第4話『始まりの逆転』第1回法廷(その6)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
神乃木 荘龍…薄橙
御剣 怜侍…茶
裁判官…黄
美柳 ちなみ…紫
尾並田 美散…緑
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(「ダイヤモンド」を選択)
千: ‥‥今から、5年前‥‥
美柳 ちなみとともに消えたものが
もう1つ、ありました。
<<身代金>>として犯人にわたった、
2億円相当のダイヤ‥‥その原石!
ち:‥‥‥!
御: あああああああああッ!
ま‥‥‥まさか‥‥‥ッ!
千: すべては、最初から
仕組まれていたのです!
2億円の<<身代金>>‥‥すべてを
ひとりじめするためにッ!
尾並田さんに協力させて、
誘拐のシバイをして‥‥

パァァァン!
千: 最後の瞬間‥‥彼をウラ切って、
あなたは急流に身を投げた!
自らの<<身代金>>を、背中の
リュックサックにかくしたまま‥‥
御: そんな‥‥そんな、バカなああッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!

(御剣検事「異議あり!」)
御: し、しかし! 5年前といえば‥‥
証人は、まだ14才だ!
‥‥そんな、悪魔のような
計画など、実行できるわけが‥‥
千: その証人は、悪魔だったのです。
そして‥‥その悪魔に魅入られた
協力者が、もうひとりいました。
‥‥美柳 勇希さん。
彼女の、お姉さんです。
裁: ひ、被害者が‥‥
誘拐事件の協力者ッ!

(御剣検事「異議あり!」)
御: 刑事である美柳 勇希が、
妹の犯罪に手を貸したというのか!
千: そのとおりです!
‥‥きっと彼女は、この5年間、
苦しみつづけてきたのでしょう。
だからこそ‥‥
今回の事件が起こった!
裁: ‥‥どういうことですか?
千: 事件当日‥‥
尾並田に呼び出された被害者は、
美柳 ちなみに連絡した。
そして、彼女に告げたのです。
‥‥自らの<<決意>>を。
裁: ‥‥けつい‥‥とは‥‥?
御: <<すべて、世間に公表する>>‥‥
メモに書かれた、このコトバかッ!
千: その行動が‥‥勇希さんの
運命を決定づけてしまった‥‥
あなたは一瞬にして、ふたたび
悪魔のような計画を練り上げた。
5年前の狂言誘拐の協力者‥‥
ふたりの口を、同時にふさぐ!
そのために、あなたは‥‥
お姉さん‥‥美柳 勇希さんを
殺害したのです!


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥くすっ。

裁: だ、ダレですか!
こんなときに‥‥
ち: ゴメンなさい。
なんか、おかしくて‥‥。
裁: しょ‥‥証人‥‥?
ち: ‥‥おもしろいヒトね。
アヤサト チヒロさん‥‥
千:‥‥‥!
ち: ずいぶんイセイのいい
お話だったけど‥‥
トーゼン‥‥証拠は
見せてもらえるんでしょうねえ?
千: しょ、証拠‥‥?
ち: わたしが、死刑囚や女刑事と
手を組んでいたこと‥‥
それを立証する証拠よ。
決まってるでしょ?
千: そ、それは‥‥‥
ち: ああ。あと、もう1つ。
‥‥2億円のダイヤが
どうなったのか‥‥?
せめて、それぐらいは
立証してもらいませんとねえ‥‥
裁: ぬうううううううむ‥‥
弁護人。いかがかな?
千: わ‥‥‥わかりません‥‥
ち: お話にならないわね。
アンタ‥‥バカじゃないの?

(ざわめきが起こる)
千: ‥‥ぐ‥‥っ!
(5年前の狂言誘拐を、これ以上の
カタチで立証するのは不可能!
美柳 勇希の殺害にも、
決定的な証拠は、何もない‥‥)
裁: どうやら‥‥
結論が出たようですね。
正直なところ、証人のタイドには
ギモンが残りますが‥‥
本法廷は、弁護側の主張を
却下せざるを得ません。
ち: トーゼン‥‥でしょ。
千: (これで‥‥
これで、おしまいなの‥‥?
あんな子にバカにされて‥‥
返すコトバがないなんて!)
神: クッ‥‥!
証拠がなければ、審理はおしまい。
そんなコト、だれが決めた?
千: か‥‥‥神乃木さん!
神: いいか、コネコちゃん。
ルールは、自分で決めるモンだぜ。
‥‥たとえ証拠がなくても‥‥
証言という手がある!
千: (‥‥<<証言>>‥‥?)
神: 事件当日‥‥美柳 ちなみは
姉の美柳 勇希を殺害した。
その死体をトランクにかくして、
おぼろ橋で尾並田に会った‥‥
姉・勇希になりすまして、な。
‥‥そいつが、アンタの主張だ。
千: そ、そうですけど‥‥
神: それなら‥‥たったひとりだけ
いるじゃねえか。
その犯行を立証できる、
<<証人>>が‥‥!
千: (証拠がない以上‥‥
残された手段は、ただ1つ!
彼女の犯行を証言できる
<<証人>>とは‥‥?)

(「尾並田 美散」を選択)
千: ‥‥裁判長! 弁護側は‥‥
新たな証人を要請します!
裁: ‥‥証人‥‥ですか?
千: 尾並田 美散‥‥彼の証言を
聞く必要があります!
御: 被告人、だと‥‥!
千: 美柳 ちなみが、この事件に
関わっているか、いないか‥‥?
そのカギをにぎっているのは、
たった1つのポイントです。
この写真の人物は‥‥
本当に<<美柳 勇希>>だったのか?
それとも、姉になりすました
<<美柳 ちなみ>>だったのか‥‥?
‥‥それを証言できるのは、
たった1人しかいません。
ジッサイに彼女に会った人物‥‥
尾並田 美散です!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥いかがかな?
御剣検事くん‥‥。
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
いいだろう。
‥‥検察側に、異存はない。
裁: ‥‥わかりました。
係官! 被告人を、証言台へ!
千: (これが‥‥最後の手段なの。
尾並田さん‥‥
美柳 ちなみの罪を
立証できるのは‥‥
もう、あなたの証言しかない!)

裁: 今までのこと‥‥
聞いていましたね、被告人。
尾: ‥‥うう‥‥オレ。
信じない。ゼッタイ。
チナミ、死んだ! 5年前!
ウラ切ったの、ユウキ!
千: 尾並田さん‥‥
5年前、彼女があなたに
何を言ったかは知りません。
でも‥‥彼女は生きていた。
あなたは、利用されたの。
2億円を手に入れるために‥‥
尾: ウ‥‥ソ‥‥ダ‥‥
裁: ‥‥被告人。
問題は、たった1つです。
あなたが2日前‥‥おぼろ橋の上で
会ったのは、だれだったか?
被害者の美柳 勇希だったのか?
美柳 ちなみだったのか‥‥!
尾: チナミ‥‥チナミ‥‥
オレを‥‥ウラ切った‥‥?
‥‥‥‥‥‥‥‥
アイツ‥‥言ってた‥‥5年前。
オレたち、死ぬまで‥‥
ち: ‥‥ミチルさん‥‥
尾: チナミ!
オマエ、やっぱり‥‥
生きてたのか‥‥ッ!
ち: わたしを‥‥お疑いなのね?
‥‥しかたのないコトです。
尾: 教えてくれ! ホントのコト!
オレ‥‥オマエ、信じてた‥‥
ち: ‥‥‥コトバはいりませんわ。
あなたなら、わかるはず‥‥
尾:‥‥‥!
ち: ただ‥‥1つだけ、
ハッキリしています。
‥‥わたしの運命は、
あなたがにぎっているの‥‥
尾: チ‥‥ナ‥‥ミ‥‥
裁: 証言は、ただ一度。
‥‥それ以上は認めません。
それでは、被告人。‥‥本法廷、
最後の証言をおねがいします!
尾: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁:証人!
尾: うがががああああああああああッ!
裁: ひゃああ!
ゴメンなさい! ゴメンなさい!
尾: うぐぐぐぐ‥‥セ、センセイ!
‥‥み、ミズ。ミズ、くれ‥‥
千:‥‥え。
尾: しゃべれねえ‥‥
ノド、カラカラ‥‥
神: クッ‥‥! しかたねえ。
コーヒーをおごってやるぜ。
‥‥これからアンタが吐く
コトバにふさわしい‥‥
地獄よりニガくて、
そして黒いコーヒーさ。
尾: うぐぐぐぐぐ‥‥

(尾並田が見た人物)
尾: 『あの日‥‥4時ごろ、おぼろ橋の
たもとにクルマ、とめて‥‥』(証言1)
『まだ、アイツ、来てなかった。
だから‥‥橋の上で待った。』(証言2)
『そこからクルマ、見えてた。
死体なんか、だれも入れてない!』(証言3)
『やがて‥‥オンナがやってきた。
オレの目の前、立ち止まった。』(証言4)
『オレたち。ハナシ、して‥‥
そのまま、別れた。』(証言5)
『あれは‥‥ゆ‥‥ゆ。ユウキ。
チナミじゃなかった!』(証言6)
千: 尾並田さん!
‥‥まだ、彼女をかばうの!
彼女は、あなたのことを‥‥

(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥そこまでだ‥‥弁護士クン。
最後の証言らしく、
明快な内容だったようだ‥‥
千:‥‥‥!
裁: それでは‥‥弁護人。
尋問をおねがいします。
千: (尾並田さん‥‥それでいいの?
死刑判決を受けて‥‥
今、また有罪になるのよ!)
神: それを止められるとしたら‥‥
アンタしかいねえ。‥‥たぶんな。

(「証言4」に「目撃写真」をつきつける)
千: おぼろ橋に行ったとき‥‥
<<彼女>>は、まだ来ていなかった。
あなたは、橋の上で待っていた‥‥
まちがいありませんか?
尾: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
マチガイない。
千: そう‥‥。まちがい
ありませんね、尾並田さん。
あなたは、ウソをついている。
尾: う! ‥‥‥う。お‥‥‥
えへん! ‥‥えへん、えへん。
御: ‥‥聞かせてもらおうか。
弁護人‥‥
千: ”どちらが先に、
おぼろ橋に来たのか‥‥”?
‥‥この写真を見れば
ハッキリわかります。
どう考えても‥‥、先に来たほうが
橋の奥にいるはずですよね‥‥?
御: し、しかし‥‥奥にいるのは、
<<被害者>>の方ではないかッ!
千: そのとおりです。
つまり、尾並田さん‥‥
あなたは、<<彼女>>よりもあとに、
橋についたことになるの。
尾: む‥‥‥ぐ‥‥‥お。あ‥‥‥ご。
千: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ねえ、尾並田さん。
もう、ムリをしないで‥‥
本当のことを聞かせてほしいの。
尾: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
橋のたもとについたの、4時。
まちがいない。
千:‥‥‥!
尾: オレ‥‥行くところがあった。
ヤクソクの場所‥‥
裁: おぼろ橋に行く前に、
そちらへ向かったわけですか‥‥
尾: 橋から15分ぐらい歩いたところ、
古い山寺がある。
そこで‥‥5年前。
チナミと、ヤクソクした。
死ぬまで、おたがいを
ウラ切らない、‥‥と。
おたがいを信じ抜くために‥‥
<<アカシ>>‥‥用意した。
千: <<アカシ>>‥‥というのは?
尾: 5年前。境内の木のたもとに、
ソイツ、かくしておいた。
なつかしい、タイセツな思い出。
これを‥‥オレ。取りに行った。

(1話の証拠品
「ちなみのペンダント」と同じもの)
裁: <<アカシ>>というのは‥‥
そのペンダントですか。
キレイな小ビンですな。
‥‥カラッポのようですが。
千: 裁判長!
‥‥お聞きのとおりです。
被告人は、午後4時に現場に
ついてから‥‥
クルマから一度、
はなれているのです!
そして‥‥往復30分ちかくの
キョリを歩いた!
御: ぐ‥‥ッ!
千: これだけの時間があれば‥‥
美柳 ちなみは、死体をトランクに
かくすことができた!
御: ぐおおおおおおおおおおおおおッ!
裁: たしかに‥‥その時間は
じゅうぶん、あったでしょう!
千: (ついに‥‥
チャンスをつかんだ!)
尾並田さん!
まちがいありませんよね!
尾: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥げふっ!
千: お、尾並田さん‥‥?

(尾並田 吐血)
尾: もう‥‥じゅうぶん‥‥
センセイ。
裁: しょ、証人‥‥?
尾: オレたち、ヤクソクした。
‥‥5年前‥‥。
もし、これから先‥‥
おたがいが信じられなくなったら、
これ‥‥
この小ビンの中身‥‥
飲みほす‥‥って‥‥
御: ば‥‥バカな!
裁判長! ただちに、休廷を!
尾: ‥‥オレ‥‥バカだから。
ヤクソク、守れそうもない‥‥
だから‥‥これ、使った。
千: ダメ! もう少しなのよ!
もう少しで‥‥
あなたの無実が立証できるの!
だから‥‥
尾: オレ‥‥無罪になったら‥‥
自信がない‥‥
チナミを‥‥もう、一度‥‥
殺してしまう‥‥かも‥‥
千: ‥‥尾並田さん!
尾: センセイ‥‥
コーヒー‥‥
ど‥‥も‥‥ありがと‥‥
千: 尾並田さああああああああああん!


千: こうして‥‥初めての裁判は
突然、終わった。
判決が言いわたされることも、
勝利も敗北もないまま‥‥
私のココロには、いやしがたい
大きなキズだけが残った。
それはきっと‥‥
この若い検事さんも同じだろう。
‥‥そして‥‥
真犯人・美柳 ちなみは‥‥
美しくほほえむと、静かに
法廷をあとにしたのだった。

神: ‥‥ユルせねえ。
千: か、神乃木さん‥‥
神: 真実は、もうそこに見えていた。
つかみそこねたのは‥‥
ただ、アマかったからだ。
千: 私のせいです! ‥‥私のせいで、
尾並田さんは‥‥うううう‥‥
神: 泣くな。‥‥コーヒーが
しょっぱくなっちまうぜ‥‥。
千: ううう‥‥やっぱり‥‥
私なんかには、ムリだったんです!
神: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
チヒロ‥‥
千:‥‥‥!
神: ‥‥わからねえのか?
今はまだ、泣くときじゃねえ。
オトコが泣いていいのは‥‥
すべてを終えたときだけ、だぜ。
千: か、神乃木さん‥‥


‥‥それが、どんな事件であれ‥‥
やがては色あせて、ファイルされて
‥‥いつしか、忘れられる。
この法廷から、1年後‥‥
ぼくは、”あの事件”に
まきこまれたんだ‥‥。
‥‥あのあと、美柳 ちなみは
正式な審理を受けた。
‥‥彼女に対する
最終的な判決は‥‥
‥‥もちろん、<<有罪>>だった。
その瞬間、彼女はやはり、
美しくほほえんだという。
‥‥それで、すべては終わった。
少なくとも、ぼくはそう思った。
しかし‥‥
そうではなかったことを、
ぼくは、今‥‥
あれから5年もたった、今‥‥
思い知らされることになる。


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