イスタンブール考古学博物館

2007年4月



イスタンブール考古学博物館

 欧米各国がトルコ国内の遺跡を発掘し、発掘品の多くをトルコ国外に持ち出していたため、その散逸を防ぐために1881年に開設された。
 開設以降の出土品が納められており、アレキサンダー大王の石棺をはじめとしたギリシア・ローマ時代のコレクションが世界的に評価が高いと言われている。

 収蔵品は紀元前15世紀から20世紀のものまで約10万点余り。

 見学所要時間はガイドブックによるとおよそ2時間となっているが、今回は考古学博物館に入場した(できた)時間と閉館時間の関係、及び、2階フロアが工事中で閉鎖されていたこともあり、45分間の超特急見学となった。
 まず入場してエントランスから向って右手へ向う。

 こちらはアルカイック時代(紀元前7〜5世紀)からヘレニズム時代(紀元前4〜1世紀)の彫刻が展示されている。
 デメテルはギリシャ神話で大地と豊穣の女神。デメテルの娘のペルセフォネーがヒロインの某コミックを斜め読みしたことがあるので、デメテルにはちょっと親近感あり。(笑) チャナッカレ出土。
イスタンブール考古学博物館
墓碑


イスタンブール考古学博物館
コロスの頭部


イスタンブール考古学博物館
デメテルの浮き彫り

 彫刻がたくさんあるのでどの作品がポイントなのか、イスタンブール考古学博物館を初めて訪ねるのでよく分からないので、某ガイドブックを参考にして、そこに写真が掲載されている作品を中心に鑑賞する。ガイドブックに解説が載ってるので、見易いのです。(笑)

 続いてローマ時代(1世紀〜2世紀)の彫刻。

イスタンブール考古学博物館
エフェベの像


イスタンブール考古学博物館
ニンフの像


イスタンブール考古学博物館
カリヤディド


イスタンブール考古学博物館
アフロディテの像

 彫刻の後ろの白い幕。そしてその白い幕に映る足場の影。思いっきり工事現場してます。やはりこういう状況だと芸術鑑賞の気分がどこかに吹き飛びがちになってしまいました。

イスタンブール考古学博物館
ティケの像

 ティケの像のフルーツには彩色の跡がありました。着衣のドレープが細かくて流れるようで中々気に入ってます。

 ゼウスの巨像も写真だと大きさが全く分かりませんけど、実は結構大きいです。(ガイドブックによると3mあるらしい)

 このあたりの展示室はまた工事をしていないので、少し落ち着いて見られました。

 閉館時間の1時間前に入館したためか、他に見学している方は本当にごくごく少なくて、その点ではゆったりと見学できていました。

イスタンブール考古学博物館
ゼウスの巨像

 彫刻のある展示室の最も奥にあるのが、アフロディシャスで出土したオリンポスの神々と巨人たちの戦いを描いたレリーフであるギントマー。

 奥まで進み、尚かつ、2階のフロアが工事中のため、見学してきた順路をそのまま入り口まで戻るのみ。このあたりの動線がよろしくないのは、元々なのか工事中のためかは不明。

 入り口まで戻って、入り口向って左側の石棺の展示室へ向う。

イスタンブール考古学博物館
ギガントマキー


イスタンブール考古学博物館
リキアの石棺

 紀元前5世紀末から4世紀のリキア(南西アジア)の石棺。

 この博物館を代表する展示物のひとつがアレキサンダー大王の石棺(紀元前4世紀)。
 1887年に現在のレバノンのシドンで発見された古代フェニキア王室の墓所から発掘された石棺のひとつで、アレキサンダーの石棺として真偽のほどは定かではないにも関わらず、この名が付いているのは、その側面の彫刻のため。
 側面のレリーフは、マケドニアとペルシアの戦闘シーン、ライオンと雄鹿狩りのシーン。それぞれにアレキサンダー大王の姿が彫刻されている。
 アレキサンダー大王の石棺に施されたイオニア式のレリーフは、その保存状態のよさと躍動感溢れる戦闘シーンの見事な彫刻で必見の作品。

 アレキサンダー大王の石棺が左側の最も奥の展示室。ここまで急ぎ足で見学してきて45分。ほっと一息つくやいなや係員さんが「closed」と見学者に声をかけながら回ってきた。

 ガイドブックにある閉館時間17時の15分前。すなわち16時45分に見学者にClosedの告知をしてまわるようだ。

イスタンブール考古学博物館
アレキサンダー大王の石棺


イスタンブール考古学博物館
アレキサンダー大王の石棺(部分)