インターミッション「ケイゴ・シンドウの羨ましい生活」


国士無双(以下、国士)「皆さん、こんにちは!国士無双です!今回は、インターミッション『ケイゴ・シンドウの羨ましい生活』と題しまして、登場人物の皆さんから、ケイゴさんについてインタビューしてみようと思います……ってあれ、ハンナさん?」

ハンナ「こんにちは、国士さん!(元気に部屋の中に入って来る)」

国士「こんにちは、ハンナさん。いつも元気ですね?」

ハンナ「うん、まぁ、僕の取り柄なんて走ることと元気なことだけだから(ちょっと落ち込む)」

国士「いえいえ、そんなことないですよ。可愛いのも取り柄じゃないですか?(我ながらナイスフォロー)」

ハンナ「え?そう?(誉められてニコニコ笑顔)ありがとう。ところで、インタビューだったよね?早く始めようよ」

 

証言者その1 ハンナ・ショースキー(ケイゴの友だち)

ハンナ「ケイゴって、初め会ったときは怖そうな印象だったんだけど、結構いい人なんだよね。優しいところとかもあるし」

国士「そうですよね。なんかいつも無愛想な顔してますけど、みんなのことをちゃんと考えているんですよ」

ハンナ「猛獣に襲われそうになったときなんかホントに助かったよ。ケイゴがいなかったら僕、死んでたかも知れないし……だから、ケイゴに怪我させちゃったお詫びも含めて今度のスポーツの祭典頑張るよ!それじゃ」

国士「そうですか!優勝できるといいですね、ハンナさん!それでは次の方、どうぞ!」

 

証言者その2 ライズ・ハイマー(ケイゴの友だち)

国士「(な、なんか怖そうだなぁ……)こ、こんにちは、ライズさん」

ライズ「(無表情で、小さな声で)こんにちは」

国士「あ、あのぉ、ケイゴさんについて、ライズさんはどう思ってますか?(恐る恐る)」

ライズ「そうね……彼の強さは半端じゃないわ。気の力そのものを操る武術なんてそうそうないわ」

国士「そうですね。でも、今の彼では金剛武神流の裏奥義は使えませんよ?私としてはまだまだだと思いますけどねぇ」

ライズ「……甘いわね」

国士「へ?」

ライズ「彼なら、その裏奥義とやらも習得できるんじゃないかしら?最近、彼吹っ切れたみたいだから」

国士「ええっと、それってミコトさんの件ですね。ケイゴさん、それでそうとう悩んでたみたいですけど……ああっ!ひょっとして、ライズさん、ケイゴさんのこと心配していたんですかぁ?(突然、にやついた顔で大げさに)」

ライズ「(ぶしゅ〜〜っと顔を真っ赤にする)そ、そんなこと言ってると、頭が軽いと思われるわよ(と言って、顔を赤くしたままその場から走り去る)」

国士「いやぁ、ライズさんも可愛いところありますねぇ。好きなら好きって言えばい(上から落ちてきた巨大タライがゴーーンと直撃)……のに(バタリ)」

 

???「おい、大丈夫か!?しっかりしろよ!」

???「国士お兄ちゃん、大丈夫?」

国士「う〜ん……あれ?レズリーさんにロリィさんじゃないですか?どうしたんですか?」

レズリー「どうしたもこうしたも、こっちが訊きたいぜ。インタビューの途中で気絶してたんだぞ」

国士「な、なんだってぇ〜〜〜〜っ!す、すみません!」

 

証言者その3 レズリー・ロピカーナ(ケイゴの友だち)

証言者その4 ロリィ・コールウェル(ケイゴの友だち)

レズリー「そうだなぁ……早い話、ケイゴってどこかあたしに似てるんだよ。あたしが言っちゃあれだけど、ぶっきらぼうなとこだとかさ」

国士「う〜ん(少し腕組みしてから)私は、ライズさんに似てると思いますけど。物静かで、理路整然な考え方してますし、第一、表情を表に出したがりませんからね」

ロリィ「でも、優しいところはお姉ちゃんに似てるよ」

レズリー「(ちょっと照れた顔で)そ、そうか?」

ロリィ「だって、お兄ちゃんはロリィの王子様だもん……(眼を輝かせ、乙女チックモード炸裂)」

国士・レズリー「……」

国士「ロリィさんは放っといて続けましょう。そういえば、ロリィさんを助けたときのケイゴさんってすごかったですよね?」

レズリー「水の上を走ったんだもんな。多分、その場所にいたみんなが口をだらしなく開けてたんじゃねーの?」

国士「さすが、金剛武神流ですよね」

レズリー「ケイゴには感謝してる。大切な妹分を助けてくれたんだ。言葉じゃ言い表せないくらいだよ、ホント。ケイゴ、あんたが何か困ったことあったら、あたしたちに言えよ。あたしたちは仲間なんだからさ」

ロリィ「え?お兄ちゃんがどうしたの?(妄想世界から帰還)」

レズリー「ん?ああ、もうあたしたちのインタビューは終わったよ。ホラ、帰るぞ」

ロリィ「あっ!お姉ちゃん待ってよーっ!」

国士「レズリーさんとロリィさんって仲良しなんですねぇ(しみじみ)……くれぐれもケンカしないで下さいよ。さて、次の方は……と」

ジョアン「ハァッハッハッ!ジョアン・エリータス華麗に見参!」

国士「ああっ!呼んでもないのに出て来ないで下さい!」

ジョアン「安心したまえ!この僕が来たからにはソフィアの魅力について存分に語ってやろう!」

国士「……あの、ジョアンさん。このコーナーはですねぇ、『THE GOD HAND』の主役であるケイゴさんについて語って頂くコーナーなんですよ」

ジョアン「な、なんだと!どーしてあの忌々しい東洋人について語らねばならないんだ!(言葉では形容できない形相で詰め寄る)」

国士「そう言うんでしたら、今日の出番これで終わりですよ。それでもいいんですか、ジョアンさん?(作者の権限発動)」

ジョアン「そ、それは困る!(急に弱気になる)今年度の出番は二回(そのうち一回はまだ名前が出てない)だけなんだ!出させてくれ!」

国士「よろしい」

 

証言者その5 ジョアン・エリータス(ケイゴのライバル←ジョアンの勝手な思い込み)

ジョアン「あの東洋人、初めてこのエリータス家三男であるこの僕を馬鹿にしたんだぞ!しかも、ママに買って貰った剣を訳のわからない力で粉々にしたんだ!」

国士「訳のわからない力じゃありませんよ、気功ですよ気功」

ジョアン「そんなのなんかどうでもいい!あのような男がいていい筈が……」

国士「やかましいですよ、もう結構です!(パチンを指を鳴らす)」

ジョアン「(落ちてきた釣り鐘に閉じ込められる)うわぁ〜〜っ、暗いよ〜っ!狭いよ〜っ!怖いよ〜っ!ママぁ〜〜っ!」

国士「フッ、こんなこともあろうかと、対ジョアン用捕縛装置を用意していたのだよ……(決まったぜ)さて、ここでお手紙の紹介を……おおっ!カンザキ父娘からのようですね。早速読ませて頂きます!」

 

証言者その6 カンザキ父娘(ケイゴの育て親にして師匠とその娘)

国士「えーっと『レイイチロウだ。ケイゴ、しっかり修練しておるか?連獄閃を会得したら、一戦交えよう!』……これはレイイチロウさんのメッセージですね。弟子を思う師の思いがジンジン伝わってきます!あっ、こっちはミコトさんですね。(もう一枚の紙を封筒から取り出す)『お兄様、ソフィアさんを泣かせたら、私が懲らしめに参りますわよ!』だそうです。それにしてもミコトさん、ケイゴさんのことをあきらめるなんてよくできたなぁ……とても勇気が必要だったんじゃないでしょうか?それに、無表情なケイゴさんの顔を見ただけで彼の考えていることを見抜いたミコトさんはすごいですよね?(私も、そんな幼なじみの女の子が欲しかったなぁ、はぁ)さて、次の方に参りましょう!」

 

証言者その7 クレア・マジョラム(ケイゴの友にして戦友だったヤングさんの奥さん)

国士「こ、こんにちは、クレアさん」

クレア「こんにちは、国士さん(ニコニコ喜久子スマイル)」

国士「ケイゴさんについて一言お願いします(つられてニコニコ)」

クレア「ケイゴ君って、とってもいい子よ。見た目はあんな感じだけど、優しくて、みんなのことちゃんと考えてくれるから」

国士「それなら、ハンナさんやレズリーさん、ロリィさんも言ってましたよ。みんな何らかのことで助けて貰ってるみたいですね」

クレア「みんなそうなのね。私も、ケイゴ君には助けられたわ」

国士「(第六章を見ながら)ああ、この科白ですね。『クレア殿。確かに、大切な人を失うのは悲しい。だが、越えられない『こと』ではない筈だ』か……ケイゴさん、ご両親が亡くなったのに、強く生きてますよね?」

クレア「ええ、だから、私も負けないように夫の死を乗り越えられるよう、頑張ってみるわ」

国士「(クレアの意志に感動)私も応援しますから、是非とも頑張って下さい!」

クレア「ありがとう、国士さん(と、頭を下げて帰る)」

国士「素敵な人でしたね……さて、どんどん行きましょう!」

 

証言者その8 ソフィア・ロベリンゲ(ケイゴの友だち以上の存在)

ソフィア「こんにちは、国士さん」

国士「こんにちは、ソフィアさん。(可愛いな。ポッ)あの、ケイゴさんについて一言どうぞ」

ソフィア「はい。ケイゴさんに初めて会ったのは倉庫街でした」

国士「チンピラに襲われかけたところを、助けて貰ったんですよね?」

ソフィア「ええ、最初はちょっと怖かったですけど、すぐに、本当は優しくていい人なんだなって思いました。(ほんのり顔が赤らめる)」

国士「他のみなさんと違って、ソフィアさんはすぐにケイゴさんがどういう人かわかったんですねぇ。(ちょっと感心)」

ソフィア「誰も、私のことを助けてくれようとはしなかったのに、ケイゴさんは人垣を掻き分けて助けに来てくれました。そんな人が、悪い人だなんて思えません」

国士「うんうん、そうですよねぇ。(感心感心)」

ソフィア「ミコトさんが好きになったのもわかります……(少しうつむく)」

国士「あ、あれ?」

ソフィア「私、不安なんです。ミコトさんの代わりになれるかどうか……」

国士「なにをおっしゃってるんですか!ケイゴさんはあなたをミコトさんの代わりだなんて思ってるわけないですよ!ケイゴさんにとって、ソフィアさんはソフィアさんなんですから!」

ソフィア「国士さん……そうですよね。私もっと自信持っていいんですよね?」

国士「そうですとも!ミコトさんの言ったあの言葉(第十一章後編参照)は、絶対嘘なんかじゃありませんよ!」

ソフィア「私、勇気がわいて来ました。国士さん、ありがとうございました」

国士「いえいえ、早くケイゴさんとの仲が深まるといいですね!」

ソフィア「ハイ!」

国士「……行っちゃった。こんな娘に好かれるなんて、ケイゴさんって人は……くぅ〜〜っ!って、次は主役のケイゴさんじゃないですか!この方は何としてもお呼びしなくては……さあ、ケイゴさん、どうぞ!」

 

証言者その9 ケイゴ・シンドウ(本人)

ピコ「ケイゴだったら、今傭兵隊の訓練中でいないよ」

国士「なにぃっ!!(思わずこける)ってピコさんじゃないですか?どうしたんですか?」

ピコ「ケイゴがこのコーナーに出られないって行っておいてくれって頼まれたのよ」

国士「あっ(ポンと手を打つ)そうか、それでギャリックさんもアシュレイさんも今日来てなかったんですね。あの、ピコさん」

ピコ「何?」

国士「せっかく来たんですし、ケイゴさんについて一言お願いします」

ピコ「う〜ん(しばらく考える)……あったらケイゴに直接言うからいいよ。じゃ(ピコピコと羽を動かして部屋から去る)」

国士「そ、そんなぁ〜〜っ!あ、そうだ、スーさんはどうだろう?スーさんのことだからいろいろしゃべってくれるかも……(そこに、一枚の紙が渡される)ええっ!今日はグラフトンパン工房の特売セールで出られない!?じゃ、じゃあテディーさんは……無理ですよね。看護婦さんですから休めませんもんね。ロバートさんはどうだろう……(また紙が渡される)ええっ!ロバートさんは近衛隊の就職試験中!?とほほ、これじゃあ何のためのインターミッションなんだぁ〜〜〜〜っ!」

ジョアン「ハッハッハッ、無様だな国士無双!」

国士「あっ!そんなことを言ったらもう出してあげませんよ(パチン)」

ジョアン「なにっ!(また落ちてきた釣り鐘に閉じ込められる)うわぁ〜〜っ、暗いよ〜っ!狭いよ〜っ!怖いよ〜っ!ママぁ〜〜っ!」

国士「めちゃくちゃな終わり方で本当に申し訳ございません。今後とも『THE GOD HAND』をよろしくお願い致します。(一礼)」


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