インターミッション「ケイゴ・シンドウの恵まれた生活」


国士「ど〜も〜っ、今回はインターミッション企画第二弾、『ケイゴ・シンドウの恵まれた生活』をお送り致します。インタビュアーは勿論、『THE GOD HAND』作者、この国士無双が務めさせて頂きます。それでは早速、最初の証言者どーぞっ!!」

 

証言者その1:ギャリック・ゴールド(ケイゴの同僚)

ギャリック「それにしても、アイツってよくわかんねぇんだよなぁ……ムチャクチャ強(つえ)ぇ癖に、傭兵寮の食堂で手伝ってたり、アイツの周りにゃ可愛い娘がいつもいるしよぉ……(羨ましそうな顔になる)」

国士「やっぱギャリックさんは、やっぱりそーゆー方向に行っちゃうんですね(呆れ顔)」

ギャリック「何だ?そのヤマスィ〜イものを見るような目は!?ソフィアちゃん、ハンナ、レズリーちゃん、ロリィちゃん、ライズちゃんにリンダちゃん!んでもってクレアさん!!こんな色とりどりの娘に囲まれるのは漢(おとこ)の夢じゃねぇか!!(半分壊れてる)」

???「ギャリックぅ〜、私の名前がないのはどうしてかしらねぇ〜?(ドスの効いた声)」

国士「ギャリックさん……後ろ、後ろぉっ!(ガタガタ震えつつも訴える)」

ギャリック「後ろがどうかしたって……ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!(硬直)プ、プリシラ……どーし、てこ、こにいる、んだい!?」

プリシラ「私も今日呼ばれてここに来たの!」

ギャリック「わ、悪かった!!他の娘よりも、お前がいーーっちゃんいいって!!」

プリシラ「後から言っても遅いわよ!(プイとソッポを向く)」

国士「ギャリックさんからマトモな証言聞けなかったし、このまま次行くか」

 

証言者その2:プリシラ・ドルファン(ドルファン第一王女)

プリシラ「そーねぇ(ウーンとうなる)……改めて聞かれると困るわねぇ。ケイゴってなんか傍目から見ると取っつきにくそうなんだけど、でも実際はそうでもないわね。相手のことを気づかってくれる優しさを彼は持ってるもの。ギャリックなんかが持てないのはトーゼンよね」

ギャリック「なっ!!(顔面真っ白)」

国士「自分もわかるような気がします」

ギャリック「はうっ!!(ピキーンと石化)」

プリシラ「それに、なんたって彼は舞台俳優顔負けの美少年よ!?こんな馬鹿放っといて彼に流れてっちゃう気持ちわかるわ」

ギャリック「の……のおぉぉぉーーーーーーっ!!!神様のバカヤロォォォッ!!(涙流して走り去る)」

国士「……プリシラさんの今の一言、相当効いたみたいですね」

プリシラ「これぐらいが丁度いいの(あっさりきっぱり)。じゃあ、私帰るから」

国士「……はぁ。どうもありがとうございました。それにしても、ギャリックさんってプリシラ王女のオモチャにされてるような……とにかく、次の方、どうぞ」

 

証言者その3:ウォン・シャオシン(ケイゴの同僚)

シャオシン「とにかく凄い人だと思います(きっぱりあっさり)」

国士「……そ、それだけですか?具体的に言ってくれると助かるんですけど」

シャオシン「う〜ん(しばらく悩む)。自分が目指すべき目標、というところですね。傭兵隊の中で一番大人らしい大人と言える人だから、自分もケイゴさんみたいな人になれたらいいなって思ってます」

国士「ケイゴさんの人気は男女を問わず、ってところですね……そういえば、シャオシン君はセーラさんの家庭教師をやってましたよね?」

シャオシン「え?……ええ。二つ年上のお姉さんに僕が勉強を教えてるのって、ちょっとおかしいですよね?」

国士「言われてみるとそうだけど、シャオシン君は学識多彩じゃないですか。でなきゃ紋章弓編み出したりとか、家庭教師にはなれませんよ。天才の君が羨ましい(溜め息)」

シャオシン「そうかなぁ?自分が天才だって思ったことなんて一度もないし、今の僕は、他の人より努力した結果だと思ってます。きっとケイゴさんも同じこと言うでしょうね……」

国士「そうですね。努力あってこその結果ですからね。ところでシャオシン君、セーラさんとは上手くいってるのかな?(馴れ馴れしい態度で)」

シャオシン「なっ、ななな何をイキナリッ!?(声が裏返る)」

国士「いろいろあるでしょうが。優しくして貰ったりだとか」

シャオシン「……まぁ、授業以外の時は、僕はセーラさんのことをお姉ちゃん、セーラさんは僕のことをシャオ君って呼びあってますけど……」

国士「フムフム……(ニタリ)……シャオシン君って年上好きかい?」

シャオシン「からかうのはいい加減にしてください!!(超至近距離で弓をつがえる)」

国士「は、はいっ(諸手を挙げる)!?」

シャオシン「それじゃ、家庭教師の時間なので帰ります」

国士「ど、どーもありがとうございましたっ!?……ふぇぇ、こあかったぁ〜(地面にへたれ込む)。気力50に下がったけど、次行かなきゃ……次の方ど〜ぞぉ」

アシュレイ「国士よ、何をしておるのじゃ?」

国士「……いえ、ちょっと……」

アシュレイ「ほれ、インタビューをするのじゃろう?しゃきっと致せぃ!」

国士「は、はいっ!」

 

証言者その4:アシュレイ・S・ファーレンス(ケイゴの同僚)

アシュレイ「青春真っ只中におるとはいえ、ケイゴのあの年齢不相応な落ち着いた物腰や強さには驚くばかり……青年らしい心を持ってるだけでも幸いといったところじゃのう」

国士「まぁ、そうですね。常軌を逸しているのでどんなヤツなんだって思ったら、蓋を開けてみたら案外普通だった……この人は一体誰なんだって思っちゃいますよ」

アシュレイ「しかも、この前の戦でとんでもない力を手にしたようじゃからの。まさに神秘に満ちたヤツよ」

国士「神秘ですか……彼にその表現は似合ってますね(笑)」

アシュレイ「それ故、人に拒絶された時、ケイゴはどうするのか……」

国士「私は、少なくとも拒絶に絶望してしまうことはないと思います。彼は自分の力の危険性を一番知ってますからね……ところで、ケイゴさんがこの前闘った、コーキルネィファさんは一体どーなったんですか?」

アシュレイ「……聞きたいか(物凄く辛辣な顔)?」

国士「ええ、読者の皆さんも知りたいと思ってる筈ですし……(ちょっと引き気味)」

アシュレイ「まだ公表できんそうだ。あの若僧がどうなったのかわかるのは、まだ時間がかかるようじゃ」

国士「(ずるっとコケる)……だったら知ってる風な口を聞かないでくださいよぉ」

アシュレイ「ふぉっふぉっふぉっ、まぁよいではないか。何はともあれ、こんな老いぼれの戯れ言を聞いてくれたことに感謝するぞ」

国士「いえいえ、今日はどうもありがとうございました(ペコリ)。さぁって、ちょっと気力が戻ってきたところで、どんどん行きましょう!!次の方は……ロバートさんですね。忙しいとのことでお手紙を頂いております」

 

証言者その5:ロバート・ロベリンゲ(ソフィアの父)

国士「では早速……『作者殿へ。彼は若いのに、私のような下手な大人よりも物事を理解している。いや、理解度はあまり関係ないか。理解をした上で行動につなげようとするという点で、周りの連中の追随を許さない、そういう男だと思う。彼に会えたことで、私は立ち直るきっかけを貰った。私は彼に感謝している』……なかなかな回答をありがとうございました。あんまり真面目な回答が少ないので(自分も不真面目なこともあるけど)、こういうのを頂けるとこのコーナーやってる甲斐があるってものです(気力100に回復)。じゃ次いってみよ〜」

 

証言者その6:スー・グラフトン(グラフトンパン工房の看板娘)

国士「スーさん、こんにちわ」

スー「……(目で威圧)」

国士「ど、どうしたんですか?」
スー「私のこと、さん付けで呼ばないでくれる?『釣○バ○』とか、以前やってた『学校へ行こう』の乙○団に出てくる人に間違われるからよ!(さらに怖い目付き)」

国士「(こ、こここういう時は……)も、申し訳ありませんでした!!スーお姉さまのようなお美しい方に、何と言うことを行ってしまったのでしょうか……不躾な私をお許し下さい!!」

スー「(目をキラキラと輝かせて)もぅ、国士君ったら正直者なんだからぁ……(はにかみ顔でうっとり)」

国士「(何だか返ってインタビューしづらくなっちゃったなぁ)ところでスーお姉さま、ケイゴさんについてお話をうかがいたいのですが」

スー「そおねぇ……私、結婚するなら年上がいいって言ってたでしょ?」

国士「は、はぁ」

スー「でもねぇ、ケイゴ君に会ってから年下でも紳士的な人がいるってことを知ったのよ」

国士「んで、トドメは神殿跡地での出来事ですか?」

スー「そーーーーなのよぉ(はぁと)。その時ね、私、ケイゴ君と結婚するって決めたのぉ」

???「待ちなさい!!ケイゴ様のハートを射止める乙女は、このワタクシでしてよ!!」

スー「!!」

国士「あ……あなたは、リンダ・ザクロイドさん!!」

 

証言者その7:リンダ・ザクロイド(ザクロイド財閥令嬢)

国士「あ、あのぉ……リンダさん、今回はあなたをお呼びしておりませんが……」

リンダ「黙らっしゃい!そもそも、ケイゴさんのことを語るこのコーナーにワタクシを出さないなんて、無礼もいいところですわ!!」

国士「はいぃっ!!(威圧に敗北・現在気力40)」

リンダ「それと、スーさん」

スー「なっ(プチッ)!!」

リンダ「あなたみたいに、自分勝手な理由で男を捨てるような人に、ケイゴさんの伴侶なんて務まりませんわ」

スー「い……言ったわねぇ!!あんたみたいにクソ生意気でタカビーな女と結婚したいっていう男なんている訳ないでしょ!!」

リンダ「何よ!!」

スー「何よ!!」

国士「(女同士の火花が飛び散ってる様子を見て)だ、だったら、直接ケイゴさんに訊いたらどうですか?結婚するならどっちがいいってな感じで?」

スー・リンダ「なるほど(ポンと手を打つ)」

国士「あ!あそこ見てくださいよ!(窓の外を差す)グッドタイミングな感じでケ……(硬直)」

スー「どうしたの?(外を見る)」

リンダ「ケイゴさんがそこにいるんですわよね?(外を見る)」

 

ソフィア「ケイゴさん……あの、これ作ったんですけど……その、食べて……ください(はにかみながらも、お菓子の詰まったバスケットを差し出す)」

ケイゴ「ああ……ありがとう(ちょっと照れてる)。一つ、いいか?(クッキーを頬張る)」

ソフィア「(ドキドキワクワク)」

ケイゴ「……うまい」

ソフィア「!……ほ、ホントですか!?」

ケイゴ「ああ。悪くない。すまないな、俺のために」

ソフィア「……いえ」
 

国士「……」

スー「……!!」

リンダ「……!!」

国士「(こりゃ、最悪の状況だわ)……グラフトンさん、ザクロイドさん?(恐る恐る振り返る)」

スー「ケイゴ君ってお菓子作りの上手な娘が好みだったのね(後ろに闘志の炎)!!」

リンダ「ワタクシ、ケイゴ様のお口に合うお菓子を作り上げてみせますわ(闘志の炎2)!!」

国士「あっ、スーさんっ!リンダさんっ!って、もういなくなっちゃったよ。ケイゴさんが、ソフィアさんからお菓子をプレゼントされた時の顔が印象に残っちゃったんでしょうね……ソフィアさんの前じゃないとあんな顔見せないのに(溜め息)。これじゃ、ケイゴさんも来ませんよね……」

ケイゴ「俺ならここにいるが?」

国士「ゥオアッ!!!ケイゴさん、脅かさないでくださいよ!!」

ケイゴ「……すまなかった。気配を消してここまで来たのだ。早くインタビューを始めたらどうだ?」

国士「そうですね」

 

証言者その8:ケイゴ・シンドウ(本人)

国士「そういえば、さっきソフィアさんと一緒にいましたよね?」

ケイゴ「ああ。知っている。感心せんな、プライベートを覗くのは」

国士「ええ、すみません。……で、それなんですけど、さっきスーさんとリンダさんも見てたんですよね……」

ケイゴ「……それも解している。その後、不穏な気配を二人が醸し出していたのも承知だ」

国士「つくづくすごいですね。ケイゴさんには毎回驚かされますよ……特に、前回の戦の時なんかが」

ケイゴ「……あれについては俺も驚いた。自分には隠された力があって、それがピコだったのだからな……最近になって、ピコの記憶と思しきものが俺の記憶に混じっていることに気づいて、改めて元々一つの存在だったことを思い知らされた。だが、俺はあいつの分も生き抜いてやるつもりだ」

国士「……強いですね」

ケイゴ「割り切っているだけだ」

国士「でも、そう決めたんですから、好きな人と一緒に生きようっていう誓いを破るような真似はしないでくださいよ」

ケイゴ「努力しよう」

国士「それじゃ最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします」

ケイゴ「ああ。作者の好き勝手な都合で、支離滅裂な話も出てくるだろうが(実際幾つかあるな)、俺の行く末を見届けて欲しい。以上だ」

国士「はい、どうもありがとうございました。これにて、インターミッション2を終了したいと思います。では次の機会までさようなら(諸手を振ってバイバイ)!!」


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