ミラノ アンブロジアーナ図書館・絵画館所蔵
レオナルド・ダ・ヴィンチ展
天才の肖像

2013年4月

上野公園にて
「音楽家の肖像」

 GW中のとある休日、上野の東京都美術館で開催中のミラノ アンブロージアーナ図書館・絵画館所蔵 レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像(以下、レオナルド展)を見学しました。

 東京都美術館へ開館時間の9時30分に到着するように上野駅から歩いていると、国立西洋美術館の前には、ラファエロ展の開館を待つ長蛇の列がありました。ラファエロ展、恐るべし。

 東京都美術館のレオナルド展はどうなのか、少しドキドキ。

 予定通り、9時30分に東京都美術館前に到着。ロッカーに見学には不要な荷物を入れて9時40分に見学スタート。
 主催者さんなどのご挨拶が掲示してある入ってすぐの部屋に入ってびっくり。そこには、3人の先客さんがご挨拶の文を読んでいるだけでした。思わず「えっ?!」
 展覧会のタイトルにレオナルド・ダヴィンチを冠したGWの休日ですよ!その最初の部屋の先客が3人。そのあまりの数の少なさに驚いてしまいました。この先の展示室も、もしかしたら比較的空いていたりして…。

 展示室に「岩窟の聖母」があるのにビックリ。ナショナル・ギャラリーの「岩窟の聖母」をヴェスピーノが忠実に写し取ったのだそうです。顔や額がゴールドでテカテカしているのがすっごく奇異に感じられました。

 最初の展示室に油彩画が3枚あり、その次の展示室からは、素描やダ・ヴィンチの愛読書などの展示になりました。

東京都美術館
「音楽家の肖像」


東京都美術館
「音楽家の肖像」

 その中にマルコ・ポーロの「東方見聞録」のラテン語版とヴェネト方言版がありました。当然、マルコ・ポーロの直筆ではなく、その手の職人さんによる流麗な書体の本ながら、本物の「東方見聞録」を見られて何だか嬉しい悲鳴。本物の「東方見聞録」を見たの初めてでした。

 そして、レオナルド・ダ・ヴィンチの「アトランティコ手稿」22葉(うち1葉は工房作)。
 ダ・ヴィンチ独特の鏡文字で書かれたそれらのメモや考察の絵図たち。「影の理論」や「月形」などその手のものには不案内な私には???な世界。
 いわゆる天才には生き難い時代だったのか、少数でも理解する人がいれば生きられる時代だったのか…。

 お父さんへ宛てた手紙だけは鏡文字ではなく、普通の文字だったのは、ダ・ヴィンチも人間の子なのだなぁと微笑ましくなりました。
 今回のレオナルド展で唯一出展されているダ・ヴィンチ作の油彩画「音楽家の肖像」。ミラノのアンブロジアーナ絵画館所蔵のこの作品。2009年10月のイタリア旅行でミラノを訪れたとき、サンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会の「最後の晩餐」は見学できましたけれど、アンブロジアーナ絵画館へ行くだけの時間の余裕(フリータイム)はありませんでした。「音楽家の肖像」だけを見るためだけにミラノへ行くか否か…。と、思っていたら、「音楽家の肖像」の方から日本に来てくださったのですから、ラッキー♪この上ありません。

 ここだけは混雑しているだろうと思っていたら…前の人の後ろについて1分も待つことなく「音楽家の肖像」の前に立てました。人垣もこの一重だけ。日本の特別展のダ・ヴィンチの作品が、こんなにあっさりとゆっくりと見られるなんて…。ウソみたいです。

上野駅近辺
「音楽家の肖像」

 真正面で「音楽家の肖像」と向きあえました。向かって左サイドの髪の毛と背景の境が何となく私には不自然に見えてしまえました。
 数歩下がっても最前列の方の合間から、十分に見学でき、さらに後のベンチに座っていても、タイミングによって何十秒か前に人の流れが途絶えて、ベンチに座ったまま何物にも遮られずに「音楽家の肖像」を見られました。

 素描が多く、それもダ・ヴィンチ以外の画家さんの手によるものがほとんどで、ダ・ヴィンチの手によるのは、「アトランティコ手稿」と素描1点と「音楽家の肖像」だと、日本のダ・ヴィンチのファンの心が動かないのでしょうか。それとも天気&陽気の良いGWの休日は、美術館ではなく屋外の行楽に行ってしまってらっしゃるのか…。う〜む〜、ラファエロ展は開館待ちの長蛇の列でしたが…。

 混雑覚悟で行ったGWのレオナルド展見学。それが予想に反して、ストレスのないとっても快適な見学となりました。

サラダと
ミネストローネ


パン


  ミュージアムグッズ・ショップで「アトランティコ手稿」のポストカードを6枚と「音楽家の肖像」のポストカードを買い、ミュージアム・ショップを出たのが11時25分。

 見学の所要時間は1時間45分。

 ランチは、いつもの国立西洋美術館のレストランへ(笑)。
 バナナとチョコチップのアイスのバナナのアイスは、古典的なバナナアイスのテイスト。

 「アトランティコ手稿」と「音楽家の肖像」をストレスなく思う存分見られて幸せな展覧会見学でした☆

ビーフ・ステーキ


バナナとチョコチップのアイス
アイスコーヒー