜ、反論しないのですかッ!
ゴ: クッ‥‥! 裁判長。
尋ねる相手が、ちがうようだぜ。
裁: な‥‥なんですと?
ゴ: 目撃したことは、本人に聞く‥‥
そいつが、オレのルールだぜ。
成: 真宵ちゃん!
‥‥どうなんだ?
きみが現場で見たのは‥‥
あの、赤い3本の光、
だったんじゃないのかな?
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: いかがですかな‥‥証人?
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ち‥‥‥
ちがいます!
あたし‥‥そんなもの、
み。見てませんっ!
成: ま、真宵ちゃん‥‥!
真: ひ、被害者を刺したヒトが
<<男の人>>だって思ったのは‥‥
他に、ちゃんとした
理由があるんです!
成: な‥‥‥‥‥なんだってェェッ!

(ざわめきが起こる)
裁: そ、それはいったい、
どういう‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: おしゃべりは
そこまでだぜ‥‥裁判長。
裁: お‥‥、おしゃべり‥‥
ゴ: ダイジなコトは、証言で聞く。
そいつが‥‥オレのルールだぜ。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥
わかりました。
それでは、証言を
つづけていただきましょう。
犯人を<<男>>であると
知った、その理由を!
真: ‥‥は、はい。
あれは、事件が起こって‥‥
あたしが気を失った
あとのコトなんですけど‥‥

(<<犯人>>について)
真: 『‥‥気がついたら、あたし‥‥
奥の院に、寝かされていました。』(証言1)
『中庭に戻ってみると‥‥なぜか
現場はすっかり、変わっていた‥‥』(証言2)
『かがり火が燃えていて‥‥
死体が、消えていました。』(証言3)
『灯ろうのまわりの雪も、
キレイになくなっていたんです。』(証言4)
『それを、ひとりでやったんだから
‥‥<<男の人>>だって思いました。』(証言5)
裁: ふむう‥‥
<<犯人>>が男だと思ったのは、
事件の”後”だったわけですか。
真: そう‥‥でした。
すみません。あたし‥‥
裁: ゴドー検事の言うとおり、
あなたは今、つかれています。
多少のコンランは
やむを得ないでしょう。
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: それに‥‥たしかに、
現場の状況を考えれば、
犯人は男性と思うのも
ムリはないようです。
それでは、弁護人。
‥‥尋問をおねがいします!

(「証言3」をゆさぶる)
成: かがり火が‥‥燃えていた?
真: うん。それでわかったんだ。
現場が変わっていたコト。
成: (犯人が火をともした‥‥
そう考えるべきだろうな)
裁: 暗闇の中では、死体を運ぶなどの
作業は不可能ですからな。
しかし‥‥そうなると、
やはり気になりますね。
そもそも、犯人はなぜ
死体を運び出したのでしょうか?
成: (たしかに‥‥犯人自身には
なんのメリットもない。
死体が消えることで
メリットがあったのは‥‥
奥の院にひとりきりでいた、
真宵ちゃん、かな‥‥)
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: それでは‥‥現場の状況を
もう少し聞かせてもらえますかな。

(「証言4」をゆさぶる)
成: じゃあ‥‥あの雪は、犯人が‥‥?
(ずっと、妙だと思っていた。
不自然に切り取られた、
灯ろうのまわりの雪‥‥)
真: 奥の院の物置に、
スコップがあったの。
とっても、重くて‥‥
あたしには、ムリだったと思う。
裁: ‥‥なんとも、
ナゾの多い犯人ですなあ。
いったい、なぜ。
雪を持ち去ったのでしょう?
成: ‥‥たしか‥‥
雪の上には、被害者の血が
飛び散ったんだよね?
真: う、うん‥‥
地面に座りこんだあたしにも、
ふりかかったから。
成: つまり‥‥
犯人は、血の付着した
雪を、かくすつもりだった。
そう考えるのが
自然だと思いますけど‥‥
裁: ‥‥ふむう‥‥
しかし、そう考えたとしても
やはりギモンが残ります。
血の付着した雪をかくす
だけだったのなら‥‥
何も、こんなにたくさん、
雪かきをする必要はありません‥‥
成: (たしかに‥‥
血のついたところだけ
かたづければ済むハナシだ)
裁: ‥‥どうやら、この雪には
まだ、ナゾがあるようですな。
真: ‥‥で、でも。
これで、ハッキリしたと思います!

(「証言2」をゆさぶる)
成: もちろん‥‥<<犯人>>が
やったことだろうね。
真: ‥‥うん。そうだと思う。
成: どうして‥‥犯人は、
現場に細工をしたんだろう?
犯人自身にとって、何か
致命的な証拠でもあったのかな。
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あたし‥‥‥
じつは‥‥現場を見て、
感じたことがあるんです。
成: ”感じたこと”‥‥?
真: ハンニンは‥‥あたしのために、
証拠をかたづけてくれた‥‥って。
裁: な‥‥なんですって!
”あなたのために”‥‥?
真: あの晩、奥の院にいたことが
わかってるのは、あたしだけです。
毘忌尼さんが戻ってきて、
現場を見てしまったら‥‥
成: ‥‥真宵ちゃんが犯人だと
思ったかもしれない‥‥
裁: ‥‥いや。きっと、
そう思ったでしょうな。
だから、犯人は‥‥
事件など、なかったかのように
現場をかたづけた、と‥‥?
真: ‥‥ええ。きっと‥‥
そうだと思うんです。
裁: 今の発言は、重要な手がかりに
なると考えられます!
証言に加えていただきましょう!
真: ‥‥はい。
『あたしのために‥‥証拠をゼンブ、
かたづけてくれたんだと思います。』(証言6)

(「証言6」に「灯ろう」をつきつける)
成: 被害者・天流斎 エリスの死体は、
葉桜院の境内まで運ばれました。
そして、現場の中庭では‥‥
血が飛び散ったと思われるエリアの
雪が、運び去られている。
これらは、本当の殺人現場を
かくすための細工と考えられます。
‥‥しかし。
それにしては‥‥ひとつだけ、
どうしても不自然な点があります。
ゴ: ”不自然”ねえ‥‥。
いったい、なんのことだ?
成: あなたも、今ならわかるはずです。
ゴドー検事‥‥
もちろん、灯ろうに
残された、血文字ですよ。
ゴ:‥‥‥!
成: 白い灯ろうに、ハッキリ
書かれています。
<<マヨイ>>‥‥‥と。
真:あ‥‥‥
成: 犯人の目的が<<真宵ちゃんを守る>>
ことだったのならば!
まっ先に、この灯ろうの文字を
消すはずなのです!
裁: ああああああッ!
た、たしかに!

(ざわめきが起こる)


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