第2話『逆転姉妹』第2回法廷(前編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
小中 大…紫
松竹 梅世…桃
星影 宇宙ノ介…黄
板東ホテルのボーイ…灰
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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9月9日 午前9時52分
地方裁判所 被告人第1控え室

真: ‥‥い、い、いよいよ、
なんですね。
成: うん。
今日で、この事件はケリがつくよ。
真: あっ!
べ、弁護士さん、見て‥‥!
成: (‥‥‥‥!
御剣‥‥検事)
御: ‥‥昨日、検事局長に呼ばれた。
成:
御: 今日の証人・小中氏が語ることは
”絶対”だと言われた。
キミが、彼の証言に対して
どんな攻撃をしようと、
私が異議をとなえれば、裁判長は
かならず聞き入れるだろう、と。
成: (裁判長にまで、小中のチカラは
およんでいるのか‥‥?)
‥‥つまり、ぼくの有罪は
もう決まってる、というワケだ。
御: ‥‥‥‥。
私は、有罪判決を勝ちとるため
ならば、なんでもする男だ。
真: どうしてなんですか!
あなたはそうやって、
罪のない人を苦しめて‥‥!
御: ”罪のない”‥‥?
そんなことが、どうして
私たちにわかる?
罰を逃れるためならば、彼らは
どんなウソだってつく。
見わけることなんてできない。
‥‥それならば。
私にできることは、1つ。
被告人を、すべて有罪にする。
それが私のルールだ。
成: 御剣‥‥。
変わったな、お前。
真: え?
弁護士さん!
知ってるの、この人のこと‥‥?
御: 成歩堂 龍一。
‥‥手かげんはしないぞ。
真: べ、弁護士さん‥‥?
成: さ、そろそろ開廷時間だな。
真: ‥‥あ、で、でも!
弁護士さんを弁護する
弁護士さんが、まだ‥‥!
成: 弁護は、ぼくが自分でやる。
真: えええっ!
成: さ。行くよ。


9月9日 午前10時
地方裁判所 第1法廷

裁: これより、成歩堂 龍一の
法廷を開廷します。
御: 検察側、
準備完了しております。
成: 弁護側、
準備完了しております。
裁: 成歩堂くん。
‥‥本当にいいんですね?
成: はい。
自分の弁護は、
自分でします。
裁: ‥‥わかりました。
では、御剣検事。
‥‥冒頭弁論を。
御: 事件の流れは、すでに
あきらかであるから、
本日は、被告人の犯行を
見た証人の証言を聞いていただく。
裁: わかりました。
‥‥では、さっそく呼んで
もらいましょう。
成: (‥‥話がスムーズに
進みすぎる‥‥
ふつうなら、なぜ小中が
前回の法廷に出てこなかったか
問題になるはずなのに、
そんなようすはない‥‥
どうしよう‥‥。ムダだとは
思うが、ぼくが言ってみるか?

(「やめておく」を選択)
成: (‥‥やめておこう。
ワナが待っているかもしれない)
御: では、小中 大(まさる)氏を
入廷させてもらいたい!

御: 証人の名前をうかがいたい。
小: イエス・アイアム!

(指輪や歯がきらびやかに光る)
御: 名前を、聞いている!
小: おー! ソーリー。
アメリカ生活が長いもんでね。
ニガテなんだよ、ニポンゴ‥‥。
御: 名前だッ!
成: (‥‥いいコンビだ)
小: ぼかぁ、小中 大。
マサル・コナーカ。
株式会社<<コナカルチャー>>の
社長、いやプレジデントだ。
御: 被害者の綾里 千尋を
ごぞんじか?
小: ネヴァー・ギブアップ!
‥‥知らないねえ。
御: ‥‥‥‥。
証人は、事件のあった夜
板東ホテルに‥‥?
小: イエス。
御: そこで、事件を目撃
したというわけだ。
小: アハン。
よくわかってるじゃないか。
裁: では、小中さん。‥‥<<証言>>を
していただきましょう。
成: (どうにかして、コイツの証言を
くずさなきゃ、おしまいだ‥‥
まったく、どうしていつもこう、
ガケっぷちに立たされるんだ?)
小: ふっふっふ‥‥。
カクゴはいいかい、
ミスタ・ベンゴシ‥‥。
成: ‥‥!
真: 弁護士さん! がんばって!

(事件の当夜、目撃したこと)
小: 『あれはそう、ちょうど9時
ごろのことだったよ。』(証言1)
『ぼかぁ、窓のそばで書類を
リーディング、読んでいたんだ。』(証言2)
『すると、窓のそとで
物音がしたんだよ!』(証言3)
『ぼかぁ、その音におどろいて、
向かいのビルを見たねえ。』(証言4)
『すると、ギザギザヘアの男が
ロングヘアのレディを襲っていた!』(証言5)
『言うまでもなく、キミだよ
ミスタ・ベンゴシ!』(証言6)
『ぼかぁ、梅世クンを呼んだねえ!
彼女も、それはビックリだよ!』(証言7)
『被害者は、その‥‥、必死に
逃げたが、キミは追いすがった!』(証言8)
『ジャスト・フィット!
‥‥それでジ・エンドさ。』(証言9)
裁: ふむう‥‥。
その目撃に間違いがなければ、
被告の有罪は決定ですね‥‥。
では、被告人‥‥、あ、いや、
弁護人。
‥‥<<尋問>>を。

(「証言8」をゆさぶる)
成: もう少し、
くわしく思い出せませんか?
大事なことですから。
小: アンダスタン、アンダスタン。
‥‥了解したよ。
被害者は、キミの攻撃を受けて、
そう、左に逃げたんだ。
キミは、それを追いかけていって、
殴りつけた!
御: 間違いないか?
小: ぼかぁ常に、カンペキに
パーフェクトだからね!
裁: では、そのように証言を
変えてもらいましょう。
小: 『左に向かって、被害者は逃げた。
キミはそれに追いすがった!』(証言・補足)

(「証言・補足」に「梅世の証言書」をつきつける)
成: ちょっと待ってください!
‥‥小中さん。
墓穴を掘りましたね‥‥。
小: な、なんのことだい?
成: あなたは”左”に逃げたと
言いましたね。
しかし、それは梅世さんの
証言とムジュンします。
彼女は、ハッキリ”右”へ
逃げたと証言しています!
小: ‥‥‥‥!
あはん。たぶん‥‥、
彼女の見間違いじゃないかな?
成: それはどうでしょうか。
‥‥上面図を見てください。
犯人は、この位置にいました。
そして被害者は、このあたり。
あなたの言うとおり、
被害者が左に逃げたとしたら、
そっちは、出口のドアとは
逆方向になります。
彼女は、逃げ道がない方へ
逃げたことになります!
かなり不自然な状況です!
小:
ヘンだなあ‥‥。
たしかに左に逃げたのを
見たんだよ、ぼかぁ‥‥。
真: 弁護士さん‥‥。あのカオ、
ウソはついてないみたい‥‥。
成: たしかにね。
(‥‥どうやら、小中は
被害者が左に逃げるのを、
実際に、目撃したみたいだな。
待てよ‥‥?)
裁: 成歩堂くん。
成: はい。
裁: 松竹 梅世は”右”と言い、
小中さんは”左”と言っている。
このムジュンについて、
あなたはどう考えますか?

(「2人とも正しい」を選択)
成: 2人とも、本当のことを
言っていると思います。
御: ハッ! お話にならない!
それでは、ムジュンは解決
しないではないか!
成: ‥‥2つの証言がムジュンしない
答えが、たった1つだけあります。
御: な、なんだと‥‥!
成: 小中さんが事件を目撃した場所は、
ホテルじゃなかったんですよ。
裁: どういうことですか!
弁護人!
御: 証人が事件を目撃した場所は、
ホテルではなかった、だと!
じゃあ、どこだったと言うんだ!
成: 綾里法律事務所ですよ、モチロン。
もっと正確に言うなら、
このポイントです!

事件があったとき、小中が
いたポイントを示そう!

(「犯」の場所を選択)
成: それは、ここです!
いいですか!
被害者がドアに向かって
このように逃げたとき、
このポイントから見れば、”左”に
逃げたように見えるのです。
御: いいかげんにしたまえ!
そ、そのポイントは‥‥、
”犯人”が立っていた
ポイントではないか!
成: そのとおり!

(ざわめきが起こる)
裁: せ、静粛に! 静粛に!
法廷の秩序を乱す者は、
退廷を命じます!
成歩堂くん!
‥‥なんということを!
小: ‥‥キ、キ・サ・マ‥‥!

(御剣検事「異議あり!」)
御: 弁護人の推理は、コジツケに
すぎない!
裁: そうですね‥‥
かなり、ゴウインな感じが‥‥。
小: ‥‥‥‥
ふっふっふっ。
楽しませてくれるねえ、
ミスタ・ベンゴシ。
成: (なんだ?
‥‥笑っている?)
小: リメンバーリメンバー。
‥‥今のシゲキで、思い出したよ。
ちょっと、ゴカイをまねく言い方を
してしまったみたいだねえ。
ミスタ・サイバンチョ。
もう一度、<<証言>>させて
もらえないかな。
裁: わかりました。
では<<証言>>をおねがいします。
成: (ふん‥‥。一度くずれた
証言は、もう立て直せないさ)

(”左に逃げた”という証言)
小: 『梅世クンの証言は、正しいよ。
‥‥モチロン、ぼくのも、ね。』(証言1)
『キミがレディに襲いかかったとき、
彼女はまず、左に逃げたんだ。』(証言2)
『そして思いきり、彼女を殴った。
‥‥これが、ぼくが見た部分だ。』(証言3)
『次に彼女は、最後の力を
ふりしぼって、右に逃げたんだ。』(証言4)
『キミはそれを追いかけて、
彼女にトドメをさした。』(証言5)
『‥‥ここが、
梅世クンが見た部分だ。』(証言6)
『どうだい?
キミは2回、殴ったワケさ。』(証言7)
思い出したかい?
ミスタ・ベンゴシ‥‥!
裁: ふむう‥‥。
それなら、スジはとおりますね。
弁護人。<<尋問>>は‥‥?
成: しますよ、そりゃあ!

(「証言7」に「綾里 千尋の解剖記録」をつきつける)
成: いいですか!
被害者は、”1回だけ”
殴られて、死んでるんです!
小: ‥‥‥‥!
成: ‥‥何か言うことは?
小: む‥‥むぅ‥‥。
成: (今がチャンスだ!
たたみこむぞ‥‥!)
小中さん。あなた、”カンペキに
パーフェクト”だったのでは?
小: うう。
‥‥そのフレーズは、もう
使わないことにするよ。
成: 裁判長。小中さんに、もう一度
<<証言>>をおねがいします。

(御剣検事「異議あり!」)
御: 証人の記憶はコンランしている。
ここで、10分の休憩を
申し入れたい!
裁: そ、そうですね‥‥

(成歩堂「異議あり!」)
成: 記憶がコンランしているのは、
証人がウソをついているからです!
今ここで休憩を入れるのは、
断固、反対します!

(‥‥そうだ! 早く続きを‥‥)
(逃げるな! 小中ァ!)
裁: わかりました。
<<証言>>をつづけましょう‥‥。
成: (傍聴人が味方についたぞ。
これでもう、逃げられない!)
裁: いいですか? 小中さん?
小: イ、イエス‥‥。

(2人の証言の食い違い)
小: 『そのぉ、なんだ。あれが倒れる音で
ぼかぁ向かいの窓を見たわけだが。』(証言1)
『次の瞬間、ミス・チヒロは左に
逃げていたんだよ!』(証言2)
『犯人‥‥キミは、襲いかかったが、
彼女はそれを‥‥かわしたんだ。』(証言3)
『‥‥そして、そのぅ、
向きを変えて、
ドアの方へ逃げようとした!』(証言4)
『キミは、そこで1発、ポカリと
やったんだ!』(証言5)
裁: ふむう‥‥ポカリとねえ‥‥。
では‥‥<<尋問>>を。
小: ミ、ミスタ・サイバンチョ。
ぼかぁちょっと、おなかが
イタいんだが‥‥。
成: ガマンしてください。
もうちょっとで
終わりますからね‥‥。
小: ‥‥‥‥!

(「証言1」をゆさぶる)
成: ”あれが倒れる音”‥‥。
”あれ”ってなんですか!
小: ん? あ、あれ、”あれ”?
‥‥ガラスの電気スタンドだよ!
成: (‥‥ああ。現場に倒れていた
ヤツか‥‥)
真: 弁護士さん。
‥‥なんか、ちょっと
おかしくないですか?

(「気になる」を選択)
成: (たしかに、気になるな‥‥
もう少し、ゆさぶってみるか)
小中さん。
小: な、なんだい?
成: あなたは、ガラスの電気スタンドを
見たわけですか?
小: そ、そうさ。
成: では、そのあたりを、証言
しなおしてください!
小: ソ、ソーリーソーリー。
‥‥すまないね。
裁: では、小中さん。証言を
訂正してください。
小: オ、オーケーオーケー。
『向かいの窓を見たら、電気スタンド
が転がっていたんだよ。』(証言・補足)

(「証言・補足」に「ガラスの破片」をつきつける)
成: 小中さん。
電気スタンドが転がっているのを
見るのは、不可能なんですよ!
小: な、な、なんだと‥‥!
成: スタンドは、コナゴナに
砕けていたんですよ!
小: うげっ!
成: 砕けた破片を見ても、それが
電気スタンドだとはわからない!
じゃあ、いったいあなたはいつ、
スタンドを見ることができたのか!
答えてください!
小: ‥‥!
き、決まってるだろう?
‥‥た、倒れる前に見たのさ。
成: つまり、被害者が襲われる前に
スタンドを見たワケですか?
小: イ、イエス!
‥‥それなら、問題あるまい?
成: (どうだろう‥‥?)

(「問題はある」を選択)
成: 大きな問題があります!
小: な、なんだよ問題って‥‥?
成: 小中さん。あなたの言いぶんは、
こうですね?
”殺人事件が起こるより前に、
ホテルから、窓ごしに
ガラスの電気スタンドを見た”。
小: イエス! そ、そうだよ!
成: そんなことは、あり得ない!
スタンドを見るのは不可能です!
裁: な、なぜですか!
‥‥証拠でもあるんですか?
成: もちろんあります!
ホテルにいる人間に、倒れる前の
スタンドは、見ることができない!

(「上面図」をつきつける)
成: これを見てください!
裁: それは‥‥現場の上面図、ですか?
成: そのとおりです。
‥‥いいですか。
現場の窓ごしに事務所を
のぞくとなると‥‥、
見えるエリアは、ズバリ!
こうなります!
‥‥どうですか?
スタンドは、見えるエリアには
入っていませんよ!
さあ! 小中さん!
どうですか!
小: ‥‥ぐ‥‥ぐぉ‥‥
‥‥‥バ‥‥カ‥‥ナ‥‥‥
成: 小中さん、いいですか。
あなたがもし、板東ホテルに
いたのなら、
倒れる前のスタンドは、
見ることはできなかった!
そして、倒れた後も、見ることは
できなかった。
コナゴナに砕けた破片を見ても、
それがスタンドだとはわからない!
‥‥とすると、あなたはいつ、
スタンドを見ることができたか!
それは、倒れた瞬間しかない!
そして、それが見えるのは、
綾里法律事務所しかない!
つまりあなたは、犯行があった瞬間
殺人現場にいたんです!
小: うおおおおおおおおおおおおおお!
裁: こ‥‥小中さん‥‥?
小: ‥‥‥‥‥‥
成: 小中さん。
小: ‥‥‥‥‥‥
成: あなたが‥‥やったんですね?
小: ‥‥‥‥‥‥
ミ‥‥ミスタ・サイバンチョ‥‥
ぼかぁ‥‥。
ぼかぁ、ミス・チヒロを‥‥
‥‥‥‥‥‥


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