荒船山

2012年10月

 10月、今度こその紅葉狩りに荒船山へ。
 内山峠の駐車場に到着すると、そこには長野県の標示がありました。荒船山は群馬県の山だとばかり思っていましたが、どうやら荒船山への登山口の1つである内山峠は長野県にあるようです。

 内山峠の駐車場から少し登山道を行くと、登山道の周囲には紅葉した木々が広がっていました。3回目にしてようやく紅葉狩り成功♪

 一気にテンションが高くなって、紅葉の写真を撮りまくりです。山歩きというより紅葉狩りメインかな?と思ってしまうほど(笑)。
 紅葉に囲まれた尾根道を浮かれまくって歩いていたら、→のような木段+鎖場が出現。まさかの鎖場に浮かれまくっていた気持ちに冷静さが戻りました。これは慎重に行かないと…。
 焦らず、じっくり登って、鎖付き木段をクリア。

 アップダウンを繰り返しながら登って行くと、紅葉した木々の隙間から荒船山の姿が垣間見られるようになりました。
 山の上にそそり立っているのが艫岩。この岩が海に漕ぎ出した船のように見えることが荒船山の名前の由来とか。
 目を上げると特異な山容の荒船山。

 足元に目を転じると、そこには、黄、オレンジ、朱、エンジの落ち葉がありました。秋の山を歩いているのですね。


 登山道から艫岩とは別の方向を見上げると、何重にも連なる上州の山々の姿がそこにありました。
 ←の写真では2重くらいしか見えないですけれど、実際には4重から5重くらいありました。

 少しずつ標高が上がるにつれて、紅葉というか黄葉が、ますます冴え渡ってきました。や、やはりテンションが上がります〜!
 ガイドブックによると、内山峠から鋏岩修験道行場跡までのコースタイムは55分。写真を撮りまくりながら歩いていた私たちの所要時間は65分。おっと、あれだけ写真を撮っていた割には、いい感じで歩いていました。意外。

 鋏岩修験道行場跡でおやつタイム。行動食をいただきつつ、リュックを下ろして休憩。ここには、建物の礎石だったものらしき石が残っていました。

 次なるチェックポイントは、先程、木の間から見えていた艫岩です。

鋏岩修験道行場跡


一杯水

 左上のような山並みを見つつ、緑と紅葉し始めた朱色が鮮やかな木を愛でつつ、艶やかに色付いた紅葉を堪能しながら歩きます。文句なしに楽しい☆

 そうこうするうちに、鋏岩修験道行場跡と艫岩の間で、やや艫岩よりにある水場の一杯水に到着。

 そして、ここからが踏ん張りどころでした。
 まず登場したのが木製のハシゴ。かなりドキドキ。そして、写真下中央の鮮やかな紅葉を見たあとに、初体験の横の鎖場出現!
 横の鎖場を初めて経験しました。かなり濡れていて、油断すると滑りそうで、とても緊張して歩きました。
 縦の鎖場、木製のハシゴ、横の鎖場と、難所が三つ巴になって襲いかかってきた登山道でした。山歩きを始めて1年経ったばかりの初心者にとっては、緊張感溢れるスリリングな道が、ステキな紅葉を挟んで、飴とムチのようにありました。

 鎖場を抜けると、こ〜んな→穏やかな尾根道もあったりして…。
 大きな岩で展望が広がる場所が出て来ると、艫岩まであと僅か。
 お隣の山へ続く錦の紅葉。

 そして、岩から十分注意して、下を覗きこむと→の紅葉が麓に広がっていました。

艫岩展望台

 艫岩展望台に到着。

 この岩の向こうは切り立った断崖絶壁でして…断崖まで1mは残したところで、濡れていない場所を選んで休憩タイム。

 おやつを食べつつ、見渡す限りの大パノラマを楽しみます。

 先客は、ご夫婦1組と、男性の2人連れ1組。休憩しているとご夫婦が1組、男性の2人連れが1組やってきました。
 この艫岩展望台には避難小屋にトイレが設置されていて、と〜ってもありがたかったです。

 あとからやってきた男性2人連れさんと少しお話ししたら、この方々は先週は黒斑山に行かれたそうで、「荒船山より黒斑山の紅葉の方が見事だった」そうです。でも、まだ私たちには黒斑山はハードルが高いような気がしています。

艫岩展望台より


艫岩展望台より

 また、このお2人も私たちと同じく内山峠から登って来たそうで、艫岩まで「50分かかった」とおっしゃったので、「私たちは100分以上かかりました。」と言ったら、絶句されてしまいました。すみませ〜ん。亀な上に紅葉狩りをしながら歩いていたので…。

 おやつを食べ終わり、先発した私たちが経塚山(荒船山の最高地点)へ向かう途中で、早々にこのお2人に抜かれたのは言うまでもありません。

艫岩展望台にて

 しばらくは山頂を目指しているとは到底思えない平らな道が続きます。
 見事な紅葉に、この日何度目かの「いい時に来たね〜」と声も弾みます。

 この平らな道を抜けると経塚山へ一気の急坂が待ち受けていました。

経塚山 山頂

 あまりの急坂の連続に、その急坂ぶりを写真に撮る余裕さえありませんでした。もう、ミッションを無事に慎重にこなすのに必死。今、思い返しても、かなり濡れていて滑り易い大きな岩が連続していて大変だったとしか思い出せません。

 そんなこんなで、大変なところの写真はなく、いきなりの経塚山の山頂に到着です。山頂はあまり広くなく展望もいいとは言えない場所でした。
 経塚山にも三角点がありました。三角点ゲット☆確か、二等か三等だったはず…。

 山頂までの登りの急坂に苦戦したので、下りはもっと悪戦苦闘するはずなので、人が切れたところを見計らって早々に下山開始。経塚山山頂には約5分しかいませんでした。

 経塚山山頂直下の難所で下りる人にも追いつかれず、登る人にも行き会わず、何とか平坦なところまで下りられました。


 ここで、何十人さんかの団体さんご一行さんに遭遇。経塚山山頂直下の難所でで会わなくてよかったぁ〜。ほっ。
 ほっとしたのも束の間、また大きなグループとすれ違いました。早めに行塚山から下りて正解。紅葉の荒船山、人気の山のようです。

 ここからはさくさく歩いて、先程、休憩した艫岩展望台で昼食タイムにしました。おにぎり食べるなら、景色がいいところがいいですから〜。
 おにぎりを食べていると、行塚山方向からやってくる方々、内山峠方向からやってくる方々がひっきりなしに、いらっしゃいます。

 下山路は内山峠に戻るので、来たときと同じ道を引き返します。

 恐怖の横の鎖場と木製のハシゴも何とか足元を確認しながら、慎重に慎重を重ねて無事に下りました。

 尾根道では、進行方向が逆になり、目の前に広がる景色が逆なのは勿論、午前と午後で陽射しの向きも、陽射しの強さも違いますので、何もかもが新鮮でした。
鋏岩修験道行場跡

 そして、午前中と同じく鋏岩修験道行場跡でおやつタイム。
 鋏岩修験道行場跡を出発したら、後は内山峠を目指すのみ。

 荒船山(艫岩)が綺麗に見えるスポットを振り返り振り返りしながら、進みました。

 内山峠の駐車場に到着したら、大型観光バスが駐車していました。
すれ違った団体さんのどちらかが乗って来たバスなのでしょうか?それとも、違うグループのお迎えバス?
 内山峠にはお店はないので、山麓の道の駅でミルクソフトクリームをいただきました。

 紅葉狩りが出来て幸せな山歩きでした。

 横の鎖場も経験できたので、少し経験値もアップしたと思っていいのでしょうか。


《参考 荒船山コースタイム》
 内山峠…55分…鋏岩修験道行場跡…45分…艫岩展望台…40分…経塚山…35分…艫岩展望台…30分…鋏岩修験道行場跡…35分…内山峠

《自分の荒船山の記録》
 内山峠…65分…鋏岩修験道行場跡…45分…艫岩展望台…40分…経塚山…38分…艫岩展望台…52分…鋏岩修験道行場跡…50分…内山峠

 ※参考コースタイムの1.5倍を目安に計画しました。

 ※持参品
  お弁当(おにぎり)
  水筒(湯) 500ml
  緑茶飲料500mlペットボトル 1本
  スポーツ飲料500mlペットボトル 1本
  クリームパン
  塩キャラメル
  のど飴
  バナナ

 紅葉のタイミングとしては、やや終盤でしたが、しっかり紅葉狩りできて嬉しかったです。縦の鎖場、木製ハシゴ、横の鎖場、経塚山直下の濡れた岩の連続には緊張しました。