古代ローマ帝国の遺産

2009年11月

上野公園にて

 国立西洋美術館で開催中の「古代ローマ帝国の遺産〜栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ〜」。

 第1章「帝国の誕生」は胸像・立像・座像などの彫刻。
 初代皇帝アウグストゥスはイケメンに作られています。「皇帝座像(アウグストゥス)」は、衣服のひだに触ってみたい出来栄え。両腕・左足・頭部を18世紀に修復したときにアウグストゥスとして修復したらしい。もしかしたら、元々は違う人だったかもしれないのに…いいのでしょうか? 
 第2章「アウグストゥスの帝国とその機構」は彫刻やフレスコ画など。
 「アレッツォのミネルウァ」は、今は空洞になった瞳で何を見ているのでしょうか。「アルテミス像」は、ねりガラスの瞳が生き生きとした表情を浮かべているように思えます。
 第3章「帝国の富」は金銀財宝とポンペイのフレスコ画関連。
 錘が豚のデザインなのが超ツボです。「バルテウス(馬の胸懸)」のデザインが馬を使った戦闘シーンなのがまたしてもツボ。この馬が細部まで精密に彫られています。少し壊れた部分があったのが残念。
 ポンペイ遺跡から発掘された家の壁面を飾っていたフレスコ画「庭園の風景(南壁)」「同(東壁)」が展示されているのですが、どうやってこのフレスコ画を家の壁から剥がしたのでしょうか?このフレスコ画がお気に入りの2番目。

上野公園にて

 そして今回のお気に入りNo.1は、「庭園の風景」のフレスコ画と同じ家にあった「モザイクの噴水」です。家の中に噴水を作ってたなんてすごいし、モザイクの色も綺麗だし、本物の貝が使ってあるのです!

国立西洋美術館
チケット売り場前にて

 大きな彫像関係や壁のフレスコ画、「モザイクの噴水」はもちろんのこと、小さな金貨、首飾り、指輪など、見学者が少なめで実にストレスなく見られました。人数で考えると「THE ハプスブルク」の10分の1くらいでしょうか。
 ですから、会場内の展示物を気ままにあちこち移動して、好きなように思う様見学できました。
 彫像関連は360度ぐるりと見られるものや、壁を背に3方から見られるものが多く、様々な角度から自由に見られたのもよかったです。

 ただ、これだけの入場者数だとチケット代のほとんどが輸送費なのでは…と変な心配をしてしまいました。

 個人的にはストレスなく楽しんで見学できたので、幸せな1時間40分でした。
 国立西洋美術館のレストランでまったりランチです。
 牛肉の焼加減は“ミディアム”でお願いしたのですけれど、出てきた焼加減は私的にはどうしても“レア”としか思えませんでした。次の機会は“ウェルダン”でお願いしようと強く心に決めたのでした。