第3話『逆転のレシピ』第2回法廷(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
ゴドー検事…薄橙
須々木 マコ…橙
芝九蔵 虎之介…紫
鹿羽 うらみ…灰
本土坊 薫…桃
五十嵐 将兵…紺
小池 けいこ…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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1月8日 午前9時46分
地方裁判所 被告人第1控え室

マ: おはよーございますッ!
成歩堂さん!
真: おはよう、マコちゃん!
マ: あの‥‥今日は、どうッスか?
きのうの法廷、ナゾだらけで
終わっちゃったッスけど‥‥
成: (そういえば‥‥
その”ナゾ”に関しては、
なんにもわかってないな‥‥)
真: だいじょうぶだよね、
なるほどくん?
成: え? ‥‥あー、うん。
もちろんだよ。
マ: あ! 今ちょっとだけ、
アサッテの方を見たッス!
成: ちち、ちがうよ!
‥‥明るい明日を見すえただけだ。
マ: うううう‥‥
真: そろそろ時間だよ、マコちゃん。
被告席に行かないと。
マ: じゃあ、よろしくおねがい
しますね。成歩堂さん!

コラァッ! アンタ!
成: あ‥‥イトノコさん‥‥
糸: ダメじゃないッスか!
マコクンを不安にさせちゃあ!
成: なな、なんで
知ってるんですか?
糸: ドアのカゲから、
そっと見ていたッス。
成: ‥‥‥はあ。
糸: そんな、なさけないカオしちゃ
ダメッス!
そんなアンタには、これッス!
真: イトノコさんも始めたんですか?
‥‥アロマテラピー。
糸: いやいや! そうじゃないッス!
‥‥おぼえてないッスか? コレ。
成: (そういえば‥‥アロマテラピーの
ボトルじゃないな‥‥)
糸: 2日前、アンタが吐麗美庵の
キッチンで見つけた小ビンッス!

真: 『うわ、すごい!
小さなビンがギッシリ。』
成: 『アロマテラピーのオイルか。
床の上にまで、あふれてるぞ‥‥』
真: 『‥‥あれ?
‥‥このビンだけ、
なんかちがうよ。』
成: 『そうだね‥‥。
ラベルもないし。』
真: 『それに‥‥ニオイもしないよ。』

糸: このビンの中身の分析結果が
やっと出たッス!
真: あ! もしかして、あれですか!
モードク‥‥!
糸: ザンネンながら、
ゼンゼンちがうッス。
コレは‥‥クスリだったッス。
真: くすり‥‥?
糸: 耳にたらして使う、外用薬ッス。
成: ”耳に”‥‥ってコトは、
もしかして‥‥?
糸: コマクが破れた被害者・岡 高夫に
処方されたクスリッス!
成: (岡 高夫のクスリが‥‥
キッチンで発見された‥‥?)

証拠品<<小ビン>>のデータを
法廷記録にファイルした。
成: ‥‥あの。イトノコ刑事?
<<正体不明の指紋>>というのは‥‥
糸: 鑑識の手ちがいで、ビンの中身の
ブンセキしかしてなかったッス。
あと1時間もあれば、
指紋の検査もできたッスが‥‥
成: (ううん‥‥証拠としては、
ヨワい気もするな‥‥)
糸: さ。さ。時間ッス!
今日こそ、キメるッスよ!
成: (‥‥今日の法廷‥‥
かならず、あのオトコを
引きずり出すんだ‥‥)


同日 午前10時
地方裁判所 第4法廷

裁: これより、須々木 マコの
法廷を開廷します。
成: 弁護側、準備完了しております。
ゴ: こっちは‥‥
閉廷の準備ができてるぜ。
裁: 毎度、たのもしいかぎりです。
きのうの証人、五十嵐 将兵さんは
こう証言しています。
被告人・須々木 マコが、被害者の
コーヒーに粉末を入れた‥‥と。
ただ‥‥五十嵐さんの証言には、
いくつかモンダイがありました。
ゴ: カップの跡は、被害者が右手で
コーヒーを飲んだことを示してる。
しかし‥‥証言では、被害者は
左手でコーヒーを飲んでいる‥‥
裁: さらに、五十嵐さんの
目撃証言によれば‥‥、
被害者は、聞こえるはずのない
ラジオを聞いていました。
コマクが破れた左耳に、
イヤホンをつけて‥‥。
真: いやー、ホント。ムジュン
だらけだねえ、こりゃ。
ゴ: クッ‥‥! いいコトを
教えてやるぜ、裁判長‥‥。
‥‥地球は回り、オレたちも
回ってるんだぜ‥‥。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
今日もいきなり、
よくわからないのですが‥‥
ゴ: ”きのうのナゾは、
今日もナゾ”‥‥
そんな考えかたは、もう
お呼びじゃねえ、ってコトさ。
時代は、変わるッ!
‥‥そいつが、オレのルールだぜ。
裁: じゃあ‥‥あなたは!
見つけたというのですか!
このムジュンの‥‥コタエを!
ゴ: マメを食う老人は、マメとともに
<<真実>>を投げていたのさ。
‥‥そいつを、証明するぜ。
裁: それでは、最初の
証人を入廷させてください!

ゴ: ‥‥なんだ? アンタ。
本: ボンジュウル、みなさあん。
本土坊 カ・オ・ル。
シェフ、やってまあす。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥あの、シツレイですが、
証人はその‥‥女性、なのですか?
本: オー・ラ・ラ‥‥
ワタシ、花も恥じらうオ・ト・コ。
裁: ぐ‥‥ふううう‥‥。
ゴ: アンタ‥‥事件当時、吐麗美庵の
キッチンにいた。
‥‥マチガイ、ねえな?
本: ‥‥あなたとなら‥‥
ゴ:‥‥?
本: マチガイを起こしちゃうかも‥‥
ゴ: クッ‥‥!
成: (すげェ!
まったく動じないぞ‥‥)
裁: それでは、さっそく
証言をしていただきましょう。
事件が起こったとき‥‥
吐麗美庵で、何があったか?
本: ウイ、ヴォロンティエ!

(吐麗美庵で何があったか?)
本: 『事件があったとき、お客さんは
2人っきり、だったわねえ。』(証言1)
『あの日‥‥実はウチ、インテリアの
改装工事をしてたのよォ。』(証言2)
『テーブルのあいだに、大きな
カガミが置かれたりしたわぁ。』(証言3)
『あのオジさん、それを
見ちゃったんじゃないかしらねェ。』(証言4)
『カップの手に、イヤホンにメガネ。
ゼンブ、左右が逆だったんだから。』(証言5)
成: か‥‥‥‥‥‥‥‥か。
カガミですってェェェッ!
本: ウイ。グラン・ミロワール。
それは大きなカガミが、ねえ。

(ざわめきが起こる)
ゴ: ‥‥これで、
立証できたワケ、だぜ。
‥‥地球は回り、オレたちも
回っている‥‥ってコトが、な。
裁: ふむう‥‥。
コーヒーカップに、イヤホン‥‥
たしかに、右と左が”逆”である
ものばかりですなあ。
成: (そんな‥‥バカな!)
裁: それでは、弁護人!
尋問をおねがいします!

(「証言5」に「岡 高夫」をつきつける)
成: カップに、イヤホン‥‥
そして、メガネ、と。
‥‥イガラシさんの証言を
思い出していただきましょう。

五: 『ヤツは、メガネをかけたほうの耳に
ラジオのイヤホンをハメとった!
まちがいないぞ! ブチこんで
やがったのさ。左の耳にな!』

成: この証言をまとめると‥‥
モノクルとイヤホンは、両方とも
左耳につけていたことになります。
そして、それがカガミに
写ったのならば‥‥
モノクルとイヤホンは‥‥
右耳に見えたはずです。
本: トレ・ビアン!
やればできるじゃない!
成: しかし‥‥ここに大きな
ムジュンが生まれるのです。
もしイガラシさんが、カガミに
写った被害者を見たのならば‥‥
なぜ、このモノクルだけが
左右、逆になっていなかったのか!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
‥‥そのとおりです!
この証人が目撃したのが、
カガミに写った姿ならば‥‥
被害者は、右の耳に
メガネをつけているハズです!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ‥‥苦ェ。
アンタも早く、この味がわかる
オトナになることだ。まるほどう。
成: ど‥‥どういうことですか?
ゴ: アンタは、この証人の
”性格”がわかってねえのさ。
裁: セイカク‥‥ですか?
ゴ: コイツ‥‥おぼえてるだろう?
成: <<花ビンを割っちゃって
ごめんなさい>>‥‥ですか。
ゴ: そう‥‥あのジイさんには、
1つのクセがあるのさ。
<<印象に残ったコトほど、
カンちがいしてキオクする>>‥‥
この被害者のツラ‥‥
イチバン、目立つのはどこだ?
裁: それはやはり、‥‥その
<<ものくる>>でしょうな。
ゴ: そう‥‥。ジイさん、また
やっちまったのさ。
<<モノクル>>が、あまりに
強く、印象に残った。だから‥‥
『ワシはイヤホンといっしょに、
イカれたメガネも見たんだ!
そうだよ! いっしょくたに
ブチこんでんだ! 左耳にッ!』
クッ‥‥!
‥‥どうだ? まるほどう。
成: ぐ‥‥。
(ジイさんのモノマネか? 今の)
真: モノマネ、じょうずだね。
ゴドー検事。
裁: そこまで!
たしかに、きのうの証人は
早とちりの多いヒトでしたね。
真: せっかくのムジュンが
<<早とちり>>あつかいされてるよ!
ゴ: ‥‥カガミはマメを食わねえ。
そして、ウソもつかねえのさ。
じゃあ‥‥ジッサイ、ジイさんが
見たカラクリは、なんだったのか?
アンタは、そいつを知っている。
そいつを、話してみな。
‥‥聞いてやるぜ。
本: ウイ。お店の上面図を見ながら
聞いてちょうだいな。

(”カガミ”について)
本: じゃ、みなさん。
用意はいいかしらあ?
『カガミは、テーブルの列を2つに
わけるように置いてあったの。』(証言1)
『カガミに写った被害者を見ることが
できる席は、ひとつしかないわね。』(証言2)
『それは、被害者のトナリよお。
そこが、オジさんの席だったのね!』(証言3)
『事件が起こって、さすがにジャマ
だったから、カガミをどかしたの。』(証言4)
『でも、他のモノにはいっさい、
手を触れていないわあ。』(証言5)
裁: ふむう‥‥。たしかに、今の説明に
モンダイはないようです。
被害者のトナリの席なら、カガミに
写った姿を見ることができますね。
本: ワタシ、ツミ作りなオンナね。
オトコたちを、まどわせちゃって。
ゴ: シンパイいらねえさ。
まどわされたのは、そこで冷や汗を
流してるダレかさんだけ、だぜ。
成: (くそお‥‥)
裁: ”カガミ以外のものには
いっさい、手を触れていない”
‥‥まちがいありませんな?
本: ヴォロンティエ!
‥‥モチロンよお。
裁: それでは、弁護人!
尋問をおねがいします!

(「証言3」に「現場写真」をつきつける)
成: 裁判長! 今の証言は‥‥
この証拠品とムジュンしています!
裁: これは‥‥現場写真ですか‥‥?
成: ここには‥‥本来、”あるべきで
ないもの”が写っているのです。
裁: な‥‥なんですって!
ゴ: ”あるべきでないもの”同士、
ピンと来るモノがあるんだろうぜ。
裁: それでは、弁護人。
示していただきましょうか。
この写真に”あるべきでない
もの”‥‥とは!

(「隣の席の花ビン」を選択)
成: モチロン、これです!
”あるべきでないもの”‥‥
裁: か‥‥花ビン、ですか‥‥?
し、しかし‥‥いったい、
なんのカンケイが‥‥
成: ‥‥裁判長。
このテーブルに、花ビンが
あってはならないのです。
‥‥この証拠と、アキラカに
ムジュンしますからね!

(「五十嵐の証言書」を選択)
成: きのうの証言で
ハッキリしたコトは、ひとつ。
イガラシさんは、自分の席の
花ビンを割った、ということです。
しかし! 被害者のトナリの
テーブルには‥‥
このとおり、ちゃんと
花ビンはある! ‥‥つまり‥‥
イガラシさんの席は、被害者の
トナリではなかったのです!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ‥‥バカな! あり得ねえ!
それ以外の席で、カガミに写った
被害者を見ることは不可能だぜ!
成: ‥‥そのとおり!
ゴ:‥‥‥!
成: 結論は‥‥ただひとつ。
あの日、吐麗美庵に
カガミなど存在しなかった!
本土坊さん。あなたの証言は
まったくの大ウソです!
本: きゃああああああああああああッ!

(ざわめきが起こる)
ゴ: ‥‥割れた花ビンなんざ、
かたづけちまったんだろうぜ。
警察の連中が、現場を探して
モタモタしているあいだになァ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: ザンネンながら、
そうはいきません!
本土坊さんは、たしかに
こう証言している!
『カガミ以外のものには
手を触れなかった』‥‥と!
ゴ: う‥‥‥‥‥‥
クオオオオオオオオオオオオオッ!
裁: 証人! どうなのですかッ?
本: う‥‥ううううう‥‥
成: (やっぱり‥‥店内にカガミなんか
なかったんだ!)
裁: しかし‥‥そうなると、最初の
ギモンに逆戻りです。
被害者はなぜ、聞こえないはずの
左の耳にイヤホンをつけていたか?
ゴ: クッ‥‥!
人生は一度きり、真剣勝負だ。
<<逆戻り>>なんて、認めねえぜ。
カガミを否定するのなら‥‥
まるほどう。
‥‥アンタに
答えてもらうとするぜ!
あのジイさんが見たのは、
いったい、なんだったのか!
成: (このナゾのコタエは‥‥
真相に一歩、大きく近づく!)
真: ‥‥だいじょうぶなの?
なるほどくん‥‥
成: この事件では‥‥
”ムジュン”は、1つじゃない。
真: ど、どういうコト?
”1つじゃない”って‥‥
成: マコちゃんが見たことを、
思い出してみるんだ。
”被害者のテーブルには、
もうひとりの客がいた”
”被害者のテーブルには、
サンプルのCDが置いてあった”
‥‥ことごとく、五十嵐さんの
証言と食いちがっている。
(なぜ、こんなことが起こったか?
コタエは、1つしかあり得ない)
裁: それでは、弁護人。
あなたのコタエを聞きましょう。
成: ‥‥わかりました。
イガラシさんが見た、”被害者”の
ムジュン。‥‥その原因は‥‥!

(「被害者はニセモノだった」を選択)
成: この事件は‥‥フシギなほどに
食いちがいが多い。
それらのムジュンを
解決するコタエは、たった1つ。
裁: そ、それは‥‥?
成: 五十嵐さんの目撃した”事件”と、
被告人が体験した”事件”‥‥
この2つは、まったく
別のモノだったのです!
ゴ: な‥‥なんだと‥‥
成: イガラシさんの見た”被害者”は、
”岡 高夫”ではなかった!
その”フリ”をした別人‥‥
ニセモノだったのです!
当然、<<ニセモノ>>のコマクは
破れていなかった!
だから! 左耳にイヤホンを
つけてしまったのです!
ゴ: ぶぐほほおおおおッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
静まらなければ、退廷を命じます!
ゴ: カンカンうるせえぜ、ジイさん。
アンタが退廷しな!
裁: ええええええッ!
ゴ: ジイさんが見たのは‥‥
ニセの事件だった、ってのか?
成: ‥‥そうです。
だれかが岡 高夫になりすまして、
コーヒーで倒れるシバイをした。
もちろん、五十嵐 将兵に
見せるために!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: バカげてるぜ!
いったい‥‥なんのためだ!
成: 決まってるじゃないですか。
五十嵐さんの証言で、最も
重要なポイントは‥‥

五: 『女給さんがコーヒーを運んできた
のだが‥‥中に、何か入れたのだ!
女給さんの正体こそ、被告席の
婦女子。よぉく、おぼえておる!』

裁: ま‥‥まさか‥‥
成: イガラシさんに、ニセモノの
<<事件>>を見せた理由は、1つ!
被告人・須々木 マコの
<<犯行の瞬間>>を見せるためです!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: その<<須々木 マコ>>も
ニセモノだった、ってワケかい‥‥
たしかに、店内に他の客は
いなかった。‥‥しかし‥‥
シェフはいた!
コイツが気づかないハズはねえ。
裁: そ‥‥そのとおりです!
証人! いかがですか!
店内で、そんなシバイが
行われていたのなら‥‥
あなたは、知っていたはずです!
本: それは‥‥アレ。
ムズカシイ問題ね‥‥

(成歩堂「異議あり!」)
成: いや、カンタンなコトです。
‥‥証言してくれればいい。
あの日、吐麗美庵の店内に
<<ニセモノ>>がいたかどうか‥‥?
その証言で、すべてが
ハッキリするでしょう。
裁: 弁護人の要請を受けましょう。
証人に、証言を命じます!
事件当日の、店内の状況を
‥‥細かく、セイカクに!
本: ‥‥う‥‥‥‥ウイ。


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