オルセー美術館

2005年5月



 印象派の殿堂オルセー美術館。パリではルーヴル美術館に次いでポピュラーな美術館。ルーヴルが重厚豪華絢爛ならば、オルセーは軽快爽快といったところか。

 今回は、夜間便の帰国だったので、帰国日の日中にオルセーに訪れた。丁度、ルーヴルの休館日にあたっていたためか長蛇の列で、入館時に40分程並んで待った。
 オルセーの休館日にはルーヴルが、ルーヴルの休館日にはオルセーが混むので、日程のやり繰りがつくようなら、その点を考慮した方がよいかも。
 カルト・ミュゼ持参だともう少し早く入館できたけれど、この日の予定から、カルト・ミュゼを購入する気がなかったので致し方ない。

 11時30分頃に入館して、中階のレストランでの昼食時間を含めて14時30分まで見学。印象派の絵と言えども、2時間ちょい見学していると疲れてくる。

 オルセー美術館はフラッシュ撮影禁止で、カメラ撮影可。ビデオ撮影可。


オルセー美術館の中階のレストラン

 入場したら11時30分頃だったので、食事をしてからの見学に予定変更し、2階のレストランへ。2階のレストランは11時45分からの営業だったので、並んで待つことしばし。←のような豪華なレストランで2005年フランス最後の食事となった。

 ランチセットと飲み物をオーダー。ランチセットはメインの魚料理とデザートの2コースメニュー。デザートはケーキとアイスから選択可。
 ジャックマール・アンドレ美術館でケーキを食べたので、オルセーではアイスにした。
 オレンジジュースはフレッシュで、氷も浮かんでいて幸せだった。(*^^*)

 2005年フランス旅行で最も豪華でおいしいお食事はしめて17.5ユーロ。料理は美味しいし、レストランの内装は豪華で雰囲気はいいし、最高のお食事。
 アイスは3種類じゃなくて、1〜2種類でいいので、その分、カフェ・オ・レにしてくれたらよいのに…。(願望)

オレンジジュース


メイン 白身魚


デザート アイス3種盛合せ

 満腹に満足して、地階(日本でいう1階)から見学開始。

 地階・上階(日本でいう3階)が絵画、中階(日本でいう2階)が彫刻に展示が大分されている。

 上階から開始して下に降りてくる手もあるけれど、今回はまずは地階でミレーの『晩鐘』と『落穂拾い』とご対面するコースを選んだ。ミレーの作品は美術館入って向って左手からスタートすると間もなく会える。

 すっかり喜び勇んで、間近で観たり、遠くから全体像を鑑賞したり、楽しみはつきない。ルーヴルと比べて部屋自体は小さく区切られているので、離れるといっても高が知れてはいるが…。
 
 ルーヴルより狭いけれど、「ルーヴルよりは狭い」であって、普通に考えるとかなり広い美術館なので、長蛇の列して入場しても、何時の間にか、それなりの混雑具合としか感じないくらいの人が鑑賞中の部屋に出入りするくらい。


「庭の女たち」
マネ



「地獄の門」
ロダン


 地階のミレーの作品のある側(入場口向って左側)の見学後、中階へ向う。
 中階は私にとっての目的である『地獄の門』を見学して、あとはざっと観流して、上階へ急ぐ。

 これは趣味にもよるが、印象派絵画をオルセーでの主目的にするなら、中階よりも地階・上階に時間をかけざるを得ないということになる。

 中階から上階へは階段で昇ったけれど、かなり階段の量があるので、エレベーターで昇るほうが、絶対に無難だと思う。



 前回来たときに、上階にあるカフェで疲れを取るのに甘い物を取りたくて英語メニューで生クリームたっぷりみたいに書いてあった「カフェ・ヴィンナ」を頼んで、出てきたのは、日本でいうところの「ウィンナ・コーヒー」(ウィーンのウィンナ・コーヒーは日本のウィンナ・コーヒーとは少々違う)。思わず笑ってしまった。余りのよい香りに隣の席の外人さんに「それ何?」みたいなことを訊かれたので「カフェ・ヴィンナ」と答えて初めてそれがウィンナ・コーヒーだと気づいた。いや〜、注文するときは、指差しオーダーで発音しなかったので気がつかなかったのだ。
 上階のカフェでのお勧めでした。(笑)


「日傘の女」
モネ

 上階もそんなには大きくない部屋が多数あり、入場口付近でもらったパンフレットには、その部屋のメインの画家さんの名前があるので、趣味に合わせて見て回れる。

 大体、各部屋とも一回りざっと観て、特に気に入ったものに時間を割いて観る方法だった。そうでもしないと作品が多くて。(^^;)


「日傘の女」
モネ

 ルノワール、ドガ、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなどなど、上階は地階よりもさらに、カレンダーなどでお馴染みの絵がたくさんあり、嬉しくなってしまう。

 ドガの多くの『踊り子』が展示してある部屋はいずれも照明がかなり落としてあり、しかもガラスケースに入っているのは何故なのだろうか。
 このダブルパンチでかなり観づらくなっていたように思う。
 →の絵は通常の照明の展示室にあったもの。

「青い踊り子たち」
ドガ


「バレエの授業」
ドガ


「ピアノを弾く娘たち」
ルノワール


 上階鑑賞の後半になると…回り方にもよるけれど、大体いつもゴーギャンやシスレーの作品のある部屋が後半になるのは何故(?_?)…だいぶ集中力が散漫になってくるのを感じる。

 上階の見学後、地階の入り口からみて向って右側の展示室をめぐる。ここでの目的はアングルの『泉』。しかし、ない。いくら見つけてもガイドブックに記載されている部屋にない。つたない英語で館員の方に伺うと「修復中で来月戻ってくる」とのこと。残念。

 諦めたところで、オルセー美術館見学終了。出入り口のところにある売店で2006年度版のオルセー美術館のカレンダーを自分用&お土産用に購入。若干、重さはあるけれど、かさばらないし、旅行後もずっと使えるいいお土産なのだ。

 印象派の絵画に重点を置いての見学だけでも、2時間ちょっとかかった。彫刻等も含めてじっくり観たい向きは、それなりの時間をかける計画を立てる必要があるだろう。
 日本に帰国して数日。新聞にアングルの『泉』の絵が掲載されているのを発見。なんと、“ルーヴル美術館展”で日本に来ていたのだ。(^^;) オルセーの館員さん、それなら「日本に行ってるから帰国したら観に行け」と言ってくれたらいいのに。それとも、日本に行ってるのを知らずに探してるから、日本人と思われなかったのか?
 ルーヴル美術館展があるのも、他の展示会でルーヴル美術館の絵が日本に来ているのもチェックしていたけれど、オルセーの所蔵品がルーヴル美術館展に来ていたのは盲点だった。ルーヴル美術館展を観に行くタイミングを逃しているうちに、『泉』はパリに戻っていってしまった。(苦笑)



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「落穂拾い」
ミレー

「晩鐘」
ミレー

「草上の昼食」
マネ

「睡蓮の池 緑のハーモニー」
モネ

「睡蓮の池 バラ色のハーモニー」
モネ

「睡蓮」
モネ


「オーヴェル・シュル・オワーズの教会」
ゴッホ

「自画像」
ゴッホ


「ブランコ」
ルノワール


「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」
ルノワール


左 「都会のダンス」
右 「田舎のダンス」

ルノワール

「アルフォンシーヌ・フルネーズの肖像」
ルノワール