第2話『逆転姉妹』探偵パート1日目(前編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
小中 大…紫
松竹 梅世…桃
星影 宇宙ノ介…黄
板東ホテルのボーイ…灰
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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電: プルルル‥‥‥‥
     プルルル‥‥‥‥
ピッ
?: はい‥‥綾里ですけど。
千: もしもし。私よ。
?: あ、チヒロお姉ちゃん!
どうしたの? めずらしいね。
千: ごめんね。最近、忙しくって。
‥‥どう? 元気?
?: もう! かわいい妹を1人で
ほったらかして、ひどいなー。
なーんて。
だいじょうぶだよ! もう、
慣れちゃったから‥‥1人ぐらし。
千: そう‥‥ありがとう。
‥‥あのね。実はちょっと、
たのみたいことがあるの。
?: あー、わかった! また、
証拠品あずかれって言うんでしょ?
千: よくわかったわね。
‥‥今度の事件、ちょっと
話が大きくなっていてね。
裁判の日まで、そばに
置いておきたくなくて。
?: へえ‥‥。
で? で? 今度は何?
千: 置き時計よ。
?: ‥‥時計?
千: そう。考える人の形をしてて、
なんと、しゃべるのよ!
あなた、好きでしょ?
こういう、オモチャみたいなの。
?: あー。またあたしのコト、
コドモ扱いしたー。
千: ふふふ。
‥‥ごめんなさい。
‥‥あ。でも、今はこの時計、
しゃべらないんだったっけ。
?: えー、なんでー?
‥‥つまんない。
千: さっき、
時計の機械を抜いちゃったから。
かわりに、書類が入っているの。
?: 書類?
‥‥それが”証拠品”なの?
うー。なんか、
話がソレっぽくなってきたね。
千: ‥‥じゃあ、今晩の9時ごろ、
事務所に来てくれるかしら?
裁判の打ち合わせ、
たぶん、そのころまでかかるから。
?: お姉ちゃん! また、何か
おいしいのゴチソウしてよね!
あ、みそラーメンがいいな
みそラーメン。
千: はいはい。
じゃ、いつものお店、行こうね。
?: やったー! ヤクソクだよ!
じゃ、お姉ちゃん。
また、あとでね!
千: うん。
待ってるわよ、マヨイ。

ピー
<<ただ今の通話、録音しました。
9月5日、午前9時27分>>


9月5日 午後8時57分
綾里法律事務所

?: ‥‥じゃあ、ミス・チヒロ。
もらっていくよ‥‥書類を。
千: 悪いけど、渡せないわ。
‥‥ここには、ないもの。
?: ミス・チヒロ‥‥、
ウソはヘタみたいだね。
ちゃんとあるじゃないか、
そこに‥‥。
書類を飲み込んだ
<<考える人>>が、さ。
千: ‥‥ど、どうしてそれを!
?: ははっ。
ドンチュノウ? 知らないのかい?
ぼかぁ、情報を集めるのが
仕事なんだよ。
千: 油断‥‥したわ。
?: ‥‥フン。
それと‥‥
ちょっと気の毒なんだけど、
キミには、約束してもらわなきゃ
ならないことがあるんだ。
エターナル・サイレンス‥‥
永遠の沈黙、をね。
千: ‥‥‥‥!
‥‥コ‥‥ナ‥‥カ‥‥


9月5日 午後9時8分
綾里法律事務所

成: ふう。
すっかり遅くなっちまった。
‥‥おかしいな。
所長、帰っちゃったのかな。
妹さんが遊びにくるから、
ゴハン食べに行こうって‥‥。
‥‥
なんだ‥‥このニオイ‥‥。
‥‥血‥‥?
ち、千尋さん!
(所長室か!)

(「所長室」に移動する)
成: ‥‥血のニオイだ!
?: ‥‥
‥‥うう‥‥
‥‥お姉ちゃあん‥‥
成: (‥‥だれか、いる!)
‥‥‥‥!
しょ、しょ、‥‥
所  長  !

成: きみは‥‥?
?: ‥‥‥‥

成: (‥‥気絶した少女を
事務所のソファに寝かせて、
ぼくは所長のそばに戻ってきた。
‥‥所長の身体には、
まだ少しぬくもりが残っている。
肩を抱くぼくの手を通して
はっきり感じることができる。
でも、そのぬくもりは、
急速に、そして確実に、
この手から失われていった‥‥)
‥‥‥‥所長‥‥‥‥

(「綾里 千尋」を調べる)
成: ‥‥所長‥‥
見るのもツラいけど、
調べないわけにはいかないな。
‥‥鈍器で頭部を殴られている。
たぶん、即死だったんじゃ
ないだろうか。
死体のそばに転がっている
<<考える人>>が凶器か。

証拠品<<考える人>>のデータを
法廷記録にファイルした。
成: それと‥‥所長の身体のまわりに、
ガラスのカケラが散らばっている。
部屋の奥にたおれている
ガラス製の電気スタンドの破片か?

証拠品<<ガラスの破片>>のデータを
法廷記録にファイルした。
成: ‥‥他にはもう、手がかりに
なるようなものは‥‥
‥‥ん?
千尋さんの身体から、
何か紙切れが落ちたぞ。
なんだろう?

(「紙切れ」を調べる)
成:
小さな紙切れに、血で文字が
書かれている!
”マヨイ”‥‥だな。
千尋さんが書いたのか‥‥?
ちなみにこの紙切れは、デパートの
領収書で、昨日発行されたものだ。

証拠品<<領収書>>のデータを
法廷記録にファイルした。
成: (とりあえず、調べるのは
これぐらいでいいだろう。
警察に通報‥‥、それに、
あの女の子のことも
気になるな‥‥)

(「電話」を調べる)
成: そうだ!
とにかく、警察に通報しよう。
‥‥‥‥?
この電話、ヘンだな。
受話器のネジが、いくつか
はずされている。
何かの作業を、とちゅうで
やめたような感じだ。
?: ‥‥‥‥来てぇっ!
早く来てぇっ! おまわりさぁん!
成: (な、なんだなんだ!
窓の向こうで叫び声が!)
‥‥‥‥!
こ、こっちをじっと
見つめているぞ!
‥‥受話器を
にぎっているような‥‥。

(「綾里法律事務所」に移動する)
成: ‥‥!
(さ、さっきの女の子は
‥‥どこだ!
そこのソファに
寝かせておいたのに‥‥!
まさか‥‥逃げた、のか?)

うわっ!
(‥‥ふう。おどかすなよ‥‥)
‥‥あのさ。
名前‥‥教えてくれないかな?

?: ‥‥‥‥
成: だいじょうぶ。
ぼくは、この事務所の人間だから。
真: マヨイ‥‥。
アヤサト・マヨイ。
成: あやさと‥‥まよい‥‥。
(”マヨイ”だって‥‥?
千尋さんが書き残したのは、
この子のことだったのか‥‥?
ちょっとこの子に、あの領収書を
つきつけてみよう。
法廷で覚えたテクニックが、
実生活で役に立つとは‥‥)

(「事情を聞く」を聞く)
成: (かなり弱っているみたいだけど、
聞かないわけにはいかないな‥)
あの‥‥きみ。
いったい、何が
あったんだい?
真: ‥‥‥‥
‥‥あたしが来たら、
部屋が暗くて‥‥
もう、お姉ちゃんは‥‥
成: (亡くなった後だった、
というわけか)

(「所長との関係」を聞く)
成: きみは、所長の‥‥?
真: ‥‥妹です。
成: こんな時間に‥‥遊びに来たの?
真: はい‥‥。
証拠品をあずかって欲しい、って。
成: 証拠品‥‥って?
真: はい‥‥。
あ、あの‥‥、
<<考える人>>の置時計を‥‥。

(「領収書」をつきつける)
成: 千尋さん、亡くなる前に
自分の血でメッセージを‥‥
領収書のウラにね。
真:
あ、あ、あたしの名前!
ど、どうして!
お姉ちゃんが‥‥? どうして!
成: お、落ち着いてくれ!
真: なんで‥‥お姉ちゃんが、
あたしを‥‥?
成: (う、そ、そんな目で
見られてもなあ‥‥)

ファン‥‥ファン‥‥
‥‥ファン‥‥ファン‥‥
成:
パ、パトカーだ!
(ここへ向かってるみたいだ‥‥)
?: 動くな! 警察だ!
糸: 自分は、刑事課の
イトノコギリという者ッス。
成: (イトノコギリ‥‥
ヘンな名前だな)
糸: このビルの向かいの
ホテルの客から、
殺人を目撃したという通報が
入ったので、かけつけたッス。
成: (‥‥そうか。あの女の人だな)
糸: とりあえずアンタたち、
そこを動いちゃダメッスよ。
成: (‥‥やれやれ‥‥
マヨイ‥‥ちゃんか。
まさか、この子が‥‥?)
糸: うおおおおおおおおおおおおおッ!
ちょっといいッスかッ!
真: きゃっ!
糸: この”マヨイ”という文字に
心当たりはないッス?
真: ‥‥‥‥!
あ。あの‥‥それ‥‥。
あ‥‥あたしの名前‥‥
糸: なんスとぉぉぉッ!
これは、ヒガイシャが血で
書いたメモッス!
息を引き取るまぎわ、
ハンニンを告発したッス!
真: あ‥‥あたしじゃありま
糸: こりゃもう、キマリッス!
署まで来てもらうッス!
真: え、え‥‥?

成: 千尋さんの妹・真宵ちゃんは、
緊急逮捕された。
ぼくも取り調べを受けて、
解放されたのは、明け方だった。
まぶたは重かったが、
眠れるわけがない。
留置所の面会が始まる
時間を待って、
ぼくは、すぐに真宵ちゃんに
会いに行った。


9月6日 午前9時7分
留置所 面会室

成: (真宵ちゃん‥‥
すっかり犯人あつかい、か‥‥)
真: ‥‥あ。
あのときの‥‥弁護士さん。
お、おはようございます。
成: おはよう!
(かわいそうに‥‥。ずいぶん、
つかれているみたいだ)
真: あの‥‥
あなたが、あたしの弁護士さんに
なるんですか‥‥?
成: え。そ、それは‥‥

(「きみしだいだよ」を選択)
成: (ここは、マジメに
答えるべきだな‥‥)
‥‥きみしだい、だよ。
真: あたし‥‥ですか?
成: うん。ぼくが決めることじゃ
ないと思うよ。
‥‥これは、きみの問題だからね。
真: ‥‥‥‥。
信じてもらえるわけ、
ないもん‥‥あたしのこと。
あのときの、弁護士さんの目。
”こいつが犯人だ”って‥‥。
成: (‥‥彼女を見たとき、ぼくは
そんな顔をしてたのか‥‥)
い、いや! そんなことは‥‥。
真: あ。‥‥いいんです。
ムリしなくても‥‥。
‥‥‥‥
うん。‥‥それに、
あたし、聞いちゃったから。
成: え? 何を?
真: 実は、この前、お姉ちゃんと
電話で話したの‥‥。
千: ”今日はね、私の部下の
初舞台だったの”
真: へー! そうなんだ。
で、で、どうだった?
千: ”それはもう、あらゆる意味で
大騒ぎだったわ。
正直、ヤバかったわ。
‥‥こんなこと、ひさしぶり”
真: えー! そうなんだ。
デキの悪いブカなんだね?
千: ”‥‥彼は天才よ。
まさに<<恐怖のツッコミ男>>と
いったところかしら。
彼にたりないのは、
‥‥そう、ケイケンだけ”
真: ふーん。
じゃあ、あたしに何かあったら、
おねがいしちゃおうかな!
千: ”いい? 真宵。
今は、まだダメ。
あと3年待ちなさい。
無罪になりたかったら‥‥ね”
真: ‥‥って。
成: ‥‥‥‥
真: ‥‥あ! す、すみません。
シツレイなこと言っちゃって。
成: い、いやいや。
ホントのことだし。
‥‥でも、やっぱり
じっとしていられないんだ。
千尋さんを、あんな目にあわせた
ヤツのこと、考えると。
真: ‥‥‥‥
弁護士さん‥‥。

(「真宵のこと」を聞く)
成: ‥‥あのさ。前から
ちょっと気になってたんだけど。
真: はい?
成: どうして
そんなカッコウを‥‥?
真: あ、これですか?
これは、見習いの修行者が
着る‥‥装束の一種、です。
成: 見習い? 修行者?
‥‥きみはいったい、なんなんだ?
真: ‥‥あ! べつにあたし、
アヤシイ者じゃないですよ!
ただの霊媒師です。
‥‥修行中の。
成: れ、れいばいしぃ?
(じゅうぶんアヤシイ‥‥)

(「事件当日のこと」を聞く)
成: 事件があった日のこと、
聞かせてくれないかな。
真: はい!
‥‥ええと。あの日の朝、
お姉ちゃんから電話がありました。
今度の裁判の証拠品を
あずかってくれ、‥‥って。
成: 証拠品?
真: はい。‥‥<<考える人>>の置時計。
成: (‥‥矢張の作った、
例のヤツか。)
でも、なんであんなのが
証拠品なのかなあ‥‥?
真: えーと‥‥
なんででしたっけ‥‥。
‥‥‥‥
あっ、そうだ!
よかったら、そのときの
お姉ちゃんの話、聞きますか?
成: えっ、聞けるの?
真: はい。
あの、あたしの携帯電話に、
そのときの会話が‥‥
成: 録音してあるんだ!
真: はい!
‥‥消し方を知らないから‥‥。

(「携帯電話」を聞く)
成: その、携帯電話に録音されている
会話だけど、
さっそく、聞かせてよ!
真: はい!
‥‥あれ?
そうだ。電話、あの刑事さんが
持っていっちゃいました。
‥‥すみません‥‥。
成: あ、そう。
(‥‥そりゃ、そうだな)
わかった。今度、イトノコ刑事に
会ったら、聞いてみるよ。
真: じゃあ、わすれないように、
メモを書きますね。
成: あ、ありがとう。

<<真宵のメモ>>を
法廷記録に挟んだ。
(「霊媒師」を聞く)
成: きみは、修行中の身なんだ‥‥
その、霊媒師の。
真: そうですよ。
綾里家は、とっても
霊力が強い家系で、特に女性は‥‥
成: ちょっと待って‥‥!
あ、”綾里家”?
ってことは‥‥千尋さんも?
真: もちろん!
”きゃりあうーまんになる”って、
急に山を下りちゃったけど‥‥
お姉ちゃんの霊力、ホント、
シャレにならなかったんですよ。
成: (し‥‥知らなかった‥‥
あの千尋さんが‥‥)
ん?
‥‥待てよ。
真: なんですか?
成: ホンモノの霊媒師なんだよね?
真: はい。
‥‥修行中ですけど。
成: じゃあ、千尋さんの霊を
呼び出せばいいじゃないか!
本人に直接、
誰に殺されたか、聞いてみようよ。
真: ‥‥‥‥!
す、すみません‥‥。
なにぶん、
修行中の身ですから‥‥。
そんな大それたこと、
とてもとても‥‥。
成: (‥‥やれやれ。
そんなウマい話、ないか)
真: ‥‥‥‥
あの‥‥!
成: ん? どうしたの?
真: すみません‥‥。おねがいしたい
ことがあるんですけど‥‥。
成: ‥‥?
真: このメモ、えらい弁護士さんの
住所なんです。
昔、お姉ちゃんが
書いてくれて‥‥。
困ったときは、この方に頼めば
だいじょうぶだ、って。
それで‥‥、
よかったら、弁護をおねがいして
いただきたいな、って‥‥。
成: (どうしよう‥‥?)

(「引き受ける」を選択)
成: ああ、いいよ。
頼んできてあげる。
真: ありがとうございます!
あたし、他に頼める人が
いなくて‥‥。
成: ‥‥?
そういえば、ご両親とかは‥‥?
真: ‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥
成: そ、そうか。
‥‥うん。ぼくにまかせて。
真: お願いします。
‥‥明日、10時からです。
成: え、ええっ! ‥‥あ、明日!
真: はい。
成: も、もしこの人に断られたら、
どうするんだよ!
真: そのときは、国で選んでくれた
弁護士さんが来るそうです。
成: それは、いつ?
真: 今日の4時まで
待ってもらっています。
成: (面会時間、ギリギリだな‥‥。
もう、時間がないぞ)
わかった。また来るよ!

(「事件当日のこと」を聞く)
成: 事件があった日のこと、
聞かせてくれないかな。
‥‥イヤなこと、思い出させて
悪いけど。
真: 気にしないでください。
最近は、その話ばっかり
くり返していたから、
少し、慣れちゃいました‥‥。
‥‥ええと。あの日の朝、
お姉ちゃんから電話がありました。
今度の裁判の証拠品を
あずかってくれっていう話で‥‥。
成: (‥‥矢張が作った、
例の<<考える人>>か。
ある種、連続殺人犯とも
いうべきシロモノだな)
それで、事務所に着いたのが‥‥?
真: ちょうど、9時ぐらいでした。
電気が消えていて、
そして‥‥血のニオイがして‥‥、
そ、そして、
お、お、おねえちゃんが‥‥。
成: わ、わかった。
もういいよ‥‥ありがとう。


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