カポディモンテ美術館展

2010年7月

「貴婦人の肖像(アンテア)」
上野公園にて

 上野の国立西洋美術館で開催中のカポディモンテ美術館展。9時30分開場のところ、はりきって9時20分から並んで入場しました。入場したとき、前に20人、後ろにも20人いなかったくらいの待ち行列だと思います。

 入場したら、コインロッカーに手荷物を預けて身軽になって見学です。

 T イタリアのルネサンス・バロック美術

 「パウルス3世の胸像」がお出迎えしています。
 この“イタリアのルネサンス・バロック美術”は2つのセクションに別れていて、絵画だけではなく彫像などもありました。

 ヴァザーリの「キリストの復活」はタイトルから想像するよりも遥かに軽いノリのキリストさまで驚きました。このヴァザーリさんて、ヴァザーリの回廊で有名なあのヴァザーリさんなのでしょうか。解説には、建築家とあったのでそうだと思うのですけれども、イメージがか〜な〜り違って違和感が…。

「貴婦人の肖像(アンテア)」
上野公園にて


1室目の最初の主催者からのご挨拶近辺こそ人が少しまとまっていましたが、あとは、ほどよくバラけて快適に見学できました。
 そして1室目にもう看板娘であるパルミジャーノの「貴婦人の肖像(アンテア)」が展示してあるのですから、太っ腹な展示です。


 「貴婦人の肖像(アンテア)」のモデルは特定されておらず、高級娼婦とも、花嫁とも言われているそうです。花嫁さんがこの目力ですか。花嫁さんだとしたら、この目力を持つ女性のダンナさんはどんな方なのか考えてしまいます。
 ポスターなどの画像ではよく分からなかったけれど、実物を見たら、貴婦人さんが身に纏っている毛皮のテンの顔がと〜っても可愛いのです。解説によると右側(絵の向かって左)を前に出すように身体を捻っているようなのですが、それにしても右手が長いような気が…。

 「貴婦人の肖像(アンテア)」は1室目の突き当たりの壁に1作品だけで展示されていました。その壁の色はワインレッド。他の壁の色は白ですので、壁の色の違いで重要作品を分かるようにしてあるのでしょうか。
 「貴婦人の肖像(アンテア)」が展示されている壁に向かって左側の壁にエル・グレコの「燃え木でロウソクを灯す少年」が、右側の壁にティツィアーノの「マグダラのマリア」が、共に白壁にワインレッドの縁取り付きで展示されていました。これは、この展示室では2押しの作品ということでしょうか。(笑)
 「燃え木でロウソクを灯す少年」はエル・グレコ独特の縦長の人物になっていないので、エル・グレコ的には異色な作品に感じられました。「マグダラのマリア」は金髪巻き毛クリクリでした。涙するその瞳に映るのは何?

「給仕の少年を助ける
バーリの聖ニコラウス」
のための下書き
国立西洋美術館チケット売り場にて


「アタランテとヒッポメネス」
上野公園にて
 足に自信があるアタランテは走って自分に勝ったら求婚を許すとしていたので、ヒッポメネスはヴィーナスに貰った3つ黄金のリンゴを競争の途中で投げてアタランテの気を逸らして勝ったのだとか。
 ←はヒッポメネスの投げた2つ目の黄金のリンゴを拾おうとするアトランテを描いているそうです。ヒッポメネス、ちょっと姑息?(笑)

 この「アタランテとヒッポメネス」と「聖母子とエジプトの聖マリア、アンティオキアの聖マルガリタ」が青い壁に展示されていました。
 この2作品は椅子に座って見学するとちょうどいい感じで見られました。前を行き交う方々もたまにいなくなって何にも遮られずに鑑賞できる一瞬もあったりしました。
 U 素描

 素描は、ほ〜っと息抜きがてら通りすぎてしまいました。すみません。

 V ナポリのバロック絵画

 「ヴィーナスとアドニス」のヴィーナスは私的には男顔にも見えました。美人とは…。
 ジェンティレスキの「ユディトとホロフェルネス」は濃紺の壁に展示されていましたので、この展示室の一押し作品のようです。こちらの作品は首に剣を当てているところです。「プレーティ」の「ユディト」は首を落とした後を描いています。



「ヴィーナスとマルス」

 パチェッコ・ローザの「ヴィーナスとマルス」と「眠るヴィーナスとサテュロス」が隣り同士で展示されていました。私のお気に入りは「眠るヴィーナスとサテュロス」です♪
 ヴィーナスがまとっている青い布をはがそうとするサテュロスの目が生き生きしていて、“いい目”をしていてエロエロな表情が実に人間味(?)溢れているようです。(笑) 今展覧会の作品の中で私の個人的イチオシです♪
 ジョルダーノの「眠るヴィーナス、キューピッドとサテュロス」は、上記の作品と同じ主題の作品。サテュロスの表情が違うだけで、受ける印象がかなり違いました。

 U 素描  V ナポリのバロック絵画 あたりから、本格的に人がバラけて、美術館内の設定温度の関係で肌寒いほどでした。鑑賞するのには、今回くらいの人出の方が快適なのですが、難しいところです。

 9時30分から10時55分まで、快適に鑑賞して満足感高し。

 国立西洋美術館内のレストランで少し早いランチタイムです。

スープとサラダ


パン


ビーフステーキ


カルピスのシャーベットと
アイスコーヒー
 ここ2年くらい、上野に来るとこちらのランチセットを食べています。内容的には、シャーベットと何種類かから選べるドリンクの他は基本的に同じはずなのに、今日のビーフステーキは和風ソースがたっぷりかかっていて、今までで一番美味しく感じました。不思議。
 11時5分頃には、レストランに入ったのに、11時からのランチセットを召し上がっていらっしゃる方々。あれ〜?

 久しぶりに、出入口前のロダンの作品にご挨拶をして、国立西洋美術館を後にしました。