北高尾山稜
(堂所山・関場峠・狐塚峠)

2012年3月

 南高尾山稜を歩き切れたので、それよりもアップダウンが厳しいとガイドブックに書かれている北高尾山稜に挑戦です。ただ、計画を練っているときに、全行程を1回の山行で歩き切るには、まだまだ体力、持久力、その他もろもろが不足していると判断して、堂所山から八王子城跡までの行程の3分の1以上2分の1未満を歩く計画にしました。

小仏バス停からの登山口

 2011年11月に小仏バス停から城山に上ったときに、途中に景信山への登山口があるのを見ていたので、景信山への登山口は間違えずに進めるからと、景信山から堂所山へ歩き、そこから北高尾山稜へ入るコースにしました。あと、景信山の山頂にトイレがあるのもコース選択の上で重要なポイントでした。山でトイレは重要です。

 高尾駅発小仏行きのバスは増発分を含めて2台で出発。小仏バス停でストレッチをしてスタート。
 小仏バス停から景信山登山口までの道も1度通っていて何となくではあるけれど覚えているので、歩いていても安心感があります。

 小仏から景信山へのコースは人気のコースですので、前後に同じバスで着いた、グループ、2人連れ、単独行の方々がそれぞれ何組も歩いていらっしゃいます。
 それでなのか何なのか、自分のペースで歩いてなかったような気が…。



景信山山頂

 景信山山頂付近になると、土がドロドロのぐちゃぐちゃでとても歩きづらかったです。土質に加えて、歩く人が多いからなのかなぁ。

 景信山山頂でトイレをお借りしてからベンチで休憩。
 景信山は展望スポットだそうなので、腰を据えて20分以上休んで、眼前に広がる山々を見ながらゆっくり紅茶まで飲んでしまいました(笑)。
  休みすぎ、ですよね。
 景信山からは、天候さえよければ富士山も見えるはずなのですが…。この日は富士山方向には雲が広がっていて、↓富士山山頂は見られませんでした 。残念!
景信山

 景信山からは、これから歩く北高尾の山々、奥多摩の山々なのかな、こちら側の山は近いこともあって、綺麗に見えていました。
 山の色としては、まだまだ“冬”の衣を纏っているようです。

 高尾山を上って景信山で昼食というコースもいいかも…。

景信山より


景信山より


景信山より


景信山より

 景信山から堂所山への道は、景信山に上る道からすると人影もまばらになりましたが、陣馬山へ向かう方々も歩いていて、それなりに人とすれ違いました。
 そして、堂所山への道のかなりの部分が、→のようなどろどろ状態で、申し訳ないですけれど、限りなく道の端を歩きました。スパッツを持って行っていたので、着ければドロはねよけになったかも…。歩いているときはスパッツの存在を綺麗さっぱり忘れていました(苦笑)。

景信山から堂所山への道

 堂所山が近づいて、ようやく少しずつ山道の土も乾き、普通の山歩きの道になってきました。
 足元のドロを気にせずに道を歩けるって、と〜ってもありがたいことなんですね〜。
 ようやく良くなってきた道をそんなことを考えながら歩いているうちに堂所山山頂に到着。
 堂所山山頂表示を写真撮影していると、20数人の団体さんがご到着。あっという間にベンチがうまり、山頂にシートが広がっていきました。
 あれ〜。ここでお弁当タイムにしようと思っていたけど、これは、落ち着いてお弁当する雰囲気ではないような…。でも、堂所山山頂は展望が良いですし、これから北高尾山稜に入ると展望がある場所があるかどうか…。う〜ん…と考えて、少しその辺りを散策して時間をずらして、団体さんが出発してから、堂所山山頂でお弁当することにして、一旦、山頂を離れました。

 20数分後、再び堂所山山頂に戻ると、そこには誰もいませんでした。

堂所山


堂所山より

 やったね♪

 お弁当を広げ、オニギリを頬張って…お弁当を半分くらい食べた頃に、20数人の先ほどとは別の団体さん登場。
 …お弁当タイムの堂所山で団体さんをやり過ごそうとするのは、無謀な考えだったようです。
 黙々とオニギリを食べていると、北高尾山稜方向から単独山行のおにいさんが颯爽と現れて、休憩しながら団体さんのガイドさんと話し始めました。
 すぐ近くで話しているので、よく聞こえてくる声が、おにぎりを食べながら何となく耳に入ってきているところによると、おにいさんはコマギノというところがら上ってきたそうで、それでこの時間にここにいるのは、ガイドさんによると「スゴイねえ」らしいです。“コマギノ”という言葉が私の脳裏に刻みこまれました。
 このおにいさんに、これからの北高尾山稜の道をお尋ねしたら、どうみても初心者がお弁当食べてから北高尾山稜に入ろうなどと言い出すのを聞いて、言葉には出さないけれど、「これから北高尾山稜行くのは無理!」のオーラがおにいさんの全身から立ち上るのが判りました(苦笑)。

堂所山から関場峠への道


堂所山から関場峠への道

 そこですかさず「途中の狐塚峠から小下沢に下ります。」と言ったら、ホッとしたのがモロ判り。このおにいさん、すっごい正直者(笑)。そして、これから先の狐塚峠までの北高尾山稜の道の様子を、とても丁寧に教えて下さいました。おにいさんに聞いた道の様子を思い出しながら歩いたので、心強かったです。おにいさん、どうもありがとうございました。

 北高尾山稜の行程を1日で歩き切るのは、自分で無理だと判断したことながら、ベテランさんが客観的に見ても相当無理だったようです。
 堂所山から北高尾山稜へのコースに入り、関場峠へ向かいます。堂所山を出発してからしばらくは、明るい尾根道が続きました。

 北高尾山稜のコースに入ると、この山域を行き交う人の数が、それまでとは比べようがないほど減りました。

堂所山から関場峠への道


堂所山から関場峠への道


関場峠

 5〜10分に1組とすれ違ったり、追い越されたりなので、自分のペースで尾根歩き、アップダウンを心行くまで楽しめました。

 堂所山から30分ほどで関場峠に到着。
 関場峠は木立の中。堂所山で時間をた〜っぷり取ってしまったのと、堂所山から30分しか歩いていないので、ここでは休憩せずに先に進みます。

 関場峠からしばらく歩くとこ〜んな→明るくて私好みの上りが出現。楽しいな♪


 関場峠から狐塚峠への道は、ガイドブックに書いてあるとおり、かなりのアップダウンがいっぱいあります。

 楽しいけど、堂所山を出発してそろそろ1時間。どこかで休憩したいなぁ〜。
 と、思っていたら、その思いが天に通じたのか、ベンチがあるではありませんか!

 指導標には手書きで大嵐山。私が参考にしているガイドブックに大嵐山の記述はなかったような…。でもでも、ナイスタイミングでのベンチの出現に、「ここで休憩!」に即決。行動食をいただきました。

 堂所山から狐塚峠の間で、ベンチがあったのは、私の当てにならない記憶では、ここだけだったように思います。

大嵐山








クロドッケ

 おやつを食べてエネルギー充填、元気復活☆

 ←尾根道を歩いたり、→木々の間から見える高尾山方向の山を眺めたりしながら、意気揚々とアップダウンを乗り越えると、クロドッケに到着。“クロドッケ”も指導標に手書きで書いてありました。

 このクロドッケ、ピークにありまして…。
 写真では→、ただ、木々と地面を写しているだけにしか思えないでしょうが、これが登山道です。これを下ります。ガーデン手袋を装着して、木や岩で体の重心の安定を確保して慎重に下ります。こういう所は、上りよりも下りの方が怖いのです。
 慎重に慎重に下ってクリア。ここでホッとしたら危ないので気を引き締めないと。

杉ノ丸

 クロドッケからアップダウンを歩くこと約10分で杉ノ丸に到着。杉ノ丸も指導標に手書きで書いてありました。現在地を確認できるのは重要なので、手書きで書いてあるのがありがたかったです。
 杉ノ丸もピークなので、上って到着したら下ります。
 アップダウンがキツイと書かれていた面目躍如な急登・急降下が怒涛のようにこれでもかと押し寄せてきます。北高尾山稜、標高は堂所山が731m、関場峠が613m、杉の丸が612mと決して高くはないけれど、このアップダウンの連続は、いい鍛錬の場になります。
 杉ノ丸で後方から来た単独行の女性に思いっきり追い越されました。その下りっぷりはまるで飛ぶように軽やかに走っていて、瞬く間に姿が見えなくなりました。ただただ感心して見送るばかり。

 杉ノ丸から20分少々で狐塚峠に到着。大嵐山で休憩してから約1時間が経過していたので、ここから小下沢に下る前に、道の端に寄って栄養補給のために行動食をいただきました。

狐塚峠


狐塚峠

 この下りはですね〜、膝は大笑いするし、ふくらはぎがパンパンに張っているしで、自分でも笑ってしまうほどに情けない足の状態になっていました。自分の筋力、持久力、体力etcのなさを痛感。まだまだ、いろいろな山を歩いて経験値を上げていかないとですね。
小下沢の登山口

 などと、グルグルと考えながら杉の間伐が行われていると思えるような山道を下りました。

 小下沢まで下りると、あとは林道を歩いて小下沢梅園まで行き、そこからは舗装道を歩いて大下バス停に向かいます。

 いきなり穏やかな道になるとにわかにバスの時間が気になったりしてしまいました。

小下沢梅園


小下沢梅園


小下沢梅園

 小下沢梅園は、まだ咲いている梅の木のほうが少ないくらい。今年は梅が遅かったようです。

 小仏バス停を出発してから約6時間後に大下バス停に到着。10分ほどでバスが来て乗れたのはラッキーでした。たとえそのバスが通勤電車並みの乗車率だったとしても…。

《参考 北高尾山稜コースタイム》
 小仏バス停(標高295m)…60分…景信山(727m)…50分…堂所山(731m)…35分…関場峠…80分…狐塚峠…15分…小下沢…30分…大下バス停

《自分の北高尾山稜の記録》
 小仏バス停(標高295m)…60分…景信山(727m)…55分…堂所山(731m)…30分…関場峠…90分…狐塚峠…20分…小下沢…32分…大下バス停

 ※参考コースタイムの1.5倍を目安に計画しました。登りは適宜、2、3分の休憩を何回かしました。

 ※持参品
  お弁当(おにぎり)
  水筒(湯) 500ml
  緑茶飲料500mlペットボトル 1本
  ビタミン飲料500mlペットボトル 1本
  クリームパン
  塩キャラメル
  のど飴
  バナナ

 天候に恵まれ、富士山は見られないながら、楽しい山歩きができました。北高尾山稜のアップダウンは、いろいろ読んだとおりの厳しさがありました。南高尾山稜よりも北高尾山稜のほうがアップダウンが大きく、数も多かったように思えます。
 筋力、持久力、体力の不足を痛感しました。