第2話『再会、そして逆転』第1回法廷(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
綾里 春美…黄緑
綾里 キミ子…灰
霧崎 哲郎…紺
葉中 のどか…紫
大沢木 ナツミ…橙
堀田(自称)…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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6月21日 午前 9時48分
地方裁判所 被告人第3控え室

真: ええええっ!
かるまけんじ‥‥って、
あの‥‥?
成: いや、それが‥‥
どうも、その2代目らしいよ。
真: にだいめ‥‥。
‥‥‥‥‥‥
ヒドいヤツだったよね。
狩魔検事。
自分が勝つためなら、
どんなヒキョウな手だって‥‥
成: (”カンペキ”という
コトバに異常にこだわる男‥‥
記録上は、40年間
‥‥完全に無敗。
有罪判決のウラで、いったい
どんな汚い手が使われたことか。
‥‥2代目、か。いったい、
どんなヤツなんだろう)
真: もうダメだあ‥‥。
?: ‥‥真宵さまっ!
真: はみちゃん!
よく来てくれたねー。
ありがとう。
春: だってわたくし、
もうシンパイで‥‥。
真: あれ? おばさまは‥‥
いっしょじゃないの?
春: おかあさまは、
修験者たちを見ています。
2日つづけて修行を
お休みすることはできない、って。
真: え! じゃ、じゃあ‥‥
ひとりで?
春: はい! お屋敷を抜け出して、
地図を見ながら。
成: もしかして、歩いてきたの?
春: まさか。
‥‥もちろん、走ってきました!
成: そ、それはそれは‥‥。
(電車で2時間かかるんだぞ‥‥)
真: はみちゃん。
あの‥‥電車は?
春: はい?
”でんしゃ”‥‥ですか?
成: (‥‥ダメだこりゃ)
春: ‥‥そろそろ、お時間ですね。
真: うう‥‥コワいなぁ、カルマ検事。
何するかわかんないもん。
あたしやっぱり、
御剣検事がよかったよ。
春: みつるぎけんじさん‥‥って、
どなたですか?
真: んーとね。なるほどくんの
ライバル。‥‥でも、親友なの。
いやー、今でもハッキリ
おぼえてるよ!
最後のサイゴまで、それは
それはタイヘンな裁判ばっかり。
‥‥とまあ、こんなカンジでさ。
宿命のライバルだよねー‥‥
成: 真宵ちゃん!
‥‥その名前は口にしないで。
真: ‥‥ど‥‥
どうしたの? なるほどくん‥‥
成: ご‥‥ごめん。‥‥真宵ちゃんは
知らなかったかもしれないね。
アイツは‥‥もう、
いないんだよ。どこにも。
真: えええええッ!
ちょちょ、ちょっと待ってよ!
そ、それってどういう‥‥
係: 開廷時間です!
法廷へ入ってください!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
行こう。今は
そんな話をしてるときじゃない。
真: な‥‥、なるほどくん‥‥?


同日 午前10時
地方裁判所 第2法廷

裁: これより、綾里 真宵の
法廷を開廷します。
検察側・弁護側とも、
準備のほうはよろしいですかな?
?: ‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥‥‥‥‥
(なんだ、この女の子は‥‥)
裁: ‥‥‥‥‥‥
コラッ! 準備は
できてるのですか! 成歩堂くん!
成: え!
‥‥あ、す、スミマセン‥‥。
(なんでぼくばっかり怒るんだよ)
?: 成歩堂 龍一‥‥。
成: ‥‥‥‥!
?: 私が女なので、おどろいている。
‥‥そんなところね。
成: (‥‥ってことは、やっぱり
この子が、狩魔検事の‥‥)
冥: 私の名は狩魔 冥(かるまめい)。
‥‥天才検事よ。
成: はあ‥‥。
冥: 私がアメリカの検事局を捨てて
この国へ来た理由は、ただ1つ。
‥‥復讐よ。
成: ‥‥復讐‥‥?
(父親、狩魔 豪のことか‥‥)
裁: あの‥‥個人的なことならば、
のちほどゆっくりと‥‥
あうッ!
冥: ‥‥発言中よ。
ジャマすると、
このムチがモノを言うわ。
成: (ムチじゃなくて
クチでモノを言ってくれぇ‥‥)
いてッ!
冥: ‥‥私はかならず、あなたを倒す!
カクゴすることね‥‥
成歩堂 龍一ッ!
裁: では、狩魔検事。
‥‥冒頭弁論をおねがいします。
冥: ‥‥狩魔の血を引く者は、
1つの宿命を負っている。
それはすなわち、
”カンペキな立証”‥‥
被告人・綾里 真宵に
罪を逃れる道はないと宣言するわ!
裁: わわ、わかりました。
‥‥ところで、弁護人。
成: はい。
裁: 弁護側の主張ですが、<<完全無罪>>
ということでいいのですか?
成: ‥‥ええ。
冥: ‥‥バカほどバカゆえに
バカなユメを見るもの‥‥。
今から10分以内。弁護人は、
意見を変えざるをえなくなる。
そう。<<正当防衛>>という
逃げ道にね。
成: (<<正当防衛>>‥‥
命が危険にさらされたとき、
自衛のため相手を死なせること。
たしかに、そのほうが
証明しやすいけど‥‥)
弁護側は、あくまでも
<<完全無罪>>を主張します!
(<<正当防衛>>は、”殺した”と
認めてしまうわけだからな)
冥: ‥‥おろかな。
じゃあ、最初の証人を呼ぶわ。
‥‥成歩堂 龍一!
成: (‥‥オヤジとちがって
イキがいいなあ‥‥)

冥: 証人。名前と職業は?
糸: はッ! 名前は糸鋸 圭介。
所轄署の刑事ッス。
うはっ!
冥: ‥‥そんなコトは
どうでもよろしい。
さっさと事件の説明をなさい。
糸: りょ、リョーカイッス! では、
現場の上面図を見てもらうッス。
<<対面の間>>には窓がなく、
扉にはカギがかかっていたッス。
事件が起こったとき、部屋の中には
被害者と被告しかいなかったッス。
裁: 2人はそこで、
何をしていたんですか?
糸: はッ。‥‥その。
ちょっと、霊媒をッスね‥‥。
裁: れれ‥‥れいばい‥‥?
成: (裁判長、ウサンくさそうな
カオしてるな‥‥)
糸: ‥‥えへん。
とにかく、霊媒が始まって数分後、
部屋の中から銃声がしたッス。
ドアをぶっコワして、
数名の証人が部屋に踏みこむと‥‥
裁: 被害者はすでに
亡くなっていた、と。
‥‥これ以上ないぐらい
明白な事件ですな。

証拠品<<上面図>>を
法廷記録にファイルした。
裁: それで‥‥被害者は
どうやって殺害されたのですか?
糸: それが‥‥
少々こみいってるッス。
冥: さっさとそれを証言なさい。

(被害者の死因について)
糸: 『直接の死因は、コメカミに
撃ちこまれたピストルの弾丸ッス。』(証言1)
『弾丸は、かなり至近距離から
撃たれているッス。』(証言2)
『ただ、被害者は撃たれる前に、
ムネを刺されているッス。』(証言3)
『傷は、かなりヒドかったッスが、
即死にはいたらなかったッス。』(証言4)
『犯人は、トドメを刺すために
ピストルを使ったッス。』(証言5)
裁: ふむう‥‥。
ピストルで撃たれる前に、
刺されているんですか‥‥。
糸: これが被害者の解剖記録ッス。

証拠品<<解剖記録>>のデータを
法廷記録にファイルした。
裁: 受理します。
‥‥では、弁護人。尋問を。

(「証言1」をゆさぶる)
成: 凶器のピストルは、
だれのものだったんですか?
糸: 被害者、霧崎医師の
ものだったッス。
成: 被害者‥‥?
なぜ、そんなものを‥‥

(「狩魔冥「異議あり!」)
冥: ”なぜピストルを持っていたか”
‥‥そんなコトどうでもよろしい。
それより、そのピストルに
付着していた指紋。
そちらに注目してくれるかしら。
というか、注目しなさい。
裁: 指紋‥‥ですか。
もしかして‥‥?
糸: ピストルのグリップには
被害者の指紋といっしょに、
綾里 真宵の指紋が
残されていたッス。

(ざわめきが起こる)
裁: ふむう‥‥。
凶器のピストルに、
被告の指紋ですか‥‥。
成: (‥‥しまった‥‥
ワナだったか!)

(「証言2」をゆさぶる)
成: 至近距離‥‥って、
どのくらいですか?
糸: 30〜50cmぐらいッスね。
成: どうして、そんなことが
わかるんですか?
冥: ふう、やれやれ
‥‥成歩堂 龍一。
バカな国のバカのバカさかげん
には、ウンザリするわね‥‥。
成: な、なんだと‥‥!
冥: ‥‥コゲあと。
成: コゲあと‥‥?
冥: 至近距離で弾丸を撃ちこまれると、
弾痕のまわりに、コゲあとがつく。
糸: 弾丸は、火薬の爆発で
アツくなるッスから。
被害者のコメカミは、
ハッキリコゲていたッス!
成: (はあ‥‥。はじめて
聞いたな‥‥)

(「証言3」をゆさぶる)
成: 刺された‥‥。
その凶器は、どんなものですか?
糸: この果物ナイフッス。
裁: ふむう‥‥。そのナイフは
どなたの‥‥?
糸: どうやら、綾里家のもの
らしいッス。
モチロン、綾里 真宵の
指紋がべっとりッス。
裁: ふむう‥‥べっとり。
成: (うう‥‥不利だな‥‥)
冥: ‥‥ふっふっふっ‥‥
どうしたの? 成歩堂 龍一‥‥。

(「証言5」をゆさぶる)
成: ピストルより、刺された方が先‥‥
まちがいありませんか?
糸: まちがいないッス。
傷を調べれば、それぐらいは
すぐにわかるッス。
冥: バカはバカのバカげた意見を
ありがたく聞くものみたいね‥‥。
‥‥そもそも、コメカミを
至近距離で撃たれれば即死。
ナイフとピストル。
どちらが先か、考えるまでもない。
というか、もう少し考えなさい。
‥‥成歩堂 龍一!
成: (‥‥ムカつくなあ‥‥)
裁: そこまで!
殺害された方法については、
これでハッキリしました。
糸: 2つの凶器を、証拠として
提出するッス。
裁: ‥‥わかりました。
受理しましょう。

証拠品<<ピストル>>のデータを
法廷記録にファイルした。

証拠品<<ナイフ>>のデータを
法廷記録にファイルした。
冥: 死亡推定時刻は、6月19日の
午後3時15分。
証人たちが2発の銃声を聞いた
時刻にまちがいないわ。
裁: そして、2つの凶器に
被告人の指紋、ですか。
ふむう‥‥。
まさに、カンペキですな。
冥: ‥‥トーゼン。
成: (まずい‥‥
事件がシンプルなだけに、
つけいるスキがまったくない!)
冥: 裁判長。エンリョなく
そのハンマーをたたいていいわ。
‥‥もう、
ギロンの余地はないものね。
裁: たしかにそうですね。
‥‥弁護人。
成: は、はい。
裁: これでもまだ、あなたは
<<完全無罪>>を主張するのですか?
正直なところ、それでは
勝ち目がないと思いますがね。
冥: 予言は当たったようね。
‥‥成歩堂 龍一。
10分以内に、あなたは
意見を変えざるをえなくなる‥‥。
裁: どうしますか? 弁護人。
<<正当防衛>>に主張を変えるなら、
今ならば聞き入れましょう。
これが、最後のチャンスです。
成: (‥‥この決断は大きい‥‥
よく考えるんだ!)

(「完全無罪を主張」を選択)
成: (‥‥<<正当防衛>>を
主張するということは‥‥
つまり”殺害”を事実として
認めてしまうことになる!
真宵ちゃんはこれからの一生を
殺人者として生きることに‥‥
そんなこと、
できるわけがない!)
‥‥裁判長!
裁: 決断しましたか、弁護人。
成: 弁護側の主張は変わりません。
<<完全無罪>>以外に、あり得ない!
冥: ‥‥‥‥今。
この瞬間、勝負は決した。
‥‥刑事。
糸: は‥‥はッ!
冥: 最後の証言を。
‥‥トドメを刺すの。
糸: うう‥‥りょ、了解ッス‥‥。
裁: あ、ちょ、ちょっと。
進行役は、この私が‥‥
ひいっ!
冥: ‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥やっぱり、いいです。
最後の証言をしてください。
冥: 綾里 真宵の有罪を立証する、
もう1つの証拠について!


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