1話 あかい星にて
1996年10月3日。国連宇宙部による「火星体験学校(コズミック・カルチャー・クラブ)」の第一次メンバーが火星に到着した。エリザベス・クレブリーに引率された総勢16名,その中にアンナ・ステファニー,デビット・ラザフォード,ロアン・デミトリッヒ,シモーヌ・ルフラン,アーサー・カミングス・ジュニア,ジュノらがいた。
そんな彼らを迎えたのは異星人による祝砲であった。
火星での生活に胸を躍らせる彼らの前に,国籍不明の戦闘兵器が4機互いに砲火を交えながら舞い降りた。3機の機体が1機の機体を追い回しているように見える。
他の基地との連絡が取れぬまま,砲撃に巻き込まれ徐々に破壊されていく国連基地。惨劇はついには体験学校の生徒にも及んだ。デビットの無二の親友ジュノが崩れた建物の下敷きになり死んでしまった。恐怖におののくシモーヌとアンナ。デビットの悲痛の叫びが響く。「誰か説明してくれよー!!」
生き残ったエリザベス,アンナ,デビット,ロアン,シモーヌ,アーサーと国連スタッフは命からがら地下ブロックに避難した。
3機の撤退によって戦火は一時的に幕を閉じた。
地下ブロックで不安におののく人々の前に一人のSPTの操縦者が姿を見せる。
エイジと名乗った彼は静かに地球の危機を告げた。
「地球は狙われている。」