From: michael
To: chao
Subject:
Date: Sun, 26 Dec 1999 17:29

あなたは本当に私によく似ている.
私も何回も(「日記」12/25)のようなことを経験した.

いちばん辛かったのは,子どもとそのような形のことがあったことかも
しれない.いま,小学2年生になっている娘が幼稚園のころ,3人で
動物園に出かけたことがある.すでに別居していて私の教育権はおよば
ないようになっていた.

子どもが歩けないというので,幼児用の乳母車のようなものを借りて
しばらく押していたが,「そろそろ」と思って声をかけても娘は車から
降りようとしなかった.「Y子降りないんだったら,パパ帰っちゃう
よ!」と脅かしても降りなかった.母親は干渉しない振りをして傍観を
決め込んでいた.

その日曜日は本当にみじめなものになってしまった.私は一人電車で
帰り,途中下車して知らない街の知らない店で飲んだ.家に着くころには
あたりはもう暗くなっていた.駅から部屋までの遊歩道を歩いていると,
ぶらぶらと遊びながら帰る親子連れの影が前方に浮かんだ.妻と娘だった.
私たちは駐車場まで(そこに妻の車が止めてあった)を一緒に歩いた.
(救われた!)

2000年を目前に,そろそろ決まりをつけるべきではないか?という思いが
浮かぶ.もののはずみということはあったにしても,ずいぶん軌道がそれ
てきた気がする.私があなたに出会った地点にもう一度あなたが戻るという
こともあるいは(遠い将来に)あるかもしれないが,多分そのときには,
もう私はこの地上にはいない〔よ〕.

多分,男と女の関係というのは変わらなくてはならないのだろう.その
最前線にいて(意識的であれ,無意識的であれ)戦っている「女たち」の
いら立ちは分るような気もする.確かに,既成の社会は男たちに都合の
いいようにできている.

しかし,同時に私たちは,(女たちの変化がマイナス方向にも作用して
いるのではないか)何か致命的なものが失われようとしているのではない
という危惧を懐いている.(若い男女を見ていると,いちゃついていても
何かよそよそしい冷め切った感じを受けることがある...)

何を言おうとしていたのか忘れちゃったかな?

もし,「性交」というコミュニケーションが遺伝子プログラムのFTP
(ファイル転送プロトコル)であるとすれば,あなたと私の関係において
そのようなものがまったく不用であることだけははっきりしている.
(遺伝子を共有しているとしか考えられないから...)

若い女の子たちは「下品だ」とあなたは言っている.私もそれに100%
賛同する.あなたがそのポジションを保ち続けることができるかどうか
がポイントかもしれない.その内容が,彼らの若さに対する羨望ないし
嫉妬しか残らない状態にまで後退する可能性はないだろうか?