第3話『逆転サーカス』第1回法廷(その3)

表セリフ集一覧に戻る

成歩堂 龍一…黒
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
マックス…赤
ミリカ…黄
トミー…紺
ベン…灰
リロ…橙
アクロ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


←この前のセリフ



12月29日 午前11時54分
地方裁判所 被告人第5控え室

マ: ハ、ハニイたち!
言っておくが、ボクは
現場になんか行ってないぞ!
真: じゃあ‥‥事件が
起こったころは‥‥?
マ: きのうも話したろう。
団長室にいたんだよ!
成: その途中で、団長は
出ていったんですよね。
マ: そう。”ここで待っててくれ”
って言ってね。
真: 団長さん‥‥そのとき、
現場に行ったのかな‥‥。
成: 当然、そうなるね。
真: でも‥‥団長さん、マックスの
衣装を着てたんだよね?
マ: そうだハニイ! 思い出したよ!
ボク、ステージ衣装のまま
団長室に行ったんだ!
そして、そこで衣装を
脱いだんだよ!
真: ‥‥ってコトは?
成: 団長がそれを勝手に借りれば、
マックスに変装できた‥‥。
マ: ゴージャス!
じゅうぶん可能だろうね!
真: へええ。なるほどねえ‥‥。
マ: でも‥‥ハニイ?
どうして団長は、ぼくの
衣装なんか着たんだろう?
成: え‥‥。
マ: それにさ。現場じゃあシルクハット
しか見つからなかったんだろ。
マントは‥‥?
どこへ行ったんだい?
成: う‥‥。
真: へええ。マックスさんて、
アタマもいいんですねー。
マ: 小さいころは、魔術師になろうか
総理大臣になろうか‥‥、
さんざんマヨったものさ!
真: カッコイイなあ‥‥。
成: (ゴージャス!
ナゾは深まるばかり、か‥‥)


同日 午後12時 6分
地方裁判所 第2法廷

裁: では、審理を再開しましょう。
‥‥狩魔検事。
おねがいします。
冥: ‥‥それでは、
証人を喚問するわ。
事件のすべてを目撃した
あわれなピエロ、
トミーを入廷させなさい!
成: (なんで”あわれな”ピエロ
なんだ‥‥?)

冥: 証人。‥‥職業と名前を。
ト: ‥‥‥‥
冥: ‥‥‥‥‥‥
ト: ‥‥‥‥‥‥‥‥
まぎゃらうぶろぼッ!
冥: ‥‥名前と職業。
裁: ど、どうしました? 証人。
どこか、具合でも‥‥
ト: いや‥‥その‥‥
こ、こういうところは
初めてなもので‥‥
どういうギャグを
言えばいいのか‥‥と。
裁: なな、ナニを言ってるんですか!
ここは裁きの庭です。
ユーモアなど、もっての他ですぞ!
職業はまあ‥‥、見ればおおむね
わかるので、お名前を。
ト: ‥‥‥‥あ、そうだ!
こういうの、どうです?
”かあちゃん、パンツ破けた!”
”マタかい?”‥‥なーんて。
あひゃ! あひゃ。あひゃひゃ。
あひゃらあひゃらひゃら。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ト: ”このカレンダー、ダレのだぁ?”
”カレんだぁ”‥‥とか!
どう? どう? あひゃ!
あひゃひゃ! あひゃひゃひゃ‥‥
あひゃらりるれほれらはりへほッ!
冥: ‥‥名前を。
ト: と、富田 松夫(とみたまつお)。
‥‥ピエロやっとります。
冥: あの日の午後10時15分ごろ、
証人は事件を目撃した。
‥‥まちがいないわね。
ト: ‥‥ハイ。
裁: では、証人。あなたが見たことを
証言してください。
ト: ガッテンしょーちの
裁: ユーモアはヌキで。
ト: ‥‥ハイ。
真: トミーさん、
なんかカワイソウ‥‥。

(事件の当夜、目撃したこと)
ト: 『わかってるんです。オレっちの
ギャグセンス、イマイチだって。』
『ここ10年、客を心から笑わせた
コトなんて、ありゃしない!』
『ナニを言っても、返ってくるのは
ウツロなジャパニーズ・スマイル。』
『ダレも笑わないから、自分で笑う
のが、クセになっちまった。』
『でもね! オレっちだって、
努力をしてないワケじゃない!』
『笑いのとれないピエロなんて!
オレっち‥‥いらない人間なのか?』
『今日だってそうだ! とびっきりの
ネタを用意してきたのに!』
『‥‥このフンイキにのまれて、
ナニも思い出せないときたもんだ!』
『みなさん。どうなんですか!
オレっちは!』
裁: ‥‥‥‥
冥: ‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥あの。コレに
尋問しなきゃいけないんですか?
冥: ‥‥証人。
ト: へ。
冥: あなたの話は法廷が終わってから
ゆっくり聞いてあげるから。
だから、今は
事件の話をおねがい。
ト: ホントですか!
き、聞いてくれるんですか!
冥: なんだったら、笑い役として
部下の刑事を呼んでもいいわ。
ト: わ、わかりました!
オレっち‥‥やります!
成: (キノドクなイトノコ刑事‥‥)
裁: では! あらためて
証言してもらいましょう。
ト: よーし! しゃべるぞお!

(事件の当夜、目撃したこと)
ト: 『事件の夜は、練習が終わってすぐ、
宿舎の部屋にもどったんです。』(証言1)
『その日はね。
スゴくつかれていたんですよ。』(証言2)
『寝ようかと思って、フト
なんの気なしに窓のそとを見ると。』(証言3)
『2人の人影が見えたんです!
ちょっと、遠かったけど。』(証言4)
『団長と、マントをつけた
マックスでした!』(証言5)
『見ていると‥‥いきなり
マックスが団長を殴ったんです!』(証言6)
裁: ‥‥ふ、ふむう‥‥
その目撃にまちがいがなければ、
イキナリ決定的ですね‥‥。
冥: モチロン‥‥まちがいなど
ありえないわ‥‥。
裁: ただ‥‥、
この証人はちょっとその。
‥‥ナニかやらかしそうな
フンイキがありますからね。
ト: あひゃ。あひゃひゃ‥‥。
あ。これ、アイソ笑いですから。
裁: 弁護人。
‥‥尋問をおねがいします。
成: はあ。
真: なるほどくん! なんとしても
ムジュンを見つけないと‥‥!
成: わかってるさ。
裁: あ。弁護人。
成: はい。
裁: この証人、ほっておくと法廷を
ハメツさせるおそれがあります。
くれぐれも、ムダな
ゆさぶりはひかえるように。
成: は‥‥はあ。
冥: ‥‥よけいなツッコミには
ペナルティを与えていただくわ。
成: (‥‥ペナルティなら
トミーさんにあげればいいのに)

(「証言3」をゆさぶる)
成: フト窓のそとを見た‥‥?
ト: モチロン! ”ハト”でも
”ホト”でもなく、”フト”ね!
裁: ‥‥証人ッ!
ト: うう‥‥これもダメか‥‥
成: (どうする‥‥? もう一歩、
踏みこんでみるか‥‥)

(「あえて踏みこむ」を選択)
成: ‥‥なぜ、窓のそとを
見たんですか?
ト: な、なんだよ!
ピエロは、理由がなくちゃ
見ちゃイカンの? 窓のそと。
成: そうじゃありません。
ただ‥‥きのうのお話では、
たしか‥‥
ト: 『フトンに入ったとたん、
ものすごい音がしたんだ。
”ドカッ!”‥‥って。』

ト: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ああ、はいはい!
‥‥アレね!
冥: あ‥‥”アレ”‥‥?
成: 裁判長。この証人は、
大きな音がしたから窓を見た。
”なんの気なしに”見た
ワケではなかったのです!
ト: そーだよ! ドカッ、て!
言わなかった? オレっち。
はわはわはわはわはわはわはわはわ
冥: ゼンゼン言ってないッ!
成: ‥‥まあ、とにかく
そういうワケなので‥‥
証言を修正してください!
裁: ‥‥ふむう‥‥
わかりました。
証人。証言を修正してください。
成: (これで‥‥
状況は変わるはずだ!)
ト: 『窓のそとで大きな音がしたんで、
そっちを見たんですよ‥‥。』(証言・補足)

(「証言6」をゆさぶる)
成: 殴る瞬間を見たわけですか?
ト: そりゃそうでしょう!
クライマックスだし。
成: (なんだか、よくわからないコト
言ってるけど‥‥)
被害者をなぐった凶器は
なんでしたか?
ト: キョーキ?
そんなの知りませんよ。
だって、現場から
見つかってないんでしょ?
成: いやいやいや。だって、
目撃してたんですよね‥‥?
ト: あ、あれ。そうか。
うーん‥‥そうねえ‥‥。
ダメだわ。凶器、見てないや。
あひゃ。あひゃ。あひゃ。
成: トミーさん!
あなた、ホントに見たんですか?
犯行の瞬間を‥‥

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: ムダなゆさぶりは認めない
‥‥そう言ったハズよ。
この証人を攻撃するなら、
それなりのコンキョがあるはず。
もしないのならば‥‥
ペナルティはこれぐらいね。
成: ぐ‥‥
(ちょっと、大きすぎないか?)
冥: さあ、どうかしら?
成歩堂 龍一!
証人が、犯行の瞬間を見ていない
という、明確なコンキョはあるの?

(「もちろんある」を選択)
成: コンキョはあります!
冥: 聞かせてもらおうかしら。
成: ‥‥もちろん、そのコンキョは‥‥
証人の証言ですよ!
裁: ‥‥ど、どういうことですか、
弁護人?
成: トミーさんは、”ドカッ”という、
人が殴られた音を聞いています。
裁: ふむう‥‥そうですね。
成: しかし、トミーさんはさっき、
こんな証言をしました。
ト: 『見ていると‥‥いきなり
マックスが団長を殴ったんです!』
成: ‥‥殴られた音を聞いてから
窓のほうを見たのならば!
犯行の瞬間など
目撃できるはずがない!
ト: いなれしもかりおとのそにかしたッ

(ざわめきが起こる)
裁: どうなんですか! 証人!
ト: え‥‥ええと‥‥
ちょ、ちょっと考え中。
裁: ‥‥ユーモアはいりませんよ。
ト: ちゃ‥‥ちゃんと
思い出してるんですよ‥‥
真: やったね! なるほどくん!
成: ‥‥ああいうタイプの証人は、
キオクを修正しちゃうんだよ。
自分が目立ちたいからね。
‥‥悪気はないんだけど。
ト: あのお‥‥。
裁: 思い出しましたか?
ト: はあ。‥‥やっぱり、最初に
思ったとおりでした。
成: ”最初に”‥‥?
ト: オレっちが窓を見たときは‥‥
団長、もう倒れていたんです。
検事さんと打ち合わせしてるうち、
つい、思いこんじまって‥‥
成: (か‥‥狩魔検事!
また、証言の操作を‥‥!)
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥では証人は、被告が殴った
瞬間を見ていないワケですね?
ト: は、はい‥‥。
オレっちが窓を見たときにはもう、
アフター・カーニバルで。
裁: あふたー・かーにばる‥‥?
ト: ”あとのマツリ”ってコト‥‥。
あひゃ。あひゃひゃ。あひゃあひゃ
裁: 証人!
ト: は‥‥はいッ。
裁: あなたは犯行の瞬間を見ていない。
しかし、犯人は見ているのですね?
ト: そそそ、そうです!
うずくまる団長のそばに、
人影が見えましたッ!
裁: では、その”人影”について
証言してください。‥‥ただし!
また、ユーモラスなことを
言おうとした場合は‥‥、
私が個人的に、なんらかの罪を
着せます。‥‥気をつけるように。
ト: ‥‥ハイ。

(目撃した”人影”について)
ト: 『ちょっとキョリはあったけど、
あれはたしかに、マックスでした!』(証言1)
『だって、キザなシンボルがハッキリ
見えましたからね。』(証言2)
『シルクハットに、黒いマント。
ゼンブそろってるだろ、シンボル。』(証言3)
『カオのシルエットもね。
まちがいなくあの男でしたよ。』(証言4)
『マントがヒラヒラしてたから、
何を持ってるか見えませんでした。』(証言5)
裁: ふむう‥‥たしかに、現場にいた
のは、被告人だったようですね。
冥: ちょっとゴタゴタしたけど‥‥、
これで、すべての問題は
なくなったのではなくて‥‥?
裁: ‥‥たしかに。
決定的ですね、これで‥‥。
真: マックス‥‥
現場に行ったのかな‥‥?
成: 本人は行ってないと言ってる。
‥‥それを信じるしかない。
裁: それでは、弁護人。
‥‥尋問を、おねがいします。

(「証言3」に「マックスのポスター」をつきつける)
成: マックスのキザなシンボルを、
すべて見た‥‥?
ト: そうですよ?
シルクハットと、マント。
成: ‥‥トミーさん。
マックス・ギャラクティカのキザな
シンボルは‥‥3つでしたよね。
ト: みっつ‥‥?
真: さあ、みなさんごいっしょに!

”シルクハット! マント!
‥‥白いバラ!”
ト: ぐぎゃらあッ!
冥: ‥‥何かと思えば、そんなコト。
トーゼン、証人は見てるわ。
ただ、言い忘れただけ。
ト: ‥‥‥‥‥‥‥‥
冥: そ、そうでしょ? 証人。
ト: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
3.14159265358979
3238462643383279
冥: ‥‥聞かれたら、とりあえず
”はい”でしょッ!
裁: そこまで! ‥‥証人の目は、
アキラカに泳いでいます!
成: トミーさん!
バラは見ていないようですね?
ト: ‥‥正直なトコロ‥‥
アイツのムネに、バラなんか
ついてなかったケドなあ‥‥


次へ→