第5話『華麗なる逆転』探偵パート2日目(その5)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 某時刻
葉桜院 本堂

毘: ‥‥で? どうだったんだい、
修験洞は!
成: なんとか、ブジでした。
‥‥でも、大きなモンダイが‥‥
(ぼくは、ビキニさんに話した。
修験洞への進入を拒む、
5つの<<錠>>のこと‥‥)
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥
い‥‥いったい、だれが
そんなことを‥‥
からくり錠を使えるのは、
倉院の人間だけなのに‥‥
成: <<錠>>のことは、あやめさんに
おねがいしました。
ビキニさんには‥‥
お話をうかがいたいんです。
毘: ああ‥‥。さっきは
途中だったっけねえ。
成: 17年間、姿を消していた
倉院流霊媒道の家元‥‥
綾里 舞子がなぜ、
この葉桜院に姿を見せたか?
毘: 1週間前‥‥エリスさま、いえ。
‥‥舞子さまが、いらっしゃった。
家元のアカシを示してから‥‥
あの方は、こうおっしゃったの。
<<倉院流霊媒道・本家の血が
絶やされようとしている。
私は、それを阻むために
ここへ来た>>‥‥って。
成: 本家の‥‥血‥‥?
毘: 倉院流の真の後継者は、一子相伝
‥‥たったひとりきり、なの。
その血を継ぐ霊媒師‥‥
家元と、その娘が<<本家>>よ。
それ以外の霊媒師は<<分家>>と
呼ばれ、決して頂点には立てない。
だから‥‥倉院流の歴史では、
何度もくりかえされてきたわ。
<<分家>>が<<本家>>を根絶やしに
しようとする、暗殺計画が‥‥
成: ‥‥‥!
(そ、そんな重たいものなのか
‥‥<<家元>>って‥‥)

(「倉院流霊媒道」を聞く)
毘: アンタも、知ってるんでしょ?
倉院流が”本物”だ、って‥‥
成: え‥‥ええ。
(真宵ちゃんと会ってから、
この3年間‥‥
ぼくは、何度も見てきた。
彼女に、死者が宿るのを‥‥
仮面マスクの事件でも‥‥
マコちゃんの事件でも‥‥
千尋さんは、いつでも
ぼくを助けてくれた)
毘: 倉院流は、この世界に対して、
大きな影響力を持ってきたわ。
当然よね。死者と語らう、
本当の霊能力なんだから。
その時代の権力者たちの影に、
かならず倉院流が存在した。
その権威は、ゼッタイで‥‥
だれもが敬意を払っていたの。
成: ‥‥でも‥‥
そのわりには、あまり‥‥その。
生活が豊かであるようには‥‥
毘: ビンボーくさい、って?
わはは。ハッキリ言うわね。
‥‥信用を失ったのよ。
たった一度の<<失敗>>で‥‥
成: <<失敗>>‥‥?
毘: 今から、17年前のことよ。
倉院流の権威が、地に落ちたわ。
ある事件によって、ね。
成: (その<<事件>>って‥‥
も、もしかして‥‥?)
毘: 今でも、記録が残っているはずよ。
‥‥もちろん、封印されてるけど。
<<DL6号事件>>‥‥
それが、記録に与えられた名前よ。
成: <<DL6号事件>>‥‥
(やっぱり‥‥そうだったか!)

(「DL6号事件」を聞く)
成: DL6号事件‥‥
その事件なら‥‥
よく、知っています。
今から、3年前‥‥
ぼくが扱った事件、ですから。
毘: ‥‥‥!
そう‥‥。あの弁護士‥‥
アンタ、だったのかい‥‥
成: (17年前に起こった、
ある殺人事件‥‥)
毘: ‥‥この国の警察の歴史で初めて、
霊媒師に協力が求められたの。
被害者の霊を呼び出して、
犯人の名を聞く‥‥という試みね。
成: (その霊媒師が、綾里 舞子‥‥
真宵ちゃんのおかあさんだった)
毘: ‥‥舞子さまの霊媒によって、
1人の男の名が浮かび上がったわ。
捜査陣は、色めきたった。
犯人の名が、わかったのだから‥‥
成: ‥‥ええ。
でも、その<<男>>は‥‥
裁判の結果‥‥‥無罪判決が
下されてしまった。
毘: ‥‥そのとおりよ。
そして‥‥、事件はそのまま
迷宮入りしてしまったわ。
私たちは、失敗したの。
倉院流霊媒道が、初めて
一般世間に姿を見せた事件で‥‥
マスコミ、司法当局、世論、
そして‥‥倉院の里の霊媒師たち。
あらゆるメディアが、舞子さまの
チカラを”インチキ”だ、と‥‥。
そして‥‥あの方は失意のまま、
姿を消してしまった。
成: でも! ぼくは、
その真相を知っています!
綾里 舞子さんの霊媒は‥‥
インチキではなかった!
毘: ‥‥もちろん、そうよ。
あなたのおかげで、
事件の真相がわかってから‥‥
倉院は、やっと‥‥ふたたび、
チカラを取り戻そうとしているの。
その<<チカラ>>を背負って立つのが
‥‥新しい家元さま、なのよ。
成: (それが‥‥‥
真宵ちゃん‥‥なのか!)

(「本家と分家の争い」を聞く)
毘: 倉院流の霊力は、
その血に宿っているわ。
成: (真宵ちゃんも‥‥
そう言っていたっけ)

真: 『あたしたち綾里家の女は、代々
霊媒師として生きてきたの。
綾里の血は、強い霊力を
宿しているから‥‥。』

成: (霊力は‥‥綾里家の女性の
血にのみ、受け継がれるらしい)
毘: 綾里 供子さまの血を受けた
<<家元>>の娘たちの中から‥‥
代々、たったひとり‥‥
次の<<家元>>が決められるの。
成: 選ばれなかった娘さんは、
<<分家>>になるわけですね。
毘: ‥‥そうよ。それが、
いくつもの悲劇を生んできたわ。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
真宵ちゃんには、お姉さんが
いたんです。千尋さん、という‥‥
毘: 聞いたこと、あるわ‥‥
お姉さまのこと。
成: ‥‥‥! 知ってるんですか?
毘: おかあさま‥‥舞子さまの事件を
調べるため、弁護士になったとか。
成: (そして‥‥その事件を追ううちに
命を落としてしまった‥‥)
毘: ‥‥千尋さまは、
おっしゃっていたそうよ。
自分が弁護士になったのは、
おかあさまのためだけじゃない‥‥
姉妹で、家元の座をめぐって
争いたくないからだ、って。
成: そ‥‥そうなんですか‥‥!
毘: あの方は、おかあさんの
舞子さまを見て育ったからねえ。
きっと、姉妹のミニクイ争いに
イヤ気がさしていたんだろうねえ。
成: (綾里 舞子さんには‥‥
ひとり、お姉さんがいた。
舞子さんの強い霊力によって
<<家元>>の座を追われた‥‥)
毘: ‥‥綾里 キミ子さま、だね。
成: (綾里 キミ子‥‥その名前を、
ぼくは、よく知っている。
今から1年前。真宵ちゃんの
ふるさと<<倉院の里>>で‥‥
自分の娘を家元にするため、
恐ろしい事件を起こした‥‥)
毘: キミ子さまの娘さんを知っている
‥‥ということは‥‥
アンタ‥‥気づいていたのかい?
‥‥あやめのこと‥‥
成: え? あ‥‥あやめさん‥‥?
(どうして、彼女の名前が‥‥)
毘: あやめは‥‥あの子は‥‥‥
キミ子さまの娘なんだよ。
成: ‥‥‥な‥‥‥
なんですってェェッ!
あ、あやめさんが‥‥?
(あの、あやめさんが‥‥
綾里 キミ子の娘、だって!)

(「キミ子とあやめ」を聞く)
成: あ‥‥あやめさんが、
綾里 キミ子の、娘‥‥?
毘: おや。知らなかったのかい?
キミ子さまのおじょうさまを
知ってるみたいだったから‥‥
成: え、ええ。たしかに知っています。
キミ子さんの娘さんなら‥‥
毘: どういうコトだい?
成: 春美ちゃん‥‥ですよ。
あの子が、キミ子さんのヒトリ娘。
‥‥ずっと、そう思っていました。
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ええッ! あの子が、
キミ子さまの‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
知らなかった、わ‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥キミ子さま‥‥
キミ子さまは、今‥‥
刑務所にいらっしゃるのよね?
成: ‥‥ええ。
1年前の、あの殺人事件‥‥
すべては‥‥、春美ちゃんを
<<家元>>にするためだったんです。
毘: ‥‥そうだったのかい。
ということは、キミ子さまには‥‥
娘さんが3人、いたんだねえ‥‥
成: え‥‥‥!
‥‥さ、3人‥‥‥?
毘: ‥‥あやめには、
双子の姉がいるんだよ。
成: なんですって‥‥!
ふ‥‥ふたご‥‥?
毘: 今から、20年前‥‥
家元の座を妹に奪われたとき、
キミ子さまの家庭は、崩壊したわ。
‥‥その数年後、
倉院の権威は地に落ちた。
妻が家元になれないと知った
キミ子さまの夫は‥‥
おさない双子の娘たちを連れて、
倉院の里を去ったの。
成: ‥‥そうだったんですか‥‥
毘: だんなさまは、宝石商だった。
やがて、再婚した際に‥‥
双子のうちのひとりを、
この葉桜院にあずけたの。
‥‥それが、あやめよ。
成: (あやめさんに‥‥
双子のお姉さんが‥‥!
‥‥その、”お姉さん”‥‥
もしかして‥‥)
あ、あの‥‥1つだけ
教えてください!
あやめさんの‥‥
双子のお姉さんの、名前は‥‥?
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ごめんなさい。
‥‥おぼえてないわ。
父親が宝石商、としか‥‥
成: (宝石商、か‥‥)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ありがとうございました。
おかげで、いろいろなことが
わかってきました。
‥‥春美ちゃんに‥‥
2人も、お姉さんがいたなんて。
毘: きっと、それは‥‥
キミ子さまの<<本家>>に
対する、執念なんだねえ‥‥
成: しゅうねん‥‥?
毘: 双子の娘たちを、宝石商の
だんなさまに奪われて‥‥
それでも、娘を<<家元>>にする
夢を、あきらめきれなかった‥‥
成: (だから‥‥春美ちゃんが
生まれたのか‥‥)
毘: 今度の事件も‥‥
独房にいるキミ子さまの執念が
引き起こしたのかもしれないね‥‥
成: (‥‥あやめさんの
双子のお姉さん‥‥か。
とにかく‥‥
こんなアイマイな姿のままでは、
なんの武器にもならない!
‥‥なんとかして、もっと
<<情報>>を集めるんだ‥‥!)

(「葉桜院・境内」に移動する)


同日 某時刻
葉桜院 境内

?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (‥‥風に乗って、どこからか
陽気な鼻歌が聞こえてくる)
糸: ‥‥波のォォォ‥‥間に間にィィィ
証ォ拠がァ‥‥ハネりゃぁぁぁ‥‥
オレのォォォ‥‥ココロもォォォ
ハネるゥのさぁぁぁ‥‥
いやー、捜査は楽しいッス。
ロクな手がかりが見つからないけど
‥‥そんなの、カンケイないッス!
自分は、そんなもののために
捜査をしてるワケじゃないッス!
捜査が好きだから。オマエが
好きだから! 捜査をするッス!
‥‥夢のォォォ‥‥間に間にィィィ
証ォ拠がァ‥‥オドりゃぁぁぁ‥‥
成: (‥‥セリフにつづいて
2番が始まったみたいだ)
糸: オレのォォォ‥‥ココロもォォォ
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
アンタ。
成: え。ぼくですか。
糸: いつから、そこにいるッス?
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
今、来たところですけど。
糸: ‥‥ホッ。
成: 何してるんですか?
こんなところで。
糸: 捜査ッスよ、捜査。
自分は、御剣検事と
ヤクソクしたッス!
『かならず、本物のキョーキを
見つけだすッス』‥‥と!
成: (<<凶器>>‥‥か)
糸: あの、ギザギザのカタナは
ニセモノだったワケッスからね。
かなり、がんばってるのに
手がかりなしッス。
ワケのわからない怪文書を
拾ったッスけど‥‥
事件にはカンケイ
なさそうッスしねえ‥‥
成: (かいぶんしょ‥‥?)

(「捜査の状況」を聞く)
成: それで‥‥どうなんですか?
捜査の状況は。
糸: ‥‥アンタには言いにくいッス。
でも、あえて言っちまうッス。
やはり‥‥殺人現場は、
奥の院の中庭らしいッス。
捜査本部は、あの灯ろうの
血文字を重要と考えているッス。
成: ! ‥‥それ、どういう
イミですか‥‥?
糸: ‥‥詳しいことは
わからないッス。ただ‥‥
もし、修験洞から綾里 真宵が
発見されなかった場合‥‥
サイアクの事態も考えなければ
ならないッス。
成: さ、”サイアクの事態”‥‥
なな、なんですか、それはッ!
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
何も思い浮かばないッス。
自分が言ったワケじゃ
ないッスからねェ‥‥。
成: いったい、ダレが!
糸: ゴドー検事ッス。
成: ご、ゴドー検事‥‥
(どういうつもりだ‥‥?)

(「怪文書」を聞く)
成: あの‥‥怪文書、というのは?
糸: まったく! 自分が探してるのは
凶器のカタナなのに‥‥
見つかったのは、
こんな燃えカスだけッス。
成: 燃えカス‥‥
糸: 奥の院の前にある、
焼却炉の中にあったッス。
成: ‥‥焼却炉!
(や、やっぱり‥‥
気のせいじゃなかった!
初めて見たとき、あの焼却炉には
雪がつもっていた。
それが‥‥事件のあと、
雪はキレイにとけていた‥‥
事件当夜‥‥あの焼却炉で、
何かが焼かれたんだ!)
糸: ‥‥どうしたッス?
コブシをにぎりしめて‥‥
成: ちょ‥‥ちょっと
それ、見せてもらえますか?
糸: いやいや、あげるッスよ、
こんな紙クズ。
霊媒だの、家元だの‥‥
事件にはカンケイないッスからね。
成: (れ‥‥れいばい‥‥!)

証拠品<<燃えカス>>を
法廷記録にそっと挟んだ。
成: (”霊媒”‥‥”家元”‥‥
キーワードがタダゴトじゃない。
よく目を通して‥‥
そして、考えないと!)
糸: ちゃんと、ゴミ箱に
捨てておくッスよ!

(「凶器」を聞く)
成: ”本物の”凶器、ですか‥‥
糸: 被害者に刺さっていた七支刀は、
凶器じゃなかった‥‥
それは、今日の法廷で
御剣検事が立証したッス。
成: ‥‥そうらしいですね。
糸: そうなると‥‥もう1本、
別のカタナがあるはずッス。
成: それを、探してるわけですか。
‥‥あてもなく。
糸: さすがにつかれたッス。
‥‥でもッ!
あてもなく探してた
ワケじゃないッス!
‥‥これからは、科学捜査の
時代ッスからねぇ‥‥
警視庁のほこる、最新鋭の
秘密兵器を使っているッス!
成: ひ、ひみつへいき‥‥?

(「秘密兵器」を聞く)
成: なんですか? 秘密兵器って。
糸: いッスか? アンタもひとつ、
科学的に考えてみるッス。
成: ‥‥はあ。
糸: 凶器は”カタナ”ッス。
カタナは、科学的に言って
いわゆる、金属ッス。
ここまでで、質問は?
成: ‥‥ありません。
(もう、コタエもわかったような)
糸: そこで、これッス!
‥‥金属探知機。
成: (やっぱり‥‥)
糸: どッスか? アンタもひとつ、
科学的にやってみるッス。
成: はあ。‥‥え!
ぼ、ぼくがやるんですか?
糸: いやー、さっきからずうっと
やってるッスから‥‥
さすがに、あきたッス。
これも、いい経験だと思うッスよ。
成: (どうする‥‥?
イトノコ刑事の
お手伝い‥‥やってみるか?)

(「科学的につきあう」を選択)
糸: さささ、やってみるッス。
楽しいッスよ、捜査は。
成: じゃ、じゃあ‥‥
おコトバにあまえて。
糸: なにぶん、警察の最新鋭の
科学の先っぽの装置ッスから。
イヤになるほど高性能ッス!
気にさわるほどビンカンッス!
成: ‥‥はあ。
糸: ‥‥それでは、説明するッス。
ここには、おそらく
本当の凶器が眠っているッス。
成: それを探し出すわけですね。
糸: ‥‥まず、探知機の
スイッチを入れるッス。
‥‥この音は、探知機が金属に
反応して鳴っているッス。
音は金属とのキョリで変わるッス。
それに注意して探知するッス。
金属をさぐりあてると、
探知機の表示が、赤くなるッス。
そこでAボタンを押せば、
それを調べることができるッス。
目に見えないところにも
反応するッスから‥‥
アヤシイところは、
ゼンブ調べてみるッス!

(「杖」を調べる)
成: これは‥‥エリスさんの
ツエ、ですよね。
糸: 科学的に考えると‥‥
ツエは、木でできてるッス。
成: でも、ジッサイに
反応してるじゃないですか。
糸: 手ざわりから何から、
どう見ても木ッスがねえ‥‥
自分はハナっから、金属に見える
ものしか、調べないッス。
成: (‥‥探知機を使うイミが
ないじゃないか、それ)
糸: まさか、こんなものに
反応するとは‥‥
成: ちょっと、貸してくださいよ。
糸: な、ナニするッス! ここは
おまわりさんにまかせて‥‥

‥‥かち‥‥
成: ‥‥あ。アタマの部分が‥‥
取れちゃいましたよ!
糸: あ、アンタ! ダイジな証拠品を
へし折るなんて、なんたる‥‥
成: ‥‥うわああああああッ!
糸: ツエの中から‥‥
成: か‥‥カタナ‥‥
糸: ま‥‥まさか‥‥
成: こ‥‥これが‥‥
糸: きょ‥‥‥‥‥‥キョーキ‥‥ッ!

(「凶器」を聞く)
成: ‥‥被害者のツエの中に、
カタナが‥‥
糸: <<仕込みヅエ>>というヤツッスね。
なんとまあ、美しい細工‥‥‥
これぞまさに”ビサイク”ッス!
ビサイクとブサイク‥‥‥
これぞまさに、紙一重ッス!
成: (‥‥妙だな‥‥
本当の殺人現場が
奥の院の中庭なら‥‥
なぜ、凶器のカタナが
葉桜院の境内にあるんだ‥‥?)
‥‥イトノコ刑事。
このツエですけど‥‥
中に仕込まれたカタナのことを
知っている人は‥‥?
糸: それは、ダレもいないッス!
たった今、自分が発見するまで、
警察の人間すら知らなかったッス。
成: (‥‥発見したの、
ぼくなんだけどな)
見たところ‥‥血痕は
残っていないようですね。
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
じゃあ、凶器じゃないッスね。
コイツは。
成: いやいやいや! 犯行後に
ふき取ったかもしれないでしょう!
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そりゃ、そッス!
キョーキにキマリッス!
成: (長さも、七支刀と同じぐらい。
‥‥まちがいない!)
糸: じゃ、自分はひとっぱしり、
鑑識課へ行ってくるッス!
たとえ血をふき取っても、
痕跡は残っているハズッスからね!
‥‥じゃっ!
‥‥雪のォォォ‥‥間に間にィィィ
探ン知機ィ‥‥サワぎゃぁぁぁ‥‥

(待った!)
成: ‥‥ま、待ってください!
イトノコ刑事!
糸: なんス? 自分は今、
かなり多忙な毎日ッス。
成: その仕込みヅエを調べるの‥‥
ちょっとだけ、
待ってもらえませんか!
糸: なな、ナニをバカなこと
言ってるッスか!
成: おねがいします!
せめて‥‥真宵ちゃんが
見つかるまで‥‥
糸: 綾里 真宵‥‥ッスか‥‥?
成: なぜか‥‥イヤなことを
考えてしまったんです。
糸: ‥‥なんスか?
”イヤなこと”って‥‥
成: 真宵ちゃんは‥‥今、修験洞に
閉じこめられています。
でも‥‥本当にブジなのか‥‥
証人たちの話を聞けば聞くほど、
不安になってきてしまって‥‥
糸: ま、まさか‥‥
綾里 真宵が‥‥こ、コロさ
成: おねがいします、イトノコ刑事!
‥‥修験洞が開くまで‥‥
糸: ‥‥アンタ‥‥
カオが、さらにビリジアンッス。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
糸: ‥‥わかったッス。
そんなカオをしないでほしいッス。
‥‥ただ‥‥
このツエのシカケのことは、
だれにもナイショッスよ。
知っていてダマっていたとなれば、
アンタも自分もオシマイッス。
成: ‥‥わかりました。
糸: このツエは、あくまで‥‥
”ただのツエ”ということで。
‥‥じゃ。このツエ、
アンタにあずけておくッス。
成: す、すみません‥‥
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
きっと‥‥ブジッスよ。
成: イトノコ刑事‥‥
糸: 山をおりたところに、
おいしいうどん屋があるッス。
綾里 真宵が保護されたら、
連れていってあげるッス。
成: ありがとうございます‥‥

証拠品<<被害者のツエ>>を
イトノコ刑事から受け取った。
成: (それにしても‥‥
エリス先生はなぜ、
こんなものを‥‥?)

(「葉桜院・本堂」に移動する)

(「葉桜院・山門」に移動する)

(「吊り橋」に移動する)

(「奥の院・修験堂入口」に移動する)

(「奥の院・中庭」に移動する)


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