55号車 56号車

マツダ787B


おなじみ日本車で初めてルマンを制した車。
ロータリー最後の年に優勝し、今でもマツダのモータースポーツといえばこの車が筆頭に出てくるほど。
もちろん人気も高い。

エンジン:R26B
654cc×4ローター(×係数1.8=4709cc)
最高出力:700ps/9000rpm
車両重量:845kg(55号車)/850kg(18・56号車)


マツダ787B ■91年SWC第4戦ル・マン24時間レース 出場38台/完走12台
順位車番チーム周回数走行距離平均時速ベストラップ
55マツダスピード/マツダ787B3624923.2km205.133km/h3'42"958
B.ガショー/J.ハーバート/V.バイドラー
35シルクカットジャグァー360204.106km/h
34シルクカットジャグァー358203.238km/h
33シルクカットジャグァー356202.070km/h
31ザウバーメルセデス355201.748km/h
18マツダスピード/マツダ787B3554828.0km201.361km/h3'42"185
D.ケネディ/S.ヨハンソン/M.S.サラ
58ヨーストポルシェ347196.886km/h
56マツダスピード/マツダ7873464705.6km196.610km/h3'50"467
従野孝司/寺田陽次朗/P.デュドネ
11クレマーポルシェ343194.815km/h
1017ブルンポルシェ338191.716km/h
1112クーガーポルシェ331188.181km/h
1241スパイスフォード326184.791km/h


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ロータリーサウンド、ル・マンを貫く
SWC第4戦 ル・マン24時間レース

SWC唯一のマラソンレース

今回のル・マンはSWCのシリーズとなったために、カテゴリー分けが今までと異なるものとなった。C1(カテゴリー1)とは、NA3.5リットル以下、12気筒以下のレシプロエンジン。対するC2(カテゴリー2)はそれ以上の排気量、ターボ付き、ロータリーエンジンがその枠に入ることになる。有力チームは今のSWC主力であるC1マシンを用意したが、C1でグリッドに並んだのはプジョーとフォードエンジンだけとなった。

予選の結果はNo.1のザウバーメルセデスが3分31秒370をマークしたが、C1優遇策のために、10番手からのスタートとなる。したがってグリッドの先頭に位置するのは、No.5とNo.6の2台のプジョーだ。No.5はメルセデスそして、出場を見合わせたC1のジャガーXJR14の3分31秒912に続く3分35秒058というタイムを出した。

プジョーは最初の1時間あまりは首位を守り続けたものの、前日の非勝利宣言通り(?)No.5がスタートから2時間ほどでリタイヤ。さらにNo.6が7時間ほど走った22時50分に、ギアボックスのトラブルでリタイアとなった。両車ともヘッドライトを灯ける前に、プレスルームの掲示板にABANDONの文字を記すことになったが、68周という周回が来年に向けての大きなデータになったかどうかは来年のル・マンが証明してくれることだろう。

レーススタートから2時間後には、プジョーの後退劇を横目に上位3台はザウバーメルセデスが独占する形となった。その間に徐々に順位を上げてきたのが、No.55のマツダの787Bだ。スタートこそ19番手と目立たないところにいたが、5時間後には5位にまで追い上げ、入賞の可能性がささやかれ始めた。しかし、まだ5時間目。日も落ちていないこの時点で、全く楽観できる状況ではない。

マツダとともにポイントを伸ばしてきたのが、No.35のジャガーだ。こちらは、XJR12、7リットルのNAモデル。昨年はこの仕様で優勝を手中に収めている。

夜中から早朝にかけて、ザウバーメルセデスは2台のマシンの順位を下げてしまった。No.32はフロントカウルまわりの交換と、フロアボードの固定などに手間取り、40分近いピット作業を余儀なくされた。そして、このマシンはその後エンジントラブルでリタイアという運命をたどる。また、No.31はギアボックスのトラブルにより数度のピット入りの必要に迫られ、順位を3位から8位まで転落させられることになった。No.1はリアサスのチェックなど、多少のトラブルはあったもののひたすらトップを守って快走を続ける。

メルセデスに異変が…

日の光をようやく見るようになった23日。No.1のザウバーメルセデスの快走は続く。それに続くのは、2台のメルセデスの後退で浮上したNo.55マツダとNo.35ジャガーだ。メルセデスとマツダの差は4ラップマツダとジャガーは同ラップで、2位争いを演じる。

23日、昼近く。メルセデスの快走するなか、観客が再び集まり出す。フランス旗のまわりにいたはずの観客はかなり減った印象だ。それに対して、ドイツ組、イギリス組はまだまだどころか、さらに元気といった感じ。

そして、残すところはあと4時間ほど。これで、メルセデスは勝利を不動のものにしたと思われた。しかし、誰がこんなにドラマチックな展開を予想しただろうか?ほとんど余裕と思われ、寸分のトラブルも見逃さないはずのメルセデスがいきなりピットに入り、そしてその低いエンジン音を聞かせなくなった。時計は13時を指そうとしている。ピットは原因を究明するべく慌ただしく動く。その脇を、甲高い独特のエンジン音を轟かせてNo.55マツダが爆走する。

観客がこの意味に気がついた。拍手がどこからともなく起こった。あと3周でトップだ。メルセデス陣営はラジエーターに水を掛けはじめた。その間にもマツダは周回を重ねる。あと2周あと1周、そしてトップへ。拍手が沸き上がる。フランス人、イギリス人…多くの人々が拍手を送る。13時20分。ようやくメルセデスのエンジンに火が点いた。今度はドイツ人が拍手を送る番だ。しかし、メルセデスは完治しなかった。13時32分、No.1は再びピットに入り、エンジンは動くことをやめた。

その後、燃費の問題でスピードの乗せられないジャガーに対し、マツダは速い。残りの3時間は2位のジャガーを1ラップ、2ラップと周回遅れにするために使われた。そして、マツダはなによりも速く24時間先の最終目的地に到着した。旗の色に関係なく観客がコース上に飛び出して大騒ぎとなる。これでまたル・マンのための1年が始まったわけだ。

ところで、マツダの優勝は幸運のみがもたらしたのであろうか?昨年の優勝車であるジャガーXJR12の周回数は359周。それに対して今年のマツダは362周を回っている。そして、3台出走したマツダは完走車12台という過酷ななかで全て完走している。これは、歴史的瞬間であったかもしれない。しかし、マツダ・ロータリーの最後の年であったための、特別な優勝ではない。マツダのロータリーが、それだけの耐久レースに勝てるマシンにようやく成長したということなのだ。しかし、あの甲高い音はもう二度とサルテサーキットには響かない。

フランス人の観客が、カメラを持った日本人ジャーナリストの肩に手をやりながら言った。「日本のマシンは素晴らしい。最高だ!」このサーキットには旗の色の争いはなく、勝ちを認め、負けを認める純粋なスポーツの世界があるだけだった。

(モーターファン 91年9月号)

ゲームでは

ノーマル6車のうち最高速が出る(ザウバーと同じ357km/h)。が、この車の速さを語るにはやはり設定を変えてもらう必要がある。
スペシャルカー設定をこの車にすると917Kも真っ青の暴力的な加速が得られる。一度やったらノーマル設定のがめちゃくちゃ遅く感じます。
人気はやはりあり、ノーマル6車の中では一番でしょう。

LENGTH:4872mm
WIDTH:1994mm
HEIGHT:1003mm
WEIGHT:830kg over
ENGINE TYPE:R26B/ROTARY
DISPLACEMENT:654cc*4
MAX POWER:700ps/9000rpm



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