始皇帝と彩色兵馬俑展 司馬遷『史記』の世界

江戸東京博物館
2006年8月16日


 始皇帝と彩色兵馬俑展 司馬遷『史記』の世界。この展覧会が始まったのとときを同じくして放送された「世界ふしぎ発見」を見てちょっと興味をくすぐられて見に行くことにした。


両国駅から江戸東京博物館へ行く途中で

 お盆期間中の東京都内は人通りが少なくなるというテレビ報道を真に受けて、お盆中の平日昼間ならば、人がさほど多くはないのではないかという期待の元に出かけた。

 結果は……前売り券を持っていたのでチケット購入と入場では並ばずにすんだが、会場内に入ると、時刻的には、開場後1時間なのに既にかなりの人だかり。あれ?(?_?)もっと早く行かないとだったのかなぁ。
 解説文を読むのも、小さめの展示物を人の頭越しでなく見るのにも並んで順番待ち。入場して30分しないうちに係員さんから「混みあっているので早くお進みください。」みたいなアナウンスがあった。

 ※俑とは、木、土、金属、陶器で作られた人間や動物をかたどった副葬品。

 『史記』が竹簡で作られているレプリカが会場の最初に展示されていた。竹簡に書かれているのを初めて知った。びっくり。

 “始皇帝の兵馬俑展”と銘打ってあり、メインはその通りなのだけど、サブタイトルにもある通り、司馬遷の『史記』をモチーフにしているので、前漢時代の俑や小物の方が数的には多かった。
 博物館で行われている特別展なので、分類や展示方法は見易くなっていたのではないかな。

 メインの「彩色跪射俑」→ のガラスケースのまわりは何故か人が少なめで、ゆっくりじっくり周囲を巡って鑑賞できた。不思議。色的には、赤が残り易いみたい。
 楽士俑、力士俑、文官俑、将軍俑、御者俑が見事で印象に残っている。いっぱい継ぎ接ぎしてあった楽士俑がどんな楽器を弾いていたのか、想像をかきたてられる。

 魚をくわえた雁の燭台が、煙が魚と雁の口を通って胴体にはった水にとけて部屋が煤けない構造になっているのと、光量の調節ができるように工夫されているのが気に入った。

 兵馬俑の兵の一人一人の顔立ちが全て違い、その顔立ちの特徴から出身地が推定でき、インド系、ヨーロッパ系の顔立ちの人たちもいるとの解説が面白かった。紀元前の頃から交流があり、兵卒として秦に参加するほど中国の中に入っていたってことなのかな。

 前漢時代の騎馬俑は乗馬している人の胴体から上と馬の尻尾が取り外しでき、別々に焼かれた大量生産品だという。2000年以上前から大量生産ってあったのね。(笑)

 兵士や人の俑は服は絹で、鎧は革で、剣は木で作られており、長い年月を経て、それらは全て朽ち果てて、焼かれた俑だけが、今、私たちの目の前にある。最も素朴なものが最も時を経て私たちに時代を伝えている。
 兵馬俑で発掘された、青銅の白鳥、雁、鶴が1つづつ展示されていた。勢ぞろいしているのを見たいなぁ。

 秦〜前漢の歴史の流れをもっと詳しく知っていたら、もっと興味深く見られたのかもしれない。

 「彩色跪射俑」のビデオ上映11分で、どのようなところで見つかり、当時はどのようだったのか、周囲や「彩色跪射俑」の色を再現したりしていたのが面白かった。

 10時30分に入場して12時20分に出口に辿りついた。予想以上の人ごみで、ノドが乾いてちょっとお疲れ目。1時間くらいで見学できるかな〜などと軽〜く思っていたら、思いのほかボリュームと見応えがあったのが予想外。(失礼!m(_ _)m)