第4話『さらば、逆転』探偵パート1日目(その3)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
堀田(自称)…黄
荷星 三郎…紺
オバチャン…灰
大沢木 ナツミ…橙
王都楼 真悟…紫
華宮 霧緒…藤
虎狼死家 左々右エ門…桃
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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3月21日 午前 8時11分
成歩堂法律事務所

春: おはようございますッ!
成: ああ、おはよう。
春: じゃ、じゃあさっそく!
その、王都楼さんに面会を‥‥
成: もう少し待とう。
‥‥面会は9時からだから。
春: そうなのですか?
ああ、真宵さま
‥‥わたくしがあのとき‥‥
成: (春美ちゃん、ゆうべから
ずっとこんな調子だ。
イトノコ刑事が手をまわして
くれたおかげで‥‥
なんとかゆうべは
帰ってこられたけど‥‥
このようすじゃ春美ちゃん、
ゼンゼン眠ってないみたいだ)
春: なるほどくん!
ブジですよね‥‥真宵さまは!
成: だいじょうぶ。
かならずぼくが、助けるから。
春: おねがいします。
‥‥おねがいします‥‥
成: (春美ちゃんがこうして
とりみだしているおかげで‥‥
ぼくのほうは、なんとか
冷静をたもつことができている)

(「相談する」を聞く)
春: あの‥‥ひとつ、
気になることがあるんです。
成:
春: 王都楼という殿方の弁護
‥‥なさるんですよね。
成: うん。
なんとしてもね。
春: もし、そのかたが‥‥
本当にその‥‥真犯人だったら。
‥‥なるほどくんは、どうなさる
おつもりなのですか?
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
春: 真宵さまを助けるために、
サツジンハンを、ムザイに‥‥
成: 春美ちゃん。
まずは、会ってみようよ。
王都楼さんに。
‥‥悪い方向にばっかり
考えても、しかたないから。
春: そ‥‥そうですよね‥‥。
すみません。わたくし‥‥
自分でも、止められなくて。

(「真宵のこと」を聞く)
成: 春美ちゃん‥‥真宵ちゃんのこと、
本当に心配してくれてるんだね。
春: だって。わたくしにはもう、
他にはだれもいませんから。
成: だれも‥‥?
春: 家族です。
成: (‥‥家族‥‥)
春: おとうさまは‥‥
おかあさまをおいて、
里を出て行ってしまいました。
成: そうなんだ‥‥。
春: そして‥‥おかあさまも。
わたくしのために、
あんなことに‥‥
成: ‥‥‥‥‥‥
春: 真宵さまは、わたくしのこと、
ほんとうの妹のように‥‥
‥‥‥‥‥‥
わたくしには、
真宵さましか‥‥いないの。

(「留置所」に移動する)


同日 午前 8時57分
留置所 面会室

成: (面会が始まる時間を待ちきれず、
ぼくたちは留置所にやってきた。
忍者ナンジャ殺害の容疑を
かけられた、トノサマンに‥‥)
王: ‥‥‥‥
成: ど、どうも
‥‥おはようございます。
王: ‥‥‥‥‥‥
成: このたびは、とんだことで‥‥
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: あの。ぼくたちは‥‥
王: あ。すみません‥‥。
成: ‥‥?
王: ボク、もう、入ってるし‥‥。
成: は、はい‥‥?
王: 生命保険。‥‥ボクのシゴト、
キケンはつきものだから‥‥。
成: ‥‥‥‥‥‥
いやいやいや。ぼく、
保険の勧誘員じゃありませんよ!
王: あ。そうなんですか‥‥。
でも、ボク、今は
いりませんから。
成: ‥‥?
王: 消火器。だいいちここ、
ボクのウチじゃないし‥‥。
成: ‥‥‥‥‥‥
いやいやいや。消火器の
訪問販売でもないですよ!
ぼくは、弁護士です。
弁護士の、成歩堂 龍一。
王: べんごし‥‥?
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ちょっと待って。マネージャーさん
に聞いてみるから。
‥‥‥‥‥‥‥‥
  ‥‥‥‥‥‥‥‥
春: なんか、フシギなかたですね。
‥‥トノサマンさん。
成: (フシギすぎて
ワケがわかんないぞ‥‥)
王: あ。すみません‥‥。
やっぱり、
間に合ってますから。
成: え!
王: ベンゴシ‥‥ですよね?
今、マネージャーさんが
ウデキキを探してくれてるから。
春: な、なるほどくん!
成: (ここで断られるワケには
いかない‥‥!)

(「王都楼のこと」を聞く)
成: すみません。あなたのことを
聞かせていただけますか?
王: え。でも、ボク今度、自伝を
出版するから‥‥
勝手なコト言っちゃうと、
出版社のヒトが困るし‥‥。
ちょっと待って。出版社のヒトに
聞いてみるから。
‥‥‥‥‥‥‥‥
  ‥‥‥‥‥‥‥‥
春: ‥‥いいですね。相談できるかたが
たくさんいらっしゃって。
成: (ううう‥‥)
王: あ。すみません‥‥。
やっぱり、出版社のヒトも
”それは困る”って。
成: (なんとかならないのか‥‥!)

(「事件について」を聞く)
成: オートロさん。事件のことを
聞きたいんですけど‥‥
王: あ。それ、取材ですか?
あの。あの。ボクのコメントは、
事務所を通して‥‥
成: いやいやいや。ぼくたちは
そういうのじゃなくて‥‥
王: ちょっと待って。社長さんに
聞いてみるから。
‥‥‥‥‥‥‥‥
  ‥‥‥‥‥‥‥‥
春: なるほどくん。
だいじょうぶでしょうか‥‥?
成: (正直なトコロ、ダメっぽい‥‥)
王: あ。すみません‥‥。
『ボクが犯人じゃないことは、
ネオ・フジヤマが知っている!』
‥‥社長さんが
そう言っとけ、って。
春: ‥‥なるほどくん。なんですか?
ネオ・フジヤマって。
成: ‥‥トノサマンが活躍する
ネオ・エドシティにある山だよ。

(「記者会見の整理券」をつきつける)
王: ‥‥? なんですか、それ。
成: 記者会見の整理券ですよ。
グランプリを受賞したあと、
開かれるはずだったんですよね?
王: え。ボクがですか?
成: そう。トノサマンの
着ぐるみのまま。
王: ボク、聞いてませんケド。
そういうコトは、
マネージャーさんにまかせてるし。
成: (知らない‥‥? ヘンだな‥‥)

(「トランシーバー」をつきつける)
春: ‥‥なるほどくん。
どうするんですか? それ。
成: わからないけど、
とりあえず見せてみるよ。
王: トランシーバーですか。
あ。けっこうイイですね。
成: ある人物からプレゼント
されたんです。
王: へえ。そうなんですか。
成: それで‥‥あなたの弁護を
引き受けるように、って。
王: そのトランシーバーが?
そう言ったんですか?
成: はい。
王: いけませんね。ヒトの言うことを
ハイハイ聞いてるだけじゃ。
成: (それはアンタのほうだよ!)
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥じゃ。もうそろそろボク、
帰りますから。
成: 待ってください!
‥‥それは困ります!
王: 依頼人なら他にもいるでしょ?
なんなら紹介しましょうか?
春: おねがいです!
‥‥ベンゴ‥‥させてください!
王: やれやれ。最近のベンゴシさんは、
客引きにそんな子どもまで使うの?
成: あなたのベンゴを引き受けないと、
コロシヤが‥‥ッ!
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ちょっと待って。
‥‥今、なんて言いました?
成: ”コロシヤ”‥‥ですけど。
王: こ、コロシヤ‥‥!
成: (‥‥どうしたんだ?
何か考えこんでるぞ‥‥)
王: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
わかりました。
あなたの言う通りにします。
成: は?
王: ボクのベンゴ‥‥
あなたにおねがいします。
春: や‥‥やりました!
なるほどくん!
成: あ、ああ‥‥。
(‥‥なんかスッキリしないぞ。
スナオによろこべない‥‥)
王: なんでも聞いてください。
ボク‥‥協力しますから。

(「王都楼のこと」を聞く)
王: おかげさまで。ボクの名前も
知られるようになってきました。
成: 今や、国民的ヒーローですね。
春: わたくし、
非国民なのでしょうか‥‥
王: ‥‥やっぱり、トノサマンが
よかったですね。
最近は、人気のハバも
広がってきたし。
成: (たしかに‥‥
今や<<トノサマン・丙!>>は
高校生やOLにも大人気だ。
このオートロさん、女性に
ミョーに人気あるんだよな‥‥)
王: ボクのキャッチフレーズ、
知ってますか?
”春風のようにサワヤカなアイツ”
‥‥っていうんですけど。
春: はるかぜ‥‥
王: だからね。‥‥こういう
スキャンダル、困るんですよ。
明日にでも、こんなところからは
オサラバしないと。
成: (‥‥みんな、
ムリを言うよな‥‥)

(「事件について」を聞く)
成: きのうのことを
聞かせてもらえますか?
王: 賞をもらったあとは‥‥
控え室で休んでいましたよ。
受賞記念のアトラクション・
ショーがありましたから。
トノサマンの衣装を着たままで。
成: ずっと、ひとりだったんですか?
王: マネージャーさんも
いそがしそうだったから。
成: ショーのあとに、記者会見も
あったはずですけど?
王: だから、知りませんよ。ボク。
成: (おかしいな‥‥。トノサマンが
何か告白する、って‥‥)
王: とにかく、控え室を出たら、
なんかさわがしくて‥‥
成: そのときはもう、
イサオさんは‥‥?
王: 死んでいたみたいです。
マネージャーさんが言ってました。
成: (さっきから、何かといえば
”マネージャーさん”だな‥‥)
王: そこに、コートの刑事が
現れたんですよ。
身体検査されて‥‥いつのまにか、
タイホされちゃったんです。

(「被害者のこと」を聞く)
成: 亡くなった藤見野 イサオさん
とは、どんな‥‥?
王: ベツに、関係ありませんよ。
あのカオでボクと同い年なんて、
笑っちゃうよね。
ムリヤリ<<忍者ナンジャ>>を
映画化したみたいだけど‥‥
成: 結果はトノサマンの勝ち、
といったところですね。
王: ‥‥そう。
グランプリはいただいたから。
だから、ボクがアイツを
殺す理由なんて、ないんですよ。
向こうがこっちをねらうなら
ともかく、ね。

(「殺人容疑」を聞く)
成: あの‥‥。どうして
タイホされたんですか?
王: どうも、身体検査が
よくなかったみたいですね。
成: 何か、見つかったんですか?
王: ‥‥忍者ナンジャの衣装に
ついていた、ボタン。
成: ボタン‥‥?
王: ‥‥なぜか知らないけど、ぼくの
衣装のハカマに挟まってたんです。
春: きゃあっ!
王: 冗談じゃないですよ。
だれかが挟んだに決まってます。
成: (ホントにそうなのか‥‥?)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(‥‥引き出せる情報は
まあ、こんなもんかな‥‥)
春: なるほどくん。
成: ‥‥ん?
春: 最後に1つ、たしかめて
おきましょう。
この殿方が、
本当に無実なのかどうか‥‥?
成: そ、そんなこと、
できるわけが‥‥
春: できます。
‥‥これを使えば。
成: (真宵ちゃんの‥‥勾玉!)
春: なるほどくんに、ヒミツを
かくすことはできません。
‥‥ゼッタイに。
成: (そうか‥‥!)
‥‥王都楼さん。
ひとつだけ聞きます。
‥‥正直に答えてください。
王: なんでしょうか?
成: あなたは、藤見野 イサオさんを
殺害しましたか?
王: ‥‥‥‥‥‥
成: 答えてください、王都楼さん‥‥
電話で相談するのは、ナシです。
王: わかりました。
‥‥ハッキリ答えましょう。
ボク、だれも殺してません。
もちろん、藤見野 イサオも。
成: ‥‥‥‥‥‥
春: どうですか? なるほどくん。
成: サイコ・ロックは‥‥現れない。
春: ということは‥‥
信用して、いいと思います。
成: (‥‥やれやれ。
とりあえず依頼人が無実と
わかっただけ、少し安心したな)
王: あの‥‥。審理は
明日みたいですから‥‥、
よろしくおねがいします。


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