第3話『逆転のレシピ』第1回法廷(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
ゴドー検事…薄橙
須々木 マコ…橙
芝九蔵 虎之介…紫
鹿羽 うらみ…灰
本土坊 薫…桃
五十嵐 将兵…紺
小池 けいこ…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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1月7日 午前9時48分
地方裁判所 被告人第1控え室

マ: そッスか‥‥やっぱり‥‥
ダレも見てないんですね。
あの、2人目のオトコ。
アタシがコーヒーを運んだときは
‥‥たしかに、いたのに!
?: マコクンッ!
マ: ‥‥あッ!
い‥‥、イトノコセンパイ!
糸: だ‥‥大丈夫ッスか!
げ‥‥元気ッスか!
マ: ‥‥両方とも、
ビミョーな質問ッス。
糸: カラダに気をつけて、
ちゃんと食べなきゃダメッスよ!
マ: リョーカイッス!
糸: そして、コラ! アンタ!
成: は、はい!
糸: モギ取るッスよ! 無罪判決!
シッパイしたら、かわりに
自分が、モギ取るッス!
‥‥アンタの首をッ!
成: (こ、この目‥‥ホンキだ!)
真: ね。イトノコさん! 今日は、
あたしたちの味方なんですよね!
糸:え。
真: マコちゃんのコト、
助けてくれるんでしょう?
マ: そ、そうなんですか!
イトノコセンパイ!
糸: も‥‥‥モチロンッス!
センパイにまかせるッス!
いッスね! 自分は今日、
最初の証人ッス!
キチンと見つけるッスよ!
致命的なムジュンを!
成: わ、わかりました。
糸: ‥‥じゃッ! 今日は
共同戦線ッス!
マ: ‥‥スズキ、カンゲキッス!
イトノコセンパイこそ、スズキが
アコガレた刑事(デカ)ッス!
さっすが、たのもしいなあ。
真: なんとかなりそうだね。
今日の法廷。
成: (だといいけど‥‥)


同日 午前10時
地方裁判所 第4法廷

裁: これより、須々木 マコの
法廷を開廷します。
成: 弁護側、準備完了しております。
ゴ: ‥‥‥‥苦ェ。
裁: あの‥‥な、成歩堂さん?
成: は、はい。なんでしょう?
裁: うおおおッ!
成: ど、どうしましたか?
裁: いや、この前の法廷で
あなたに呼びかけたら‥‥、
”どないやねんッ!”
と、ドヤしつけられて‥‥ホントに
その、コワかったものですから。
成: いやいやいや! だからそれは、
ニセモノだったんですよ。
裁: 今度こそ、私たちの成歩堂くんが
帰ってきたのですね。
成: (”私たちの”‥‥‥)
裁: では、ゴドー検事。
冒頭弁論をおねがいします。
ゴ: まるほどう‥‥。アンタが
ホンモノか、ニセモノか‥‥
今日の法廷で
ハッキリするだろうぜ。
成: い、いやいや。ぼくは
ホンモノの成歩堂 龍一です!
ゴ: オレが言ってるのは、
そんなコトじゃねえさ‥‥
そもそも”まるほどう”という
オトコが、ホンモノなのか‥‥?
オレに関心があるのは、
それだけ、だぜ。
成: (やっぱり‥‥感じるな。
あの仮面のウラから‥‥
強い”敵意”を!)
裁: ご存じのとおり、この審理は
一度、判決が下されています。
したがって、今回は、
よけいな回り道は認めません。
同じ話は聞きたくありませんので。
成: (こっちだって、
同じ話にはさせないぞ‥‥)
裁: ‥‥では、さっそく最初の
証人を呼んでいただきましょう。

ゴ: 社交辞令として聞くぜ。
‥‥名前と職業を。
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: 証人! お名前!
糸: あッ! す、すまねッス!
名前は所轄署の刑事ッス。
糸鋸 圭介やってるッス。
ゴ: ‥‥逆だ、刑事。
糸: あれッ! そッスか!
と、とにかく自分は、きのうから
この事件の担当になったッス!
裁: きのうから‥‥?
糸: 初動捜査を担当した刑事は、
ベツの件で忙しいそうッス。
真: 大丈夫かな、イトノコさん。
裁: それでは‥‥証人。
事件の基本的なデータを
カクニンしておきましょうか。
糸: はは‥‥は、ははは、はッ。
被害者は岡 高夫。
プロのプログラマーッス。
コンピュータソフトの開発会社
<<バグダス>>の社員ッス。
これが、被害者の解剖記録ッス。
裁: ‥‥受理しましょう。

証拠品<<解剖記録>>のデータを
法廷記録にファイルした。
糸: えー。では、
上面図を見ていただくッス。
事件が起こったとき、
被害者はこの席に座っていたッス。
毒が入っていたコーヒーは、その。
ウエイトレスさんが運んだッス。
裁: ウエイトレス‥‥当然、
被告人のコトですな。
糸: ‥‥そッス。
コーヒーをヒトクチ飲んだ
被害者は、すぐに中毒死。
そのとき、他に店内にいたのは‥‥
シェフ・本土坊 薫。
そして、常連客の
五十嵐 将兵。‥‥この2人ッス。
裁: ‥‥ふむう‥‥
やはり、明白な事件であるように
思われますね‥‥。

証拠品<<吐麗美庵の上面図>>の
データを法廷記録にファイルした。
ゴ: じゃあ、刑事。アンタの手で、
打ちこんでやってくれ。
‥‥被告人のカンオケに、
最後のクギを、な。
裁: それでは‥‥
証言をおねがいします!
糸: ううう‥‥了解ッス。

(事件について)
糸: 『事件が起こったとき、テーブルには
被害者しかいなかったッス。』(証言1)
『岡 高夫は、どうやら
ラジオを聞いていたらしいッス。』(証言2)
『毒は‥‥コーヒーカップの中から
検出されたッス。』(証言3)
『青酸カリ。これはもう、
エラいイキオイで猛毒ッス。』(証言4)
『さらに‥‥被告人には、その。
動機っぽいものもあったッス。』(証言5)
裁: ふむう‥‥
ゴ: カップの中の闇に毒をかくす‥‥
シャレたおじょうさんだぜ。
裁: これはもう、
疑いの余地がありませんな。
それでは、成歩堂くん。
尋問をおねがいしますが‥‥
成:はい?
裁: こないだみたいに、ワレワレを
ドナりつけないように。
成: ‥‥だから、それは
ぼくじゃありませんよ!

(「証言1」をゆさぶる)
成: ちょっと、いいですか?
糸: おッ! な、なんスか!
ムジュンしちゃったッス? 自分。
成: (‥‥キタイに
目をうるませているぞ‥‥)
今の証言‥‥被告人の主張と
ムジュンしています。
被告人は、テーブルに
もう1人オトコがいた、と‥‥
糸: いやあ、そッスよねえ!
ジツは、自分も‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: 殺人罪を逃れるためだ。
それぐらいのコトは言うだろうぜ。
成: なんですって‥‥!
ゴ: ザンネンながら‥‥シェフと
常連客の証言は、そうじゃねえ。
そうだな? 刑事‥‥
糸: たしかに‥‥2人の証言は
一致してるッス。
あのテーブルには、
ダレもいなかった、と‥‥
裁: ふむう‥‥
成: (どうする‥‥?
もっとつっこんでみるか?)

(「さらにゆさぶる」を選択)
成: もしかしたら、証人たちが
見落としたのかもしれません!
何かのカゲで、被害者の
テーブルが見えなかったのかも‥‥
ゴ: クッ‥‥!
カナしすぎるぜ‥‥まるほどう。
成:‥‥‥!
ゴ: ここに‥‥
チケットがあるぜ。
成: ちけっと‥‥?
(写真じゃないか‥‥)
ゴ: ‥‥有罪判決行きのチケット。
アンタたちへのプレゼントさ!
こいつは、キッチンの入り口
付近から撮影したものだ。
裁: 事件当時、シェフが
目撃した光景、というわけですな。
ゴ: ‥‥これだけハッキリ
現場が見えてるってのに‥‥
どうやったら、ヒトひとり
見落とせると言うつもりだッ?
成: ‥‥ぐお!

(ざわめきが起こる)
裁: たしかに‥‥、被害者のテーブルは
イヤでも目に入りますな。

証拠品<<現場写真>>のデータを
法廷記録にファイルした。

(「証言3」をゆさぶる)
成: 毒が発見されたのは、
コーヒーカップだけですか?
糸: どういうことッスか?
成: その”毒”‥‥液体ですか?
それとも、粉末なんですか?
糸: シロートにもわかりやすく
言うなれば、まあ‥‥粉末ッス。
成: それならば、サトウとかシオとか、
コショウのビンにだって、毒は‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: クッ‥‥!
コーヒーにシオ、コショウで
味つけするのかい‥‥アンタは。
糸: ちなみに被害者は、
ブラックで飲んでいたッス。
成: ううう‥‥
裁: やはり‥‥毒はコーヒーに
入れられたようですね。
成: (どうしよう‥‥。
もっとつっこんでみるか?)

(「さらにゆさぶる」を選択)
成: 被害者がコーヒーを飲んだ
というのは、たしかなんですか?
糸: ど‥‥どういうイミッス?
成: ”コーヒーカップに
毒が入っていた”‥‥
しかし! 被害者がそれを
飲んだという証拠は、ありません!
糸: あっ! ナルホド!
ジツは、自分も‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ‥‥ちなみに、今のは
そこの刑事にぶつけた異議だぜ。
糸: え! 自分ッスか!
ゴ: ”あっ! ナルホド!”
じゃねえだろう、刑事!
ナットクするヒマがあったら、
さっさとアレを提出してくれ。
糸: あ‥‥アレ‥‥ッスか‥‥!
ゴ: そう。アレだ。
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あ、あの。
なんでしたッスっけ。アレって。
ゴ: コイツだッ!

(成歩堂にコーヒーをぶつける)
成: (なんで、ぼくなんだ‥‥)
糸: あ。思い出したッス!
ええと‥‥。被害者が使った
コーヒーカップッス。
ゴ: このカップ‥‥
フチをよく見てみな。
裁: ハッキリ残っていますね。
‥‥コーヒーを飲んだ跡が。
ゴ: 被害者は、たしかに飲んだのさ。
被告人が運んだコーヒーを‥‥
‥‥こんなふうにッ!
成: ううむむ‥‥ッ!

(ざわめきが起こる)
糸: ちなみに、カップに残っていたのは
被害者と被告人の指紋だけッス。

証拠品<<コーヒーカップ>>の
データを法廷記録にファイルした。
糸: このカップからは‥‥
ある薬品が検出されたッス。

(「証言5」をゆさぶる)
成: ”動機っぽい”‥‥?
糸: ま、まあ‥‥個人的には、
ちっぽけなコトだと思うッスが‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: いいか、刑事。
‥‥オレのルールでは‥‥
マズいコーヒーは捨てて、
すぐにおかわりをする。
糸: ‥‥どういうコトッスか?
ゴ: アンタのおかわりなんぞ、
いくらでもいる、ってコトさ。
糸: ‥‥むぐ。
ゴ: 証言するんだ。
被告人の”動機”を、な。
成: (‥‥イトノコ刑事‥‥)
糸: ど、動機は‥‥
宝クジだと考えられているッス。
成: たからくじ‥‥
(きのうも聞いたハナシだな)
糸: ‥‥事件の現場から、
消えちまったッス。
ゴ: ただのクジじゃねえぜ。
5000万円の大当たりだ!

(ざわめきが起こる)
真: 本土坊さんも言ってたね。
クジのコト。
まちがえて、となりの
ハズレクジを盗んだ、って‥‥
成: (ホンモノは‥‥マコちゃんが
盗んだ、というコトか‥‥?
どうする‥‥?
もっとつっこんでみるか?)

(「さらにゆさぶる」を選択)
成: ちょっと待ってください!
クジが消えたからと言って、
被告人が盗んだコトにはならない!
ゴ: クッ‥‥!
ここに‥‥
そのクジがあるぜ。
裁: それが‥‥
ご、ごせんまんえん‥‥
糸: ‥‥現場で捜査中の
婦人警官が発見したらしいッス。
マコクン‥‥被告人の
身体検査をしているときに‥‥
成: な‥‥なんですってェェッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
ゴ: クッ‥‥!
とんだラッキー・ガールだったぜ。
裁: そ、その、そのクジを
て‥‥提出してくださいッ!
成: (裁判長‥‥声が
ウラがえってるぞ‥‥)

証拠品<<宝クジ>>のデータを
法廷記録にファイルした。
裁: 前回の法廷でも
目にしましたが‥‥
お、重さがちがいますな。
ご、ごせんまんえん‥‥
ゴ: ‥‥紙キレさ。
重要なのは‥‥その紙キレが、
どこから見つかったか、だぜ。
成: (マコちゃんの身体、ってワケか)
裁: そこまで!
やはり‥‥事件の真相は
ハッキリしているようです。
被告人には、犯行のチャンスが
ありました。
そして、ジッサイにそれを行った
可能性も、きわめて高い。
ゴ: ものわかりのいいジイさん‥‥
キライじゃねえぜ。
裁: さらに、ご、5000万円の
宝クジがあります。
これはもう、動機として
じゅうぶんです。
これだけのおカネ‥‥私ですら
ちょっぴり、ココロがゆらぎます!
ゴ: カネの魔力にヨワいジイさん‥‥
キライじゃねえぜ。
真: ううう‥‥ものすごい
イキオイで証拠が出てきたね。
成: 一度、有罪判決が
出ている裁判だからなあ‥‥
ゴ: それじゃあ‥‥そろそろ、
この再放送を打ち切るぜ。
‥‥決定的な証拠で、な。
成: (ま、まだあるのかよ!
決定的な証拠‥‥)
ゴ: コイツは、オレたちのマドンナが
つけていた、エプロンだ。
真: うわあ‥‥。ずいぶんキタナイ
エプロンだね‥‥。
成: あの‥‥こ、このシミは‥‥?
(まさか‥‥”血”か‥‥!)
ゴ: クッ‥‥! あわてんぼうの
ウエイトレスさんだぜ‥‥。
どうやら‥‥、コーヒーを
ひっくり返したらしいな。
成: こ、コーヒー?
いやいや。そうじゃなくて‥‥
ゴ: そう。‥‥モンダイは、
コーヒーのシミなんかじゃねえ。
このエプロンについている、
もう1つのシロモノだ。
裁: もう1つの‥‥
そ、それは、当然‥‥
ゴ: モチロン、ポケットさ。
成: ぽ、ポケット‥‥?
ゴ: 事件発生後、身体検査の際‥‥
ポケットから、出てきやがった。
青酸カリだ。
殺害に使用された、猛毒さ‥‥。
成: ど、毒薬のビンが‥‥
被告人のエプロンから?
糸: ‥‥被告人の指紋だけが
付着しているッス。
成: なんですってえええェェッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
とにかく、証拠品を受理します!

証拠品<<エプロン>>のデータを
法廷記録にファイルした。

証拠品<<青酸カリ>>のデータを
法廷記録にファイルした。
裁: ところで‥‥さっきから
フシギだったのですが‥‥
なぜ‥‥この血痕について、
セツメイがないのですかな?
ゴ: <<血痕>>だと‥‥?
なんのコトだ、いったい。
裁: いやいや! まっ赤な血が、
このようにドバッとベッタリ‥‥
ゴ: ば‥‥バカな!
聞いてねえぞ、オレは!
成: (”聞いてない”もナニも、
見ればわかるじゃないか!)
ゴ: どうなんだい、刑事‥‥!
まさか、コイツは‥‥
血ィを吸ってると言うのかッ!
糸: い‥‥いや、そのッ!
それは‥‥いわゆる、あの。
ケチャップッス。
成: け、けちゃっぷ‥‥?
糸: この日のモーニングセットを運ぶ
とき、ぶちまけたらしいッス。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そういうコトは、
早く言いなさいッ!
ゴ: 今度やったら、ケチャップを
17杯、飲んでもらうぜ!
糸: うううう‥‥いくらなんでも
気がついてると思ったッス‥‥
裁: ‥‥やはり、前回の有罪判決は
マチガイではなかったようです。
成:‥‥‥!
裁: 決定的な証拠‥‥動機、
そして、犯行のチャンス。
‥‥すべてが立証されました。
ゴ: どうやら、まるほどう‥‥
やっぱり‥‥アンタは
ニセモノだったみたいだぜ。
成: (く、くそお‥‥)
裁: ‥‥それでは、証人。
証言をつづけていただきます。
事件の発見、そして‥‥
その後の捜査について!


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