南高尾山稜

2012年3月

 東京近郊の標高のあまり高くない山は、そろそろ雪がなくなってきたらしい3月。ネットでいろいろ確認して南高尾山稜が雪がないようなので、南高尾山稜に行くことにしました。

大垂水峠

 この南高尾山稜の山歩きは、アップダウンのたくさんある尾根歩きが出来るようで、尾根道大好きな私は、それもこのコースを選んだ目的の1つでもありました。

 南高尾山稜の山歩きはガイドブックどおりに大垂水バス停からスタート。

 バス停から大垂水橋を渡ったところが南高尾山稜の登山口。
 3月とはいえ、まだまだ冬山の様相を呈する山道を途中の西山峠までは“梅の木平”の指導標に従って歩きました。(西山峠で“梅の木平”の指導標に従うと梅の木平に下山してしまい、草戸山方向に行かないので要注意)

 大垂水バス停から南高尾山稜最高峰である大洞山(標高536m)までの上りは結構きつかったです。これさえ上りきれば尾根歩きと、自分に言い聞かせながら上りました。



大洞山山頂

 登山口から約30分で大洞山山頂に到着。

 山頂には、山頂表示以外に、ベンチ、テーブルなどがあり、一息つけるようになっています。木々に覆われて展望はないのですが、テーブルがあったので、ここで水分補給し、行動食を軽くつまんで先に進みます。

 ここからがお楽しみの尾根歩き♪
 笹の生えた尾根道を歩いたり↓、木の階段を上ったり→、バラエティに富んだ山歩き。
 今年になってから始めてのウグイスの声を聞きました。山はまだ冬の装いですけれど、春は確実に来ているのですね。

 上って行く先の木々の間から、その先にある山々が見えるなぁ〜と、思ってよく見ると富士山が木々の隙間から見えるではないですか!

金比羅山
 え!と思い、もっと富士山がよく見える場所はないかと右斜め後方を振り向くと、そこに←のテーブルとベンチがありました。
 よくよく見ると手書きのコンピラ山の表示とお手製のリュック掛けがありました。前だけ見ていたら、絶対、ここ気づかずに素通りしてましたよぉ!

金比羅山

 何気なく振り返った偶然で出逢えた金比羅山と力作のリュック掛け&テーブルとベンチ。南高尾山稜には、こうしたテーブルやベンチが多いのは、地元の皆さんのボランティア作品なのでしょうか。

 ここから先は、前を見つつ、進行方向右側の山々にも注意を払って歩くようになりました。

富士山

 ←が、金毘羅山から中沢山間で最も綺麗に見られた(写真に撮れた)富士山です。

 基本、この辺りを歩いているときに見えた富士山は、恥ずかしがり屋さんで、木の間から顔をのぞかせているくらいでした。それでも、すれ違う人と挨拶して、「今日は、富士山が綺麗に見えますね〜。」などと、お互いに喜びを分かち合ったりしました。

 富士山が少しでも見られれば、それだけで満足度急上昇するのが不思議。


 ←の石と木の根の間を上ったり、→のような尾根道(?)を急降下したり、ウワサに違わず、南高尾山稜はアップダウンがたくさんあります。

 でも、それだけではありません。




 ←こ〜んなロープ場があったり、→こ〜んな穏やかな木段があったりと、バラエティに富んだ道を展開してくれています。

 上ったり、下ったりしながら、ひとつづつクリアしていくのが超楽しい♪


 そうこうしていると中沢峠に到着。

 中沢峠にも、テーブルとベンチがセッティングされ、休憩が取れるようになっています。

 休憩したいところですが、その前に中沢山山頂に行きましょう。

中沢峠


中沢峠

 中沢山山頂には、山を行き交う私たちを見守っているかのように、観音さまが静かに佇んでいらっしゃいました。

 中沢山山頂で、観音さまにご挨拶申し上げてから、中沢峠に戻り、テーブルとベンチをありがたく使わせていただいておやつタイム。まったりする時間…。

 ただ、この後、すぐにまた休憩することになったので、ここでの休憩とおやつタイムはいらなかったかも…です。

中沢山



 次のチェックポイントの西山峠へは、こんな←可愛らしい指導標に導かれて進みます。
 この指導標に限らず、歩いていてより具体的でありがたい情報は、設置された指導標ではなく、手書きの指導標に書かれていることが多かった山域でした。

 中沢峠から歩くこと10数分。
 見晴台に到着。

 一方の斜面の木が払われて眺望抜群の場所に、ご親切にベンチが置かれています。私がここに着いたときは、ご覧のとおり、どなたもいらっしゃらなかったのですが、私がここで写真を撮影していると、後方からお一方、前方からお二方が通りかかり、それぞれベンチに腰掛けて、眺望を楽しみました。

 その眺望とは、↓。

見晴台


見晴台より


見晴台より

 南高尾山稜でも1、2を争う眺望を誇るその名も“見晴台”。
 富士山の眺望を楽しむために設けられているようです。
 天気が良くて富士山が見えるようでしたら、絶景の休憩or昼食スポットでしょう。なので、中沢峠でおやつを食べてしまったことを少々悔やみながら飴をなめつつ、この景色に見入ったいました。
 単独山行の方は、ここでしっかり行動食を食していらっしゃいました。うらやましい〜。
 富士山をすっかり堪能して、再び西沢峠に向けて歩き出します。

 木の葉が少し緑のようで明るい道を通ったり、木々の枝の間から見える丹沢方向の山々を見ながら、見晴台から20分ほどで西山峠に到着。

西山峠

 西山峠は、休憩したばかりですし、“THE峠道”で休憩する場所もないので指導標だけ写真撮影してスルー。次なるチェックポイントの泰光寺山を目指します。

 木洩れ日ハイク、楽しいな♪

 明るい尾根道を歩いていると、本日、何回目かのピークへの直登の道とまき道の分岐に出くわしました。
  本当に、このコース設定をした方はよほど律儀だったのか私が覚えている限りは、直登とまき道が用意されていました。
 どちらの道がまき道かは、しっかり書いてあるので迷うことはありませんでした。
 そして、私の記憶では、大垂水峠から草戸山に向かって歩いていて、左がピークへの直登の道、右がまき道でした。

 私は、「まかない道を行く!」(ピークへ行くの意)と、ことごとく全ての分岐で直登したのでした。

直登とまき道の分岐


泰光寺山

 西山峠から10分かからずに泰光寺山に到着。
 泰光寺山の山頂表示も手書きで、テーブルとベンチが置かれた、明るくて広い山頂広場になっています。

 ドリンクだけ飲んで、先に進みます。

泰光寺山


三沢峠

 泰光寺山から約20分で三沢峠に到着。

 中沢峠から三沢峠の間は、少し歩くと見晴台があったり、チェックポイントがあったりで、次々と何か目新しいことがあって、あまり疲れを感じずに歩けました。

 三沢峠でこの日3回目のおやつタイム。少し、おやつタイムが多過ぎるかもしれません。自己反省。

 もうそろそろ昼食タイム。昼食場所に考えている草戸山に急ぎましょう。
 途中、現在地が“榎窪山”と表示された指導標がありました。→
 榎窪山…?ガイドブックには記載のない山名です。
 次の指導標にも、今、歩いてきた道を指して、“榎窪山”の表示がありますから、ガイドブックに記載のない榎窪山の山頂も踏破してきたようです。私が通った道で、榎窪山の表示のある指導標は、おそらくこの2つだけだったはず…。
 三沢峠で他の道から草戸山を目指して歩いて来た方々も合流して、一気に道を歩く人の数が増えました。

 三沢峠から草戸山への道は、ものすごい急登あり、傾斜のキツイ階段ありでした。もし道を間違っていたらここを戻らなくてはならないなどと、ヘンな心配をしてしまい、思わず階段途中で地図を確認してしまいました。
 幸い、道は間違えておらず無事に草戸山山頂に到着。

草戸山

 草戸山山頂は展望台、テーブル、ベンチなどがたくさんあり、明るく気持ちの良い広場で、何人かの方々が思い思いにお弁当を広げていました。

草戸山

 良さそうな場所で昼食を摂っていた方がちょうど出発されたので、そこでお弁当タイムにすることにしました。ラッキー♪

 用意してきたオニギリの美味しいことといったらありません♪至福のひととき☆

 お昼どきなので、続々と草戸山山頂に人が来て、三々五々、お弁当を広げます。
 草戸山からの下山も1時間以上あるので、あまりゆっくりしていられないのが残念。
 お弁当を食べ終えたら、コーヒータイムもそこそこに、展望台からの展望を楽しんだ後、早々に下山にかかります。

 下山にかかると間もなく、↓こんな急降下が…。
 お弁当を食べて満腹の身には堪えます。。。腹八分目か…。

草戸山山頂展望台より



 アップダウンを乗り越えて、草戸山から約15分で草戸峠に着きました。

 草戸峠。私は草戸峠からは駅に向かって多少のアップダウンはあっても、基本はダラダラと下って行くのだと思っていました。

草戸峠

 それが、相変わらずアップダウンの繰り返しで、標高が下り基調になっているとは到底思えません。

 草戸峠までのアップダウンは覚悟の上でしたが、草戸峠からの下山路でのアップダウンは精神的にキツかったです…。まだまだ甘いです。地図の読み込みも不足しています。
 とにかく指導標を見落とさないように、それだけを心掛けて進みます。
 ようやく四辻。ここでJR高尾駅への道と分けて、京王高尾山口駅への道を進みます。

 この道が、急降下。急降下。急降下。一気に駅に向かって下って行きます。

 足元に気をつけて最後のがんばり。

 何とか無事に京王高尾山口駅に下山できました。

四辻


《参考 南高尾山稜コースタイム》
 大垂水バス停(標高386m)…35分…大洞山(536m)…45分…中沢山(494m)…50分…西山峠…10分…泰光寺山(475m)…20分…三沢峠…35分…草戸山(394m)…15分…草戸峠…55分…京王高尾山口駅

《自分の南高尾山稜の記録》
 大垂水バス停(標高386m)…27分…大洞山(536m/休憩)…41分…中沢山(494m/休憩)…37分…西山峠…8分…泰光寺山(475m)…19分…三沢峠(休憩)…27分…草戸山(394m/昼食)…15分…草戸峠…60分…京王高尾山口駅

 ※参考コースタイムの1.5倍を目安に計画しました。登りは適宜、2、3分の休憩を何回かしました。

 ※持参品
  お弁当(おにぎり)
  水筒(湯) 500ml
  緑茶飲料500mlペットボトル 1本
  紅茶飲料500mlペットボトル 1本
  あんパン
  塩キャラメル
  のど飴
  バナナ

 地図を見て行程をイメージする力不足を痛感しました。四辻からの下りがキツかったです。
 アップダウンのある道のいい練習になりました。晴天に恵まれて富士山が見られてよかったです。