第十一話


不動のボランキオを倒して1週間か過ぎようとしていた。

ショウ「おい、マクラウドが呼んでいるぞ」

ゲイル「マクラウドが?」

俺はマクラウドの元へ向かった。

マクラウド「来たか」

ゲイル「何か用か?」

マクラウド「俺は、この部隊の指揮官を外れる事になった」

ゲイル「おいおい、まだ指揮官になったばかりだろ?」

マクラウド「それでだ。お前に、この部隊の指揮官を命ずる」

ゲイル「な、何ぃ!?」

あまりにも意外だった為、驚く俺。

ゲイル「どうして俺が?」

マクラウド「八騎将とは、お前が戦う事に決まったのでな」

ゲイル「それで、俺に決まった?」

マクラウド「そういう事だ」

ゲイル「だが、俺に指揮官など務まるわけないだろ?」

マクラウド「安心しろ。ほとんどの指揮は俺がとる」

ゲイル「それだったら、お前が指揮官を続ければいいだろ?」

マクラウド「指揮官が、八騎将と戦うための条件なんだ」

ゲイル「わかったよ。やればいいんだろ?」

マクラウド「そういう事だ。まぁ、よろしく頼むぞ」

 

そして夕方。

シュウ「ゲイル。指揮官に任命されたんだってな?」

ゲイル「もうみんな知っているのか?」

ショウ「当然だろ?」

ゲイル「はぁぁ〜…」

ため息をつく俺。

ショウ「おっ!あれは、お前の愛しのソフィアじゃないか?」

ゲイル「ジョアンと同じにするな!」

ソフィア「ゲイルさん、指揮官に任命されたんですってね。おめでとうございます」

ゲイル「ああ、ありがとう……」

ショウ「素直に喜べよ」

ゲイル「俺の勝手だ」

ソフィア「それでは、わたしはこれで」

ソフィアはそう言って立ち去った。

シュウ「俺たちも帰るか」

ゲイル「そうだな」

俺たちは宿舎に戻った。

 

ピコ「おかえり!今日、指揮官に任命されたんだって?」

ゲイル「帰ってきて、最初にそれを聞くか?」

ピコ「これで聖騎士への道も遠くはないよ」

ゲイル「無視かい!」

ピコ「とにかく、頑張りなさい」

ゲイル「分かっている」

 

そして日曜日。

ピコ「ねえねえ、手紙が来てるよ」

ゲイル「何々……

    『果たし状

     遺跡跡にて、貴公に決闘を申し込む。

             氷炎のライナノール』

    え!?」

ピコ「ライナノールって、八騎将の一人だよね?」

ゲイル「ああ」

ピコ「どうするの?」

ゲイル「受けるしかないな」

ピコ「行ってらっしゃーい」

 

俺は、指定された場所へ向かった。

ライナノール「来たか」

ゲイル「俺は、このような戦いをしたくない」

ライナノール「黙れ!あの人の…私の愛していた人の仇を討つ!」

ゲイル「戦うしかないのか……」

ライナノール「行くぞ!」

ゲイル「!?身体が、動かない…?」

ライナノール「喰らえ!」

ゲイル「ぐあっ!!」

ライナノール「我が攻撃を避ける事は出来ぬ!」

ゲイル「なるほど…氷と炎を使った攻撃か…。面白い」

ライナノール「止めだ!」

ゲイル「おっと!」

ライナノール「剣だけ?」

ゲイル「はあっ!」

ゴフッ!

俺は、剣を当て身のようにして攻撃した。

ライナノール「……私の負けだ。さあ、殺せ!」

ゲイル「逃げろ」

ライナノール「何?この私を見逃す気か?」

ゲイル「そうだ」

男「ちょっと待ちたまえ!」

ゲイル「ジョアン!?」

ジョアン「君が始末しないのなら、このボクが始末してあげよう」

ゲイル「待て!この人はもう戦えない!」

ジョアン「お前ら!奴を捕らえろ!」

ジョアンの手下は、ライナノールを捕まえた。

ライナノール「貴様!この次からは、地獄を見るぞ!」

ライナノールはそう言って、ジョアンに連れて行かれた。

ゲイル「仕方の無いことなのか……」

俺はそう思いながら宿舎に戻った。

 

ピコ「勝ったの?」

ゲイル「勝ったには勝ったさ。だが…… 」

俺は、ピコにその出来事を話した。

ピコ「ジョアンがねぇ」

ゲイル「ああ……」

ピコ「明日からどうするの?」

ゲイル「暫く、バイトでもするよ」

ピコ「皆と顔を合わせたくないから?」

ゲイル「ああ」

 

次の日から、俺はバイトをし始めた。

 

続く……


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