第4話『さらば、逆転』第2回法廷(その3)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
堀田(自称)…黄
荷星 三郎…紺
オバチャン…灰
大沢木 ナツミ…橙
王都楼 真悟…紫
華宮 霧緒…藤
虎狼死家 左々右エ門…桃
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午前11時54分
地方裁判所 被告人第3控え室

王: ‥‥ふっふっふっ‥‥
やっぱり、人質をとられると
ちがうねぇ、弁護士さん‥‥。
まさか、あのキリオにオレの
罪を着せてくれるとは!
成: ‥‥‥‥‥‥
(くそっ! 悪人め‥‥)
春: なるほどくんっ!
成: あ、あれ‥‥春美ちゃん。
千尋さんは?
春: それが‥‥わからないのです。
急に、強いチカラで
呼びもどされてしまって‥‥
成: (強いチカラ‥‥?)
電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
春: あ、なるほどくん!
お電話が‥‥
成: (‥‥イトノコさんからだ!)
電: ‥‥ピッ‥‥
糸: 『どッスか! まだ、
持ちこたえているッスか!』
成: ま、まあ‥‥反則ギリギリで
がんばってます。
糸: 『ふう‥‥よかったッス‥‥』
成: それで‥‥!
そっちはどうなんですか?
虎狼死家と‥‥
真宵ちゃんの行方は!
糸: 『それが‥‥その。
さすがに手がかりゼロ、では‥‥』
成: そ、そんな!
もう、時間がありませんよ!
糸: 『‥‥何か1つ!
1つでも手がかりがあれば‥‥』
成: (‥‥”真宵ちゃんを救出するまで
持ちこたえる”‥‥
それだけを考えて
ここまで来たのに‥‥
もう‥‥今度こそ、
希望は断たれたのか‥‥?)

テントよ!
成: (”テント”‥‥?)

サーカスのテントが見えるわ!
成: ち‥‥千尋さん!
千: あの子‥‥今まで
眠らされていたみたい。
目がさめてすぐ、
私を呼びだしたの。
成: それで‥‥真宵ちゃんは!
千: あの子は今、小さなホコリっぽい
部屋に閉じこめられている。
その窓からテントが見えたわ。
距離は‥‥約100メートル!
成: ‥‥イトノコさん!
この街には今、いくつ
サーカスのテントがありますか!
糸: 『‥‥1つきりッス。
タチミサーカスだけッス!』
成: テントの周囲100メートル付近!
そこに真宵ちゃんたちはいる!
糸: 『な‥‥なんスとォ!
ちょ、ちょっと待つッス!
おい! 地図に円を描け!
急げ! 半径、100メートルだ!』
千: それから‥‥
成: それから?
千: 窓の下に、ポストが見えるわ。
成: イトノコさん! ポストです!
糸: 『‥‥ムッ、了解! 他には!』
成: 他には! 千尋さん!
千: ごめんなさい。小さな窓だから
他には、何も‥‥。
窓は‥‥3階ほどの高さよ。
古いオフィスビルの一室ね‥‥
糸: 『‥‥それでじゅうぶんッス!
もう少しッス。がんばるッス!
これで、希望がつながったッス!』
成: わかりました!
糸: 『また連絡するッス!
電話の電源、切っちゃダメッスよ!』
電: ‥‥ピッ‥‥
成: 千尋さん! 真宵ちゃんは‥‥
ブジですよね!
千: キケンな状況よ。かなり
おなかをすかせているわ。
成: (‥‥早く見つけてあげてくれ!
イトノコさん‥‥)
千: ‥‥そろそろ時間よ。
いいわね? なるほどくん。
成: (真宵ちゃんが救出されるのは
もう、時間の問題だ‥‥
だいじょうぶ!
持ちこたえてみせる!)


同日 午後12時5分
地方裁判所 第3法廷

裁: では、審理を再開しましょう。
御: 被害者を殺害した虎狼死家は、
依頼人にコイツを手わたした。
そこで1つ、ギモンが生まれる。
”なぜ、こんなものを‥‥?”
その答えこそが、
真犯人の名前を語るだろう。
‥‥被告人のマネージャー、
華宮 霧緒を入廷させてもらおう!

御: 証人は現在、死体損壊、
捜査妨害などの罪に問われている。
霧: ‥‥‥‥‥‥
御: しかし今日は、殺人の罪を
負うべき人物を探すため‥‥
もう一度、証言台に
立っていただいた。
霧: ‥‥わかっています。
御: では、さっそくうかがおう。
‥‥このクマに見おぼえは?
霧: もちろん‥‥あります。
裁: な、なんですと‥‥?
御: そう。もちろん証人は
知っている。
われわれに教えていただこう。
‥‥このクマについて。
霧:はい。
成: (き、霧緒さんが‥‥なぜ?)

(クマのアクセサリー)
霧: 『じつはそれ、精巧なパズルに
なっているんです。』(証言1)
『正しい順序でパーツをいじると、
バラバラにすることができるの。』(証言2)
『中は空洞になっていて、小物を
入れることができるんです。』(証言3)
『かなり精巧だから‥‥やり方を
知らなければ、開けられません。』(証言4)
『見た目だけで”小物入れ”とは
わかりませんしね。』(証言5)
裁: こ‥‥小物入れ‥‥なのですか?
このアクセサリーが‥‥
霧: 気がつきませんよね?
‥‥見ただけでは。
裁: ええ。スバラシイ細工ですなあ。
‥‥あ。では、弁護人。
尋問をおねがいします。
千: やはり、何かあったようね
‥‥あのクマさん‥‥。

(「証言1」をゆさぶる)
成: パズル‥‥ですか?
霧: そうです。
裁: ふむう‥‥見た目は、
ふつうのアクセサリーですねえ。
成: (たしかに。きっと、
何も知らない人間が見たら‥‥
パズルだとは
わからないだろうな)
‥‥いったい、どういう
パズルなんですか?

(「証言2」をゆさぶる)
成: ”パーツをいじる”‥‥
どんなふうにやるんですか?
霧: まず、シッポを右に回すと、
押しこめるようになるんです。
裁: ‥‥お。ホントですね。
霧: すると、手や足やアタマの
パーツが動くようになります。
裁: ほほ。これはおもしろい。
成: (裁判長、ムチュウに
なってるぞ‥‥)
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥あ。私にはかまわず、
進めておいてください。
成: (いいのか‥‥?)
御: そのパズルを解くと‥‥
どうなるのだろうか?

(「証言3」をゆさぶる)
成: どうして‥‥あなたが
そんなことを知っているんですか?
霧: カンタンなコトです。
‥‥私が買ってきたから。
成: なんですって!
霧: 友人とスイスへ旅行に行った
おみやげにね。
裁: じゃあ、これは‥‥あなたからの
プレゼントだったのですか!
霧: そうです。
クマのカタチをしていて、
あの人にピッタリだと思って。
成: (霧緒さんのプレゼント‥‥)
御: ‥‥証人。
証言をつづけてもらいたい。

(「証言4」をゆさぶる)
成: そのパズルの解き方を
知っていたのは?
霧: ‥‥2人だけです。
藤見野 イサオと、私。
スイスのおみやげだから、
これと同じものを持ってる人は‥‥
この国にはあまり、
いないでしょうね。
裁: でも、これだったら
すぐコワせそうですね。
‥‥中のものを
取り出すだけでしたら。
霧: オモチャですからね。
‥‥まあ、コワしてしまったら、
もとにはもどせませんけど。

(「証言5」をゆさぶる)
成: それが”小物入れ”だと
知っていた人物は?
霧: 私はだれにも
しゃべっていません。
藤見野も話していなければ、
知っているのは2人きり‥‥。
成: 2人きり、ですか‥‥。
では当然、王都楼さんも
知らないわけですね?
霧: ‥‥‥‥‥‥
成: (とりあえず‥‥このへんで
情報をまとめておこう)

証拠品<<アクセサリー>>の
データを書きなおした。
御: ‥‥さて。
そろそろ気がすんだかな?
‥‥弁護人。
成:‥‥?
御: この尋問で、おさえるべき
ポイントは、たった1つだ。
すなわち。
”コイツは小物入れだった”
裁: ‥‥ふむう‥‥
御: われわれはすでに、
そのポイントをおさえた。
それならば‥‥次に
知るべきことも、たった1つ。
すなわち。
”小物入れの中身は何か?”
裁: な‥‥何か入っているのですか!
御: それを、これからたしかめる。
‥‥証人。
霧:はい。
御: これを開けられるのは
あなただけだ。
‥‥おねがいする。
成: (霧緒さんが
パズルを解くあいだ‥‥
法廷内は、いたいほどの
沈黙に支配された‥‥)

‥‥‥‥カチ‥‥‥‥
霧: ‥‥解けました。
これ‥‥で
よろしいかしら?
裁: な、なんですか? それ。
‥‥メモ‥‥みたいですが‥‥
御: 聞くまでもない。
‥‥そうだな? 弁護人。
成: ‥‥‥‥‥‥
御: 遺書だ。
裁: いしょ‥‥
御: 藤見野 イサオのマネージャー、
天野 由利恵が残したものだ。
たった今まで行方不明だったが
‥‥やはり、かくされていたのだ。
死体の発見者、
藤見野 イサオによって。
‥‥なかなかキレイな
字を書く女性だったようだな。
”天野 由利恵”‥‥このとおり、
本人のサインも入っている。
これこそが、自殺の際に
彼女が残した遺書なのだ!

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に!
証人! あなたは、
このことを‥‥?
霧: ‥‥ええ。藤見野から聞いて
知ってました。
死体を発見したとき‥‥
私、アクセサリーを探しました。
‥‥公表される前に
始末してしまいたかったから。
でも‥‥見つからなかった。
御: すでに、持ち去られていたのだ。
‥‥虎狼死家の手によって。
千: ‥‥完全に、検事さんのペースね。
遺書が発見された。
‥‥じゃあ、次に問題になるのは?
成: ”何が書いてあるか‥‥?”
千: ‥‥そう。
まあ、想像はつくけど‥‥
御: それではここで、遺書の内容を
公表したいと思う。
霧: ‥‥もう、どうしようも
ないんでしょうね‥‥。
それを手に入れるために
ずいぶんムダなことをしたのに。
彼女のためにも‥‥
燃やしてしまいたかった。
御: ‥‥申しわけないが、
それはできない。
裁判長。遺書の内容を
読み上げていただきたい。
裁: わかりました‥‥
成: 静まりかえった法廷内に、
裁判長の声だけがひびく‥‥。
‥‥由利恵さんは、
すべて書き記していた。
王都楼に、いいように
利用され、捨てられて‥‥
いざ結婚が決まると、
今度はそれをジャマされて‥‥
絶望のうちに
死を決心したこと‥‥
裁: ‥‥以上です。

(ざわめきが起こる)
御: ‥‥1つだけ言っておきたい。
検察側は、王都楼 真悟の
人格を攻撃するつもりはない。
裁: では、いったい‥‥?
御: もちろん、その目的は、
殺人の動機を立証することにある。
‥‥そうだな? 証人。
霧: ええ。
事件があった晩、藤見野は
その遺書を公表するつもりでした。
授賞式のあと‥‥
記者会見を開いて。
裁: なんですって‥‥。
御: 王都楼 真悟は、何よりその
サワヤカなイメージが大切だった。
だから‥‥遺書の公表だけは、
阻止しなければならなかったのだ。
いかなる手段を使っても!

証拠品<<由利恵の遺書>>のデータを
法廷記録にファイルした。

(ざわめきが起こる)

‥‥自分のせいで人を
自殺に追いこんでおいて‥‥

‥‥今度は、それをバラそうとした
人間まで、ダマらせたんだよ!

‥‥ひどい‥‥!
なんて、自分勝手な人なの‥‥

‥‥そんなクズを、すずしいカオで
弁護してるヤツもいるケドな!
御: 今度こそ、ギモンの余地はない。
虎狼死家に依頼した人物の目的は、
この遺書にあった。
そして、その遺書がどうしても
必要だったのは‥‥被告人だ。
そしてジッサイ、遺書は
被告の屋敷から見つかった!
裁: ‥‥どうやら、私たちは
真相にたどりついたようですね。
被告の犯行動機は自己中心的で、
同情の余地は、まったくない!
成: ううう‥‥
(もう、逃げようがないぞ!)
千: ‥‥どうしたの?
なるほどくん。
まだ、あなたの電話は
鳴っていないわ。
成: (これでもまだ‥‥食いさがって
いかなければならない!
致命的な証拠は2つ。
アクセサリーと、あの遺書だ。
そのどちらかに‥‥逃げ道が
あるのかもしれない!)
千: 裁判長が木槌を手に取ったわ。
‥‥早く!
成: (遺書か! アクセサリーか!
‥‥アヤシイのはどっちだ‥‥)

(「由利恵の遺書」を選択)

(成歩堂「異議あり!」)
成: お待ちください、裁判長!

(ざわめきが起こる)

‥‥見ろよ、あの弁護士‥‥

‥‥まだ認めない気なの‥‥?

‥‥犯人を無罪にしようなんて、
とんでもない弁護士ね!
成: ‥‥この遺書を取りもどすため、
王都楼 真悟は殺害を決意した。
裁: そのとおりです。
成: しかし‥‥それはおかしい。
ムジュンしています!
御: ‥‥‥‥‥‥
成: この遺書は、藤見野 イサオが
事件当夜まで、かくしていた。
それならば!
その遺書の内容を、
王都楼 真悟が知るはずがない!
裁: あ‥‥!
そ、それはたしかに‥‥
成: ‥‥そう。最初から、
考え方がおかしかったのです。
内容も知らない遺書のために、
殺害を計画するはずがありません!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛にッ!
た‥‥たしかにそのとおりです!
い、いかがですか! 御剣検事‥‥


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